春のワルツ 第10話「かけがえのない友」
例のよってNHKのガイドから。
フィリップにたしなめられ、ウニョンへの態度を改めようとするイナ。しかしウニョンは、文句を言いながらもチェハにどんどん惹かれていくのを感じていた。
そんな中、チェハのレコーディングへ向けての準備が着々と進んでいた。会場に選ばれたのは、川の近くに建つ教会。出発の日の朝、チェハはまたもやイナの迎えを断り、ウニョンの車に乗ることを選んでしまう。チェハはもはや、ウニョンへの思いを留めきれなくなっていた。
しかし美しい景色の中、久しぶりにフィリップと連弾をし、山歩きを楽しんだチェハは、かけがえのない友情を再確認。ウニョンへの思いとフィリップへの友情の間で板ばさみになってしまう。そんな時、教会の窓枠が壊れ、ウニョンをめがけて落ちてくるというアクシデントが!フィリップはとっさにウニョンをかばって・・・。
韓国の言葉では語頭にくる音は濁音にしないという約束ごとがあります(例:フルネームは「ユン・ジェハ」→名前のみ呼ぶときは「チェハ」)。当HP上では発音に準じて表記いたします。
次にキャスト
ソ・ドヨン
1981年生まれ。兵役を終えた2003年にファッションモデルとして活動を開始し、ファッションショー、雑誌、CMなどで活躍。2004年にモデルとして出演した番組「シングルズ・イン・ソウル2~メトロセクシュアル(原題)」で注目を浴びる。2005年にKBSのドラマシティ「オー!サラ」で俳優デビューし、同年に大ヒット時代劇「海神」に出演。そして2006年、新人ながら「春のワルツ」の主役に抜擢され、神秘的なイメージでさらなるファンを獲得する。最新出演作はドラマ「止められない結婚」。
ハン・ヒョジュ
1987年生まれ。2003年、ミス・コンテストに優勝後、芸能界入り。2005年に人気コメディー・ドラマシリーズ「ノンストップ5」でデビューすると、次々とミュージックビデオの出演依頼が舞い込み、またたくまに人気音楽番組「人気歌謡」のMCに抜擢される。さらにヒット映画の続編「マイ・ボス・マイ・ヒーロー2」で映画デビューも果たす。ドラマ「春のワルツ」の主役への大抜擢と韓国での放送を終え、映画「とても特別なお客さん(原題)」に出演。最新出演作は映画「アドリブ・ナイト」。
ダニエル・ヘニー
1979年生まれ。英国系の父と韓国系の母の間に、アメリカで生まれ育つ。ファッションモデルとしてアメリカのほか、韓国、香港、台湾などでアジア各国で多くのCMに出演。2005年に韓国で、ドラマ「私の名前はキム・サムスン」で俳優デビューするとともに人気急上昇。続くドラマ「春のワルツ」でも多くの女性を魅了した。「ミスター・ロビンの口説き方」では映画に初出演し、話題を呼んだ。その後、映画「マイ・ファーザー(原題)」に出演。
イ・ソヨン
1982年生まれ。2002年に映画「白い部屋」でデビュー。ペ・ヨンジュン主演の映画「スキャンダル」で16歳の側室役をオーディションで獲得し、卓越した演技力で注目を集める。2005年のドラマ・デビュー作「春の日」(共演:チョ・インソン)や「新入社員」(共演:エリック)で評価を高めるとともにさらなるファンを増やしていく。ドラマ「春のワルツ」のほか、映画「フェザー」や、若者を通した日韓交流を描いたオムニバス映画「まぶしい一日」(『空港男女』))などに出演している。また、2007年公開映画「覆面ダルホ~演歌の花道~」では、トロット(演歌)歌手役を熱演。その後、映画「ブラボー!マイライフ(原題)」に出演。
次に子役
ウン・ウォンジェ
韓国EBS(韓国教育放送)の子供番組でテレビデビュー。2001年のドラマ「ヤクザなパパ」の演技で注目される。映画デビュー作は日本でもヒットした「ロスト・メモリーズ」(共演:チャン・ドンゴン、仲村トオル)。そのほか映画「大変な結婚」「ナチュラルシティ」などに出演。確かな演技力を持ち、子役ながらキャリアはすでに「ベテラン」級と、高い評価を得ている。
ハン・ソイ
本作「春のワルツ」がデビュー作。今まで演技経験がないにもかかわらず、「悲しみのある瞳」にほれ込んだユン・ソクホ監督が大抜てき。純粋な雰囲気と個性的な顔立ちが魅力で、“第2のムン・グニョン(「秋の童話」子役)”になるのではと注目されている。
感想
フィリップのウニョンへの思いが奉仕や親愛(愛は想像力だと主張して感じられる。ピアノ弾いていたからだろうか)だとすると、イナのそれは独占欲や執着心(チェハを自分に向かせたいその気持ちだけ)のかたまりに感じられる。
これでは口で何いっても受け入れてもらえない。チェハの気持ちはますます窮屈になっていくだけだろう。
チェハにあってフィリップにないもの・・・それは信念かもしれない。ピアノを捨てチェハの世界に従属したことに尽きるかもしれない。チェハにとってウニョンが宝物なら、それを奪い合うエネルギーはフィリップには湧いてこない。すると、気にしない素振りを見せてはいても、フィリップはチェハの気持ちを手に取るようにつかんでいるということになるが・・・。チェハも彼にとってウニョンが宝物なのには気付いてきている。恋に深入りしないできた彼も今回ばかりは事情が違うと感じてきている。
今話から、いや前話あたりから、チェハのウニョンに対する気持ちは抑えがきかなくなってきている。彼はイナに、友達同士でいよう、と告げることで自分のウニョンへの思いを宣言する。
ウニョンもそれは同じだ。故郷の島でフィリップと一緒だった時はまだしも自然に振舞えた。彼がそばにいるのを負担とも感じなかったが、チェハが特別な存在となりだした以上、もはやそうすることに欺瞞を覚える彼女なのだった(ドラマだけじゃなくて、実際生活の上でも女性はこの特徴を示す場合が多い。言葉にする形はとらないようだが)。
ずっと楽しんできた本ドラマだが、今話は少し不満を覚えた。20話で収めるためにこうなったのかもしれないが、チェハのウニョンへの傾斜と行動が性急に過ぎる気がした。もしこの流れなら、山で怪我して手当てしてもらったり、ピアノの連弾して友情を感じるシーンなどは、前の話の中にちりばめておくべきだった気がする。友情と恋の板ばさみが今話でいきなりに突出した感はぬぐいがたい。
ただ、最後の場面のウニョンに対する暴言からキスなどは、チェハの複雑な感情をうまく浮かび上がらせてはいる・・・。