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ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◆ 旅ばなし 55回 成田の菊屋さんの鈴と、姫路革細工のお財布

                        


 私は、成田から旅立つ前、家の宗旨とは異なるが、必ず成田山新勝寺にお詣りをする。
 (余談、父の実家が禅寺。で、母の実家の半数が先祖代々キリシタン。まさにヤオヨロズの神々がおわす実家なのです。)



 そして、ビールを呑みながら、  
 ここは景気づけとばかりに、旅立ちの前は、大奮発、大好物の鰻の特上を食する。
 お値段に目がくらんで、写真の焦点もボケています。(^_^;)

 鰻屋さんは、ここ!と決めているわけではないが、毎度、新勝寺門前の菊屋さん。 
 その佇まいに、つい足が向いてしまう。


 今回の長旅の折にも、菊屋さんののれんをくぐった。 


 初秋の夕闇が濃くなり、客足が遠のいたころ、女将らしき人がお茶を足しにテーブルに訪れ「どちらかへ旅行ですか?」と問うた。
 そこから、なにやら会話が進み、旅の話しで大いに盛り上がる。
 
 更に、アピール癖強のわたいは、毎回、旅立つ前は、菊屋さんへ来ると、(^_^;) のたまう。


 で、(じゃないと思うけど)
 レジでお代を支払うとき、女将らしきその女性が、この鈴をと、根付けを旅の安全を願ってと言って下さった。(^_^)v
 嬉しい!!

 (あちゃ、年齢がばれるね。根付けではなく、ストラップというのかも。)


 鈴を頂いたから言う訳ではないが、この女性、とっても感じが良い人なのでした!


 ここ数年、これが、もう最後の旅、と思ってきた。
 今回も、もうこれが最後の旅だと思った。
 でも、もし、また成田から旅立つことができたなら、きっと、菊屋さんへ行こうと思う。



 夜、ホテルの窓辺から、成田空港を臨む。

 いまや、往事を辿るべくものはなにもない。

 成田、には、やっぱり複雑な思い入れが、消えない。
 

 目が、なにげに、泳ぐ……。
 ザワザワと、心がゆれる……。


 なんだかなぁ…。




 私は、頂いた鈴の根付けを、お気に入りの姫路革細工の小銭入れにつけた。



 欧州、行く先々で、
 この小銭入れを取り出すと、鈴の音が鳴る。


 欧州、行く先々で、
 「きれいなお財布だね」、とか、「あ、鈴の音だね」 とか、気付いてくれる人がいた。



 こういうさり気ない、できごとの連鎖って、

 すごく、心に残る。







 

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