「みんなの年金」公的年金と企業年金の総合年金カウンセリング!                 

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年金電子書籍

年金カウンセラ-のeBook_18冊で、あなたの人生が引っくり返ります。

eBook「事例で学ぶ年金」を「みんなの年金」に改題しました!

2018年06月05日 | 年金

改題

 

eBookみんなの年金


目 次

 

はじめに 

一.年金のキホン

二.年金の加入記録

三.年金の仕組み

四.年金の請求

五.年金生活

 

著者

著作・評論等


はじめに

 

これから年金生活の方、主婦の方々、若い人達にお読みいただければ、Q&A方式の事例を通じて、いつの間にか日本の年金についてのおおよそがご理解いただけようになります。お暇なおりに、時々パラパラとご覧になってください。

 

このQ&Aは、公的年金(国民年金、厚生年金、船員保険、農林年金、共済年金等)と私的年金(企業険事務所へ行く前のちょっとした疑問、年金の大枠、公的年金・私的年金間のカウンセリング等になります。実務経験者(年金カウンセラー)による年金カウンセリングです。年金生活へのご案内を主眼にしております。

このQ&Aについては、日付が入っています。厚生年金保険法等の法律改正によって、それ以降変更されることがたびたびありますので、ここでの回答に対しては、自己責任で対処してください。確認はご自分で行ってください。勝手解釈でケガをされるのはあなたご自身になります。他人に依存する体質は年金では絶対に避けたいものです。そのため、ここでの回答により被るいかなる損害・不利益に関して、一切、責任は負いかねます。また、善意を悪意にとられる方に対しては、何も申し上げることはありません。


 回答者は一民間人です。ヒモはついていません。年金実務経験の社会還元の一環として年金カウンセリングを行うものです。あくまでも参考程度にしていただき、学びのきっかけとしてお読みいただけたら幸いです。

 

平成十八年四月

年金カウンセラー 高野 義博

 

 

 

*「年金カウンセラー」をグーグル、ヤフー等で検索していただくと、トップにきます。

*文中「厚生年金基金連合会」とあるのは「企業年金連合会」と読み替えてください。

 

 

 

一.年金のキホン

 

2005.09.07.

年金カウンセリング → 第三号被保険者の届出

Q 第三号被保険者の届出は、どこでするのかしら?

--------------------------------------------------------------------------------

A 最近、夫の勤務先になりました。

 

 

 

2005.09.08.

年金カウンセリング → 国民年金保険料の納付

Q 国民年金保険料の納付が面倒で、忘れがちなのだが……

--------------------------------------------------------------------------------

A 保険料納付は、口座振替とコンビニでもできます。

 

長期にわたる保険料納付ですから、口座振替がベターと考えられます。

 

ここで、重要なことは、納付がきちんとなされていないと、イザというとき、つまり、障害者になったとき、障害年金が受けられなくなることがあるということ。

 

ご自身の最低限のセーフティ・ネットとして納付漏れがないようにしておくことが重要と考えられます。

 

口座振替の手続きは、お近くの社会保険事務所、または市区町村の国民年金課へ出向いてください。

 

 

 

2005.09.14.

年金カウンセリング → 定年退職日

Q 月末、一日前に定年退職になったが、年金はどうなるだろうか?

--------------------------------------------------------------------------------

A 社会保険の取扱いでは、末日退職ですと、その月分の保険料は納付することになります。

 

末日以前の退職ですと、その月分の保険料は納付しません。

 

ただし、社会保険料の給与控除は、前月分を当月に控除しますので、末日退職ですと二ヶ月分控除されます。

 

若い人は、逆選択で末日以前の退職で保険料控除を一ヶ月で済ませようとします。結果、とりあえずの給与はその分だけ多くなります。

 

しかし、年金が間近に控えている人は末日退職が望ましいでしょう。というのも、生涯受ける年金が一ヶ月多く計算されるのですから。

 

人心が劣化したのでしょうか! 最近の会社の経営方針は経費節減が先行して、定年で退職していく者に対して一日前退職を行うところが散見されます。

 

このことから考えて、退職金の計算でも一ヶ月少ない計算をしているのではないかと推察されます。

 

経営者はどんどんえげつなくなっていると言えるのかも知れません。

 

 

(以下略)

 

 

 

 

 



年金月額10万円以下の人にお勧め 年金履歴書!

2018年04月05日 | 年金

 

 先日、TVで、年金月額10万円以下で公営住宅に妻を亡くした75歳の方がキチキチの年金生活をしている様子が放映されていました。

 確か、家賃に6万円支払い、食費は2、3万円の由、極貧の生活ぶりでした。

 この方はレアケ-スではなく、こういう方々がたくさんいらっしゃるのだろうと思われました。

 

 そこで、年金カウンセラ-として何かできないかと考えた末に、年金加入期間の精査をお勧めして、1円でも多く年金が受けられるようにすることだと気が付きました。

 と言いますのも、長年の年金実務経験から、ご自分が加入していた年金を全て受けていないで、請求漏れ年金になっているのがたくさん有るというのが現実です。

 もらい損ね年金で多いのは、若い時の国民年金加入、それに企業年金、とくに厚生年金基金の連合会から受ける分、更にアルバイト等で勝手に加入していなかったとしている厚生年金等々があります。

 

 ご自分の年金加入歴を今一度精査することが必須です。役所がやってくれるものではありません。自分しか知らない年金加入歴です。自分が行うものです。

 

 次に、年金加入期間の精査の仕方をご案内しますので、参考にしてください。

 

 

 

  

DL572の

年金履歴書

年金カウンセラー 高野 義博

 

年金履歴書?

 

 見たり聞いたりしたことないフレーズでしょう。

 

 履歴書(りれきしょ)とは、ウィキペディアによると、「学業や職業の経歴など人物の状況を記した書類のことで、就職や転職時に選考用の資料として用いられる。また、学歴や職歴によって給与や資格などを決定する手続き(査定)において、それを証明する各種の書類とともに提出する」ものとされています。

 

 あなたも就職や転職時に学歴・職歴欄等を記入された経験をお持ちでしょう。おなじみの書類です。

 

 はてさて、それが「年金履歴書」となると、概念の混濁が生じてしまいます。一般的に、年金と履歴書は別世界事ですから。

 

 さて、当方、年金実務経験三〇年のなかから、現状請求漏れになっている年金が多発している事態を憂慮してきました。これを何とか救済する手立てはないものかと試行錯誤しておりました。

 

 通常、年金を受ける前の四〇年余の記憶など個人意外にどんな機関も明らかにできないのです。これを明示できるのはあなたしかいないのです。

 

 ここで、概念の連結が成立しました。つまり、「年金履歴書」の誕生です。

 

 これを使って、あなただけしか知らないあなたの年金の履歴を詳細に記入して、年金事務所に提出し裏づけを取ればよろしいのです。 

 

 さすれば、あなたの請求漏れ年金はなくなるでしょう。この努力に対してあなたに成功報酬として終身年金が支払われるのです。

 

 下記にご案内いたしますので、 一度、試してみてください。

 

平成二十五年一〇月五日

年金カウンセラー 

高野 義博

 

1.年金体系

 まずは、日本の年金体系をご覧ください。あなたの年金は、どれとどれですか?

 


2.年金手帳等

 年金手帳は、初めて、年金に加入したときに事業主を通じて交付されます。しかし、実際には退職するまで事業主が保管しているのが一般的です。退職時に必ず返却してもらいましょう。

 

 

 

 転職などした場合は、初めて交付されたものを転職先に提出して同一番号で加入することになります。つまり、生涯1番号が原則です。年金手帳は、前のページのように時代ごとに呼称が変わってきました。

 

 年金手帳は時代ごとに「労働者年金保険被保険者証」、「厚生年金被保険者証」、「年金手帳」、「基礎年金番号通知書」とかいうものが発行されてきました。年金手帳がなくても、ほかのものがあれば当座は問題ありません。

 

 しかし、手元にそれらのものが幾つかある場合は、一番号に統合する手続きをする必要があります。そうでなければ、年金を受けるとき年金計算されない番号となってしまい請求もれ年金となります。

 

 また、平成九年(1997)一月からは、国民年金、厚生年金、共済年金ごとの個別番号が共通して使用できる「基礎年金番号」が導入されています。

 

 これらがタンスに眠っているようでしたら、それは宝の山です。早速、現行の番号に統合しときましょう。勤務中の方は、会社の社会保険担当者に提出して手続きをしてもらいましょう。現在、厚生年金に加入していない人は、社会保険事務所に持参して統合しときましょう。一ヶ月加入、おおよそ4000円/年で年金が増額になります。

 

   

 

3.厚生年金基金加入員

 「厚生年金基金」に加入すると、このような加入員証(紙幣型が一般的、中には箱型もあります)が発行・交付されます。原則六十五歳になると、これが年金(終身給付)になります。

 

 

 

 原則、一〇年以上加入の場合は当該基金から、一〇年未満であれば企業年金連合会から給付されます。

 厚生年金受給資格の有る人は、厚生年金基金加入一ヶ月以上は年金になります。

 例えば、厚生年金基金二十四ヶ月の加入ですと、おおよそ2000円/月×二十四ヶ月で、48000円/年となり、生涯(65歳~85歳の20年間)換算すると、九十六万円にもなります。

 

 

 「厚生年金基金」は、代行返上や基金解散で取扱いが区々になっていますので、一度企業年金連合会等に問合せてみるとよろしいでしょう。

 

 ●企業年金連合会(旧厚生年金基金連合会)

住所:〒105-0011 東京都港区芝公園二丁目四番一号芝パークビルB館10階・11階
電話番号:03(5401)8711(代表)

ホームページ:http://www.pfa.or.jp/

●当該基金

当該厚生年金基金事務所、または当該会社の人事課とか総務課の担当窓口

 

 

 

4.年金加入期間確認

 

 年金を漏れなくしっかり受け取るためには、ご自分の年金加入期間をご自分で確認することが非常に重要です。

 

 会社任せとか、社会保険労務士任せとか、国に任せっぱなしなどご法度です。マスコミでいろいろ不祥事が報じられています。

 

 最近、社会保険庁等から送られてくるようになった「年金加入記録のお知らせ」等をそのまま信用するのではなく、まずは、あなたご自身しか知らないあなたの職歴を年金履歴書に最大漏らさず記入し、その上で全職歴の年金加入の有無とその加入期間を年金事務所で確認します。

 

 年金事務所では次ページのような回答票を打ち出してくれますので、あなたの年金履歴書の記載と相違がないか、空白の期間がないか、厳重にチェックします。記号等の読み方については相談員にたずねて理解しましょう。

 

 

 

 特に新規取得(1)か再取得(2)かがポイントのひとつになります。

 事例では、新規取得の記録がないようです。ということは、記録が別にある可能性があります。別番号があるのかもしれません。漏れている記録がありそうです。

 

 ここで、あなたの「年金履歴書」がものをいうことになります。

 

 

5.年金履歴書記入方法

 年金履歴書を詳細に作成して、年金事務所等で年金加入の有無と加入期間確認をします。

 

 

氏名等

 はじめに、氏名等の欄をしっかり記入しましょう。年金事務所等のコンピューターで検索をかけるとき、カタカナ氏名と和暦誕生日で行います。旧姓があるとき、要注意です。とくに、男性の場合。また、名前を誤って読まれるときなどはそれを記入します。例えば、「和子」はカズコとフリガナし、誤読名にカヅコと記入しましょう。清音や濁音も明確に書きましょう。更に、誕生日が何らかの事情で幾つかある人はその全てを書きます。別の誕生日を使ったことがある場合はそれも記載します。

 

最終学歴

 学生の特例や就労開始時期確認のため最終学歴を記入します。在学中にアルバイト等したことがあればその勤務先名等を備考欄に書きます。

 

職歴等

 職歴は古い順に、無職の期間も含めてすべて記入します。

 国民年金加入期間については、その時期の住所をできるだけ詳しく書きます。出来れば、その住所を証明する戸籍謄本・住民票等を持参します。保険料領収書等があれば添付します。

 会社名は、本社・本店所在地とか、勤務先の営業所・工場名とかも記入します。親会社名で登録されている場合もあります。同じ会社で、単身赴任とか、転勤も書き込みます。とくに、海外派遣等、落としがちです。

 倒産・解散等であっても会社が保険料納付していれば、記録されています。

 会社名を忘れていても、どんな仕事であったか、業種名を書いときます。自分で年金はなかったなどと勝手に決め込まないですべて書き込みます。

 アルバイト・パート・フリーターでも、年金加入がある場合もあります。

 共済とか船員保険とか農林年金とかも記入します。ただし、共済についての年金加入期間確認は各共済組合でないとできません。共済組合の事務所に「年金加入期間確認通知書」を請求してください。

 

 年金番号等のわかっているときは、その番号を記入します。

 

 年金加入期間確認のための年金履歴書ですからあなただけが知っている「事実」を記入します。このことについては、誰からも、どこからもとがめだてなどありません。

 

 ともかく、無職の期間も含めて全職歴を網羅しなければ、意味がなくなります。無職の期間も含めて全職歴を網羅するところが秘術です。これは、あなたご自身以外、誰にもできないのです。つまり、あなたご自身の次のライフ・ステージに向かって棚卸をするということになります。

 職歴がたくさんあり用紙が足りなかったら、ご自分で工夫されて継ぎ足してください。

 

特記事項

 特記事項も、該当がある場合はしっかり記入します。結婚もすべての結婚の記録を書きます。とくに、女性の場合等で以前の結婚の事実を確認するため、「原戸籍(げんこせき)」を事前に用意します。

 

 

 

6.年金履歴書の用紙

  ご自分の年金加入記録の確認を年金事務所等で行うときには、何も準備せずに行っても事務所は超多忙なのですから相手にされません。

 

 以下の年金履歴書を詳細に記入・作成して、年金事務所窓口に年金手帳等とともに提出して「年金加入記録の確認」をしてください。

 

 印刷用を次のページに掲載します。

 

 


  

 

 7.ブログ投稿記事

2009.8.25

 

1.平成二十一年七月から、社会保険庁は「私の履歴整理表」の提供を開始したそうです。

(http://www.sia.go.jp/topics/2009/n0722.html)

2.〈「私の履歴整理表」は、ご自身のこれまでの勤務先、住所等をご記入し、整理していただくことにより、年金記録を見るだけでは気づかなかったことを思い出していただき、スムーズに、より確実に年金記録確認を行うためのものです。〉云々。

3.平成十六年十二月から、OPM 研究会では「年金生活への第一歩」に「年金履歴書」を掲載しておりました。

4.平成十七年頃から、筆者はアルバイト先の社会保険事務所窓口で「年金履歴書」を年金相談者に配布・記入してもらい相談業務に当たっていました。

5.平成十九年八月、雑誌「ビジネスガイド」に〈「年金履歴書」の作成による請求漏れ年金発見の仕方〉を掲載、平成十九年九月からは、「年金履歴書の用紙」を公開し、どなたでも印刷をして使えるようにしております。

6.さてさて、どっちが使い勝手がよろしいでしょうか?

