自閉症の31歳青年が生きる姿を描く。03年1月の「僕の生きる道」、04年1月の「僕と彼女の生きる道」に続く「僕シリーズ」3部作の最終章。
草ナギ演じる主人公である大竹輝明は先天的に障害を持った自閉症青年である。
彼が世の中とどう向き合っていくか、は幼馴染で唯一心を通わせている都古(香里奈)に託されていると言っていい。彼はまっすぐ都古を見つめてきた。少年から青年になってもその姿勢は変わらない。
主人公が都古にはがきを送り続ける設定がいい。主人公の世界ははがきの文面の中にある。そこには二つの意味がある。素直にこの世界を映し出す意味と彼女に向けた何十年変わらない愛情の意味である。都古は主人公のもう一つの意味にいつ気付くのであろう。