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2012年GPファイナルから(女子)

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世界選手権やソチオリンピックを見据えて

 フィギュアスケート・GPファイナル最終日(8日、ロシア・ソチ)女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位の浅田真央(22)=中京大=は合計196・80点で4年ぶり3度目の優勝を果たした。

 優勝を決めた浅田は「とりあえず無事に滑ることができたので、それだけですごくよかったと思います。今季はショートが良くて、フリーが良くないというパターンだったので。自分でもどうにかそれを変えられるように、という思いでした。6分間(練習)では自分の状態があまり良くなかったので、少し大丈夫かなという思いはあったんですけど、6分間が終わってから気持ちを強く持って、やるしかないという思いでやりました」と真央スマイルが弾けた。

 前回優勝から4年ぶりの栄冠となったが「長かったかなと思います。とりあえずホッとしたという思いが強いですけど、まだまだ気を抜かずに頑張りたいと思います」と安堵の表情を浮かべた。
(フィギュアスケートニュースより)

 浅田真央が今季最高の出来を見せて優勝した。
 課題はいくつか残っていそうだが、3Aの修練にこだわった頃にくらべれば前が明るく開けているのではないか。演技を行っている時はそれが楽しそうに感じられるし、終わった後の表情もすっきり感がある。どこがよかったか悪かったかを即座に客観視できる冷静さが備わってきているからだろう。3Aを飛んでいる時はこのジャンプにぎりぎりの体力を使わねばならなかった。結果、このジャンプの成否が後の流れを決めてしまうのもしばしばだった。
 今は演技全体の中で”よくなかった”あるいは”不足した部分”をひとつひとつ克服していけばいい。それが全体のスキルアップにつながる。彼女はそこをしっかり見据えているようである。
 
 2位となったアシュリー・ワグナーは優勝を意識し過ぎたのか、演技はいつにも増して荒々しく感じた。闘志が空回りしたのであろう。演技の切れやスピードを意識し過ぎた結果、ジャンプにミスが出た。自分の持ってる力の100パーセント以上を出そうとすれば失敗のリスクは高くなる。ジャンプは特にそうだ。しかし、力ある選手らのぎりぎりの戦いだから、ついつい100パーセント以上を出そうとするのは仕方ないとも言える。
 闘志が前面に出て好感が持てたが、無理な演技が結果に結びついた例は少ない(勝つ者の多くは100パーセント、あるいは98パーセントの力を発揮した者だ)。肝心なところで昔の彼女が戻ってきてしまった。しかし、この闘志が彼女のスキルを今後もさらにアップさせていくのは間違いないところだろう。

 同じようなことは3位となった鈴木明子にも言える。彼女もすばらしい闘志で試合に臨んだ。しかし、結果には結びつかなかった。フリーの演技には鬼気迫るものがあったが、二度のジャンプミスに見舞われてしまった。ただ、転倒してもすぐ起き上がり、何事もなかったように勝負への執念を見せたのはさすがだった。転倒しても彼女の演技が輝きを失わなかったのはそのためだ。
 アシュリー・ワグナーといい、彼女といい、闘志をむき出しにしてやるべき演技はすべて行った。浅田真央優勝の添え物にならなかった点は評価しなければならない。世界選手権やソチオリンピックを見据えているからなのであっただろう。
 
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