 ようよう、国もこの必要性を認めたということでしょう。(慶賀、慶賀の極み!) はてさて、ネー,ミングはどっちがよいでしょうか? 「りれきしょ」、それとも、「せいりひょう」。

 

 

 

 

8.おわりに

 ここまで、ご覧頂きまして誠にありがとうございました。

 あなたが成功報酬を手にされるようお祈りしております。

 

 もし、使い勝手がよかったり、成功報酬を得たりしましたら、ぜひ友人・知人にご吹聴ください。世のため人のためになります。すでに、五七二人の方がダウンロードしてお使いになっております。

 

 

 ご質問がありましたら、右サイドの「メッセ-ジ」からメ-ルを下さい。

 ご不明な点について、できる限りお答えします。

 

 

 

 

【参考】

「年金履歴書」

「請求もれ年金・お調べ指南書」

「年金生活への第一歩」

 


 

  


「請求漏れ年金 お調べ指南書」第3章 (6)年金は難しい!

2018年01月09日 | 年金

 (6)年金は難しい!

 

 年金は難しい! と、よく言われますが、実際はそんなことはなく、歴史的推移と制度が分立していながら一部で重なっているため、法附則とか特例とか経過措置等が網の目のように入り組んでしまったからだけなのです。

 

 とはいえ、この網の目を一般の方が読み説くのはしんどいでしょう。この点だけが、年金は難しい! のであって、この読み解きを専門家にやらせればいいだけの話で、実に簡単なことなのです。

 

 しかし、現実には社会保険事務所等だけの年金相談では足りない部分もありますし、ほかのところへ相談しなければならない部分もあります。ましてや、年金全体について総合的な説明をもとめても、ないものねだりです。おのおのが自分のテリトリー内に閉じこもります。

 

 年金相談先の社会保険事務所、厚生年金基金連合会、会社の厚生年金基金、企業年金基金等で個別に年金相談をしても、各担当分野だけの回答しかもらえません。

 

 また、国の年金が大層を占めているとはいえ、企業年金等の私的年金の比重も増大しています。つまり、日本の年金は社会保険事務所で事足りていた時代は過去のものになっています。現実はかなり先に行っています。通り一遍の「年金相談」では事が足りません。

 このような日本特有のコールセンターのない、年金開示請求権が立法化されていない、役所のサービス提供というスタンスの年金相談の現状から、年金全体を承知して総合的にカウンセリングをする日本故の年金カウンセラーが必要になってきています。コールセンターがある国では、年金カウンセラーはいらないのです。

 

 つまり、日本の現状では、個々人の条件にそった年金全体について個別の説明・解きほぐしが欠かせないのであり、制度全体の裏表を承知している者による総合的な「年金カウンセリング」が必要になっているということです。

 

 「カウンセリング」とは、一般的に心理学用語であって、一身上の問題を解決するために助言を与えること(広辞苑)のようです。同様に、広辞苑では「カウンセラー」とは、個人が当面する諸問題について(中略)相談に応じ、適切な指導助言を与える専門家。相談員。となっています。

 

 年金の請求について、日本の現状を踏まえると、年金カウンセラーがどうしても必要な状態になっています。

 

 インタ-ネットで検索をしても、登録商標で特許庁を調べても年金カウンセラーというのはありません。この冊子が、本邦初の年金カウンセラー誕生の冊子となります。年金請求に関してはオンリ―ワンです。必ず皆さんのお役に立つと確信しています。

 

 

kokodakenohanashi!

   第1号被保険者だけの特典

 国民年金に加入の自営業者等は、国民年金に上積みする国民年金基金に加入することができます。

お問い合わせはここhttp://www.npfa.or.jp/ へどうぞ!

 

 

 

   最後に、年金加入期間確認の「発見の秘術」を施して、新たに見つけられた別番号の加入期間はどのくらいありましたでしょうか。

   あなたの成功報酬は、いかほどになりましたでしょうか?

 

あなたの成功報酬

年金区分

見つけた加入期間

月数

アバウト月額

成功報酬

生涯報酬

国民年金

×1,655円

円/年

厚生年金

(基金なし)

 

 

×3,000円

×4,000円

×5,000円

 

円/年

 

厚生年金

(基金あり)

 

 

×1,500円

×2,000円

×2,500円

 

円/年

 

 

基金

 

 

×1,500円

×2,000円

×2,500円

 

円/年

 

共済

×5,000円

円/年

 

合計

 

 

 

 

 

円/年

 

   

 

 

  この「発見の秘術」で、年金加入期間が10年以上、見つかった人がおられましたら、または、年金加入期間が足りなかった人が請求もれ年金の期間が見つかり年金が受けられるようになった人がおられましたら、慶賀、慶賀のきわみです。       

          

  この冊子が少しでもお役に立ちましたら、掲示板・ブログ・口コミ等で友・知人に紹介・吹聴してください。一人でもおおくの人がこの成功報酬を手にされれば、この冊子のミッションは達成されることになります。

          

 

  ここまで、ご覧頂きありがとうございました。

 

  この冊子は、皆さんにご自分の年金に「請求もれ年金」がないようにすることをミッションとしてきました。少しは達成されましたでしょうか。

 

  少なくとも、ご自分の年金はご自分でどうにかしようという意欲がわいてきましたでしょうか。更に、この冊子を友・知人に知らせようというお気持ちになっていただけましたでしょうか。

 

  多くの人が、ご自分の年金をしっかり受け取られることになり、次のステップに向かって大きく羽ばたいていただけましたら、筆者のミッションは成就いたします。

 



おわりに

  日本の年金の平成16年(2004)現在の状況は、平成20年(2008)の60歳年齢ピークを前にして財政破綻へまっしぐらに突き進んでいるというところです。いつ、年金支払不能に陥ってもよい状況と考えられます。それを、政府も政治家も官僚も、先送りで言い逃れているだけの状況です。日本は抜本改革ができない土壌になってしまったようです。

 

 一方、民間人が入って社会保険庁改革がスタートしましたが、通り一遍の小手先改革でどうなるものでもないでしょう。あるとしても、将来の改革に向かっての第一歩という意味だけでしょう。レベルが違うのです。年金の基本的構造から組み立て直しが必要になっているのですから。

 

 このような年金をめぐる混沌とした状況で、ウカウカしていますと、ドサクサにまぎれて、やみくもに自分の年金も奪われてしまいます。基礎年金番号にさえ、すべての年金加入記録が統合されていない状況で、今後、社会保障番号(仮)にでもなったら悲惨です。

 

  これから制度改革の嵐が吹き荒れることになるでしょうが、ご自分の「年金の行方」については、しっかり見張っていないとならないでしょう。

 

 大勢は、ナショナル・ミニマム(国民的最低限保障)としての社会保障番号(仮)による税方式基礎年金と、従来の報酬比例部分年金を清算・移行してハイリスク商品の運用抑制を工夫した確定拠出年金を組み合わせたフレーム・ワークということになっていかざるを得ないのかもしれません。

 

 この冊子の秘術で、成功報酬を得たとしても、しくみそのもののすり替えで失われるものは計り知れないでしょう。

 

 最後に、この冊子は、平成11年(1999)に米国401(k)調査ツァーにご一緒したフューチャー・ペンション・プロジェクトの元取締役社長安岡孝文さんとの共同企画です。

 平成16年の夏から冬にかけて、江ノ島・婦人会館での毎週土曜日の調査・分析・研究から生まれました。安岡さんとの日本の「年金の行方」についての熱い議論がなければ、この冊子は誕生しませんでした。ありがとう、ございました 。

 

 

平成16年12月7日

高野 義博

 

 

 

【参考】

平成 22 年 10 月 5 日 日本年金機構は「年金の請求漏れが生じやすい5つの事例に関する周知広報について」というPDFをアップしました。ぜひ、ご覧ください。

 

 

 

付録

童女のようにはしゃいだギリシャ旅行記

1997.10.25

高野 義博

 

1. 成田発

・我が家の次男に大船駅まで車で送ってもらって、慌ただしく朝7時7分の成田エキスプレスに乗り込んで成田へ。旅立ちの始まり。

・ヴァージンアトランティック航空VS901便(10時50分発)で、ツンドラ経由ロンドンへ13時間の飛行。(トランクの中の百円ライター、X線照射で引っかかる)

・2回の機内食、若いイギリス人女性のサービス、一人一人のTV画面。

・機上からの眺めは地上の人間の活動を惨めなものにする。全ては放下されてあるだけ。縛ることも、秩序立てることも、喜怒哀楽も不要とする。

・ロンドン着、空港施設内で5時間ほどの待ち合わせ。3000円をポンドに両替して私はドイツビール、和子は紅茶、頭痛がする由、元気なし。

・パキスタン人の子供に時間を尋ねられる。

・ヴァージンアトランティック航空VS1000便(9時15分発)で、アテネへ4時間の飛行。軽食の振る舞い。

・到着後、ホテル:クリスティーナへ直行。ともかく、眠い。午前中、睡眠。

 

2. アテネからカランバカへの道

・我々の専用バス(ベンツ)にガイドのマリアさんも乗り込んで、まずは昼食へ。

・アクロポリスの丘の南麓、松林ののぞめるところのタベルナ(食堂・レストラン)でギリシャ料理、ムスカ(薄くきったナスを拡げて並べ、その上にオリーブ油で炒めた挽肉を拡げ、ホワイトソースをかけオーブンで焼いたパイ状のディッシュ)と、ウーゾ(かなりきつい地酒、水を加えると白濁する)。田中老人と清水老人と4人同席。清水老人がウーゾの細身のグラス(ギリシャ衣装の男性ラインダンサー達の絵柄)をウェイターに所望。交渉成立、私もいただいた。

・一路、高速道路(日本風の隔離されたそれと違い、一般道路風)でギリシャ内陸部のカランバカへ向けて出立。辺りは日本の盛夏のよう、ただ湿気はまったくなし、風がビュウビュウ吹きまくっている。100キロ程度のスピードで350キロ走る。

・奇妙な風景だが、原野のようなところに建て掛けのコンクリートの基礎だけの家が無数に目に留まる。資金手当てがついたら、そのうち、次の作業に入る由。完成は何時のことだか、不明とのこと。

・ギリシャはエーゲ海の観光と、内陸部に入るとまったくの農業国。人口の60%がアテネに集中。目路の限り見渡せるフラットな畑にはまったく人影が見えない。

・丈の低い綿花畑かオリーブ畑(シルバー色の柳の葉のような樹齢2、300年がザラという高さ3メーターほどのごつごつした樹)が辺りの風景。やがて、山岳地帯に入り、樹木が絶え、草木が絶え、むき出しの岩山が辺りを領す。

・見渡す限りの荒れ山、目路の限りの荒地の「アッティカの平原」をバスは何ものかから逃げるようにひたすら走り続ける。

・夜半、ホテル:アントニアディス到着。メテオラの奇岩の下、満月、急な冷え込み。

・明け方、方々から「アッティカの雄鶏」の鳴き声で目を覚ます。

・子供たち3人に絵葉書を書き、ホテルに投函を依頼。10月15日に出したのが、帰国後の10月23日に着信。8日後のことだった。

・世界遺産メテオラをぞろぞろと見学。観光化されて使用できなくなった修道院跡、世俗化と精神の孤高ほど相容れないものはないだろう。民主主義は全てを凡俗に化す。

・和子は出店で何やら購入。店のおばさん(千葉は九十九里海岸の日焼けした漁師のおばさんという感じの人)と抱き合って記念写真! このころより、和子のテンション高まりつつ・・・・・・・

・我々、二人の大学の専攻は曲がりなりにも「西洋哲学」。各々の二十代の選択の根の国ギリシャに来て思うことは、あれから30年の時が経過して、子供を3人育て上げ(内、上の2人が哲学専攻、3番目が我が家の希望の星で経済専攻)、民間会社でまったく哲学離れした生活を送ってきて、何の因縁か、ギリシャ旅行!

