電チャリの鍵を拾って大昔のことを思い出した。20年ほど前、バイクのボックスにキーホルダーを入れたままロックしたことがあった。家にスペアはあるが玄関の鍵もバイクの中(笑)。仕方なく鍵屋を呼んで玄関のドアを開けてもらったら9千円取られた。
だいぶ前の話なので今はもっととられるかも。あんなもん、細く先の尖ったもんでシリンダー内をなぞるだけなのに。ん?なんで知ってるって?TVドラマ・・・ではなく、目の前で人がやるのを見たことがあるから・・・誓って、ワシャやらんゾ(笑)。
若い頃の職場は2輪研究所の管理部門だった。マガジン車と呼ばれる、バイク専門誌の記者に乗ってもらう試作車を海外に送るため、エンジンを仕立てた部門へ引き取りに行った。航空便に乗せるんでガソリンは抜いてあるよねと尋ねる僕に『タンクはほぼ空ですが・・・ガソリンが入りません』と若いテスト屋が言いにくそうに呟いた。
なんじゃ?それ。『タンクキャップのカギが無いんです。別のタンクセットに変えないと・・・』マガジン用に塗装したきれいなタンクはこれだけとゆーたやろが!とワシ。『じゃぁ、フュールチューブから逆に入れ・・』あのなぁ、出張で試走に立ち会うテスト屋に殺されるぞ、お前!。当時の走行ブロックはヤクザ揃いで有名(笑)『何とかして下さいよぉ~』と怯えるエンジン屋から泣きが入った。
研究所に管理と呼ばれる雑用部門??があるのはこーゆー事がしょっちゅうあるからなのだ。まったく・・・取り敢えず機械場に持って行って、キーを壊してもらおうとした。『キャップの替えはあっても、ドリルはまずいだろ。穴が開いた途端、火を噴くぞ。』と断われられる。まぁ盛大に噴くだろうな。
仕方なく、宮崎に本社のあるキャップを作った某鍵メーカーに電話する。アホがタンクキー無くしくさったんでスペアキーもらえません?『キーナンバー判ります?』う、ナンバーがある部分はタンクの中に隠れている。なんちゅうトコに刻印するんじゃ。今から航空便で送るから開けてくれ。『そんな簡単に開きませんよ』
すると『私の口からは言いにくいんですが・・・おたくの電気屋K主研、鍵開けの名人ですよ』と言われた。半信半疑のまま外したタンクを抱えKさんの席に向かう。暫くガチャガチャやっていたKさん『くそ、手強いな。キャップは壊していいよな?』タンクさえ無事ならと私。
ポンチのようなもんを当て、キャップに打痕が付くほどハンマーで叩いた後、2本の先の尖ったフックを使い、鍵を廻しながらもう一本でシリンダーをなぞっている。その内、鍵がゆっくり回ってキャップが開いた。スッゲー。
Kさん定年後は鍵屋で食えたな(笑)。ま、締め出されたアホが毎日出るとは限らんけどね。ふと思ったのだが、客が少ないとあの鍵屋、別の職業に変わる恐れがある。1回9千円はしょうがないなぁ・・・当分まっとうな鍵屋でいてなぁ。それから・・・間違ってもウチの留守時には訪ねて来るなよ。
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