韓国ドラマ「30だけど17です」(連載178)
「30だけど17です」第20話(名前はウ・ソリだった)⑨
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
チャンはウジンの部屋を出た。階段をおりて来る時、ジェニファーを見かけて声をかけた。
駆け下りて訊ねた。
「おじさんに何かあった?」
「2人でソリさんのお友達に会ってきたそうです」
「おばさんの友達?」
「ソリさんと一緒に事故に遭ったお友達が、あの時に…」
「ああ…」
話の先を察して、チャンはソリを気にかける。
「おばさんは大丈夫?」
「ショックのせいか、ずっと眠ったままです」
「…」
「そうだ。病院に行って退院の手続きをしてきます」
「大丈夫です。あとで俺が」
「人に会う約束もあるので、身の回り品は私が持ち帰ります。では」
「すみません」
チャンは背を返したジェニファーに頭を下げた。
★★★
ジェニファーを見送った後、チャンは思案に沈んだ。呟いた。
「おばさんの友達が亡くなったのに、どうして叔父さんが泣くんだ…そういえば、どうして倉庫に?」
チャンはウジンがさっきいた倉庫へやってきた。段ボールにつまった美術本などを調べた。その中からウジンのもらった賞状の束が出てくる。
1枚1枚手にして年月日を見た。
「ドイツに行く前の物だ…なぜ、昔の物を?」
ふいにチャンの顏は強張った。
「まさか、また…」
チャンはウジンの部屋の前に戻った。
中に声をかける。
「ミスター・コン。入るからね」
チャンはドアを押した。
しかし、部屋にウジンの姿はない。
チャンは部屋の外に出た。ウジンを捜した。
「叔父さん、いる?」
慌てて階段を駆け下りようとしたら、近くで返事がする。
「ここだ。どうした?」
チャンはほっとして床に崩れ落ちる。
ウジンはそばに歩み寄る。
「どうしたんだ?」
チャンは不安げに顔を上げる。
ウジンはチャンを部屋に入れた。
チャンは話し出す。
「倉庫で泣いていたのを見て―昔のことを思い出した」
「…」
「一緒に住むことになって叔父さんがドイツに来た日を」
チャンは叔父さんと会うのがすごく楽しみだった。
やって来た叔父さんのもとにすぐ顔を出したのは嬉しかったからだ。
「ここで一緒に住むの?」
だけど振り返った叔父さんは悲しそうにしていた。
チャンは言った。
「あの時、いつも笑顔だった叔父さんは泣いてた」
「…」
「なぜ泣いてるの? って訊いたのを覚えてる? 食べ物を取られたの? って」
「…」
「そしたら叔父さんは目に涙をためたまま俺を抱きしめてきた。俺はまだ6歳だったからよく覚えてないけど」
「…」
「なぜか、あの日の泣き顔が…今も忘れられない」
話し終えてチャンはため息をついた。
「あの時のことを思い出して…今は怖いんだ」
「…」
「昔の明るい叔父さんが戻ったのに、また暗い顔に戻ってしまいそうで…すごく怖い」
「…」
「あの頃も今も、事情はわからないけど…また ― 心を閉ざしそうで ― また黙って姿を消しそうで、不安なんだ」
「チャン…」
ウジンはようやく口を開く。
チャンは強い口調で訊ねた。
「まさか、またどこかへ出て行かないよね?」
「…」
「返事してくれよ」
「…」
「仕方ない」
チャンは決意した。
「パスポートはどこ?」
立ち上がって行動を起こす。
ウジンの机の中を漁ってパスポートを見つけ出す。
「これだ―これを没収するから」
ウジンを睨みつける。
ウジンはチャンに歩み寄る。
「返せ」
「いやだ。返さない」
チャンはムキになり、パスポートを2つに引き裂いた。
「これでどこにも行けない」
「ユ・チャン!」
ウジンは厳しい口調になる。
「何だよ」
ウジンは静かな口調に戻して言った。
「食事にしよう」
「…?」
「腹が減った」
2人は食堂におりた。
向き合って食事しながらウジンは言った。
「足はほんとに大丈夫なのか?」
チャンは頷いて答える。
「X線写真を撮って確認したよ」
ウジンは頷く。
「よかったな」
ウジンは箸をおいて立ち上がる。
チャンもすぐ反応した。立ち上がった。
「どこ行くの?」
ウジンは苦笑する。
「トイレだ。ついて来るか?」
チャンは拍子抜けしてウジンを見送った。
チャンの用向きで出向いたジェニファーは病院でヒョンテと会った。
ヒョンテはジェニファーに訊ねた。
「ソリは本当に元気に過ごしてましたか? 間違いないですか?」
「はい」ジェニファーは正直に答えた。「とても元気に過ごしていましたよ」
「…」
「私にはそう見えました…周りの人から愛され、自らも周りを愛していました」
「…」
「よく笑って―よく泣きました。…まるで長年の親友や本当の家族のように―周りの人と交わりながら、温かい日々を過ごしていました」
ジェニファーの話を聞いてヒョンテはため息をついた。
「もし…近くにいると知ってたなら…もし、うちに来た時、会えていたなら」
「…」
「もし、あの家を訪ねた時に…いや、僕が海外に出ていなければもっと早く会えた―」
「何とも―悲しい響きですね」ジェニファーはしんみりした口調でヒョンテを見た。「”もし”という―その言葉は…」
