ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◆『鳥少年マイケル』 トミーデ・パオラ 作絵  湯浅フミエ 訳 ほるぷ出版

 

 実は、エコ推奨、公害反対の絵本なのだと思う。
 マイケルはなぜか、いつも、どんな時も、鳥のぬいぐるみを着込んでいる。そのマイケルにとって、砂糖を煮詰めて甘いソースをつるく大型工場が、不思議でならない。自分ならハチミツを採取するのに、と思うのだ。
 そのハチミツを集めて、美味しいお菓子を作ったら、工場から煙が出なくて、空はきれいだし、空気もきれいだね、というお話し。

 でも、こどもは大人のそういう意図というか思惑には意を介さないというか、まるで気付かない。
 鳥の着ぐるみを着て生活をしている少年を、楽しそうだなぁーと思い、なにやら、ハチミツを集める作業も楽しそう。そんな、少年に、なにげに、憧れるみたいだ。

 絵本の読み方は、いろいろ、ある。
 それが、絵本の読み方。
 絵本の、それが、よいところ。
 決して、絵本で、躾や、思考のパターンを、教えこまないでほしいな~と思うのですが、なんと、いうか、これは鳥少年というキャラが、非常にしっかり描かれていたために、ストーリー展開が希薄になってしまったという面白いケース。
 なんとも、面白い結果。
 子どもは、よく見てるなぁ。

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