韓国ドラマ「ただひとつの愛」第1話（エピソード①）
〇主な登場人物
イ・ヨンソ（シン・ヘソン）
キム・ダン（エル）
チ・ガンウ（イ・ドンゴン）
クム・ニナ（キム・ボミ）
チョン・ユミ（ウ・ヒジン）
フ（キム・イングォン）
チェ・ヨンジャ（ト・ジウォン）
クム・ルナ（キル・ウネ）
パク・グァンイル（イ・ファリョン）
キ・ジュンス（イ・ジェヨン）
他
★★★★★
華やかな曲が流れ、バレエの公演が行われている。
プリマのイ・ヨンソは息を整え、舞台の袖で出番を待ちながら、ダンスやステップの確認を行っている…
しかし、出番を待つだけなのになぜか息が苦しい。
イ・ヨンソは寝床にあった。
出番に備える自分の夢にうなされていた。
「ダメよ」
ヨンソは自分の何かに逆らうように必至に声を出す。
「ダメ、行っちゃダメ…」
しかし、その言葉も間に合わない。
舞台の真ん中に向かってステップを踏み出していたのだ。
「ダメなのに…！」
ステージはフィナーレに向かって流れていく。
あの瞬間が迫ってくる。
ヨンソの呼吸はますます苦しさを増す。
黒鳥役のキム・ボミがヨンソに絡み、離れていく。
ヨンソは過去の自分に向けて必死に叫ぶ。
「早く、逃げて…！」
当のヨンソは床に身体を静める。両足を広げ、両腕を伸ばしてクライマックスの踊りを続ける。
真上で大きなシャンデリア（照明）が輝きを増している。
事故の発生はもうすぐだ。
次の瞬間、天井でガラスが砕けた。
夢にうなされるヨンソは目をつぶった。
夢の中の自分は目を見開いた。そんな自分目がけて砕けたガラスの破片が次々に降って来る…。
ヨンソは叫びながら布団を押しのけた。身体を起こした。
ため息をついた。
血の赤さがくっきり目の裏に張り付いている。
目をつぶったままつぶやく。
「どうして色つきの夢になるの」
目を開ける。
ベッドから抜け出て歩き出す。
途中まではいつも通りだと思っていた。目をつぶってもどこに何があるかも分かっているので…
様子がおかしいのに気付いたのは少し動いた後だった。
何かにつまづいて転んだ後、身体を起こした時に彼女は気付いた。
周囲がすべて真っ暗だったことに。
ヨンソは大きな声で悲鳴をあげた。
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