
私は、成田から旅立つ前、家の宗旨とは異なるが、必ず成田山新勝寺にお詣りをする。
(余談、父の実家が禅寺。で、母の実家の半数が先祖代々キリシタン。まさにヤオヨロズの神々がおわす実家なのです。)
そして、ビールを呑みながら、

ここは景気づけとばかりに、旅立ちの前は、大奮発、大好物の鰻の特上を食する。
お値段に目がくらんで、写真の焦点もボケています。(^_^;)
鰻屋さんは、ここ!と決めているわけではないが、毎度、新勝寺門前の菊屋さん。
その佇まいに、つい足が向いてしまう。
今回の長旅の折にも、菊屋さんののれんをくぐった。

初秋の夕闇が濃くなり、客足が遠のいたころ、女将らしき人がお茶を足しにテーブルに訪れ「どちらかへ旅行ですか?」と問うた。
そこから、なにやら会話が進み、旅の話しで大いに盛り上がる。
更に、アピール癖強のわたいは、毎回、旅立つ前は、菊屋さんへ来ると、(^_^;) のたまう。
で、(じゃないと思うけど)
レジでお代を支払うとき、女将らしきその女性が、この鈴をと、根付けを旅の安全を願ってと言って下さった。(^_^)v
嬉しい!!
(あちゃ、年齢がばれるね。根付けではなく、ストラップというのかも。)
鈴を頂いたから言う訳ではないが、この女性、とっても感じが良い人なのでした!
ここ数年、これが、もう最後の旅、と思ってきた。
今回も、もうこれが最後の旅だと思った。
でも、もし、また成田から旅立つことができたなら、きっと、菊屋さんへ行こうと思う。
夜、ホテルの窓辺から、成田空港を臨む。
いまや、往事を辿るべくものはなにもない。
成田、には、やっぱり複雑な思い入れが、消えない。
目が、なにげに、泳ぐ……。
ザワザワと、心がゆれる……。
なんだかなぁ…。
私は、頂いた鈴の根付けを、お気に入りの姫路革細工の小銭入れにつけた。
欧州、行く先々で、
この小銭入れを取り出すと、鈴の音が鳴る。
欧州、行く先々で、
「きれいなお財布だね」、とか、「あ、鈴の音だね」 とか、気付いてくれる人がいた。
こういうさり気ない、できごとの連鎖って、
すごく、心に残る。