急いで帰宅し
私はすぐにシャワーを浴びた
あの日のことが鮮明に思い出され
今になって体の震えが止まらなくなった
私は自分の体が汚らわしいと
何度も何度も体をこすり洗った
それでも触れられたあの感覚を体は覚え
何度も鮮明に思い出される
私はベットに入り枕をキツく抱きしめながら眠りに落ちた
気がつくと朝が来ていた
いつも通りを装って出社する
今日もスタッフミーティングだ
こないだとは打って変わって淡々とミーティングは進行された
会議が中盤になるとアイツが口を開いた
「すんません。ここで新たな案の発表をさせていただきたいと思います。少々お時間をいただきます。
「昨日…ずっと考えていたのですが、いつも通りではクライアントや来場者も飽きます。新しい案を皆で考慮し、新しいことをやり始めたいと思います。
そういうと、アイツは私が話した内容と全く同じ内容を語り出し、それについてのメリット、またデメリットに対する対策を語り始めた
「…以上が新しく始めたいと思う内容の提案事項です。いかがでしょうか?
ひとしきりの沈黙の後 誰がが口を開いた
「ええやんか。やってみようや。
皆が賛同し、賞賛の拍手が湧いた
私は同じ空気の中、拍手をアイツに送るしか無かった
ミーティングが終わるとアイツは
後ろから私の肩を組み
「おおきに。お前のお陰でまた評価があがるわ。お礼にこないだの続きしてやろか?
鳥肌がたった
「気持ち悪い…
「は?なんか言うた?
「いえ…別に。よかったですね。頑張りましょうね。
「なんやつまらんやつやな。受け入れるんかいな。反抗も出来へんほど熱も入ってなかったんやないか。
私は吐き気がするほど拒絶反応を起こした。
殺意まで覚えた。
事務所に戻る途中
あの優しい人が声をかけてくれた。
「すごいやん。めっちゃええこと考えんねんな。斬新やで。
「え?…あの。
「分かってんねんよ。取られたんやろ。アイツのやりくちやねん。みんな大抵やられよんよ。でもミーティングに出てた人は大抵アイツの意見ちゃうことだけは分かってんねん。知らんふりしてやってんねん。アホやろ、アイツ。
こわばる体の緊張が解けた
久しぶりに笑った気がした
その後イベントは始まり
途中私の考えたことが実現したのを見たときはまた鳥肌がたった
気持ち悪い鳥肌じゃなく
満身創痍の鳥肌
やり甲斐って言葉が身にしみた瞬間だった
途中起きたトラブルには
アイツは自分発信じゃない発案の実現に戸惑っていた
すかさず優しい女の人が
「どうしたらええの?どうすべきか、もう考えてあんのやろ?
「…はい。あそこでこれをこうして…
「なるほどな。分かった。やってみるわ。
私と彼女の対応により
大きなトラブルとはならず
初めてのことだからと受け入れてもらえる程度のことで済んだ
アイツは自分が考えた案に対する対策が完全じゃなかったと批判され
思いつきで対応したと受け取られた私たちが客に賞賛された
私は満面の笑みでお礼を言った
そして
「私は…木戸久美子。これからもよろしくな。
「はい!
「木戸ちゃんでええからな。よろしく。
「はい。…木戸ちゃん…。よろしくお願いします。
私は彼女と
ぎこちない関西弁混じりの言葉を交わした。
イベントスタッフとなった私はプロジェクト開始前のミーティングに参加することになった
会議室に入ると長机で四角が作られ
各席の前に書類が置いてあり
数人が集まって開始前の打ち合わせをしていた
「はじめまして、今度から参加させていただきます
と、挨拶をすると
リーダーらしき人が
「遅いんちゃう?お茶の準備や書類を配るんも下っ端の仕事やで。
と、いきなりの先制攻撃を受けてしまった
「すみません。ただいまお茶くんできます。
そういうとリーダーはまた
「もうええねん。人によって濃さや何やちゃうし。一から説明するのも時間ないし。その辺に立ってな。
「はい。すみません。
集合時間の15分前に来たのに、もっと早く集まって準備があったみたいだ。
知らなかったなんて言い訳も出来ず、ただ人が続々とくる会議室の入り口で
ワイワイ楽しそうに集まり話し始める皆の輪に入れないままだった。
会議が始まる前に席に着こうとする。
でもそこには私の席がなかった。
壁にもたれかかった椅子はあるのに、資料もあるのに、席だけがなかった
「座らへんの?
