思いつきで書いた物語と実話のMIX

フィクションとノンフィクション。目線を変えると景色も変わる

言葉にできない4-2

2019-09-21 21:45:00 | 日記

保育園にあがっても周りの友達と遊ぶのに一生懸命で


自分が周りと違うことには気が付かなかった


変えれば沢山の兄弟たちがいて


沢山の両親がいて


さみしいと思うことは無かった




小学生にあがると


参観日が嫌だった


授業中に振り返っては

「お前のお母さんきたよ

とか

先生の言うことも聞かずにはしゃぐ友達たちが羨ましかった



運動会でも


仲のいい友達とレジャーシート並べてご飯食べることもなく


同じ施設の兄弟たちと集まっては食事をした



駆けっこで一等になっても


所属した赤組が1番になっても


喜んでくれる人もいなくて


ただ帰って


「頑張ったね


って言ってくれる両親たちに愛想笑いした








上の学年になるにつれ


周りから


「あいつの親見たことない


とか


「あいつ家ないらしいよ


とか


自覚のない興味本位だけの誹謗中傷の声が聞こえてくるようになった






払い込まれてない給食費の封筒を受け取る生徒もいれば



上の兄弟のお古の体操服を着る生徒もいる中


当たり前のように新しいもので揃えられていたことは


せめてもの


何でもしてあげたい両親達からのプレゼントだったのかもしれない



だけど


さみしさを紛らわすだけの騒がしい家も


怒られることもない親子関係も


日に日に虚しさだけが溜まっていく要因となった



うっすらとも思い出せない両親が


どうして自分の前から急にいなくならなければならなかったのか



どうしても気になった






迷いの中



大人への階段を確実に登る


立ち止まることも許されないまま


僕は中学生となる


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