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『モリアーティってホームズの最大のライバルで、結局負けた人だよ?悪人なのに何故『憂国』なんだ?でも絵が綺麗なんで読もう!
そして、沼にハマりました。
主人公は『生まれた階級によって人生が決まる大英帝国のあり方は間違っている』と考え、自らが保護されていた孤児院で考えていました。
そしてアンダークラスばかりの孤児院で『悪い貴族はやっつけろ』と説いているのをモリアーティ伯爵家長男アルバートに聞かれてしまいます。
しかし、アルバートも『階級社会は歪んでいる。そして自分の父母も弟も特権にあぐらをかいている』と苦々しく思っていたので、思想に共鳴し、主人公と弟を『ノブレスオブリージュ』の一環との名目で養子に迎えます。
ただ養子といっても待遇は使用人。そしてアルバートの弟は養子を虐めたり使用人にも体罰は当たり前。
『人々に呪いをかける階級制度。それがなくなればこの国はきっと美しい』と、手始めにアルバートは自分の家族全員を殺す方法を主人公に聞き、屋敷に火を放ちます。
自分の実の弟も助かったことにし、主人公がその座につきます。弟の名前はウィリアム・ジェームズ・モリアーティ。
主人公の弟は養子なのでルイス・ジェームズ・モリアーティ。兄はそのままアルバート・ジェームズ・モリアーティです。
三人は『家族で同志そして共犯者』という強い絆で結ばれました。
そして殺人・婦女暴行などを犯しながら貴族というだけで罰を受けない人を殺して回る犯罪卿となりました。
三人が手掛けた豪華客船を舞台にした貴族殺しに、たまたま乗船していたシャーロック・ホームズは事件の不可解さを感じます。社交の場に貴婦人三人がホームズが人を見ただけで職業を当てられる特技をせがんでいたところにウィリアムが通りかかり『彼は数学者』と当てます。ただ、ウィリアムもホームズについて分かることを挙げて行き、全部合っていました。
犯罪卿(の一人)と正義を貫く探偵と立場は全く違いますが、ある時は協力して事件を解決したりしてお互いの能力を認めています。
そしてホームズはウィリアムこそが犯罪卿ではないかとも思っているという関係性が良いです。
第一部は『悪人はこの世から消え去るべきだ。悪い貴族を殺した自分も悪人なので』と死を選ぼうとしたウィリアムにホームズは『生きて償え』と身を挺して止めようとし二人ともテムズ川に落ちます。
そういう関係性とか、世の中を糺す方法が殺人しかないのならウィリアムの思想も納得なので、好きな作品です。
アニメはだいぶ端折られましたが、絵は(原作には負けますけど)綺麗だったので星4つです。