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韓国ドラマ「青い海の伝説」第4話①
Korean Drama "Legend of the Blue Sea" Episode 4 ①
第3話⑭
女(人魚)は海から助けあげて気を失っているジュンジェを見つめた。
「ごめんなさい、ジュンジェ。これはあなたにあげる。ほしがってたでしょ? だけどあなたは私を忘れる。思い出せない。でも、約束は守る。あなたに会いに行くわ。嵐が来ても、一人で寂しくても、初めて通る海が怖くても、耐え抜いて――必ずあなたに会いに行く」
ジュンジェはもうすぐ目を覚ます。そろそろここから去らねばならない。
「愛してるわ。必ず会いに行くから」
★★★
県令を務めるキム・タムリョンのもとに配下からある報告がもたらされた。
「昨夜、海沿いの村で妙な出来事がありました。干してあった服や靴が消え…代わりに上等の真珠が残されていたそうです」
話を聞いてタムリョンは気持ちを動かされた。ひょっとして…。
その話は領主ソン・ドンヨルの許にも伝わった。
「真珠だと?」
「何ですって!」
愛人のホンランも信じられない顔になる。
「服や靴の代わりに真珠を置いていく盗人はにんがいるの?」
そう言って無念そうにする
「だったらうちに来ればいいのに…」
「ホンラン、何言ってる。真珠ならたくさん持ってるだろうが」
ホンランはドンヨルに恨めしい目を向ける。
「欲深い女はお嫌いなの? 私は旦那様を独占できない悲しみを物で慰めたいだけです」
「そういじけるな。お前には今よりもっとたくさんの宝を与えてやる。楽しみに待っていなさい。はっははは」
ホンランはため息をつく。
「それはいつになるやら…」
「聞きなさい。私があの人魚にこだわる理由がわかるか? 捕まえたら死ぬまでムチで打ち続け――涙で出来た真珠をお前に与えるためだ。分かるな、あっははは」
合わせ笑いしてホンランは訊ねる。
「人魚を捕まえる方法はあるの?」
「放っておけば、自分で戻ってくるだろう」
ドンヨルは目をかけている村の占い師を見あげた。
「そう言っていたな?」
占い師は頷く。
「古来より、陸に上がった人魚は、人間の物を持ち去る時、ある物を残していきます。それこそが自らが涙で作った真珠なのです」
この話に興味を示しホンランは訊ねた。
「すると、村に現れた盗人は人魚だったの? 人魚はこの村に来ているのか?」
ここにじっとしてられないとばかり顔に喜悦を漲らせた。
占い師の話の通り、セファ(人魚)は真珠と交換した衣装で良家の娘になりすまし、タムリョンが政(まつりごと)を預かる領内の散策を楽しんでいた。
村の通りを歩いてきたセファは足を止める。
近くの人たちが集まり、竹ざおをあやつって柿を落としていた。セファの足元に一つ落ちてきた。それを手で拾い上げる。
柿を握って見つめているとタムリョンと過ごした子供の頃の日々が蘇ってくる。
タムリョンは柿をたくさん抱えて現れ、一つを自分に握らせてきた。
――一生に一度しか恋を出来ない人魚は、その恋に命を賭けるのです。
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ドンヨルは呟いた。
「人魚の恋は一生に一度か…なら、私にとってもまたとない好機だ。では、こうしよう」
ドンヨルは占い師を見た。
「お前は県令より先に人魚をつかまえろ」
続いてホンランに言った。
「お前は人魚にまつわるよからぬ噂を流せ」
ホンランは首を傾げる。
「よからぬ噂って、たとえば?」
「こう言えばよい。…先日の台風で漁師が船を失い、村が甚大な被害を蒙ったのはすべて人魚せいだ、とな」
ホンランは納得顔をする。ドンヨルに顔を近づけていう。
「あの台風の直後に人魚が捕まったから、誰もが飛びついて来そうですね。もっともらしいから、噂が噂を呼んで広まっていきそうですわ」
「お前ってやつは」
ドンヨルは笑い声を立てた。
「賢い女だよ…あっははは」
ドンヨルは自分の戦略に自信を持った。
「人に災いをもたらす人魚が…人に化けて村にもぐりこんだと思わせるのだ…早く見つけ出さねば、より強い台風で多くの死人が出ると…」
ホンランも同調した。
「5日後にはイカ釣り漁が始まるので村人は天候を心配しております」
ホンランは拳を握った。
「今がまさに好機かと…」
「そうだな、わっははは」
ドンヨルはわが意を得たりの顔になった。
「恐怖ほど正常な思考を妨げるものはない。あの県令だって、怯えた村人を無視することはできまい」
ホンランも満足そうに言った。
「上手く行けば、県令と人魚を一緒に始末できますね」
「愚かな恋のおかげで、我々にツキが回ってきたようだ。あっはははは」
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