・何でギリシャ? と、人に聞かれて、単なる観光旅行ではないと言ってもらちもない。人に伝えるべきことでもないのだから、黙っておくにこしたことはない。

・私にすれば、テーマを絞りきるのに40代を丸々使った仕事が『情緒の力業』に結集し、平成7年に出版できたことで一区切りついたこともあって<アディオス・フィロソフィ! >の総仕上げの旅行でもあった。

・バッテン、日本での垢に塗れた概念となってしまっている<哲学>にこそアディオスだが、本来の生まれたての原始<哲学>にこそまみえたいということか。

 

3. デルフィの丘目指して

・綿工場へ立ち寄り、和子、マットが安いからと荷物になるのに買い込む。織機はブラザーとか大和(大阪のメーカー)あり、さすがに豊田織機はなし。

・メテオラで一番(添乗の小野さん)というタベルナ:KIPOSで食事。大倉さん、杉田夫妻と同席。妻に袖を引かれつつもウーゾとなり、少々酩酊。コスタスさんと3人で記念写真。

・デルフィの丘目指して山岳地帯を230キロ、バスツアー。マリアさんの古代ギリシャ史、又はギリシャ神話の話が大学の講義を聞いているような錯覚に陥る。

・山岳地帯からペロポネソス半島の見渡せる海岸線に出てきて、喫茶店で休憩。燦々と降り注ぐ太陽の白光のなか、見事な濃いピンクのブーゲンビリアの横伸びの大樹。

・バスは山腹を何回となくS字状道路をターンして巨鳥が舞い降りるかのようにデルフィの丘へ到達。

・デルフィの丘からの前方の眺めは、かなたにペロポネス半島との海峡、コリントス湾へ続く峡谷を見下ろすことになる。そして、背後に重量感溢れる巨大な荒々しい岩山がせまり、そこには時間と歴史を堰き止められたままの異様な静寂が貼り付いているかのようであった。

・陽が落ち夕映えの中、とはいえ8時ごろだったと思う、ホテル:ZEUS着。フロントで振り返ればホテルの前に<ΔΙΟΝYSOS>というタベルナ発見。ディオニソスと言えば、オリンポス山の主神ゼウスの息子で、酒の神! 和子に、店の前で記念写真を一枚撮らせる。店はガラガラ、10時過ぎにならないと人は出てこないとか。

・夕食後、ホテルのカウンターで大倉さん、杉田夫妻と落ち合い、メタクサ(ギリシャの最高級ブランデー?)の七つ星を2杯飲む。

・翌日、デルフィの丘で、考古学博物館見学。BCという時代が日本のどの時代なのか、比較して物事を認識するのが常道とすれば、絶対値としてそのものだけを受容する方法もありえるだろうが、当方に準備が出来ていない場合はかすり傷の様にして過ぎ去っていくだけなのだろう。気がつかずに失われているものは無限だ! 知らぬものの総量は計り知れない。また、それでいいのだろう。

・デルフィの遺跡、アポロンの神殿、円形石柱が丘の斜面に立ち、糸杉が寄り添う。中腹に長方形の競技場あり。一頭立ての馬車に乗った戦士たちが砂ぼこり利を立ち上げて走り回り、観客の歓声が宙にそのまま張り付いているかのような2000年余の静寂。

・港に出て、フェリーでペロポネソス半島に渡り、海岸線を250キロほどコリントスへ向けてまっしぐら。遅い昼食を<AGAMEMNON>でスブラキ! 店を出て、タバコを探し回るも見当たらず、人影の見えない奇妙な静謐さ溢れる街路・・・・・・・

・シュリーマンが掘り出したミケーネ遺跡(遺跡の裏山にかかっていた小さな白い雲! )とアガメムノンの墓を見学。<ライオンの門>で記念写真。

・帰路、土産物屋にバスごと連れ込まれ、和子は安い宝石を3点ほど購入。(自分用か、誰かに上げるのか?)

・ナフプリオン(ギリシャの元首都)への途上、マリアさん、突然ヘンリー・ミラー(米国の作家)の『マルシーの巨像』(ミラーのギリシャ旅行記)のことを話し出す。ナフプリオンについて書かれているところも、ミラー特有の誇張があるという理解のようであった。同行者に尋ねられて、新潮社からオレンジ色の装丁の翻訳全集が出ていることを囁いた。

(帰国後、我が家のその本を手に取り、驚愕。ミラーは1939年(私が生まれたのは1941年)ギリシャに居たのだし、この日本語の翻訳全集が出版されたのが1966年10月、私が読んだのが1966年11月、ということは30年前に読んでいたのだ。ほとんど忘れていた。)

・ナフプリオンのホテル:ディオスコーリに夜遅く到着。今回の旅の最低ランクのホテル。バスタブがなく、洗面所のコーナーに粗末で不潔なシャワー設備あり。学生の集団がチェック・インしたあとは、湯も出なくなった。泊まりだけだと、14,000ドラクマ(7,000円)の由、メッセージが扉裏に貼ってある。

・夕食後、杉田夫妻と散歩に出る。他の人たちも表に出ていて店を冷やかしている。値引きを粘って13万円のブレスレッドを買いし女人あり。夜半11時ごろであったが、大理石を敷き詰めた広場(小学校の校庭の半分ぐらいの広さで周りに木々が茂り、レストランのテーブルとイスが出ている)で、子供たちが犬とサッカーに興じていた。と、わざわざ言うのも、その犬がサッカーボウルをくわえて逃げ回るので、そうさせまいと子供たちがボウルを回すわけだ。その喧騒の中を、超小型三輪車(電池式か?)を歩行速度程度のスピードで運転して、超然と走り回る5歳ほどの男の子有り。

・同行の大学生に通訳してもらい、5、6人一緒に広場に出ていた店でグリース・コーヒーを所望。ナフプリオンの夜は真夜中になるのに、人々はゆっくり・のんびり、まるで時間など無きがごとくに。・・・・・・・時間は本来止まっているものなのかもしれない。人が勝手に速度を付与しているだけのことであろう。

 

4. アテネにとって帰る

・エピダウロスの古代野外劇場でのマリアさんの柏手の演技。円形ステージの奏者の立つ位置により共鳴したりしなかったり。音響効果はBC4世紀に計算されつくして設計されている由、マリアさんの見事なパフォーマンス。

・エピダウロスでバスに乗り込んだところで、マリアさんに<ゾルバ>(ギリシャの小説家カザンザキスの『その男ゾルバ』の主人公)をご存知か尋ねたところ、カザンザキスのギリシャでの評価について説明してくれた。彼は彼独特のギリシャ語で特殊なことを書くので余り理解されていないで、多少共産主義的評価を得ているとのことであった。

・遺跡を巡ってとはいえ、ギリシャはどこでも遺跡だらけ、地表にむき出しの石柱やレリーフなどが無数に飛散・散在している。それから類推するに、地下にはどれだけのものが眠っていることやら。このころ二人で1万円のドラクマはなくなり、お手上げ。ドルはともかく、円はアテネへ行かなければ両替出来ず、コーヒーも飲めない。(その後、杉田夫人に和子がドルに替えてもらった) 一転にわかに掻き曇り、少々、雨が降ってきた。半袖では寒い。

・アテネ市街に入って、平成2年欧州資産運用調査旅行で来た時のゼウス神殿前のホテル:ロイヤルオリンピックを発見、その上、昼の食事はそこから10分ぐらいのところにあるアルディトウ通りのシーフードの店<MEMORIES>、ここも以前来た店であった。イカのリンクの揚げ物、タコのオリーブ油で絡めたもの、それにウーゾ愛飲。ギリシャに来てからタバコはずっと<PAPASTRATOS社>の両切りタバコ。

・アクロポリスの丘へ上がるときには半袖では我慢できず、コスタスさんに頼んでトランクをバスから降ろしてもらい路上で店開きしてジャケットを出し、駆け足で皆に追いすがる。前回のときは、日差しが強くて丘の道の途中で白い綿の帽子を買い求め、ひょんなことから1つの値段で2つもらったことを思い出していた。

・パルテノン神殿と考古学博物館は突風が吹き荒れていて、多少氷雨もあり、寒くて早々に退散。丘の東端に、巨大なギリシャ国旗が強烈にはためいていた。

・ホテルに入る前に土産物屋に案内され、宝石や仮面やギリシャ模様の小さな壷などを購入。マリアさんはいい客引きになっているよう。和子は、マリアさんがたまたましていたカメオと同じような薄紫のカメオを見つけ、マリアさんに値引き交渉をしてもらい自分用に購入。

・アテネのホテルは初日のホテルと同じホテル:クリスティーヌ。ホテル前のバスを降りたところでマリアさんとお別れ。

・荷を解いてから、夕食は外のプラカ地区のタベルナへ一同で出かける。(タバコを買っている間に、一瞬皆を見失い、一瞬こりゃあヤバイ! と、肝を冷やした) ショーの行われるギチギチに狭いタベルナに300人ほどの客。大半は日本人。それも大阪弁が多かった。

 

5. 曇天のエーゲ海クルーズ

・翌朝、目覚めればドシャ降り。8:20、GIORGIS号、マリーナフリスボより出航。

・視界悪い中、ポロス島へまずは上陸。灯台見学後、突然、路地から絶世のギリシャ美女が私のほうへ歩み来たり、微笑を浮かべてすれ違う。一瞬の胸の高鳴り! 寒いのに和子のテンション高まるばかり。

 

ギリシャの大地は、私の目の前に黙示録のように開かれる。大地がそんなにも多くのものを包含していたとは、私はついぞ知らなかった。私はその上を、目隠しされたまま、よろめき、ためらいながら歩いていたのだった。

ヘンリー・ミラー『マルシーの巨像』

 

 

・続いて、エギナ島上陸。アファイァ神殿、現役の教会を見学。イドラ島は波が高くて入れずとのことで取りやめ。とはいえ、瀬戸内海の高波程度。船内で、絵葉書を8枚ほど書く。記念写真屋の写真4枚購入。

・平成2年のときのクルージングの<ヘルメス号>の船影探すも、港にもエーゲ海にも見当たらず、やむを得ず、前回オリーブ油で絡めたタコをご馳走になった毛皮屋の黒木さんへの私の本(『情緒の力業』)は添乗員の小野さんに託して港の事務所経由で渡してもらうことにした。

・夕食に、ツアー仲間は日本食へ出かけたが、我々は杉田夫妻と別行動。最初<MEMORIES>に行ってみると予約がないと駄目とのことで、戻ってプラカ地区のレストランに入る。

・和子のはしゃぎは最高潮に達した。ギリシャ人のウェイターを手招きで呼んで、「あれ! あれ! 」と、隣の席の日本人の若いカップルが食べていた土鍋状の器に入っているものを注文、来てみればスパゲッティであった。4人の会話はたわいもないことで大いに弾み、10品ほど注文してたらふく食べ、赤の地ワインがまずいということで白に切り替え大いに飲む。

・支払いは一人当たり4、5千円だったと思う。翌日、杉田夫人から聞いたところでは、手書きのレシートを計算すると、計算落ちが3品ほどあったとのこと。ズボラなギリシャ! おおざっぱな大人。

・エーゲ海は、ついにこの度我々の前にその真の姿を見せず、現地で購入したギリシャ案内の本にある言葉、「星のまたたく夜の、ワイン色のエーゲ海」はまたの機会に残されてしまった。

 

6. FOR JAPAN

・早朝の薄暗い中、夜逃げをするようにホテルを出てアテネ空港へ行き、ロンドンのガトウィック空港めがけて飛び立つ。ホットドッグのようなものをほおばる街角の労働者の一団。

・バスで、ガトウィック空港からヒースロー空港へ移動(イギリスの風景は人の手が加わっているが、ギリシャのそれは剥き出しのまま)、ヴァージンで帰国。

・成田に10月21日(火曜日)朝9時15分着。通関手続き後、解散。横須賀線で大船へ、タクシーで自宅へ。

・早速土産を拡げる・・・・・・・テーブルいっぱいの土産、でもこれはあの人、あれはこの人と振り分けていくとぜんぜん足りなくなるのは今回も同じだった。

 

7. 童女のようにはしゃいだギリシャ旅行

・56才にして何かが一段落したということか、子供たちも、生活も、事務所勤めも、年金の研究も、著作も・・・・・・・、そして我々二人の人生そのものも。

・和子がこんなにはしゃいだのは、結婚以来始めてみることだった。そもそも結婚の直前から30年間ほど次々と襲ってくる生活の大波小波に翻弄されて息継ぐ暇もないままだったのだから。そお、確かに、結婚前のほんの一時、見たような和子、童女のようなその振る舞いを、はしゃぎようを!

