忘れてしまう生き物

７Ｐ「この間、時間を見つけては、過去の歴史をひもといてみたのだが、再確認させられたのは、人間というのは、どれほど多くの涙とともに飲み下した教訓であっても、喉元を過ぎたとたんに忘れてしまう生き物でであるということだった。」
　私は、幼い５、６歳の頃、ある人が目の前で交通事故にあった。その時、幼い僕は瞬間的に大変な事が起きたのはわかった。体がしびれて、頭の中は真っ白になりどうしたらいいのかわからず暫く（１分ほど）呆然と見つめていた。そしてすぐに走って家に戻ったのを憶えている。幸い、軽傷で済んだが、この幼い記憶は、不思議と車を運転するようになってから思い出したのである。その度に自分の車がもし事故を起こしたらと考えると、運転するのが怖くなる。ところがここ最近、車で信号無視をするようになった。最初は、絶対安全を確認して行った。それがいまじゃ・・・　たぶん安全だろ　に変わってしまった。それは、上の文章を読んで理由がわかった。幼い時、経験した雷が落ちたかのような衝撃的な光景、深い恐怖と後悔を忘れたのだ。なんとも単純すぎる。しかし改めて今思う、あの時、感じた気持ちは　忘れてはならない。何故なら１回の事故が人生の命取りになると思うから。
　事故を起こさないようにするには、どうしたらいいのだろう、そう考えて出した答えが自転車や歩き通勤であった。車の事故と自転車の事故どちらが安全か比べるまでも無く自転車のほうだろう。さらに雨の日は自転車を乗らないというふうにしている。基本的に歩くのは日常的にやっており苦にならない。むしろ鼻歌歌いながら１時間かけて歩くことは、自分自身への気分転換になっていた。しかし、あー　　平成２０年４月からの転勤で、車通勤になった。自転車や歩くのが出来なくて非常に残念だ。又最近は、ガソリンの単価が上がってきているし、通勤時間も約４５分かかっちゃう。俺の燃費の悪いシルビアが出すＣＯ2の事も考えるとますます地球温暖化も心配になる。そこで、安全性向上、燃費向上、通勤時間短縮につながる高速道路通勤を考えている。と　いうか既にＥＴＣ（アンテナ分離型）を購入し自分で設置したのだけれども　同時期に依頼したＥＴＣカードが届きません。２週間くらいたつのじゃが・・・急ぐことでもないのですが、でも機械を取り付ければ、動かしてみたいのが道理。毎日ポストの底をみる今日この頃なのである。
　将来、俺に子供が出来たら、親としてこの交通安全だけは厳しくしつけをすることになるだろう。小さな子供に言ったってわかりはしないと思う、いいのだわからなくて、ただ、ただ理解できる年になるまで怒鳴って、叩いて危険だということを伝えなくちゃいけない。俺もそう父親からされたし、それは間違っていないと思う。子供の頃、自転車だって、危ないと言われ結局、近所を乗りまわし遊んだことはない。一時だけ自転車に乗れないのが、恥ずかしくて母親にせがみ買ってもらい、そして乗れるようにはなったのだが、しかし暫くして自転車が無くなった。きっと盗まれたのだと思うがそれっきり２０代になるまで買ってもらえなかった。だからなのかもしれない、今でも自転車は楽しいと年甲斐もなく乗り続けているのは。パンクして、ほっといている自転車、今日直そうかな。2008/04/18　17:16:16　新世界より（上）（下）　貴志祐介