思いつきで書いた物語と実話のMIX

フィクションとノンフィクション。目線を変えると景色も変わる

うちの嫁の取扱説明書

2019-08-31 16:41:00 | 日記

時折、前歯を出して寝ることがあります。


食べ物の匂いがするとすぐに目を覚ますので、食べ物を持って近づかないようにしましょう。


眠たい時に起こすと機嫌が悪くなります。そっとしておきましょう。


台所に立つとシンクが荒れます。一緒に片付けましょう。


生理前になると極限までムクミます。指差して笑ってあげましょう。一緒に笑います。


コタツは早めに片付けましょう。気付くと住処にされる恐れがあります。


機嫌が悪い時に台所に立つと食器同士が荒々しくぶつかる音がします。すぐに手伝いましょう。


機嫌がなかなか治らない場合は直ちに近くのお店におやつを買いに行きましょう。


口喧嘩の時はこちらから先に折れましょう。長引くと日をまたぐ場合があります。


たまに前髪がミリ単位で短くなります。よく観察して気づいてあげましょう。みるみるスネていきます。


食べ物が目の前にあると、無くなるまで食べます。太りやすいので量を管理してあげましょう。


早起きの日は自分の方が先に起きましょう。叩いて起こされます。


定期的に肩が凝ったと言います。時折無視しましょう。図に乗る傾向があります。


食後は自分の方が台所に遠い位置にいましょう。自分が飲まなくてもコーヒーを入れさせられます。


お風呂に入って1時間しても上がってこない場合は見にいきましょう。お風呂で寝ていることがあります。


口うるさく注意しないようにしましょう。逆効果になります。


たまにお義母さんと口論します。子供と二階に逃げましょう。飛び火します。


忙しそうな時は極力話しかけないようにしましょう。八つ当たりされます。


あまり他のお母さん達と話さないようにしましょう。疑われます。


また思いついたら追加します^_^



言葉にできない2-8

2019-08-31 16:38:00 | 日記

僕は親父からの手紙を読み


陽平のことを知り


百合に話を聞いてみることにした


でも百合自身もそんなことは全く知らず


本当に親父と2人だけの話で


陽平の夢の話が現実味を増す一方だった



となりでニコニコしながらアイスを食べるあゆ美を眺めていても


頭の中は陽平のことばかりで


僕はやっぱり陽平の夢の続きを果たすべきだと考えるようになった


僕は突発的な発作からクローン病だと診断されてたから


死に至ることはないにしろ


後悔のないよう生きるよう陽平に背中を押された気がした


僕は心の底から笑ってくれるあゆ美が愛おしかった


そしてあゆ美も僕を愛おしく思ってくれていることは伝わっていた


そして僕は彼女と全身全霊で愛し合うことにした


この後急に僕が居なくなることで


あゆ美がどうなるかも考えもせず


離れる前に確かにここにある愛を感じたかった


彼女は震えることもなく


体温と体温が触れ合い


手と手が絡み


彼女の1つ1つの吐息を確かめながら


ひたすら彼女に愛を注いだ


門限の時間も過ぎたのに帰ろうとしない僕に


彼女は何を訴えるわけでもなく


ただただ嬉しそうに隣で笑っていた


彼女を送り届け


あちらの親さんにも挨拶をして


僕は今度いつ会えるのかも分からないくせに


「またね


って精一杯の作り笑顔で彼女を見届けた


そして


僕は空港で待つ親父と合流した


「挨拶はすんだか?