・最後に一言、いつの日か機会があれば、ナフプリオンの安宿で、1ヶ月ほど何もしないで風に吹かれたままギリシャ人にまぎれて暮らしてみたいものである。

 

 

 結局、ギリシャは、変わった経験、新しい体験にあふれている世界で、自ら探検し、もぐり込み、吸収し、そして自分自身をとけ込ませることを恐れない、好奇心の強い旅行者のための国なのだ。セロファンできれいに包まれた人生を望む人々にとっては、無意味な国である。

K.GOUVOUSSIS社刊行 (日本語版)『ギリシャ』

 

 

 

 

 

  

 

高野(たかの) 義(よし)博(ひろ) 

  年金カウンセラー(商標登録中)

 OPM 研究会 会長

 年金実務経験は、会社員時代に労災保険の障害年金請求100件ほど、厚生年金の請求1,000件ほど。それに、厚生年金基金の年金請求・年金裁定を1,000件ほど。

ライフプランセミナー講師として、10年ほど1000組のご夫婦に年金説明。

それに、年金相談員3年の年金相談10,000件ほどになります。

年数的には、28年ほど年金実務経験をしました。

 

昭和16年(1941)千葉市に生まれる。

昭和37年(1962)工学院大学高等学校第2部電気科卒業

昭和42年(1967)東洋大学文学部哲学科卒業

昭和44年(1969)株式会社ABC人事部入社・社会保険担当

昭和50年(1975)ABC厚生年金基金出向(健康保険組合兼務)

           当初10年ほど設立間もない事務所体制の構築作業従事。

昭和62年(1987)「年金受給者の集い」の企画・運営をはじめる。

平成 元年(1989)厚生年金基金業務の機械化(Ⅱ型~ⅠA型)達成。

           代行型基金を横滑り加算型に移行。

平成 2年(1990)厚生年金基金連合会主催のヨーロッパ企業年金制度調査に参加(UK・オランダ・スイス・西ドイツ・ベルギー・

           フランス・ギリシャ)

平成 3年(1991)ライフプランセミナー定期開催始める。講師を務める。

平成 4年(1992)退職金10%移行の第2加算年金導入に従事。

平成 6年(1994)「現代投資理論研究会」(故青山護氏主催)に参加。

平成 7年(1995)私的に哲学書『情緒の力業』出版。

平成 9年(1997)企業年金研究所「年金経営問題研究会」(講師山崎元氏)に参加。
           妻とギリシャ旅行。

平成10年(1998)厚生年金基金連合会より「受託者責任研究会」ワーキンググループ委員受嘱。

平成11年(1999)私的に「米国401(k)プラン視察ツァー」に参加(NY・ボストン・サンフランシスコ・サンノゼ )

平成12年(2000)私的に経済書「人様のお金」(A4×560枚)脱稿(CD化)

平成13年(2001)ABC厚生年金基金定年退職(基金業務25年従事)

             社会保険事務所の年金相談員業務に従事。OPM研究会設立。

平成15年(2003)個人ホームページ開設。

 

 

 

  

 


 

*お読みいただけましたでしょうか。楽しく、お役に立てましたでしょうか。

 ご感想をいただけましたら幸いです。

 

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PDFファイル 「請求漏れ年金

 



 


「請求漏れ年金 お調べ指南書」第3章 請求もれ年金発生の裏事情

2018年01月08日 | 年金

 

第3章 請求もれ年金発生の裏事情

(1)年金「基本のき」
①各年金の仕組み
    ・国民年金
      

    ・厚生年金
      

     ・厚生年金基金

      

 

     ・共済年金
     

     


    
②厚生年金には老齢年金のほか、遺族年金と障害年金がある
  一般的に厚生年金といえば、老齢年金のことをいいます。

③年金加入記録は年金手帳等で管理されている
  厚生年金被保険者証・国民年金手帳・年金手帳・基礎年金番号通知書等、時代ごとに名称が変更されてきたので、いずれかをもって

 いれば当面は大丈夫。手元にない場合は、会社に保管されているとも考えられます。


  ただし、転職を繰り返した人などは都度何枚も発行されていて、さらに紛失している場合は問題となる。これを放置しておくと、

 将来、年金を受けるときにこの分が年金計算されなくなります。この年金加入記録は社会保険事務所で確認することができます。

④年金請求に必要な加入期間は原則25年
  ただし、特例が幾つもあるので、勝手解釈は危険です。

 

 

⑤年金の支給開始は、65歳が原則
  ただし、厚生年金は生年月日により60歳から65歳の間、特別支給があります。

 

 

 

⑥厚生年金は報酬比例部分と定額部分で年金計算される

  全加入期間の平均給与(^平成16年4月からは賞与も含む)で計算される報酬比例分と全加入月数(上限444ヶ月、昭和19年4月

 2日以降生まれは順次480ヶ月)で計算される定額分の合計が老齢年金と称される。

⑦公的年金は終身給付
  期間限定と考えている人がいらっしゃいますが、公的年金は終身給付です。厚生年金基金も原則終身です。

⑧厚生年金基金の代行分は報酬比例分からマイナスされて支払われる
  物価スライドによる年金の増額・減額と全加入期間の平均給与の見直しによる増額分は厚生年金から支払われる。つまり、基金の

 年金は生涯変わらないのが原則。厚生年金は年々金額が変わることがある。

⑨年金は請求しなければ支払われない
  誰からもどこからも案内はありません。自分で行動すべきもの。
  法律(厚生年金保険法第33条)には次のように書かれています。
   「保険給付を受ける権利は、その権利を有する者(以下「受給権者」という。)の請求に基づいて、社会保険庁長官が裁定する。」

⑩サラリーマンは当面60歳になったら年金請求
  60歳の時点でどのような状態であっても(定年延長になっても、在職であっても、失業保険受給でも)年金請求書を社会保険事務所に

 提出。5年の時効ということもある。請求できるものを請求しないでおいても増額はない。請求しておかないと、加給年金とか妻の

 振替加算のミスが発生しやすい。

  一度請求書を提出し、年金証書を手に入れとけば、改定事由発生の都度、社会保険庁から自動的に通知が来るようになります。

⑪自分の年金を政府に請求する
  一般国民の年金に対する言い方にも、世代間格差があるようです。時代の変遷、社会構造の変化、国民意識の移り変わりに伴い、

 大正生まれの人たちは「年金をいただく!」と言い、昭和1ケタ生まれには「年金をもらう!」という言い方が多いようです。

  さらに、昭和2ケタの最初の10年になると、「請求」という意識に変わるようです。

  日本経済の構造が劇的に変わりつつあるなか、これから年金を受ける人たちには、年金とは農耕民族の天から与えられるという意識で

 はなく、狩猟民族のように自らが打って出て奪取するものになっていくのでしょう。政策推進者のドサクサまぎれのすり替えを監視する

 意味でも、時代の変わり目に必要な意識でしょう。

  現在の公的年金は、年金受給権の有る者(厚生年金であれば、加入20年以上・60歳に達していること・原則退職していること)の請求に

 より、年金支払者(政府、事務取扱者:社会保険庁、窓口:社会保険事務所)が年金裁定(年金加入記録の確認と年金額の計算)をして、

 社会保険庁長官が年金請求者に年金証書を発行・送付のうえ年金支払いを行います。

   つまり、現行年金は「請求主義」をとっています。昔の恩給のようにお上から支給されるのとは違います。この請求主義は、国民の

 自主的行動を促すという主権在民の方式と考えられます。

  この点を誤解して、保険料は強制的に取っておいて年金支払いのときは請求がなければ払わないというのは国民を侮辱していると怒る人

 がいますが、その怒りは何か考え違いをしていないでしょうか。国のやることに間違いはないとして、あてがい扶持で文句を言わない

 美風は過去のものでしょう。すべて政府におんぶに抱っこの考え方ではないでしょうか。国にぶら下がりの国民意識と考えられます。

 政府も間違えるのです。

   時代はすでに政府が当てにならない、当てにできない事態に立ち至っているのであって、自分の年金は自分で政府に請求する、自分で

  獲得しなければならない時代だし、将来は政府も企業も関係しない年金(企業年金の確定拠出年金)も誕生してきているのです。ここにも、 

  政府から独立して自分でどうにかする方向が見えてきているようです。今後、2,30年後には自分の年金は自分で選択し自分で組み

  立てるのが当たり前になるのでしょう。

   しかし、現在はその過渡期。自分で、自分の年金を政府に請求するために、過去に加入していた年金は100%確実に受け取りたいもの

 です。

 

 

 

(2) 請求もれ年金発生の裏事情

 厚生年金は、昭和17年(1942)6月に労働者年金保険としてブルーカラーが適用され、昭和19年(1944)10月から女子と事務職員等も

適用され、制度がスタートしました。


 ついで、昭和36年(1961)4月に国民年金がスタートし、国民皆年金体制が確立しました。その後、数々の制度改革が実施され、

現在に至っています。厚生年金は60年、国民年金は40年ほど経過しました。

 この結果、日本の年金は、60年に及ぶ改善のパッチワークが改竄になってしまい、一般の人には理解しがたくなっています。年金を

支払う者にとっても間違いが起きやすい仕組みになってしまいました。長い年月の個々人の年金加入記録管理も散溢しがちで、放り投げられ

たままです。現在では、この年金制度の仕組みを読み解くには一段の情熱と集中が必要になっています。国民に「年金は難しい!」と言わせ

て、近寄りがたいものにしてしまいました。

 そうではありましても、年金は直接あなたの生涯の利害にかかわることですから、請求もれ年金を防ぐために制度の裏事情を承知して

おくことが大事になります。どの世界にも、ルールとか取り決めとか取り扱いとかがありますが、要するに、ことは「敵を知る!」こと

から始まります。

 

①年金制度の分立
 ・年金制度の体系

 

 

  わが国の公的年金制度は、現行「国民皆年金」、「社会保険方式」、「世代間扶養」の考え方によって運営されています。

 昭和60年(1985)の法律改正で、国民年金を全国民に共通の基礎年金に発展させ、厚生年金や共済年金を報酬比例の年金を支給する

上乗せ年金の制度として位置づけられ、全体として2階建ての年金体系に組みかえられました。その上に、企業年金(厚生年金基金)等が

3階部分を構成することになりました。

 

公的年金制度の加入対象者

公的年金制度

加 入 対 象 者

経営主体(保険者)

国民年金

①    日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の自営業者等

②    被用者年金制度の被保険者、組合員

③    ②の被保険者の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満の者

国 (政府)

厚生年金保険

①    会社、工場、法人などの厚生年金保険の適用事業所に勤務する70歳未満の者

②    5トン以上の船舶、30トン以上の漁船など厚生年金保険の適用事業所とされる船舶に乗り組む船員

国 (政府)

国家公務員

共     済

常勤の国家公務員(警察職員を除く。)

各省庁等(国家公務員共済組合連合会)

地方公務員

共     済

   常勤の地方公務員で、都道府県職員、公立学校教職員、都道府県警察職員、都道府県ごとの市町村職員等

  各地方公務員共済組合(地方公務員共済組合連合会)

私立学校教職員

共     済

 私立学校法に定めている学校法人、準学校法人の教職員等(私立大学の一部は厚生年金保険に加入)

(日本私立学校振興・共済事業団)

 (注)農林漁業団体職員共済は平成14年4月に厚生年金保険に統合

*出所:全国社会保険協会連合会「年金オープン講座(第22版)」

 

 

 ・基礎年金のあらまし

 

*出所:全国社会保険協会連合会「年金オープン講座(第22版)」


 ・国民年金と厚生年金

   


 国民年金の支給開始は原則65歳、厚生年金もゆくゆくは65歳になるが、現在はそれまでの間経過措置が適用されて生年月日により「特別支給の老齢厚生年金」が支給されている。

 

 

 

 ・厚生年金基金

 

 

 厚生年金基金は、三種の神器の崩壊とか会計法則の変更とか運用難等によって、財政的に苦しい場面を迎えています。このため基金解散や

代行返上が多くなり、年金の行方がわからなくなってきています。ご自分の年金がどうなってしまうのか、しっかり確認しなければなりま

せん。

 

 ・確定拠出年金

 平成13年(2001)10月、会社員を対象に確定拠出年金(企業型)が創設されました。これは、日本に初めて採用された年金の仕組み

です。これまでの厚生年金基金等と違って企業が責任を取らず加入する人自らが資産運用の責任を負う仕組みになっています。


 現在、50代の方も数年間、この確定拠出年金に加入し、資産運用指図を行い、その結果を60歳以降、年金で受けることになります。

 

受給開始可能年齢

当初拠出からの経過期間

10年

8年

6年

4年

2年

1月

受給開始可能年齢

60歳

61歳

62歳

63歳

64歳

65歳


*出所;久保知行『わかりやすい企業年金』 日経文庫 2004/5

 

 この確定拠出年金は、ご自分が運用に失敗しない限り、この冊子で言う「請求もれ年金」というのは考えなくてよい仕組みのようです。

その意味では、政府や役所の介在から基本的にフリーになったと言えるかもしれません。

 

 ・65歳になると


    


 以上のような簡単な一覧でも、日本の年金制度は複数の制度が組み合わさって制度が分立し複雑に絡み合っているのがお分かりになると

思います。このため、ご自分の年金の位置取りを把握しないと始まりません。仕組みを平面的に見るだけではなく、時間の経過も加味して

考えないと理解できない面もあります。

 制度の大枠を押さえたうえで、請求もれ年金をなくすためには、ミクロの個別場面のルールとか取り扱いを承知しておくことも必要に

なります。

 


(3)年金加入記録管理の裏事情

 ・年金加入の手続き

 

 

 会社等に就職すると厚生年金に加入することになり、会社の社会保険担当者が上記の「被保険者資格取得届」を作成し、

年金手帳(または、厚生年金被保険者賞、基礎年金番号通知書)を添付し、社会保険事務所に届出します。この届出により、

厚生年金の加入が確認されます。

 なお、現行法の社会保険は、健康保険・厚生年金・雇用保険の一括適用が原則です。

 請求もれ年金の点で、この届出のポイントは、④の氏名のフリガナと⑤の生年月日と⑧の基礎年金番号が重要になります。ここによく

間違いが発生します。

 フリガナは花子さんであれば、間違いは起きませんが、華子さんであれば、例えば「カコ」さんとされてしまう場合もあります。

「和子」は、「カヅコ」だったり「カズコ」となったりします。


 生年月日は、戸籍上の正しい生年月日ですが、これがよく間違いが発生します。本人の申し出が違っているのと、担当者のうっかりミス

等がかさなってとんでもない生年月日になっている場合もあります。

 基礎年金番号欄は、20歳以上の人は基礎年金番号を記入しますが、不明の場合、過去に年金制度に加入したことのある人は

「年金手帳の記号番号や「被保険者証の記号番号」を備考欄に書くことになっています。入社時に、これらの基礎年金番号通知書や

年金手帳や被保険者証を会社に提出しないと、新しい番号が設定されてしまいます。とすれば、年金加入記録は別番号になり、

記録が散逸することになります。

年金加入記録を社会保険事務所で調べるとき、カタカナ氏名と生年月日、または基礎年金番号等をコンピューターに入力して検索します

が、一字違いでもでてきません。請求もれ年金を防ぐためにはここが重要です。

 転職を繰り返した方は、この「被保険者資格取得届」がそのたびに社会保険事務所に提出されているのですから、一層間違いが発生しやす

くなっています。

 