「ここ座りーや
って気にかけてくれる人もいるのに
リーダー格は
「ええんです。そいつ遅れて来よったんで。やる気ないんとちゃいますかね。ハハハ。
と、適当に済ませて会を進行しだした。
立ったまま会は進行した
資料もないので、一生懸命ノートに写すがとても間に合わない
どんどん討論する内容と書き写す内容にタイムラグが発生する
すると
「新人の子はどう思うねん?
と、リーダー格が見計らったように問いてきた。
「いや…あの…
言葉を濁すとリーダー格はすかさず
「聞いてなかったんかいな。ホンマやる気あんのか。せっかく意見聞いたろ思うても、本人にやる気がないなら、どうもならんやんか。
「あの…はい。すみません。私の意見はいいので、進行してください。
「言われんでもそうするわ。仕切るなアホが。
と、会議室の空気が重くなった。
そのままタイムラグがどんどん発生しても
リーダー格は口を休めることなく次々と話す
私は書き写す内容にタイムラグが発生するたびに、リアルタイムの内容を書き写し
リアルタイムの話にだけは内容が把握できるように努めた
気づけば2時間が経ち、討論会は終わった。
帰り際
「慣れへんうちは大変やけど、頑張ろな。
って、言ってくれる人もいた
ほとんどは見て見ぬ振りで、目の前を素通りされる
1人
私に資料を渡し、今日夜聞かれへんかったところ教えたげるから。ご飯食べいこ。
と、優しい女性スタッフと会話を交わした
私も戻ろうとするとリーダー格が私を呼び止める
「さっきは悪かったな。進行の妨げは俺がアカんって見られんねん。
「はい。すみません。
「今日、夜俺も付き合ったるから空けとけや。書かれへんかったこと教えたるから。
「あ…はい。ありがとうございます。
そういうとリーダー格は私の肩に手を回し、
「そう、構えんなや。仲良くやろな。
と、ニヤついた顔で去っていった。
私は夜、約束の場所へ向かった
すると、優しい女性のスタッフはおらず、リーダー格が1人背もたれの倒れた椅子にもたれかかっていた
「おう。来たか。アイツ来られへんようになったから、お前と2人や。まあ、ここ座り。
「はい。失礼します。
そして私はリーダー格が話すことをゆっくり確実に書き写し、今日の討論内容が全て把握できた
そこで、リーダー格は私に
「ここで新人のお前の意見を聞いたわけや。
「慣れると第三者の目線が薄れてくんねん。
せやから新しい風をと思ってお前に聞きよんや。
「はい。私の意見が皆さんにどう映るかは分かりませんが…
と、私は自分の考えを言ってみた
するとリーダー格は
「なるほどな。そういうのもありかも分からんな。ええやんけ。ええこと聞いたわ。明日の会議で言ってみるわ。
「あ、はい。ありがとうございます。
私は嬉しかった。
自分の意見が聞かれて、それが良く思ってもらえる。
これほど嬉しいことは想像がつかない。
リーダー格はひとしきり私の意見を聞き、うなづき
そして気づけば22時を回りそうになったので、リーダー格はそろそろ終わりと腰をあげた。
「ありがとうございました。遅くまですみません。それではお先に失礼します。
そういうとリーダー格は
「ちょ、待てや。これで終わりちゃうやろ。
「はい?まだ何かありましたか?
