ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◇『尹東柱詩集 空と風と星と詩』  윤동주 尹東柱 ユン・ドンジュ  詩   金時鐘キムシジョン 訳 岩波文庫

待っていた本が届いた。
折しも、韓国で戒厳令の、騒ぎの最中に。

『尹東柱詩集 空と風と星と詩』  
윤동주 尹東柱 ユン・ドンジュ。
2012年10月16日初版。
この本は2024年7月16日 第17刷。

序詩

死ぬ日まで天を仰ぎ
一点の恥じ入ることもないことを、
葉あいにおきる風のさえ
私は思い煩った。
星を歌う心で
すべての絶え入るものをいとおしまねば
そして私に与えられた道を
歩いていかねば。

今夜も星が、風にかすれて泣いている。
(一九四一・一一・二〇)

ふと、ヴィリー・グラーフが脳裡に過ぎる。

「ただ御言葉を聞くだけではなく、それをおこなうことによって、主に従いなさい」(ヤコブの手紙1−22)

ヴィリー・グラーフは、この言葉を人生の指針として選択したのだいう。
ヴィリー・グラーフは24歳、断頭台。
ミュンヘン シュターデルハイム刑務所 1943年10月12日。


詩人尹東柱(ユンドンジュ)は、治安維持法違反の疑いで逮捕された。
27歳。
獄中で、亡くなった。

旧満州生まれ。
現在の韓国・延世(ヨンセ)大を卒業後、42年に日本に留学し、立教大と同志社大で学んだ。
日本語の使用が強要された時代にハングルで詩を書き続けた。
同志社大在学中の43年、朝鮮の独立運動に関与した嫌疑をかけられ、京都で逮捕された。懲役2年を言い渡される。
1945年2月16日、福岡刑務所で獄死。



韓国の戒厳令を報道するニュースには、何度も何度も「光州事件」の画像が流れた。

死者たちの声。

机の上の本の山を片付けよう。
もう、私も向き合わねば。































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