 ・標準報酬月額
 保険料納付と年金計算のべースになる標準報酬月額(給与)には、基本給とか諸手当(通勤手当も含まれる)、それに現物給付も含まれます。


 通常、毎年1回、4・5・6月の3ヶ月平均で求めた金額を98,000円から620,000円までの30等級に区分した標準報酬月額

として決定して1年間使います。


 平成15年(2003)4月からは総報酬制の導入により、賞与も対象となりました。

 


 ・平均標準報酬月額
 厚生年金の報酬比例部分の年金額を計算するときに使う「平均標準報酬月額」は、厚生年金加入から脱退までの全期間の平均を求めて使い

ます。この場合、昔の給与は現在の水準からすると低額なので、今風に見直すため再評価率というのを乗じて算出します。

 


 ・年金手帳
 年金手帳は、初めて被保険者になったときに事業主を通じて交付されます。しかし、実際には退職するまで事業主が保管しているのが

一般です。退職時に必ず返却してもらいましょう。転職などした場合は、初めて交付されたものを転職先に提出して同一番号で加入すること

になります。つまり、生涯1番号が原則です。 


 ・年金加入の証し


          
  

 

 年金手帳は時代ごとに「労働者年金保険被保険者証」、「厚生年金被保険者証」、「年金手帳」、「基礎年金番号通知書」とかいうものが

発行されてきました。年金手帳がなくても、ほかのものがあれば当座は問題ありません。

 しかし、手元にそれらのものが幾つかある場合は、1番号に統合する手続きをする必要があります。そうでなければ、年金を受けるとき

年金計算されない番号となってしまい請求もれ年金となります。

 また、平成9年(1997)1月からは、国民年金、厚生年金、共済年金ごとの個別番号が共通して使用できる基礎年金番号が導入されて

います。

 これらがタンスに眠っているようでしたら、それは宝の山です。早速、現行の番号に統合しときましょう。勤務中の方は、会社の社会保険

担当者に提出して手続きをしてもらいましょう。現在、厚生年金に加入していない人は、社会保険事務所に持参して統合しときましょう。

1ヶ月加入、おおよそ4000円/年で年金が増額になります。

 


 ・保険料納付と年金給付
 厚生年金保険料は翌月納付です。このため末日退職ですと、2ヶ月分の保険料をまとめて支払うことになります。

       

      

 社会保険の取扱いでは、会社の退職日の翌日が「社会保険資格喪失日」となります。喪失月について保険料は納付できません。つまり、末日以前の退職であれば当月分の保険料は納付しません。

 この取り扱いの延長に、4/31退職の場合、5/1が資格喪失日となり、年金給付の支給開始は喪失日の翌月、つまり6/1からとなります。5月は、給与も年金もなしの空白の1ヶ月になります。ただし、この場合、年金加入月数は4月分までカウントして年金計算されます。ところがこれが、4/31以前の退職になると4月分の保険料は納付しませんので、年金計算の際、1ヶ月分少ない月数で計算されます。 長い老後のことを考えると、1ヶ月でも多い加入月数であったほうが年金額は多いのですからよろしいと考えられます。

 

              

                                        
 4/30退職の場合は上記のとおりとなりますが、年金計算のとき1ヶ月月数は少なく計算され、年間5000円ほど少ないことが生涯・終身にわたって影響します。


 ・年金加入記録
 厚生年金加入者は、毎月標準報酬月額に保険料率を掛けた数字が給与控除され、それと同額を事業主が負担して保険料が納付され記録されます。また、年々の標準報酬月額変更の社会保険事務所への届出の記録も、年金手帳の記号番号ごとに記録・保存されます。

 社会保険庁では、昭和17年以降のこの記録をすべて保管しています。倒産とか解散とかであっても保険料納付がある場合は記録があります。

 平成元年以前の記録では一部コンピューター管理されていないものもあります。その場合は、文書で調査依頼を出せば調べることができます。  
                                                             
 社会保険事務所へ出向けば、ご自分の年金加入記録を調べることができます。年齢制限などありません。国民年金の保険料納付記録も同様です。 第2章で、社会保険事務所等が提供する厚生年金の加入記録(被保険者記録照会回答票)をご覧いただきました。

 これを見れば、いつ厚生年金に加入し、そのときの給与(標準報酬月額)はいくらだったとか、年々の給与の変動とか、なんと言う会社かとか、厚生年金基金加入の有無とか、いつ退職しているかとか、合計加入月数とかがわかります。

 あなたの厚生年金加入記録もこのような形で記録されています。基礎年金番号に統合されていない記号番号はあなたから声がかかるのを待って、コンピューターの一隅に控えています。これを統合できるのはあなただけですし、役所がやってくれるわけではありません。請求もれ年金をなくすためにはこの記号番号を見つけ出し統合しなければなりません。


 ・基金の年金加入記録
 厚生年金基金の加入記録については、各基金事務所で次のような加入員台帳を作成し、自基金の記録管理をしています。

 

 

 この台帳は、通常毎年年度末に全員分をコンピューターから打ち出し、基金が記録の確認・チェックをしています。これには基金の「現在の年金額」が表示されるようになっていますので、毎年打ち出してもらい配布を受けると、年金額の推移がわかります。ご自分の将来計画の資料となります。

 

 ・社会保険事務所では   
 本人(代理人の場合は委任状必要)が年金手帳を持参すれば、社会保険事務所では、上記年金加入記録(被保険者記録照会回答票)をいつでも提供してくれます。国民年金と厚生年金の加入状況、さらに昔の年金加入記録・厚生年金基金の加入記録も調べることができます。

 ところで、ここで、この冊子の目的とする「年金お調べ指南」が重要になります。以下をじっくり研究されてください。通り一遍の調査では大きな落とし穴を見過ごしてしまいます。

 また、年金見込額は55歳以降、社会保険事務所に出向けば、資料提供があります。特別支給の老齢厚生年金見込額や老齢基礎年金見込額を計算してくれます。現状では、これより前には計算しませんが、将来的には50歳以上にしようという計画はあるようです。

 特別支給の老齢厚生年金見込額は、第4章でご覧いただきます。

 基金の年金見込額は、個別基金ごとに違う給付基準のため、社会保険事務所ではわかりません。代行分のみの計算はできますが。基金の年金額は、当該基金か厚生年金基金連合会に問い合わせします。

 


 ・58歳になると
 諸外国には、年金開示請求権に基づくコールセンターがあり、本人の求めに応じて年金加入記録とか年金額の開示をするように法で定められています。

 しかし、日本には、このような考え方も明文もなく、役所がサービスの一環として年金相談等が行われているだけです。その社会保険事務所の窓口では相談に見えた人に「ご苦労さん」と言うレベルです。この日本語は目上の者が目下の者に使う言葉でしょう。役所は感覚的にズレているのです。

 そういう中で、社会保険庁では、平成16年(2004)3月から、年金受給が近づいた58歳の人に年金加入記録をお知らせするとともに、希望者には年金見込額も連絡するようになりました。

 背景には、社会的に年金個人情報の提供の充実要請があるのと、団塊世代の年金事務増大に対処する意味があるようです。

 さらにこの背後には、日本の年金制度のいびつさ、つまり戦費調達に始まり、福祉社会という美名に隠れて産業資本調達に終始してきた日本の年金には、年金本来の趣旨を遠く離れて財政目的にすりかえられていた実態や厚生官僚による恣意を許容する法的ルーズさがあるようです。それゆえに、日本の年金には本来備わっているべき数々の年金特有の「人様のお金」に対する法的・哲学的理念がまったくありません。年金資産を政治家や官僚が「自分の金」のように扱っているのが現実です。

 例えば、世界の年金の常識からすれば、5年ごとの財政再計算による年金受給額の引き下げが行われるということはとんでもないことであり、まったく年金に値しないということです。というか、日本の年金は年金ではなく産業資金調達であり、政治や官僚の恣意が介入できるズサンな仕組みなのです。それゆえに、年金の世界の常識である主権在民、受託者責任、年金開示請求権等が明文化されていないのです。

 このたびの社会保険庁の「58歳のお知らせ」は、この点から考えれば単に団塊世代対策にしか過ぎないのでしょう。58歳になって60歳以後の年金額がわかっても生活設計は立てようがないでしょう。せめて50歳くらいでわかれば将来計画を現実的なものにできるでしょう。5年ごとの財政再計算があるので、そんなに先の年金額を示せないというのか社会保険庁の本音のようです。

 そこで、この冊子の読者は、50歳ごろから「年金お調べ」の第一ステップとして、年金加入記録の確認をし、第二ステップとして55歳時点に社会保険事務所で年金見込み額を計算させて、ご自分の将来計画のアウトラインを把握することをお勧めいたします。

 

 

  58歳になると、社会保険庁から下記資料が郵送されます。(転居した人には届かないこともあります)



 基礎年金番号に記録されている加入期間が記載されます。ご自分の職歴等から漏れているのがないかどうかを詳しくチェックします。もし、漏れがあれば、このままでは請求もれ年金が発生します。漏れがある場合は、同封の「年金加入記録照会票」に詳しく書き込み調べさせましょう。ここが、請求もれ年金をなくすポイントです。

 この「年金お調べ」が100%完了すれば、「年金見込額のおしらせ」を手に入れられます。

 しかし、この見込額は幾つかの前提条件があります。

 まず、この計算は現時点の給付基準により計算されますので、将来の額として保証されているわけではありません。また、この計算は先の「年金加入記録」と補正された記録で計算されるので、別番号があるような場合には当然それは含まれませんので請求もれ年金となります。

 更に、加給年金は除かれていますし、厚生年金基金加入のある人は基金の年金は別となっておりますので、現実に自分の全年金をつかむためには欠けるところがあります。基金の年金額については、当該基金、または原則10年未満の加入の場合は厚生年金基金連合会に問い合わせなければなりません。

 この冊子では、50歳から「年金お調べ」をして請求もれ年金を100%なくしつつ、政府や社会保険庁のまやかしをウォッチして、すり替えを許容しないように民意を押し上げ、なるべく早い時期にご自分の年金額を把握し、実のある将来計画が立てられるようにお手伝いいたします。

 

 

 

 (4) 年金相談の実情

 年金相談と言えば、一般的に日本では社会保険庁や社会保険事務所等の公的年金相談のことをいいます。社会保険事務所では、国民年金・厚生年金・船員保険・3共済・農林年金の一部等の年金加入記録や年金見込額等について皆さんの相談に応じています。共済は各共済事務所になります。

社会保険庁等の年金相談に係わる資料提供の現状(平成16年現在) 

年金見込額算出

60歳年金請求時

社会保険事務所等

年金加入記録

60歳年金請求時

社会保険事務所等

年金加入記録

58歳

社会保険業務センター自動送付

年金見込額算出

58歳

希望により同業務センター送付

年金見込額算出

55歳以上

社会保険事務所等(本人以外委任状必要)

年金加入記録

随時

社会保険事務所等(本人確認必要)

年度保険料納付記録

年度末

社会保険業務センター自動送付(予定) 

 

  

 団塊世代の年金受給を間近にして、マスコミの年金報道にあおられた相談者が大挙して社会保険事務所に押し寄せています。地方は別にして大都市近郊の社会保険事務所では2,3時間待ちが当たり前になってしまいました。病院の診療待ちのような状態です。

 日本の年金制度は国民の理解の限度をはるかに超えてしまい、魑魅魍魎の世界になっているのが現実です。制度の一元化、シンプルさは求めようもない状態に陥っています。更に加えて、縦割り行政の弊害で、テリトリー内の相談に限定されます。

 社会保険事務所等の公的年金相談の基本的スタンスには、相談者があまりにも多いのと制度があまりに複雑多岐になっているため、役人特有の保身感覚で、「聞かれなければ答えない」という情報開示・説明責任回避の姿勢があります。

 「相談」とは称していますが、単なる「応答」になっている場合もあります。何を聞いたらいいのか分からない人は、何も回答がもらえないという愚かなことが行われている場合もあります。 

 年金を受ける人は、複数の年金制度に加入しているのが現実ですが、例えば、厚生年金の説明はあるが厚生年金基金の詳細は基金に聞いてくださいということになります。つまり、社会保険事務所等だけでは事が済まない場合があります。

 共済、恩給、農林年金、厚生年金基金、厚生年金基金連合会等には個別に別のところで相談しなければならないのが年金相談の現状です。国民のニーズとは別に年金全体のフォローはありません。

 更に、大都市近郊の社会保険事務所や電話年金相談センターで年金相談を担当する「年金相談員」は、民間人アルバイターです。日給7000円ほどの非正規職員が相談業務を行います。もちろん、社会保険業務の経験者ではありますが、20代から60代まで、大半が女性です。このスタッフに、社会保険事務所(役所)の責任者(2、3人)がつきます。

 実際の相談業務はこのスタッフが、国民年金、厚生年金、船員保険、共済年金(JR・JT・NTT)、農林年金等の相談に応じます。窓口に出るのは、民間人アルバイターであって、プロは後方に控えてトラブルが生じると解決に当たります。

 もちろん、1日中、相談に当たるプロもいます。こういう人は、全面的に年金相談のトラブルを引き受け、社会保険庁に対する苦情処理等を行っています。一線のプロはストレスでヘトヘトになりながらも黙々と働いています。

 年金相談業務は間口が広く、奥行きはとてつもなく深いので、アルバイトでは限界があるのですが、役所の人的資源も限られているようです。

 別の言い方をすれば、国民との接点である窓口業務に民間人アルバイターを配置するという点で、社会保険庁が年金相談をどのように考えているかがわかります。

 また、年金相談員の質の問題で、少数ながら、高圧的だとか、事務的だとか、ノルマ消化的だとかという相談員もいますし、トラブル回避のため情報開示に消極的な横柄な役人風対応をする民間人相談員もおります。