「うん。大丈夫。


「ここからは言葉の通じない異文化の国だ。


「分かってる。


「お前いつのまにかたくましくなったな。


「そうかな。


「いい顔になったな。


「陽平に笑われないようにしないと。


「…そうだな。


「俺、精一杯生きるから。


「…うん。精一杯悔いのないよう生きよう。





そして僕はこの年まで一度も出たことのない街を出て


遠い異国の地へ渡った


黙っていた母にメールをしたのは空港に着いてからだ


まずはじめに便箋とペンを買い


あゆ美に手紙を送った





もしも



もしもあゆ美が



僕が戻った時にもまだ僕を忘れてなかったなら


あゆ美を連れてこの街を案内しよう


僕が見たもの


陽平が夢見たもの




言葉にできない2-7

2019-08-31 16:37:00 | 日記

僕の親父は僕が小さい頃にはもう家を開けることが多く


親父と遊んだ記憶なんて全然ない


たまに帰ってきてると思っていた男の人を


父親だと認識するのも時間がかかった


それほど父は僕に干渉しなかった


むしろ興味がなかった





父は学生の頃から海外の文化の違いや習慣の違いに興味を持ち


世界遺産や国宝などのDVDもラックにたくさん並んでいた


父は外国でホームステイしながら、旅しながら、気ままに暮らしているんだろう


それでも父は


母への仕送りと手紙だけは毎月欠かさなかった



僕に手紙が来たのは初めてだった


母への手紙に同封された現地の人との写真や景色の写真


写真の中の父しか知らない僕によくも手紙なんて送ってこれたものだ


正直読む必要性はあまり感じなかった


それでも母に言われ封を開いた


「ケイスケへ


こうしてペンを取り、お前に手紙を書く日が来るほどお前が大きくなってしまったことを実感しています。
思えばいつも家にはおれずケイスケには小さな頃から寂しい思いをさせてきたかもしれないな。
父さんは知ってる通り海外が好きで、いつか海外で職を見つけ、永住し、お前たち家族もこっちに連れてこようと思っていました。
でもなかなか思うようには事は運ばず、気づけばこんなにも月日が経ちました。
こうしてペンを取ったのは、ケイスケ。
お前の友達の陽平くんのことだ。
陽平くんが亡くなったことをお母さんから聞いて、幼馴染の友達を亡くしたお前がどれほど辛いか、考えただけで胸が締め付けられる思いだった。そして、陽平くんが残したものをお前に伝えるべきだと思った。
実は陽平くんは父さんとずっと手紙のやり取りをしてた。
それは陽平くんも海外が好きで父さんに憧れを抱いていてくれたからだ。
そして、家族をこっちに連れて来たいと話すと、自分も一緒にケイスケと海外で働きたいと、言語、習慣や食文化、聞きたいことをまとめては手紙をくれた。その度に陽平くんはお前のことを自分のことのように伝えてくれていたから、父さんはお前のことを知ってた。だから結果的にお前と関わることが少なくなったのも事実だけどな。
そして、何が言いたいかというと。

陽平くんの意思を継いで、こっちに来ないかという話だ。
お前は何かを造作したりするのが好きだから、父さん今勤めてるところのコネで、歴史的財産の修復作業員の見習い募集を見つけたんだ。
言語は父さんも居るから少しずつ覚えればいいと思う。
やりたいことが他にあるなら無理に強要はしない。
お前のことはお前が決めればいい。
ただ亡くした友の為に意思を継ぐのも悪くはないと思うんだ。
また返事を聞かせてくれないか。
母さんも後からこっちに来ることになるから、母さんのことは心配要らない。


青木圭吾





僕は陽平と父さんが手紙のやり取りをしていたことも

陽平の夢のことも知らなかった


そして陽平のことを深く尊敬した


先を見据え


夢に向かって努力をして



僕は迷わずペンを取り


「行きます


と一言だけ書いて返信用封筒にいれ


母に渡した




「あゆ美ちゃんのことはいいの?



