ある時、ふと、アンネ・フランクはなぜ死んだのだろう? と思った。
それは運河を挟んで100m離れたところの隠れ家にいた、ユダヤ人物理学者アブラハム・パイスが、あの大戦を生き抜いたからだった。
生き抜いた人と、死んでしまった人、その差はいったい、なんだったのだろう、どこにあったのだろうと、考え始めたのが、きっかけだった。
多分、最初は旅好きの私が、行く先々で、ユダヤ人や、ナチのレジスタンスに関わるところがあったら寄って見ようかぐらいだった。
それが、段々、そういう場所へ行って、詳細を見たり知りたくなり、旅の重点はこちらになり、気分転換に長閑な田舎や、観光名所などを訪ねるようになった。
そんなふうな旅をしている時、
2018年にこの本と出会った。
「一度は見ておきたい!」、このキャッチコピーは、まさにである。
サブタイトルにある “悲しみの記憶を辿る旅” という表現には、正直抵抗感がある。
私は、悲しみの記憶を辿りたいわけでは無い。
自分の中に生じる疑問、知らなかったこや、通説がその通りなのか、真実というか事実を知りたいということに発する。
ここ数年は、家族の間では、ダークツーリズムトラベラーDark Tourism Travelerと言われ、まぁそうのように自称もしていた。
そして、驚いたことに、今年のセンター試験に、このダークツーリズムについての設問があったという。
一気に重版になっているらしい。
『ダークツーリズム 悲しみの記憶を辿る旅』 井出明 著 幻冬舎。
<追記>
あと、3回、食べたらシュトレン終了になるかも。
夫と一切れずつ。
めったに思い出さない食器で。