 しかし、多くの相談員はさまざまな困難の中、懸命な相談をして、大変感謝されているのも現実です。

 これから、団塊世代の年金が始まろうとしていますが、ますます窓口の混雑・トラブルが懸念されます。社会保険庁の改革も始まったばかりで、その実行力が問われています。

 

 年金相談は、このほかにも、下記の通り行われています。 

厚生年金基金連合会

原則10年未満の厚生年金基金加入の年金支払いを行う。解散基金の年金支払いもある。年金相談室があるが大変混雑している。電話での相談は16時過ぎが穴場になっています。

厚生年金基金事務所

原則10年以上加入者の年金支払いを行う。常時、相談を受け付けています。

企業の年金ライフプランセミナー

50歳とか55歳に夫婦単位でセミナーが開催され、年金一般の説明が行われています。

社会保険労務士事務所

主に事業経営者の年金について相談と請求代行を行っています。

市町村の年金説明・相談会

国民年金について説明・相談を行っています。

銀行・郵便局等の年金相談

年金振込口座獲得のため年金相談をし、請求代行を行っています。

インターネット上の年金サイト

社会保険庁や厚生年金基金連合会のホームページ、社会保険労務士のホームページ、年金シミュレ-ションのできるサイトとか、たくさんの年金サイトがあり、情報提供が行われています。

 

 













(5)年金の問合せ先

  日本の年金特有の事情により、年金の問合せ先は多岐にわたります。しかし、大部分は社会保険事務所の年金相談で足りるのが普通です。バリエーションとして個別に問い合わせなければならないという程度で大丈夫と思います。

 

年金の一般的問合せ先

年金区分

問合せ先

国民年金・厚生年金・船員保険・3共済等

市町村・社会保険事務所等

国家公務員共済・地方公務員共済・私学共済

各共済組合

厚生年金基金(原則加入10年以上)

当該厚生年金基金

厚生年金基金連合会(原則加入10年未満・通算)

厚生年金基金連合会

代行返上

当該基金・社会保険事務所等

基金解散

当該基金・厚生年金基金連合会

確定拠出年金(企業型)

取扱金融機関

国民年金基金

各県の国民年金基金

確定拠出年金(個人型)

取扱金融機関



 

 

 

 

 

 

 

  ただ、サラリーマンはここで注意しなければならない点があります。それは、一時、1800もあった厚生年金基金が現在では1000ほどに数が減っています。勤務先に厚生年金基金があった人でも、基金解散や代行返上によりご自分の年金が行方不明になってしまうことがあります。

 

 

 個々に問合せ先が異なりますので、ご自分の該当を把握する必要があります。基金解散や代行返上に伴い、もうひとつ、請求もれ年金になりやすい盲点があります。

 

 

 

 

 

 それは、厚生年金基金には代行型基金と加算型基金があり、基金独自上乗せ分としてプラス・アルファ分と加算分があるのですが、基金解散や代行返上に伴い、これらの取り扱いが各基金により区々なため、加入員が請求を失念する事例が多数発生しています。

 

 

 

 一般的に、基金解散の場合のプラス・アルファ分は、下記の通り3つの選択肢から1つを選ぶことになります。金額は事例です。

 

 

  代行返上の場合のプラス・アルファ分と加算年金分は、厚生年金基金ではなく代行返上後に当該企業年金基金(新設)から支払われます。

   

 

 

 

 

(続く)


「請求漏れ年金 お調べ指南書」第2章 秘術・年金履歴書

2018年01月07日 | 年金

 

第2章  秘術・年金履歴書

 

 社会保険庁では、平成9年(1997)に公的年金共通の「基礎年金番号」制を採用しましたが、以後、基礎年金番号で管理されていない年金加入記録の年金手帳の記号番号を調べています。「年金手帳の記号番号調査のお願い」という文書を年齢の高い順に個々人に郵送していますが、対象者は千万人の規模ですから、いつくるか、届くだろうか、という受身の状態です。

 

 お上からのお尋ねを当てにしていては、日が暮れてしまいます。ここは、積極的にご自分で「年金お調べ」といきましょう。

 

 

 

 「年金お調べ」の第一歩は、「年金加入期間確認」です。これを成功させるための「請求もれ年金発見の秘術」が、次にご案内する「年金履歴書」の作成です。

 

 

 (1)年金履歴書の作成

詳細にこの年金履歴書を作成して、社会保険事務所等で年金加入期間確認を行えばよろしいのです。

 

 ①氏名等

 はじめに、氏名等の欄をしっかり記入しましょう。社会保険事務所等のコンピューターで検索をかけるとき、カタカナ氏名と誕生日で行います。旧姓があるとき、要注意です。とくに、男性の場合。また、名前を誤って読まれるときなどはそれを記入します。例えば、「和子」はカズコとフリガナし、誤読名にカヅコと記入しましょう。清音や濁音も明確に書きましょう。更に、誕生日が何らかの事情で幾つかある人はそのすべてを書きます。

 

 ②職歴等

 職歴は古い順に、無職の期間も含めてすべて記入します。

 

 会社名は、本社・本店所在地とか、勤務先の営業所・工場名とかも記入します。親会社名で登録されている場合もあります。同じ会社で、単身赴任とか、転勤も書き込みます。とくに、海外派遣等、落としがちです。

 

 倒産・解散等であっても会社が保険料納付していれば、記録されています。

 

 会社名を忘れていても、どんな仕事であったか、業種名を書いときます。自分で年金はなかったなどと勝手に決め込まないですべて書き込みます。

 

 アルバイト・パート・フリーターでも、年金加入がある場合もあります。

 

  国民年金加入期間については、その時期の住所をできるだけ詳しく書きます。

 

  共済とか船員保険とか農林年金とかも記入します。ただし、共済についての年金加入期間確認は各共済組合でないとできません。共済組合の事務所に「年金加入期間確認通知書」を請求してください。

 

  年金番号等のわかっているときは、その番号を記入します。

 

 年金加入期間確認のための年金履歴書ですから「事実」を記入します。誰からも、どこからもとがめだてなどありません。

 

 ともかく、無職の期間も含めて全職歴を網羅しなければ、この「年金お調べ」をする意味がなくなります。全職歴を網羅するところが秘術です。これは、あなたご自身以外、誰にもできないことなのです。つまり、あなたご自身の次のライフ・ステージに向かっての棚卸をするということになります。

 

  職歴がいっぱいあって用紙が足りなかったら、ご自分で工夫されて継ぎ足してください。

 

 ③特記事項

 特記事項も、該当がある場合はしっかり記入します。結婚もすべての結婚の記録を書きます。とくに、女性の場合等で以前の結婚の事実を確認するため、「原戸籍(げんこせき)」が必要になる場合もあります。

 

 さあ、あなたご自身の「年金履歴書」(次のページ)を書いてみましょう。

 

  

 

 

 

 

kokodakenohanashi!

   適格退職年金

 退職金の年金化の一つとして適格退職年金制度がありますが、平成24年(2012)

に廃止されることになり、401K(確定拠出年金)などに移行がはじまっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2)社会保険事務所で年金加入期間確認

 

 社会保険事務所等では、厚生年金のほかに、国民年金、船員保険、農林年金の一部、NTT・JR・JTの3共済、厚生年金基金等の年金加入記録を調べることができます。ただし、共済は、各個別共済組合の事務所になります。

 

 実際の年金加入記録確認は、次のような要領で行われます。

 

 ①原則本人が社会保険事務所等に出向いて年金相談員に確認依頼をします。代理人は、この年金加入記録確認については、職歴等の細かいところが分からないので、適当ではありません。たとえ妻であっても。ここは、人任せにしないでご自分が出向くべき性格のものです。こういう肝心なところで、手抜きをする人が請求もれ年金につながり易いのです。

 

 持参すべきものは、まずは基礎年金番号通知書、タンス預金している年金手帳、国民年金手帳、厚生年金保険被保険者証等、いずれか。年金の番号の記載されているすべての資料。ついで、前ページの「年金履歴書」。更に、印鑑、古い給与支給明細書・国民年金保険料の領収書等あればそれを持参。

 

 ②はじめに、年金相談員が氏名(カタカナ)と和暦誕生日を社会保険庁の端末コンピューターに入力して基礎年金番号を確認します。

 

 ③次に、氏名(カタカナ)と和暦誕生日、旧姓、別誕生日等を入力して、別番号候補を検索します。それを、年金履歴書、または口頭により確認を行います。会社名等が一致すれば本人の記録と判断されます。会社名を忘れている場合は、社名の頭文字だけ言われるので、ここが勝負どころ、なんとか思い出すことが肝心です。クイズみたいな場面になりますが、結構みなさん思い出します。

 

 ④そのうえで、年金履歴書に書いた全職歴の年金加入が確認されたかどうか、チェックします。コンピューターでは確認できない記録もありますので、その場合は、「被保険者期間・年金手帳記号番号調査申出書」という書類に未確認分を記入して調査依頼をします。1ヶ月ほどすると、その会社等を管轄する社会保険事務所から文書で回答があります。加入が確認されたら、番号の統合が必要になります。

 

 ⑤本人の加入記録と確認された番号は、その場で年金相談員が統合の手続きをします。多数の番号が明らかになる人もおります。古い記録が出てきたときには、みなさん驚きの声を出します。

 

 ⑥最後に、すべての番号の「被保険者記録照会回答票」を打ち出してもらい、年金の種類と総年金加入月数を把握しましょう。後段の「あなたの成功報酬」のために、新たに発見された月数を記録しときましょう。

 

 


(3)年金見込額の確認

  現行、社会保険事務所では、55歳以降、厚生年金や国民年金の年金見込額を本人の申出により提供しています。代理人の場合は、委任状が必要になります。

 60歳時、定額部分開始時、それに老齢基礎年金開始時の3回について年金見込額をコンピューター計算してくれます。年金加入期間確認が終了して、すべての年金番号が統合されて55歳になったら、計算を依頼しましょう。下の票のような、回答票を打ち出してくれます。

   



 

  

  一般的に、60歳時の報酬比例部分支給開始額を見て、まず? ついで定額部分支給開始の年金額を見て、一様に愕然とされます。

 こんなに少ないの! というわけです。

 

 これが、更に、厚生年金基金加入のある人の場合ですと、基金加入期間中の報酬比例部分は基金から支払われるのでもっと少額になるのですから、一瞬青ざめます。当然、基金のことを説明すると納得されますが。それにしても・・・・・・・。

 

  65歳の老齢基礎年金開始の場面でも混乱が生じます。

 

     

  実際に、国民年金加入がないサラリーマンの場合ですと、65歳前後では年金額は同一で名前が変わるだけですと説明されても納得いただけないのが普通です。制度分立の複雑さでしょう。

 

 ともあれ、これで厚生年金は3回も年金額が変わることが確認できました。一方、厚生年金基金は、当該基金か、厚生年金基金連合会かの別がありますが、年金額が変更になることは原則ありません。

 

 最後に、夫婦単位の年金見込額を次ページの表に取りまとめ、「家計の年金推移」を記入すると、あなたご自身の次のライフ・ステージの経済的基盤が確認できます。

  

夫の年金

氏名(                     ) 誕生日( 昭和  年  月  日)            

 

 

 

 

 

年金区分

60歳

定額分開始(  )歳

65歳

厚生年金・

報酬比例部分

円/年

円/年

円/年

厚生年金・

定額部分

 

厚生年金・加給年金

 

 

基金・基本年金

 

 

 

基金・加算年金

 

 

 

連合会・代行年金

 

 

 

確定拠出年金

 

 

 

国民年金

(老齢基礎年金)

 

 

 

 

 

妻の年金

氏名(                     ) 誕生日( 昭和  年  月  日)

 

 

 

 

 

年金区分

60歳

定額分開始(  )歳

65歳

厚生年金・

報酬比例部分

円/年

円/年

円/年

厚生年金・

定額分

 

厚生年金・加給年金

 

 

基金・基本年金

 

 

 

基金・加算年金

 

 

 

連合会・代行年金

 

 

 

確定拠出年金

 

 

 

国民年金

(老齢基礎年金)

 

 

 

 

 

家計の年金推移

夫・誕生日( 昭和  年  月  日)   妻・誕生日( 昭和  年  月  日)

夫の年金

妻の年金

合計

60歳

円/年

円/年

円/年

61歳

 

 

 

62歳

 

 

 

63歳

 

 

 

64歳

 

 

 

65歳

 

 

 

同上

 

 

 

同上

 

 

 

同上

 

 

 

同上

 

 

 

同上

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*厚生年金加入であった夫死亡の場合、妻に遺族厚生年金(報酬比例部分の75%)が支給されます。

 

 

 

(続く) 

 


「請求漏れ年金 お調べ指南書」第1章 あなたの成功報酬は幾ら?

2018年01月06日 | 年金

第1章  あなたの成功報酬は幾ら?

