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韓国ドラマ「青い海の伝説」第9話⑩
Korean Drama "Legend of the Blue Sea" Episode 9 ⑩
第9話⑨
ジュンジェはセファの言葉をひとつひとつ噛み砕いた。セファが自分を気遣ってるのがよく見えた。
「そうだよ。言えなかった」
「父に向けてずっと言いたかったことをひとつも…家を出てつらかったこと…父さんのことを恨んでたけど捜してくれるかもと連絡を待ち続けたことも…」
「…」
「1度も連絡がなくて悲しかったことも…ひとりで暮らしながら高卒認定を受けて大学に入った後も寂しくて…すごく会いたかったことも…」
ジュンジェは自分をさらけだし、セファの前で泣きじゃくった。
セファはそんなジュンジェを抱きしめた。
★★★
時間が流れ、ジュンジェは落ち着きを取り戻した。
「さっきのあれ…」
ジュンジェのもらした言葉にセファは訊ねる。
「えっ? 何のこと」
「あれ…」
ジュンジェはセファを見ずに気まずそうにしている。
「泣いてたこと?」
ジュンジェはかぶりを振る。
「そんなに泣いてない…少し、涙を見せただけだ」
「…」
「風邪薬のせいで頭がボーッとしてたんだ」
セファは膝を抱え込み、ジュンジェのプライドを思いやる表情になる。
「でも、ナムドゥ兄貴やテオには言うなよ」
「私は忘れっぽいから大丈夫よ。安心して」
「そうか。なら、よかった」
セファはジュンジェを見た。
「これから、人に話せないことは私に話して」
2人は目が合う。
「全部聞いて、ちゃんと忘れてあげるから」
ジュンジェはセファを見つめた。
セファは優しい微笑を返し、立ち上がろうとした。しかしジュンジェはセファの腕を掴む。セファは座りなおす。
「ほんとに忘れてくれるのか?」
「うん。全部」
「なら…これも忘れろ」
ジュンジェはそう言ってセファに顔を近づける。目をつぶってキスをした。
セファは目を閉じてジュンジェのキスを受けた。2人はベッドの縁に腰をおろしたまま長いキスを続けた。
そして至福の夜はゆっくり流れた。
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朝になってジュンジェは元気を取り戻した。気持ちもリフレッシュして朝食の支度にかかった。
セファに美味しいスパゲティを食べさせてやろうとしていた。
そこへナムドゥが姿を見せた。
「俺は米の方がいいんだが…麺はシムチョンの好物だろ」
「別にいいだろ。俺が食べるんだよ」
ナムドゥは言った。
「そうやってキレイに盛り付けてか? 自分用にね…」
ジュンジェは笑顔で盛り付けを行っている。
「よし、出来た」
その頃、セファは鏡の前で自分のメークに夢中だった。
どんな顔になったらジュンジェは気に入ってくれるだろうか…と。
そして食堂に顔を出した。
セファの変貌にすぐナムドゥが反応する。
「やあ、今日は一段ときれいになった。すっかり都会の女になったよ」
それを聞いてジュンジェも満更でもなかった。
テオもセファの姿をすかさずスマホで撮っている。
「キレイだから…つい、撮っちゃった」
「そうなの? キレイ?」
セファも嬉しそうにする。
ジュンジェは呆れて立ち上がる。エプロンをはずし、テオの前にやってきた。
「おい、それよこせ」
「どうして?」
「キレイってどこが…」
ジュンジェはテオからスマホを取り上げた。覗き込んで、ジュンジェも中の画像に釘付けとなった。
しかし、言うべきことは言わねばならない。
「いいか。こういうのは本人の許可なく撮るのはマナー違反だ。むやみやたらに」
すると後ろからセファが言った。
「私は別にいいけど」
「ほら、そう言ってる」
テオはスマホを取り返そうとする。しかし、ジュンジェは返そうとしない。
「本人を前にしたら断りづらいからだ。だからダメ。シムチョンは心が優しいからとなめてはいけない」
そう言ってテオが撮った写真を削除してしまう。
そうしてセファを振り返ると彼女はこれまでにない優しさと美しさで微笑み続けている。
ジュンジェは思わず息を呑んだ。
昨夜のキスが脳裏に戻ってきた。
複雑な気分になりながらテオにスマホを返す。
それからセファに言った。
「食事しな」
「わあ、美味しそうだ」
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