「そっちはちゃんとケジメつけるから


「そう…


「母さん…ありがとう。


母は黙ったまま微笑んだ






そして僕は



あゆ美にいつもの通り



会いに行った





言葉にできない2-6

2019-08-31 16:36:00 | 日記

彼女の名前は松本あゆ美


たまたま席が前だった


でも休んだ時にノートを書き写させてくれた


彼女はとても不器用で


友達との距離の測り方が下手で


うまく関わることが出来ないまま


勘違いを正せないまま


友達と離れ涙していた


最低な男にのめり込んで


痛みきっていたこともあった


そんな彼女は僕の彼女になった


毎晩寝る前には彼女のことばかりで


なかなか寝付けずいつも遅刻ギリギリ


カッコつけてしまう僕が唯一カッコつけられないケーキとかスイーツの前で見せる顔に


「子供みたい
って母のような顔して微笑んだ


今日は何を話そう


今日からは少しずつカッコつけた鎧を脱いで


ありのままの自分で話したいと思って悩んでいると


決まって他の女子が周りをウロつくから


僕は最近機嫌悪く見えるような顔しながら


彼女のことを想うんだ



こんなにも彼女を思うのに


僕は彼女と1つになりたい感情が芽生えなかった


もっと分かりあって


もっともっとお互いを知ってから


彼女に優しくしたいと思うからだ


前の時みたいに体だけが繋がった恋愛はしたくないし、させたくない


彼女の傷はきっとまだ癒えてないはずだから


少しずつ


彼女が何を思うのか


彼女がそれを望むのか


頭の中は彼女でいっぱいだ


そしたら


僕は彼女を


「あゆ美

って名前で呼べるかもしれない


今はまだカッコつけた名残でアンタって呼んでしまうけど


それはそれで


彼女のことばかり考えて


彼女が1番喜ぶデートプランを考えて


僕は彼女に笑っていて欲しいから


とりあえずはカッコつけながら


僕は彼女とデートする



どうか


思い描く未来が


2人にとって


同じでありますように






そんな時不意に届いた1通の手紙


親父からだ









言葉にできない2-5

2019-08-31 16:33:00 | 日記

いつもの帰り道


空を見上げながら亡くした友を思い


味わったことのない感情に情緒は振り回されていた


ふと話し声が聞こえてきた


「アイツいっつもすぐやらせてくれるから楽でいいや。今までで1番簡単にやれたわ


「お前マジでクズだな。かわいそうに。だいたい女何人作るつもりだよ。お前の彼女もよくお前みたいなのとおるわ。


「女なんてやりたい放題やって飽きたら変えればいんだよ。でも、あいつ何回浮気しても付いてくるからアイツみたいなのと結婚したらずっと遊んでられるかもー


「エゲツないわー。マジでクズの神さまだわ。お前マジでひどい。俺らが知ってることぜってえ言うなよ。共犯とかみたいでマジ無理だから



笑いながら下世話な話をする上級生だった


アホみたいに笑いながら、ひどいことしたってなんの罰もない。


陽平が死ぬよりアイツらみたいなのが死ねばいいのに、神様は不公平だ。


そもそも神様も陽平も百合も見放す理由なんてないはずなのに。


神様なんて居ないんじゃねえかな




次の日


下世話な話をしてた上級生と歩く女がいた


あれが浮気ばっかされてる彼女か…


何が良いんだか。


金持ちの坊ちゃんかなんか魅力でもあんのかな。



でもそこに歩くのは前の席の少し気になったあの女だった…


「彼氏いんのか。まあ居るだろうな。



目線を落として奴らとすれ違った



彼女はあまり見せたことのない顔で笑っていた


嬉しそうに話す声


小刻みに動く体から伸びた手は


アイツの袖をしっかり握って


少し足早について歩いていた









少し寝坊して時間を見ながら授業の合間に教室に入ろうとクラスに向かった



廊下で一方的に責められる女と


すごい剣幕でまくしたてる派手めな女と


何やら口論をしてる




責められる女はまたあの女だった



なにやら男を取っただ、取ってないだで揉めてる



「あぁ…浮気相手にされてた方だったんだ


と、思った



また違う場所ではあの遊び人が彼女に近づいた


彼女は馬鹿にされたような言い方ばかりされて


どんどんうつむいていくのが分かった






僕は感じたことのない衝動に駆られて


そいつの襟を掴んで力一杯後ろへ放り投げた


アイツは


「ってぇな!

って言いながら起き上がった


僕は理性のないまま彼を睨みつけた


殺したいほどの感情だけが僕を支配して


きっと獲物を狩る時の肉食獣のような眼光でそいつを睨みつけていた


アイツは怯んだ様子で向かってくるのをためらった



なんだろう



この感情は…



あの時にも感じたことのない感情


何か大切なものを失いそうになった時のような…




あぁ…僕はきっと少し気になるあの女。


きっと彼女のことが好きなんだろうな


好きってこういうことなんだろうな


自分が守らないといけない相手


なんか…



よく分からないけど


この女のことで頭がいっぱいだ




うつむく彼女を連れて帰り道を歩く


何て声かけたらいいのか分からない…


何て言えば笑うのかな…


何て言って欲しいのかな…


迷いばかりが支配する頭の中


ため息と同時に出たのは僕の強がりな部分だった


「おまえ…しっかりしてそうにみえるのに。


「守ってくれる人とかいないわけ?






そうじゃない。


僕が言いたいのはそんな言葉じゃない。


何でそんな言い方になるんだ。


このバカ野郎が。


傷ついた相手にそんな言い方あるか。



でも彼女は


「アンタが守ってよ。









………マジか。






そうくる?



まさかの逆転満塁ホームラン級のダークホースがやってくれました。



確率0.2パーからの急上昇





何て返そう。



何て返そう。



実は好きだったんだよね。



これか?


でもなんか傷ついた女にこれはズルい気がする。



なんだなんだ。



こんな時の最高な返事はなんだ。



求めている答えはなんだ。






思考回路が満員御礼です…。




なのでこのバカな私は




「別にいいけど。




だぁー



なんなの、その上から目線は。



ありえないんですけどー。


チョー上からなんですけどー。




これでは彼女が2秒で


「やっぱ無理…



とか



こんな結末ー?




ヤバい、ヤバい。



何とか追加でフォローいれないと。



ヤバい、ヤバい。



慌てふためく脳みその中のミニサイズの僕は



リアルな強がりの僕に説教しながらアドバイスする。




でも彼女は




恥ずかしそうに僕の制服の裾を握ってついてくる







あ…まだ生きてる



今のが正解だったのですか…



今ならなんでも出来そうな気がする〜



何でも叶いそうな気がする〜







帰り際



飛び出しそうな心臓を押し殺して



はしゃぎそうな心を落ち着かせて



僕は彼女にこう言った



「俺は…大事にするから…





カッコつけてみた〜^_^ ^_^ ^_^汗汗


「よろしくお願いします…



彼女は恥ずかしそうにモジモジする





「可愛いすぎるだろ…



心停止しそうだ。




でも今日のところはカッコつけたまま帰ろう。



「また明日な



「…うん








幸せだ〜



なんなんだ


いきなりの春の到来



俺キャラ変わってない?


ま、いいか。