 

  厚生年金は、加入期間とその間の平均給与で年金が計算され、国民年金は加入月数で計算されます。この年金計算の元になる年金加入記録はひとりひとり生涯1番号の「基礎年金番号」によって記録されています。

 

  すべての年金加入記録が基礎年金番号に統合されていれば年金請求に際して何も問題はないのですが、実際には多くの人が問題を抱えていますし、そのことを承知してもいないのです。

 

  つまり、基礎年金番号とは別の番号が放置されたままになっているのが現実です。これをそのままにしとけば、「請求もれ年金」が発生することになります。これは60歳になっても役所が整理してくれるものではありません。ご自分でするしかありません。この冊子では、これを「年金お調べ」としてその秘術を公開します。

 

   第2章でお話します年金加入期間確認の「発見の秘術」を施して、基礎年金番号とは別の番号を見つけ出しましょう。その年金加入期間はどのくらいになりますでしょうか? 筆者としましては、最低1年は見つかってほしいと願っています。

 

  次のページの表で、あなたのアバウトな成功報酬をためしに計算してみましょう。

         

 昔、勤めて忘れていた会社の厚生年金が3年でも見つかったとすれば、36月×3000円で、108,000円/年になり、生涯(平均寿命78歳)にするとおおよそ194万円にもなります。

 

 1年の別番号が見つかったとすれば、12月×3000円として36,000円/年になり、生涯ですと64万円ということになります。

 

 

あなたの成功報酬

年金区分

見つけた加入期間

月数

アバウト月額

成功報酬

生涯報酬

国民年金

×1,655円

円/年

厚生年金

(基金なし)

 

 

×3,000円

×4,000円

×5,000円

 

円/年

 

厚生年金

(基金あり)

 

 

×1,500円

×2,000円

×2,500円

 

円/年

 

 

基金

 

 

×1,500円

×2,000円

×2,500円

 

円/年

 

共済

×5,000円

円/年

 

合計

 

 

 

 

 

円/年

 

*国民年金のアバウト月額は、794,500円(平成16年単価)÷480月=1,655円とした。

*厚生年金は、見つけた加入期間の時期(初期・中期・終期)よってアバウト月額を使い分けることとした。

*基金ありの場合は、アバウト月額を1/2とした。

 

 

 期間が25年なくて、年金を諦めている方も、カラ期間を使ったり、別番号を見つけたりすれば年金が受けられることになるでしょう。勝手解釈はやめたほうがよろしいです。

 

  ほとんどの人がどうにかこうにか年金が受けられるようになりますので、少し研究して見ましょう。

 

  目標は、55才までにあなたご自身のすべての年金加入期間確認を終えて、55歳時点で60歳以降ご自分の受けられる年金額を把握したいものです。

 

  その「年金お調べ」の結果、あなたの努力が別番号発見となり、その年金加入期間により成功報酬が生まれます。

 

          

(1) 請求もれ年金

 

 日本の公的年金は、政治家の政争の具にされてきた経緯とその議員を選出してきた国民の民意度の低さ、加えて官僚の行政能力の低さ等々から、賦課方式というアナクロニズムをいまだに引きずって財政破綻を迎えつつあり、制度が分立していること(少し前までは8つの公的年金制度がありました)と過去の年金加入記録の管理がしっかり統合されていないとか、年金支払いのミス続発等の欠陥商品になっており、実務面からもリコールが必要な事態に立ち至っています。つまり、国民サイドからすれば、不可解な年金で請求もれ年金が発生しやすい制度になっています。

 

 生涯ひとつの会社しか就労していなくて、基礎年金番号にそのすべての加入記録が管理されている人であれば、一応請求もれ年金を考える必要はないでしょう。しかし、多くの人の場合、過去に加入していた年金が、何らかの事情で加入記録が統合されてないままに放置されているのが現実です。

 

 行政サイドが積極的にそれを統合するなどということは考えられませんし、出来ません。役人にお任せなどと、今の時代どなたも考えてはいないでしょうが、仮に、「総背番号制」や民営化等が導入されても年金の加入記録の統合はむずかしいでしょう。もれ落ちる記録が続出して収拾が付かなくなるでしょう。仮にそうなったとしたら、なおさら「年金お調べ」が重要になります。

 

 筆者の28年の年金実務経験から言えることは、基礎年金番号に記録がきれいに統合されている人は全体の10%位で、残りの90%ほどは年金加入記録のもれや未統合があります。それゆえ、あなたもそのうちのお一人ではないかと懸念されます。

 

●請求もれ年金って?

 

 

  このような人は、請求もれ年金の点では一応問題はないでしょう。基礎年金番号の中にすべての年金加入記録が記録されていると考えられます。

 

  問題なのは次のような人です。

 

 

 基礎年金番号の年金加入記録は判然としていても、それ以前の加入記録が統合されていません。制度間の渡り歩きもあるし、不明部分があるし、A社の年金加入記録がありません。

 

 これは、名前(カタカナ)と生年月日で社会保険事務所のコンピューターで検索すれば調べられます。そのうえで、基礎年金番号にすべての番号を統合しなければなりません。そうしなければ、年金額に反映しません。請求もれ年金が残ります。

 

 一般的な請求もれ年金の事例は次のような人です。

 

  D社のブルーの年金手帳しかなく、それ以前の年金加入の手帳とか被保険者証を紛失している場合です。

 

 このままだと、D社の加入期間だけで受給資格期間を満たせず年金が受けられないということになります。このまま、年金は受けられないと独り決めしている人もいらっしゃいます。

 

 実はA社、B社、C社、それに未加入の期間、国民年金の期間を確認すれば年金を受けられる加入機関を満たしていると考えられますので、こういう人こそ「年金お調べ」が必要になります。

 

 もっと一般的なのは次のような事例です。

 

 

 基礎年金番号は持っているのですが、A社の年金加入はすっかり忘れている事例です。社名がわかれば社会保険事務所で調査は簡単にできます。本人の口から社名を言ってもらうだけで調べられます。

 

 厚生年金基金の加入があるがどうかも社会保険事務所のコンピューターで確認できます。基金解散や代行返上等も同様です。

 

 基金の年金は、原則10年以上加入の場合は当該基金へ原則60歳になったら請求します。10年未満の細切れ基金の分はまとめて厚生年金基金連合会から終身支払われます。この基金分年金を忘れている人が大勢いらっしゃいます。請求もれ年金の1典型です。

 

  厚生年金基金に関して上のような事例の人は少ないのですが、それでも複数の事案が重なっている人はいらっしゃいます。

 

 この方の場合、基金の年金は3ヶ所に請求し、3ヶ所から年金を受けることになります。A基金とB基金は厚生年金基金連合会、C基金は当該基金、D基金の代行返上は厚生年金からとなります。

 

 さらに、B基金とD基金が加算型基金であればそれぞれの基金にも請求する必要があります。

 

 こうなってくると、何がなんだかわからなくなりますが、現状個々の年金説明はありますが全体を解きほぐして説明してくれる年金相談所は残念ながらありません。

 

 当然、社会保険事務所の年金相談にも限界があります。社会保険事務所の年金相談では、国民年金・厚生年金・船員保険・3共済等には対応しますが、テリトリー外の共済とか厚生年金基金とか厚生年金基金連合会については多少触れるだけです。

 

 現状、この点を含めて、年金制度全体の説明ができる「年金カウンセラー」が必要になるほど年金の現場は混乱しています。本来、国民全体が関係する制度であればシンプルであることが必須なのでしょうが、現実は世紀末ならぬ制度末を迎えています。

 

 このような事態のため、これから年金を受けようとする人には一層の「年金お調べ」が不可欠です。

 

 

 ●請求もれ年金1ヶ月見つかると

 

一般的に、請求もれ年金の年金加入が1ヶ月見つけると、次のような年金が終身受けられるようになります。(年功序列・終身雇用下の推定値。生涯給与が安い・高いで区分しても可) 

 

20代の年金加入1ヶ月

30・40代の年金加入1ヶ月

50代の年金加入1ヶ月

3000円//終身

4000円//終身

5000円//終身

 

 例えば、30代の年金加入記録が3年見つかったとすれば、36月×4000円で、144,000円が年間追加され、男性の平均年齢78歳までもらったとすれば60歳からとして18年間で2,592,000円になります。

 

 また、女性でも結婚前の3年が見つかったとすれば、36月×3000円で、108,000円/年、終身では平均年齢85歳として60歳から25年として2,700,000円にもなります。下手な資産運用や蓄財をやるならこの請求もれ年金の発掘をしたほうがよっぽど効果的です。

 

 上記の例で、厚生年金基金の加入があったとすれば、厚生年金基金連合会から半分、厚生年金から半分ほどがもらえることになります。

 

 仮に、請求もれ年金が10年も出てきたら、どういうことになるでしょう。120月×4000円として、480,000円/年追加され、18年間として8,640,000円にもなります。

 

 こういう大金を請求もれか、自分の年金としてしっかり確保するか、すべてはご自分の「年金お調べ」にかかっているのです。役所サイドがやってくれることなど決してありません。

 

 大雑把に1年見つかれば、12月×4000円として48,000円、おおよそ5万円の年金が増額になり、終身受けられることになります。

 

 なお、すでに年金を受けている人がこの請求もれ年金を見つけたとすれば、5年の時効で消滅する分を除いて遡及払いが一時金で受けられ、年間の追加額も終身受けられます。

 

 

(2) 請求もれ年金がおきやすい人

 

  ご自分が該当する場合はチェックしといてください。

 

□    転職を繰り返した人

 一般的に、若いときは転職が多いものです。そこで転職の度に厚生年金被保険者証(現行年金手帳とか基礎年金番号通知書に変わっている)が発行され、それが行方不明になっている人が大勢いらっしゃいます。これを見つけ出し番号を統合しなければなりません。厚生年金被保険者証をタンス預金していませんか。あるいは机の引き出しに眠っている年金の証しはありませんか。

□    社名を忘れてしまった人

 50代になって20年も30年も前の職歴を思い出すのは難しいことですが、この職歴は年金からすれば宝の山なのです。昔を思い出しながら年金のための履歴書を書いて見ましょう。

□    姓名が変わった人

 何らかの事情で、姓名が変わった人、特に男性の場合、要注意です。

□    姓名を誤って読まれる人

 お名前を第三者に誤って読まれるとか呼ばれるとかする人、要注意です。

□    姓名のふりがなに濁点のある人

 カズコとカヅコとか別記のある人も要注意です。

□    生年月日が幾つもある人

 謄本をとってみたら実は違っていたとか、親に言われてずうっと間違った生年月日を使っていたと

  かという人。

□    年齢を若くして働いたことのある人

 昔はアルバイトなどするとき、年齢制限があって偽りの生年月日で働くことがありました。そういうことがあったとすれば、それで調べなければ年金加入記録は確認できません。別にこれを明らかにしたとしても、誰からも指弾されるものではありません。単に年金加入確認で使うだけです。

□    離婚を繰り返した人

 すべての姓で年金加入を確認しなければなりません。

□    年上奥さんの人

 加給年金とか振替加算が付いていない(付かない)場合が多いので、要注意です。

 

 

(3)請求もれ年金が考えられる人

 

   ご自分が該当するようでしたら○をしといてください。

 

  (4) 典型的な請求もれ年金5つの事例

 

□    転職

 D社の基礎年金番号しか持っていない事例だと、厚生年金15年では受けられないのであきらめてしまう人がいます。

 

 この場合は、職歴を全部洗い出して年金加入記録の確認をすれば、倒産会社でも調べられます。4社別番号の場合もありますが、統合さえすれば問題はありません。

 

 この事例だと、D社の15年も生き返って合計38年分の年金、おおよそ180万円/年ほどが受けられるようになります。

 

□    制度間渡り歩き



 こんなに波乱万丈の人生を送る人は現実にはまれですが、ときたま3つほどの年金制度を渡り歩く人はいらっしゃいます。

 

 すべての加入期間を合算して25年以上あれば年金になります。この事例ですと、私学共済だけ私学共済に年金請求し、後は社会保険事務所に年金請求します。

 

□    カラ期間



 国民年金3号期間が8年と自分で国民年金を支払った5年で13年しかなく、25年に足りないので年金をあきらめている事例でも、昭和61年3月までの婚姻期間10年がカラ期間として使え、さらに結婚前の厚生年金2年を合算して25年になれば年金になります。ただし、昭和61年3月までの婚姻期間10年は年金額には反映されません、

 

 カラ期間は、このほかにも沖縄在住・生活保護受給・学生・海外在住等がありますので、くれぐれも勝手解釈はやめ、社会保険事務所等に確認しましょう。

 

□    昔の基金加入



 A社の厚生年金加入が見つかり、合わせて厚生年金基金加入も確認され、3年分の基金が厚生年金基金連合会から54,000円/年終身受け取れることになります。昔の基金加入を忘れている人が大勢いらっしゃいます。 

 さらに、最近の基金解散や代行返上で請求もれ年金が発生するリスクは増大しています。

   

 これから年金の人は、年金給付の抑制のほかに年金制度変更のドサクサに約束されている年金も取り上げられてしまう場合もありますので要注意です。「果たすべき約束」が果たされないのが現実です。

 

□    海外在住

  海外赴任から現地法人に転籍になった人や海外で事業をしている人など海外在住の長い人は、日本での厚生年金加入が判明し日本国籍であれば、厚生年金5年だけでは年金になりませんが、海外在住が20年以上あれば合わせて25年以上になり、

厚生年金5年分の年金(約25万円)が終身もらえます。

 

 海外在住の人は、はなからあきらめてしまっている人が多いようですし、海外在住のカラ期間が使えることを知らないまま年金を受けていないようです。

 

 この海外在住を立証するために、パスポートとか在留証明とか戸籍の附表とかが必要になります。出国印のあるパスポートは年金のために宝物になります。永久保管しましょう。

 

 また、海外転居した人も国民年金に任意加入できるので、将来の受給額や障害年金などを考えたら加入しておくべきでしょう。保険料支払いの方法は幾つかあります。

 

 ドイツやアメリカに短期間赴任してその国の年金に加入した人も日本での年金加入と通算して10年あればその国の年金もうけられるし、25年以上あれば、日本の年金も受けることができます。ただし、アメリカは平成5年秋以降。

 このような二国間の通産協定は順次進行中です。協定成立後は日本の年金だけ加入します。

 

 

 現地法人に転籍の場合、日本の年金制度からは外れるが国民年金に任意加入が可能です。

 

 

 以上のような5つの事例の「請求もれ年金」が発生する背景は、現行の公的年金が社会保険方式で世代間扶養をベースに保険料を徴収し、被保険者全体の資産を政府が全体管理し、国民一人一人のミクロの管理が不十分であるためです。