資料をペラペラめくる
それらしきところは見当たらない
するとリーダー格は私の目の前に立ち
手を後ろに回した
リーダー格の手は私の背中を下り、腰のあたりでとまる。
「え。あの…
言葉に詰まる
しかし奴の手は腰を下り、私のお尻を包む
微弱ながら下から味わうようにお尻を触る
「これで終わりなわけないやろ?こっちは時間割いて付き合ってやってんねん。少しくらいお礼ないんか?
「いや…あの…
抵抗しようにも何か逆らえない感じがした
彼の手は私のお尻をさわり、そのまま下りタイツ越しの太ももまでたどり着いた
「あの…やめてください。困ります。
「ええんやで?今写したその紙。シュレッター行きやで?
「そらそやろ。何のお礼もなしにこんなめんどいことに付き合う奴があると思うんか?
彼の手は私の内ももに回ってくる
「スカート捲って、あっち向けや。
「いや…あの。やめてください。お願いします。
「やめるわけないやろ。ほんなら何かしら別のお礼でもしてくれるんか?金なら10万今すぐ持って来いや。
「無理です。今すぐなんて。すみません…
奴の手は後ろを向かせた私のスカートをめくり上げる
「意外とええケツしよるやんけ。そそるわ。
スカートをめくりあげたその手はタイツをズラし下ろそうとする
「やめてください言いながら、実はこん中、濡れてんちゃうんか?こういうん嫌いやないやろ?
タイツを膝までズラし、私の下半身は下着1枚になった
「やめてください
「うるさいな。この会社の縦社会で俺に楯突くとどうなるか知らんのか?
下着1枚になった私の下半身は
やつに下着の上から弄られ
奴の手は内ももの方から下着の中に手を入れようとした
ガチャッ
「まだ誰かおんのか?セキュリティかけんで?
「あ、はい。帰ります
たまたま立ち寄った別班の人がドアを開けた
間仕切りで仕切られた部屋だったので、こんな姿を晒すことはなかった
「なんや。ええとこやったのに。ま、また今度やな
そういうと、奴はそそくさと部屋を後にした
私は慌てて乱れた着衣を正し、その場を離れた
大阪へと羽ばたいた私
でもそこでは思いがけないことが次々と起こった
ハプニング EP1 いきなりの出向
私は大阪に着いて、引っ越し後の片付けを済ませ
その日はそのままとこに着いた
明くる日
事務所へ出向くと自己紹介のちすぐに出向命令が下った
新人研修を含む、他支店の視察動向
いきなり私は片道6時間をかけ、東北地方は青森県に到着した
目の前にある青森城を横目にビジネスホテルへ向かった
道中目にして驚いたのは車両用信号機が縦を向いている
冬の積雪面積を減らすために信号機が全て縦を向いていたのだ
やたらなまった方言を使う支店長と上司に挟まれながらも視察を終えた
ハプニング EP2 またもや出向
青森の出向を終えると今度は三重県まで下った
伊勢神宮のあたりを通りながら
投げ釣りでキスを狙う釣り人たちを横目に市街地へと向かう
ここでもまた支店長と上司に挟まれながらも視察を終えた
伊勢海老食べたかったなーと思いながらも
SAで昼食をすませると
その日のうちに今度は神奈川まで戻った
ハプニング EP3 芸能人
神奈川市内を鈍行していると
多摩川が見えてきた
橋の上では芸能人の仲間由紀恵が撮影をしていた
初めて見た芸能人に興奮しながらも
仲間由紀恵を横目に
無情にも車は通り過ぎる
その後も
茨城
広島
と、いろんなとこへ連れ回された
大阪に戻るとぐったりで
次の日が休みなことに安堵を覚えた
大阪に戻って働きながら、学校へ通った
今の稼ぎでは学費がヤバいと
私は夜のバイトを始めた
店長は私の源氏名を
「美咲
とした。
年齢層はさまざまで
いろんな業種の客が入れ替わり立ち代り来店した
酔っ払って大きくなる人
酔うとやたら喋る人
隅っこで寝てしまう人
あっという間にバイトは終わり
