滋賀県・京都府とその周辺の山と滝Ⅱ

比良・鈴鹿山等の滋賀の山や京都北山を中心とした、山登り・滝巡りなどを写真で綴る個人記録帳です。

2023.11.03 若丹国境尾根/三国峠~シンコボ~杉尾坂@紅葉の盛りの若丹国境尾根を縦走(前編)

2023-11-03 22:12:18 | その他の地域の山と滝

2023.11.03[永谷集落別れ09:10〜10:08無名滝・尾根取付き10:12〜12:05三国峠12:11〜12:55ランチタイム810mピーク14:05〜14:35野田畑峠14:36〜15:17シンコボ15:18〜16:13杉尾峠16:14〜16:54林道16:55〜17:34廃村虫谷](距離17.4km 累積標高1207m)with ナオジロー,  はな,  まさき,  山猫,  yamaizu

虫谷(廃村)に車をデポ後、永谷(廃村)手前2kmに移動、※永谷まで通行可

・取付き尾根は最初は急登、藪は無く所々に杣道がある。
・若丹国境P767~三国峠~野田畑間のカエデの森の紅葉は見頃。
・シンコボ~杉尾峠はブナやカエデ等のほぼ自然林の尾根
・杉尾峠若狭側は古道が消失しているが緩やかな尾根

 

山猫さんに「紅葉を期待して若丹国境稜線を縦走する予定ですが、いかがですか?」とお誘いを受けて参加。
名田庄では槇谷川の五ケ所の滝、一ツ谷の朝比奈の滝、有名な野鹿の滝などのいくつかの滝には訪れたことはあったが、登山のための入山は今回が初めて。
また、学生の頃に京都から小浜まで歩こうと友達と計画したことがあったが、実行されずじまいだったので、今回ご提示いただいたコースにはとても惹かれるものがあった。それに山猫さんご夫妻以外のメンバーとは今回が初めてということもあり、さらに期待は膨らむ。

霧の中車を走らせ、二次集合場所の「おおい久田の里森林公園」へ。思ったよりも早く着いたので辺りを散策。
霧の奥から日がさし、光芒のような美しい光の筋が山肌に走る幻想的な風景、その柔らかな朝日が、霧に濡れた蜘蛛の巣を白く輝かせているピンポイント風景などを楽しむことができた。今回の登山と関係はないのだが美しかったので写真を上げさせてもらっています。

その霧も歩き出す頃にはすっかり消え、雲ひとつない快晴に。なんときょうは最高気温27℃の予報が出ている。
倒木処理がされていて、思っていたよりも駐車地より奥まで車で入れたかもしれないとのことだったが、正面に朝日を浴びながらの車道歩きも悪くない。
水田か畑の跡であろう古い石垣が左手に見えだすとまもなく廃村永谷。
朝の廃村風景は寂しさを感じさせない。しかし半壊した家屋や朽ちた滑り台とブランコが、実際にここにはもう人々の営みはないのだということを知らせてくれる。

本来予定ルートだった尾根の取り付き点よりも、さらに谷を辿ると大きな滝があるということでルート変更。山猫さんの計らいに感謝。
水量は通常より少ないそうだが、その滝はオススメだけに美しく、一見の価値は十分にあるものだった。

滝右手からの尾根取り付き点は少し岩もあってなかなかハード。みなさんスリルを感じながらも問題もなく通過。わたしもここだけはカメラをザックにしまう。
しばらく急な尾根を直登していくと広葉樹林帯となり、小ピークに着く頃にはいよいよ紅葉が現れ出す。
この先はこれまた山猫さんオススメである二重稜線の別天地。それは山肌が滑らかで優しい曲線で構成された窪地で、女性的な風景であり、その懐に優しく抱かれている感じがする場所だった。ただただ静かで美しい。気分の高揚感よりも、そこに身を任せる安堵感の方が強く感じられる。
さらにその先は紅葉が見事。思わず大きく息を吸い込むと鳥肌が立ってきた。感嘆の言葉も出ない。
みなさん写真撮影に余念がなく、遅々として足取りが進まない。

ようやく三国峠に辿り着くも、そこには長居せず、元来たルートを少し戻ったのちにいよいよ若丹国境尾根の縦走に入る。
この辺りの尾根は稜線で繋がっているというイメージではなく、小さな山の塊が連続して並んでいるといった特有の地形をしており、小刻みにアップダウンを繰り返すことになる。場所によっては主稜線を外しかねないので、常に地図やGPSで確認しなければならない。それが面白いところではあるのだが。