 

 「社会保障の夢」はどちらかというと財政に摩り替えられています。もともと厚生年金は戦費調達で始まった制度ですから、戦後復興の産業資本として流用される土壌はあったのです。このような方式の年金であれば、裁量が働く余地があるため、本来、「人様のお金」である年金を役人がピンはねしたり、政治家が産業資本として流用し使途不明金になったりしても不思議はありません。

 

 現実には、社会保障のための金が財政目的に使われてしまっているのです。それゆえの年金財政破綻でしょう。ここから、給付抑制の大義名分として政治家や役人が自分たちの責任を言い逃れるために「高齢化と少子化」を叫ぶのです。これも、ひとえに裁量が働かない個々人の年金勘定がないためとだけは言えるでしょう。

 

 こんな中、平成13年(2001年)10月、ひとつの実験が企業年金で始まりました。これまでの厚生年金基金等は資産運用の低迷とか国際会計基準の採用等で財政維持が困難になり、基金解散とか代行返上が続出しています。新しく始まったスキームは「確定拠出年金」といい、加入者自身が資産運用の責任を負う個人勘定です。

 

 これから年金を受ける人は、公的年金のほかにご自分の個人勘定の確定拠出年金も受けることになりますが、この年金はご自分が資産運用で失敗しない限り、請求もれ年金となることはないでしょう。政府や企業の裁量も働かないでしょう。いろいろ紆余曲折はあるでしょうが、「人様のお金」はこれでしっかり保全されることになるでしょう。

 

 一方、公的年金も、「社会保障個人勘定」実現に向けて大きなターンをきり始めたのかも知れません。これは、時代の要請でしょう。

 

 

(5)現在の公的年金水準

 

 ところで、これから調べ上げる公的年金の現在(昭和20年生まれの方が60歳を迎えられる時点)の年金水準を押さえておきましょう。

 

 厚生省が発表しているモデル年金(夫婦二人、夫40年加入、妻専業主婦の場合)の平成12年(2000年)改正後の標準的な年金額によれば、238,125円/月(所得代替率59.4%)とのことであります。

 

 ところが、このモデルは夫60歳、妻65歳の支給開始年齢を同一時間軸において数字を作っていますので誤解を生む数字になっています。

 

 実際には、昭和18年4月2日から昭和20年4月1日生まれの男性の厚生年金の支給開始は、報酬比例分が60歳から、定額分と加給年金分は62歳(順次繰り下がっていく)となっていますので、夫が60歳で報酬比例分104,092円/月、62歳で定額分67,017円/月と加給年金(3歳年下の妻として)33,100円/月が加わって、62歳で204,209円/月にしかなりません。

 

 妻が65歳になって67,017円/月と振替加算が8,383円/月加わって279,609円/月になりますが、同時に加給年金が(妻が65歳になった時点で)なくなりますので実際には246,509円/月となります。夫の年齢順に支給される年金月額は以下の表のようになりますので、ご覧ください。

 

 

夫60歳

62歳

65歳

68歳

夫(S20/04/01生れ)

104,092

204,209

204,209

171,109

妻(S23/04/01生れ)

 

 

 

75,400

104,092

204,209

204,209

246,509

注:夫婦の年齢差3歳の事例(妻は国民年金のみとしました)

 

 厚生省の言う所得代替率59.4%は、上の例では68歳ごろにならないと達成されません。また、今後この所得代替率は50%ほどに抑制していこうという方針のようです。

 

 このほかに、年金水準を考えるときに押さえておかなければならない点があります。それは、年金水準の世代間格差です。下の表のように世代が下がるにつれて年金が少なくなっています。今後、15万円/月ということもありえるのかも知れません。

 

世代

大正生まれ

S1ケタ生まれ

S10年生まれ

S20年生まれ

概算年金月額

35万円/

30万円/

25万円/

20万円/

注:40年勤務の妻あり男性の現行の概算年金月額

 

 つまり、これから年金を受けられる皆さんの年金と世代の違う人と横比較しても惨めになるだけです。この点は、政治的に解決されるべきものだと考えます。政府は、この年金をさらに抑制していかなければ年金財政が破綻するとはしています。

 

 現在では、定年前1000万円/年の給与取りも、年金になれば240万円/年になってしまうのです。現役時代の4分の1ということです。これが現実の年金水準です。さらに深刻なのは、自営業者等の国民年金です。40年掛けて66,200円/月(平成16年度値)です。

 

 都会地で、20万円/月で夫婦二人暮らすのはかなり厳しいと考えられます。60歳にもなれば職はないし、病は襲うし、で、身動きもできなくなります。長くなった老後人生のリスクに立ち向かうのは容易でありません。それまでにたくわえを作るか、田舎に引っ込むか、外国に逃げ出すか、独立して会社を起こすか、パートに出るか・・・・・・、さあ、あなたならどうされます。眼前の猛虎ににらまれたような気分になるでしょう。

 

 ここは、プレ年金ステージの方に提供されている年金・加入してきた年金を100%確保することが最重要になります。1円でも多く、請求もれ年金を徹底してなくしましょう。そのためには、「年金お調べ」です。これを確実に行わないと、請求もれが発生します。生半可に人任せでは100%の年金確保は望めません。現実に請求もれしている方が大勢いらっしゃいます。「年金お調べ」は誰もやってくれません。ご自分で行うものです。成功報酬が待っています。

 

 

(続く)

 


「請求漏れ年金 お調べ指南書」はじめに

2018年01月05日 | 年金

 

拙著「年金生活への第一歩」の元原稿が見つかりました。

読み直してみると、少々皆さんのお役に立てると妄想しました。

5回にわけて投稿しますので、ご覧になってみてください。

 

 

 

<<<<< この指南書のセ-ルス・ポイント >>>>>

 

 

年金実務経験28年の年金カウンセラーが

これから年金を受ける50代の方に

請求もれ年金発見の秘術を伝授いたします。

 

 

請求もれ年金とは、基礎年金番号に統合されていない別番号。

この別番号の請求もれが多発しています。

 

 

請求もれ年金を発見して、

あなたが成功報酬をゲットできます。

 

 

60歳になる前に

「年金お調べ」を済ませましょう。

 

 

あなたのハッピー・リタイアメントに

乾杯!

 

 

目    次

 

はじめに

 

第1章 あなたの成功報酬は、幾ら?

(1) 請求もれ年金

(2) 請求もれ年金がおきやすい人

(3) 請求もれ年金が考えられる人

(4) 典型的な請求もれ年金5つの事例

(5) 現在の公的年金水準

 

第2章 秘術・年金履歴書

(1) 年金履歴書の作成

(2) 社会保険事務所で年金加入期間確認

(3) 年金見込額の確認

 

第3章 請求もれ年金発生の裏事情

(1) 年金の「基本のき」

(2) 請求もれ年金発生の裏事情

(3) 年金加入記録管理の裏事情

(4) 年金相談の実態

(5) 年金の問合せ先

(6) 年金は難しい!

 

おわりに

 

付録 童女のようにはしゃいだギリシャ旅行

 

 

 

 

 はじめに

 

 はじめに、筆者の自己紹介をいたします。

 

 千葉の田舎に中学生まで過ごし、その後東京に出て従姉の家の模型屋を手伝いながら新宿の夜間高校(電気科)を卒業し、就職先がないままアルバイトをして2年過ごし、一念発起で哲学を勉強すべく大学に進みました。

 

 大学も終わりごろ、同じ哲学科の女性と知り合い、倉敷の実家を訪ねて結婚させてほしいと申し出るも、どこの馬の骨とも知れない青二才に娘は渡せないと母親と奪い合い(?) 、 というのも、私が手を引っ張り東京へ行こうと言えば、母親は娘のスカートのバンドに両手を差し挟んでならぬならぬと大騒ぎ。娘は間で両方に引っ張られ、痛い、痛い!とわめき散らす。親父殿はウロウロするばかり。

 

 結局その場は私の負けで引っ込み、日を改めて彼女の岡山のアルバイト先に出かけて東京へ連れてきてしまいました。大学卒業の春4月長女誕生。またしても、東京に職がなく、父の紹介で広島県福山市に就職。2年ほどで、福山を出て東京に戻り、横浜に住んで輸送会社に就職、その間に子供は3人になり、10年かけて書いた原稿を平成7年(1995)に哲学書として自費出版しました。

 

 終身雇用・年功序列・企業内組合の「三種の神器」の恩恵を丸々受けつつ、再々の会社の肩たたきを肩すかしで逃れて、厚生年金基金業務を25年経験して定年となり、その総仕上げが企業提供の永年勤続記念旅行で妻とのギリシャ旅行となりました(付録参照)。定年直前には私費でアメリカ401(k)調査旅行もいたしました。

 

 厚生年金基金事務所定年後、3年ほど年金相談員とホームページ開設を経験させてもらいましたが、元の厚生年金基金はその後2年で解散し、今はその分の年金は厚生年金基金連合会から受けています。

 

 このような経歴の中で年金実務経験は、会社員時代に労災保険の障害年金請求100件ほど、厚生年金の請求1,000件ほど、それに厚生年金基金の年金請求・年金裁定1,000件ほど。

 ライフプランセミナー講師として、10年ほど1000組のご夫婦に年金説明。

 加えて年金相談員3年の年金相談10,000件ほどになります。

 年数的には28年ほど年金実務経験しました。

 

 

 さてさて、この冊子「請求もれ年金・お調べ指南書」は、いわゆる巷にあふれている年金本のような年金の仕組みとか、制度の給付内容とか、請求手続きとかは二次的な問題としています。つまり、年金制度の解説書ではありません。そのようなことをお知りになりたいのであれば、ほかの本に当たってください。良書がたくさん出ております。詳細は社会保険事務所等にお尋ねください。

 

 この冊子では、筆者の28年ほどの年金実務経験から「請求もれ年金」が多数・頻発している現実を数多く経験してきましたので、団塊世代を含めたプレ年金ステージにある50代の方に請求もれ年金がないようにする戦略書、というよりは、どちらかというと年金物語になります。

 

 お読みいただければ、請求もれ年金を100%糺すための秘術をご指南いたしますので、必ずあなたのお役に立てると思います。50代の方に、これから「年金お調べ」の年金獲得バトルを戦い抜いてもらい、ハッピー・リタイアメントが実現できるようにお手伝いいたします。

 

 

現在、50代の方はこれから何年か後には年金生活に入ることになります。そのとき年収は、年金だけだとすると現役時代の四分の一とか三分の一にガクッと落ちることになります。これはどなたも避けられません。更に、政府は財政逼迫から年金給付の抑制を考えているのですから、これが更に低下することも覚悟しなければなりません。

 

 一方、年金の元締めである社会保険庁は組織として末期症状を呈し、抜本改革を迫られていますが、これは団塊世代の年金が始まることで急務・必然となっております。

 こういう場面で、過去によくあったことですが、日本の年金法がザル法のため政策推進者のドサクサ紛れの勝手行動が横行します。例えば、グリーンピア建設とか、公団等への資金投入、賦課方式への転換等々、企業年金の世界でも、代行返上とか基金解散とかが行われてしまいました。

 

 年金は「いただく」ものですか? 「もらう」ものですか? あなたはどう考えておられますか?

 一般的に、大正生まれは「いただく」と言い、昭和1ケタ生まれは「もらう」と言います。これから年金のあなたは、「請求する」になるでしょう。強いて言えば、「とる」でしょうか。

 

 なぜなら、時代背景が違います。昔の年金は平和でした。現在の年金は、先行きどうなるか不透明です。昔の人たちは、国家にぶら下がっていれば足りました。今の人たちは、官僚と政治家によって国家は頼りにならないことを叩き込まれました。

 

 そこで、あなたに必要になってくるのは、国や企業の政策推進者等に対して、最低限ご自分の年金はご自分で守るという考え方です。自分で自分の年金は100%請求するというポリシーが必要になります。

 

更に、年金は、加入月数とその間の平均給与等で計算されますが、その加入記録は昭和17年(1942)以降の全記録を社会保険庁が管理しています。年金の番号は生涯1番号なのですが、実態は番号をいくつも持っている、いくつも発行されている、または、そのことを当のご本人が承知していない、忘れてしまっているというのが現実です。

 

 日々行われている年金請求の場面では、基礎年金番号(又は被保険者証や年金手帳)に、ご自分の年金加入記録がすべて統合されている人は10人に一人です。多くの人に年金加入記録の漏れがあるのが現実です。漏れがあれば、それが「請求もれ年金」となります。

 

 50代の方は、サラリーマン生活の収穫のときを迎えて、グズグズ、グチャグチャ言っている暇はないでしょう。やることがいっぱいあるはずです。そのひとつに、定年後の生活の計画、とくに経済的な面のそれも確実なものにしなければならないでしょう。

 

 多忙な皆さんの年金について、この冊子がアウトラインとポイントを提供します。要するに、この冊子のミッションは、請求もれ年金をなくし、年金を100%受けてもらうことになります。

 

 

 

 

(続く)

 

お急ぎの方は、Amazon の「年金生活への第一歩」にお出かけください。

PDFファイルを準備中です。

 


閲覧130万PV突破!

2017年12月17日 | 年金

ありがとうございます。

おかげさまで、当ブログは130万PVを突破いたしました。

皆様に少しはお役に立てていれば、こんなに嬉しいことはありません。

管理者高齢(76歳)となり、新しい記事は投稿できかねますが、昔の投稿がお役に立つようでしてら、是非引き続きご覧になってください。

暫時、このブログはこのままにしときます。

世情、ますます混沌を極める困難な時代になって来ています。

そんななか、このブログが皆様に一つの閃き、アイデア、打開策を提供できるようでしたら幸いです。

お幸せに!

 

2017.12.17

年金カウンセラ- 高野 義博

 

 

 

 


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