第5回ABEMAトーナメント （チーム豊島VSチーム広瀬）
予選Cリーグ 第一試合から
第1局 豊島将之九段（▲後手×）vs 三枚堂達也七段（▲先手○）
第2局 深浦康市九段（▲先手○）VS 三枚堂達也七段（△後手×）
第3局 丸山忠久九段（△後手×）VS 青島未来六段（▲先手○）
第4局 豊島将之九段（▲先手○）VS 広瀬章人八段（△後手×）
第5局 深浦康市九段（▲先手○）VS 三枚堂達也七段（△後手×）
第6局 深浦康市九段（△後手×）VS 青島未来六段（▲先手〇
第７局 丸山忠久九段(▲先手×）VS 広瀬章人八段（▲後手〇）
第8局 豊島将之九段（△先手×） vs 青島未来六段（▲後手〇）
第一局の三枚堂七段対豊島九段は相がかりの戦いとなった。後手番の豊島九段は７四歩を取らせる作戦に出た。三枚堂七段はその戦いに応じる。
豊島九段は銀を繰り出して７四の飛車を追い、７六の歩をかすめ取り、積極的に歩角対銀桂交換を目論む。
しかし、2枚替え後の模様が思わしくなかった。右辺から先手の攻勢を浴びて一気に劣勢に追い込まれ、見せ場を作れずに敗れてしまった。
第二局は深浦九段対三枚堂七段の戦いとなった。
先手番深浦九段の雁木に三枚堂七段も雁木で応戦した。細かな折衝から福浦九段が積極的に仕掛けていく。
深浦九段の執拗な攻撃に対し、受けてばかりいられないと三枚堂七段も決死の反撃に出るものの、薄く見える深浦陣は意外と懐が広い。三枚堂七段の決死の猛攻をのらりくらりと中段にまで逃げ上がり、一瞬の間合いをとらえ、2二銀打ちから後手玉を一気に寄せ切ってしまった。
深浦九段が雁木戦の巧者ぶりを見せつけた一局だった。
第三局は青島六段（先手番）対丸山九段となった。
青島六段が四間飛車の穴熊作戦で戦いは始まった。後手番丸山九段も居飛車穴熊で対抗する。
双方、自陣をがっちり囲わないうちに戦いは進行し、互いに手の作り合いとなった。
守備陣を乱されて先に穴熊を追い出されたのは丸山九段だった。最後は攻め駒を急所に配した青島六段が自陣を顧みることなく後手玉を追い詰めてしまった。
第四局は豊島九段（先手番）対広瀬九段となった。
この対局は角換わりの戦いとなった。この戦いをこなせないと強者にはなれない。意地のぶつかり合う戦いとなった。
攻め駒の銀と受け駒の銀との交換から、桂馬と飛車をと金に与える代わりに、４四歩と突き進んだ手が思い切った決断。ここから豊島九段が攻めのペースを握った。広瀬九段の反撃の矛先を鈍らせ、後手玉をじりじり受けなしに追い込んでしまった。
第五局は三枚堂七段（先手番）対深浦九段となった。
戦いは相がかり、中住まいに進んだ。
互いに戦機を窺う中、８七歩打ちでチャンスを作ったのは深浦九段だった。
グズグズしていられなくなった三枚堂七段は強く反撃して駒を蓄えるが、その駒を受けにばかり使わせる深浦九段の攻めは素晴らしかった。三枚堂七段は防戦一方の末、反撃のチャンスを得ることなく敗れ去った。
第六局は深浦九段対青島六段の戦いとなった。
後手番の青島六段が三間に飛車を振って戦いは始まった。
互いに好形を築きあってじっくりした戦いとなった。
２四歩から先に仕掛けたのは深浦九段だった。青島六段も先手の手に乗って対抗。玉頭戦をめざす。
横からの攻めが間に合わないと見た深浦九段は、飛車交換から玉頭戦に呼応するものの、右辺からと金づくりや飛車成りが間に合わない手となり、青島六段の攻めが一歩早く先手陣に刺さってしまった。
飛車を成って後手の飛車と交換したのは緊急手段だったが、その時はもう後手の攻めはツボに入ってしまっていた。
第七局は広瀬八段対丸山九段の戦いとなった。
後手番の丸山九段は得意の一手損角換わりを決行する。丸山九段は今もこの戦いに意地を見せているらしい。
流れ弾に当たるような乱戦になるので、縁台将棋ではどっちが勝っても不思議はない。棋士間ではどうなのだろうか？ 敬遠してる棋士が多いくらいかも…。
例によって丸山九段は強引な攻めを見せるが、広瀬八段は丁寧に対応。丸山九段必死の攻めも反撃も最後は息切れしてしまった。
第八局は豊島九段対青島六段の戦いとなった。
青島六段は三間飛車を採用。７三に桂馬を飛んで近頃流行りのミレニアム囲いから、飛車を5筋に振って積極的に動いていく。
豊島九段もこれに呼応。飛車交換から互いに敵陣へ飛車を打ちあう展開へと誘導する。
流れは先手にあるように見えたが、青島六段の端から手をつけた攻めが、先手陣の防御の弱点をついて厳しかった。
逃げ場のない先手玉はどんどん上部に釣りだされ、あっさりと詰みへ追い込まれてしまった。
結果は5勝3敗でチーム広瀬の勝利となった。
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