これまた山猫さんオススメの無名ピークでランチタイム。
久しぶりに山猫さん夫妻の山料理をいただく。きのこたっぷりピラフ、秋の山では抜群の相性。大変美味しくいただきました。改めてごちそうさまでした。
食後は無名ピークの広い山頂部を南に移動して、このコース唯一でもある開けた風景を堪能する。きょうは秋としては霞があり、完璧にクリアな風景とはいえないものの、青空の下に見える山々はどれもが美しく佇み、いずれの山にも登ってみたいと思わせるものだ。

さてここからが後半のハイライトとのこと。もうお腹いっぱい(実際ランチもいただき)なのに、贅沢三昧なコースである。
それは廃村野田畑の上流地域。野田畑には、明治末期まで木地屋3世帯の集落があったらしい。
野田畑集落のあった上流の谷と若丹国境尾根との標高差がほとんどなく、ゆったり流れている谷の水が、国境尾根を越えて福井県側に流れていっても不思議でない箇所もある。
そのため尾根を歩いていても谷の様子がよくわかる。そのゆったりとした広い谷にはブナをはじめとする巨木が程よい間隔で聳えており、三国峠周辺の森とはまた違った美しさがある。

野田畑を後にしてシンコボの山頂を踏む。シンコボってどういう意味なのだろう。とても興味を惹かれる名称なのでまた調べてみようと思う。
この先の国境尾根も小さな山がポコポコ連続するわかりにくい地形が続く。
そしてまだまだこの間にも素晴らしい紅葉や巨樹が見られる。斜陽により一層赤やオレンジの色が強調されて美しく眩しい紅葉。そんな美しい景色を楽しみつつも、秋の日はうつるべ落とし、暗くなるまでに林道に着地できるかちょっと心配性の一面が出てきた。

美しい窪地から由良川の真の源流である上谷に一旦下ると杉尾峠も近い。
杉尾峠もまた雰囲気がいい。ここで縦走は終了、杉尾坂の急下降となる。
杉尾坂は一度は歩いてみたかったところだ。踏み跡僅かで全く不明瞭なところもあるが、境界線の杭をたどり尾根を外さないように下る。途中数箇所に思いもよらなかった登山道標識があるのには驚かされた。
順調に下り、わたしの心配も取り越し苦労、明るいうちに林道に下り立つことができた。
そうして最後はヘッデンに頼りつつも、廃村虫谷集落跡の車のデポ地に戻ってきて、きょうの楽しくお腹いっぱいの山行も終了となった。

4日前に京都市左京区の瓜生山をスリッポンを履いて散歩していた時に、小石ザレザレの坂道で滑って派手にひっくり返り、しこたま腰を打ってしまった痛みが残っていたので心配はしていたものの、ほとんど影響なく歩き続けることができた。

素晴らしい山に連れてきてもらった山猫さんには感謝せずにはいられないし、何度も一緒に登られているメンバーのみなさんとの感動の共有が一番に心に刻まれる山行となった。その感動の共有ができたことに対してもみなさんには感謝です!ありがとうございました。

 

 

 

 

二次集合場所の「おおい久田の里森林公園」にて

 

 

ムカゴ

 

サルトリイバラ

 

朝の廃村虫谷

 

今日も一日楽しい山登りになりそう

 

山猫さん夫妻モデル

 

 

廃村永谷

 

朝露に濡れる蛾

 

朝日に向かって長い林道をゆく

 

右岸に小滝

 

ムラサキシキブ

 

苔むしたトチ

 

 

左岸にも小滝

 

大きなトチノキ

 

 

今度は右岸支流出合に大きめの滝が

 

尾根の取り付きはなかなかデンジャラスで面白い

 

ユズリハの実

 

もうひと登り

 

山が赤く染まってきました

 

鮮やかに色づいた葉もあります

 

とても素敵な場

 

これはなんの木だろうか、根元で3本に分かれた中心から見上げて

 

 

国境稜線に近づくと二重稜線の息を呑む光景が広がる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一面の紅葉

 

 

 

三国峠最後の登りは各々好きなところを登る

 

 

 

 

 

腕を大きく振ったブナの巨木

 

ヤドリギ

 

この上でランチです

 

(続く)


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