今日の給料分だと渡された金額の大きさに驚いた
会社員
学生
ホステス
3足のわらじを履く私は来る日も来る日も働いては学校へ通った
バイトも慣れ
会社員としても半人前くらいになった頃
上司が私のところへ1枚のパンフを持ってきた
そこに書かれたのはローカルながら昨年大盛況に終わったイベントのメイクアシスタント募集の広告だった
上司は私に
「これも勉強
と
私を応募してくれていたのだ
採用結果は
合格
こうして私はイベントスタッフとなった
噂
口コミ
人から人へと伝わる伝達路だ
時としてそれは多大な影響力を及ぼし
この情報社会にとっても
驚異的な広がり方を見せる
私が退院後初めて学校へ出向くと
そこではすでに噂が蔓延していた
乱交の末 中絶した
だからあいつはヤリマンだ
あいつは誰でも受け入れる尻軽女で
狙ったターゲットがいるときには自分から向かうハンターだ
初体験は小学校の時で
今では100人切りも達成済みだ
そんな根も葉もない噂が私に伝わるのも
久しぶりに登校したその日のうちだった
教室や廊下の至る所で
女子生徒からは白い目で見られ、蔑まれ
男子生徒からはニヤニヤした下心を含んだ軽蔑の目で見られた
噂というのは怖いもので
事実無根とはこのこと
初体験が小学校だったって…
私の初体験は
あの日の事件だというのに
私の味方をしてくれる人がこんなにも居ないものかと嘆いたのは言うまでもない
あゆ美は私に
「体調が悪かったの?
「もういいの?
「連絡も取れなくて寂しかったよ
なんて
噂を知らないわけじゃないだろうに
ひとかけらも信じることなく
私の言葉だけを待ち
蔓延する私を蔑む声の中教室で
孤立していたに違いない
私はあゆ美に
「大丈夫だよ。すこし風邪が長引いて
と、初めて嘘をついた
するとあゆ美は
「そっか。じゃあしばらくは穏やかに過ごさないとね。
「また元気になったら一緒に買い物に行こうね^_^
って笑ってくれた
私はあゆ美1人の味方に救われた
何の疑いもなく私の言葉を信じて
まっすぐに確かな友情を伝えてくれた
しばらくすると飽き始めた生徒たちの口から私の陰口は薄れていった
流行りみたいなものなんだろう
何かが流行ればみんなが同じような格好をし
中には区別もつかないニコイチなんて言葉まで流行る
自分を持たない大衆に飽き飽きした
でも
しばらくすると私の耳にはまた別の噂が聞こえ始めた
私と行動を共にするあゆ美
アイツも同じなんじゃないかって
彼女を見る目は次々と悪意に満ちた目へと変貌し
ていった
彼女はそんなこと気にする様子もないが
私は罪悪感を感じ始めた
私といるばかりにあゆ美がそんな風に言われ始めた…
私にとってそれは
何よりも苦痛
堪え難いなんて生易しいものではなく
噂の発端には殺意まで芽生えたほどだ
そして私は
あゆ美を避けるようになってしまった
あゆ美を守る方法が
他にあるなら教えて欲しかった
あゆ美は時折私に視線を送った
でも私はそれを気付かないふりをして
休憩の時なんかにはわざとすぐに席を立ち
ギリギリに戻ってくる なんて
あゆ美との接触から逃げ回った
そしてしばらくすると
あゆ美の噂話もまた
徐々に薄れていった
でもまた
男の取り合いで仲違いした
などと
噂が広がり始めた
2人でその噂と戦おうと思ったときには
あゆ美からの視線を感じなくなっていた
私が避けてることを察した彼女は
廊下をうつむいて歩いていた
わざと肩をぶつける男子生徒に突き飛ばされて
転んで
教科書ばらまいて…
でもあゆ美は
何も言わずに立ち上がり
散らばったものを拾い集め
またうつむいて歩き出した
私とすれ違っても目を合わせることはなく
私が送る視線にも気付かない
顔を上げて目が合ったと思っても
そのまま目の前を曲がり
教室へと入っていった
私は自分勝手だと思いながらも
やり場のない気持ちに耐えきれず
「無視すんなよ!
