スーツ姿の平尾君を目の前で見るのは多分初めてだっと思うが、長身で端正な顔立ちがスーツに似合わない訳がない。ただ、その端正な顔もあちこちに傷があり歴戦の勇士という言葉が相応しい“男の顔”だった。
講演は勿論ラグビーが中心なのだが、単なるスポーツの話とは言えずむしろ組織論と言ってもいい内容だった。ビジネスの話としても充分通用した講演だった。ここにも書いたことがあるけど、今でも覚えているのが所謂『反根性論』
「日本だとボールを落とすと直ぐに『根性が足らん』と言われるでしょ。本来は何故ちゃんと受けられなかったかを分析しないといけないんです。パスが悪いのか、受け手の問題なのか。そして、それを防ぐための練習をするのが正しい対処法です。根性で片づけてしまうのは簡単ですけど、そこから成長できません。」
「でもね、根性でボールを取れてしまうこともあるから厄介なんですわ」ニヤッと笑いながら彼はそう付け足した。91年、神鋼のV3がかかった三洋との決勝戦で平尾君へのパスはワンバウンドで、しかも手を伸ばし切った辺りに届くという非常に捕球が難しいものだった。彼が根性?で掴んだ楕円のボールはきれいにウィリアムスへパスされ、奇跡の大逆転と言われたゴールを生んだ。
この話に感銘を受け、大学ラグビー部の後輩に内容をメールした。後日、彼と会うと『大学のOB会は大八木さんを講師で呼んだんです。話は面白かったんですが・・・笑って終わりました』わはは、典型的な体育会話か。この話を苦楽園のスポーツバーで店の人に暴露したら、なんと大八木の弟さんで・・・めっちゃ焦る(笑)。
ラグビーというスポーツをビジネス論に置き換えられるほどの識者だった。平尾君たちをモデルにしたTVドラマにより、ラグビーが一時的に流行ったことがあったが、やっと実力で認知され出したのが今日この頃。彼には指導者、協会の役員としてもっともっと活躍して欲しかった。平尾君のご冥福を祈る。
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