Waterfalls Blog

The Blog of "Waterfalls: Taka's Hemisphere"

Ben Folds / Bitches Ain't Shit

2005-10-04 | Song of the Day

新カテゴリー「Song of the Day」での紹介第二弾として、今回は、第一弾とは一転して放送禁止用語連発(苦笑)のDr. Dreの「Bitches Ain't Shit」のBen Foldsによるカヴァーをご紹介したいと思います。

先月の来日公演も大盛況に幕を閉じたばかりですが、その来日公演の全日程で欠かさず演奏されていた曲の一つにこの「Bitches Ain't Shit」がありました。日本公演前の全米ツアーでも演奏曲目に含まれていたので、日本でも演奏するかなぁ、とは思っていましたけど、他方で、その曲は日本では未発売*(米国では2枚組LP版『Songs For Silverman』かシングルレコード版「Landed」のB面か、あるいは米国のiTunes Music Storeでのみ入手可能)であったので、日本公演では演奏しないかもな、とも思っていました。

結果的には、日本でも欠かさず演奏していましたが、やはりラップ史上最大のヒット作であり、多大な影響力を持つDr. Dreのアルバム『The Chronic』収録曲とはいえ、それは主として米国あるいはハードコアなラップ・ファンに限られた話であり、また極度に下品であからさまなラップも、言葉の壁に阻まれて日本ではオーディエンスの反応もいまいちでした。

しかし、Dr. Dreのオリジナルとは全く異なる、ピアノ・バラード風に仕上げたこのカヴァーの出来は、まさに秀逸でした。恐らく、Ben Foldsがこの曲を取り上げた理由は、自作曲「Rockin' the Suburbs」でも取り上げていた内容同様、所謂郊外に住む裕福な白人の反発した気持ちを掴むものがあったからではないかと思います。それだけに、せめてCD化して日本でも事前に発売されていたら、ライブではもっとウケたのでは、って思います。日本人も裕福な白人同様、裕福なのにどこか満たされない、反発した気持ちを抱えている人は多いですからね。

もっとも、今回の来日公演のメンバーでもあるジャレド・レイノルズ(ベース)とリンゼイ・ジェイミソン(ドラムス)をボーカルとしてもフューチャーした唯一のスタジオ録音曲ということで、彼らにもスポットを当てるため、という理由で演奏していただけかもしれませんが。

とにかく、下記URL先でフルで試聴ができますので、「Bitches Ain't Shit (featuring Mr. Reynolds and lin-Z)」良かったら聴いてみてください。但し、この曲の歌詞は「PARENTAL ADVISORY EXPLICIT CONTENT」を含んでますので、一応、警告しておきますが、こちらでご覧になれます:

http://www.sonymusic.com/clips/selection/fu/071897/071897_01_01_full_100.asx (試聴にはWindows Media Playerが必要です)

* 2006年10月24日に米国で発売となったアルバム『Supersunnyspeedgraphic』にも収録されていますが、日本盤は未発売です。



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2 Comments

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有り難い紹介です (ささきあすみ)
2005-10-05 15:59:45
ライブで初めて“Bitches Ain't Shit”を聴いて、すてきなメロディーとコーラス、3人のかけあいが面白く好きな曲になりました。

この曲、ライブのどの曲よりも練習した?というくらい、力が入ってそうな気がしました。

Takaさんのおっしゃるよう、Benのメッセージが込められているのかもしれませんね。

歌う前の解説で「歌詞は下品だけど、いい曲なんだ」とBenさん。…そうなんですか? >Takaさん
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アメリカの影の価値観の描写 (Taka@管理人)
2005-10-06 04:58:18
あすみさん、



「Bitches Ain't Shit」は、歌詞自体は、徹底的に女性蔑視に徹した内容で、卑猥そのものです。ただ、その韻の踏み方がとても巧いので、Benさんはそれを言いたかったのでは、って思います。他方、こういう下品さや女性蔑視的価値観は、アメリカの負の現実でもある訳ですので、個人的には、裏にBenさんのシニカルで醒めた視線が隠されているようにも感じます。
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