って…
あゆ美
ごめんね
私
本当に
ごめんね
私はあゆ美の後ろの席のやつに伝えた
「私…学校辞めて大阪いくから。あゆ美のことお願いできないかな?
「なんで俺に言うの?
「だってアンタも私の時もあゆ美の時も噂に興味なかったから。アンタなら信じれると思って。
「まあ。何をお願いされたのかはよく分からんけど、まあ後ろの席だし。まあ…分かったわ。
「ありがとう。
「ま、お前も頑張れや。またいつか分かり合える日がくるって。根拠ねえけど。
「そだね。ありがとう。
私はこうして学校を辞めた。
学校を辞めた私は
大阪の親戚の元に下宿させてもらい
美容師見習いとして働き始めた
あゆ美との夢のため
来る日も来る日も一生懸命働いた
私は押さえつけられて出来た痣について母と病院で診察を受けた
医者は
「大変心苦しく思いますが、こういったケースの場合はまた別の診察を勧めています
「と言うと…?
母は不思議そうに尋ねた
「こういったケースで最悪の場合、妊娠してしまうこともあります。ただ現段階ではまだ妊娠判定が出来かねます。痣の経過観察ののち、妊娠判定も行なって頂いた方がよろしいかと思います。
母は一気に泣き崩れた
望んだ相手とのことでもないのに私が身ごもっていたとしたら
私がどんな思いでいるのかと思うと可哀想で仕方がないのだろう
私は母に
「私は大丈夫だから。だからお母さん判定できるようになったらまた一緒に診察受けに来てくれる?
母は泣きながらうなづいた
そして
警察が私の観察入院する個室へ来て事情聴取を求めた
私は覚えていることをなるだけ伝えた
しばらくして妊娠判定出来るほどの時期が来たのだろう
私は体調がすぐれず
すぐ眠くなった
つわりのようなものはないが自分の体に異変が起きていることは分かった
案の定
妊娠判定では判定欄に丸がついていた
医者は私と母に中絶を勧めた
私と母もそれを承諾し3日後に手術を行うこととなった
そして
個室病棟に移ったころ
また警察が訪ねてきた
「主犯の目星がつきました。そちらのご意向により任意同行を求めることが出来ますので、被害届を提出してください。
「分かりました
「もう一つ…。中絶する胎児のDNAをこちらに資料提出していただきたく思います。
「…。分かりました。
そして私は退治を中絶した。
そして、
胎児のDNAサンプルを科捜研に提出した。
私と母は
警官に連れられ取調室に行った。
そこには見覚えのない男が座り、取り調べを受けていた。
その男の髪の毛のDNA
私の股間にまとわりついた精液のDNA
胎児のDNA
全てが一致した。
主犯共犯問わず
現場にその男がいたという動かぬ証拠が揃った。
私はガラス越しのその男を睨んだ。
向こうからはマジックミラーで見えないだろうが…
そして数日後
主犯らしき男の供述から
共犯者7名が同日 逮捕された。
そして私は警察を後にした。
後日、裁判所では有罪判決が認められた。
そこで私は集会で出会った耳打ちした嫌な奴と出会った。
彼は裁判中に
計画的犯行であったことを事細かに話した。
そして、
自分より弱いものがどれほどの恐怖を感じていたことか。
なぜ女ばかりが性的被害を受け、また公になったとしても世間の目はそういう目で物事を捉え、社会的な制裁まで受けなければならないのか。
一生消えない傷をつけておいて、のうのうと遊び暮らすその男たちの罪の重さを主張してくれた。
そして奴らは強姦罪 懲役5年の実刑となった。
むろん初犯だったが、
普段からの素行の悪さもあり
執行猶予はなかった。
帰り道。
私は母とうつむき、歩いた。
勝訴といっても…
逮捕されたんだとしても…
自分の心と体につけられた傷が
痛くて仕方がなかった
事件は解決だと警察は言った。
でも私と母にとっては
ずっと
解決なんてしない。