思いつきで書いた物語と実話のMIX

フィクションとノンフィクション。目線を変えると景色も変わる

言葉にできない3-8

2019-09-06 22:58:00 | 日記

しばらくすると社内報にて人事異動があった


私は木戸ちゃんと周りの人たちからの推薦もあり


経営推進課に異動になった



私は何の部署なのかもわからないまま上層階へと上がった



そこには


綺麗目なスーツで清潔感のある爽やかなおじさま方や


エレガントかつ清楚で上品な感じのお姉さまたち


社内でも一目置かれるような部署なのが一目で分かった



「おはようございます



部署に入ると



「こっち!こっち!



木戸ちゃんだった



木戸ちゃんは真っ黒なスーツに赤い靴


髪型も1つに無造作に結ってキャリアウーマンみたいなスタイルに変わっていた


「また一緒やね。よろしくね。


「あ、はい。お願いします





私は木戸ちゃんと同じ班だった




私と木戸ちゃんの班はコンサルやお得意先を回る



そして


新規開拓班だった



今日もいきなりお得意先やコンサルの訪問だ



夜には会食があって


いろんな重役との会合だ






慣れない訪問でクタクタなわたしは慌てて帰宅してすぐに着替え


タクシーを飛ばして会場へ向かった



会場に着くと


ヨーロッパ風の建物にライトアップされた噴水やら


普段は縁のないようなところだった



会場に入ると木戸ちゃんに手を引かれ受付を済ます


中に入るとまず視界に入るのは豪華なシャンデリア


真っ赤なカーペットにたくさん並んだテーブルの上の食事たち


私は映画の中の登場人物になった気分だった



「挨拶して回るから気合いいれてこ!



そういうと木戸ちゃんは片手に持ったワインを飲み干し会場を回る


「お久しぶりです。会長


「おお、木戸くん。今日はニューフェイスも一緒か。



「はい。ともどもよろしくお願いします。



たくさんの人のところに連れ回され目が回りそうだった



乾杯をしてまわると



何やら嫌そうに木戸ちゃんが言う


「行きたないけど、あいつもお偉いさんやねん。気張っていこ。



木戸ちゃんはさらに気合いを入れた



「会長。ご無沙汰してます。


「ああ、木戸か。久しぶりやな。なんやその学生さんみたいなちんまいのは。


「うちのニューフェイスです。よろしくお願いします。



私は緊張しながらワインを片手に乾杯を誘った



すると、こいつはグラスを下げ、わたしのグラスに下から乾杯した。


「なんや。お前乾杯も出来んのか。目上の人には下から乾杯すんのが礼儀やで。



いきなり先制パンチをくらった。



「失礼しました。よろしくお願いします。



「出来損ない連れてあるくと木戸も大変やな。



絶対わざとだ。



わざとグラス下げた。



私は顔に出ないように笑顔で耐えた。



「こう言う奴ほど笑っとればええと思ってんねん。腹が分からんわー。



「会長相手に緊張してるんですよ。なかなかお目にかかれない大物ですから。



木戸ちゃんが私をかばう。



「まあ、木戸が連れてんなら仕事はバッチリなんやろな。期待してんで。ちんまいの。




「はい。よろしくお願いします。




私は顔がつりそうだった。



「今日は大変やったね。でもあいつ以外はほんまにええ人ばっかりやから。がんばろね。



「はい。ありがとうございます。



私は帰ってすぐベットに倒れこんだ。



そして案の定



顔の筋肉がつった


「痛たたたたた。



コメントを投稿