「30だけど17です」第20話(名前はウ・ソリだった)⑨
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
チャンはウジンの部屋を出た。階段をおりて来る時、ジェニファーを見かけて声をかけた。
駆け下りて訊ねた。
「おじさんに何かあった?」
「2人でソリさんのお友達に会ってきたそうです」
「おばさんの友達?」
「ソリさんと一緒に事故に遭ったお友達が、あの時に…」
「ああ…」
話の先を察して、チャンはソリを気にかける。
「おばさんは大丈夫?」
「ショックのせいか、ずっと眠ったままです」
「…」
「そうだ。病院に行って退院の手続きをしてきます」
「大丈夫です。あとで俺が」
「人に会う約束もあるので、身の回り品は私が持ち帰ります。では」
「すみません」
チャンは背を返したジェニファーに頭を下げた。
★★★
ジェニファーを見送った後、チャンは思案に沈んだ。呟いた。
「おばさんの友達が亡くなったのに、どうして叔父さんが泣くんだ…そういえば、どうして倉庫に?」
チャンはウジンがさっきいた倉庫へやってきた。段ボールにつまった美術本などを調べた。その中からウジンのもらった賞状の束が出てくる。
1枚1枚手にして年月日を見た。
「ドイツに行く前の物だ…なぜ、昔の物を?」
ふいにチャンの顏は強張った。
「まさか、また…」
チャンはウジンの部屋の前に戻った。
中に声をかける。
「ミスター・コン。入るからね」
チャンはドアを押した。
しかし、部屋にウジンの姿はない。
チャンは部屋の外に出た。ウジンを捜した。
「叔父さん、いる?」
慌てて階段を駆け下りようとしたら、近くで返事がする。
「ここだ。どうした?」
チャンはほっとして床に崩れ落ちる。
ウジンはそばに歩み寄る。
「どうしたんだ?」
チャンは不安げに顔を上げる。
ウジンはチャンを部屋に入れた。
チャンは話し出す。
「倉庫で泣いていたのを見て―昔のことを思い出した」
「…」
「一緒に住むことになって叔父さんがドイツに来た日を」
チャンは叔父さんと会うのがすごく楽しみだった。
やって来た叔父さんのもとにすぐ顔を出したのは嬉しかったからだ。
「ここで一緒に住むの?」
だけど振り返った叔父さんは悲しそうにしていた。
チャンは言った。
「あの時、いつも笑顔だった叔父さんは泣いてた」
「…」
「なぜ泣いてるの? って訊いたのを覚えてる? 食べ物を取られたの? って」
「…」
「そしたら叔父さんは目に涙をためたまま俺を抱きしめてきた。俺はまだ6歳だったからよく覚えてないけど」
「…」
「なぜか、あの日の泣き顔が…今も忘れられない」
話し終えてチャンはため息をついた。
「あの時のことを思い出して…今は怖いんだ」
「…」
「昔の明るい叔父さんが戻ったのに、また暗い顔に戻ってしまいそうで…すごく怖い」
「…」
「あの頃も今も、事情はわからないけど…また ― 心を閉ざしそうで ― また黙って姿を消しそうで、不安なんだ」
「チャン…」
ウジンはようやく口を開く。
チャンは強い口調で訊ねた。
「まさか、またどこかへ出て行かないよね?」
「…」
「返事してくれよ」
「…」
「仕方ない」
チャンは決意した。
「パスポートはどこ?」
立ち上がって行動を起こす。
ウジンの机の中を漁ってパスポートを見つけ出す。
「これだ―これを没収するから」
ウジンを睨みつける。
ウジンはチャンに歩み寄る。
「返せ」
「いやだ。返さない」
チャンはムキになり、パスポートを2つに引き裂いた。
「これでどこにも行けない」
「ユ・チャン!」
ウジンは厳しい口調になる。
「何だよ」
ウジンは静かな口調に戻して言った。
「食事にしよう」
「…?」
「腹が減った」
2人は食堂におりた。
向き合って食事しながらウジンは言った。
「足はほんとに大丈夫なのか?」
チャンは頷いて答える。
「X線写真を撮って確認したよ」
ウジンは頷く。
「よかったな」
ウジンは箸をおいて立ち上がる。
チャンもすぐ反応した。立ち上がった。
「どこ行くの?」
ウジンは苦笑する。
「トイレだ。ついて来るか?」
チャンは拍子抜けしてウジンを見送った。
チャンの用向きで出向いたジェニファーは病院でヒョンテと会った。
ヒョンテはジェニファーに訊ねた。
「ソリは本当に元気に過ごしてましたか? 間違いないですか?」
「はい」ジェニファーは正直に答えた。「とても元気に過ごしていましたよ」
「…」
「私にはそう見えました…周りの人から愛され、自らも周りを愛していました」
「…」
「よく笑って―よく泣きました。…まるで長年の親友や本当の家族のように―周りの人と交わりながら、温かい日々を過ごしていました」
ジェニファーの話を聞いてヒョンテはため息をついた。
「もし…近くにいると知ってたなら…もし、うちに来た時、会えていたなら」
「…」
「もし、あの家を訪ねた時に…いや、僕が海外に出ていなければもっと早く会えた―」
「何とも―悲しい響きですね」ジェニファーはしんみりした口調でヒョンテを見た。「”もし”という―その言葉は…」
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