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市場のクジラ、おなかいっぱい GPIF「運用目安」超え

2018年07月07日 | 資産運用

 

2018/7/6 22:13 日本経済新聞

 市場のクジラ、ほぼおなかいっぱいです――。約160兆円の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)で2017年度末、国内株の運用比率が初めて25%の目安を超えた。大食漢が日本の株価を上げる構図は終わり、これからのクジラは「ESG」を切り口に食べ物を選ぶ。運用の安定には債券も含めたバランスの良い食生活も課題だ。

 

 

 

 GPIFは6日、17年度の運用成績を発表した。主に国内債、国内株、外国債、外国株の4つに分散して運用しており、国内株の比率は25.14%。14年に運用改革を始めてから、年度末時点で初めて基本ポートフォリオ(資産構成割合)の目安を超えた。世界的な株価上昇で、17年度は約10兆800億円の運用益が出た。

 株式市場でGPIFが「クジラ」と呼ばれるきっかけになったのは、安倍晋三政権のもとでの運用改革だ。デフレ脱却による長期金利の上昇を想定し、国債に偏る運用を見直す必要に迫られた。日本株市場に突然現れ、幅広い銘柄を一気に買うところから、市場関係者がクジラと呼んだ。

 13年3月末の運用資産は62%が国内債だった。14年10月に決めた基本ポートフォリオの変更で国内外の株式比率を合計50%に増やし、18年3月末時点で国内株の保有総額は40兆円を超えた。約2300銘柄を保有し、東証1部上場企業の多くで大株主になっているとされる。

 14年度以降の累計買越額は推計6兆3696億円と東京証券取引所第1部の時価総額(約630兆円)の約1%にあたる。野村証券の西川昌宏チーフ財政アナリストによると「日経平均株価を1000円程度押し上げた計算になる」という。

 基本ポートフォリオの目安は一定の乖離(かいり)が認められている。国内株式の比率が25%になっても「行動をやめることはない」(高橋則広理事長)。ただ運用改革直後のように、市場全体を押し上げる買いは期待しにくい。

 満腹になったクジラは食べ物を選び始めた。食指を動かすのは環境や社会への配慮、企業統治の「ESG」に優れた企業だ。ESG企業に絞った投資は17年度に始め、1.5兆円を投じた。主体は東証1部に上場する全企業の株式を同じように買う東証株価指数(TOPIX)に連動した運用だが、選別によるグルメ志向を強めている。

 ESGは持続的な企業の持続的な成長力や安定性を測る指標で、優れた企業は長期で株価上昇や安定した配当が期待できるというのがGPIFの見方だ。投資開始を受け、対象にならなかった企業では「どうしたら入れるのか」と信託銀行などへの問い合わせが相次いだ。

 基本ポートフォリオで最も配分が大きい国内債は18年3月末時点で27.5%と目安の35%を大きく下回る。日銀による大量購入で品薄となり、「主食」が減った。偏った食事は体調を崩す。クジラの運用も主食の国内債を確保しながら、主菜のリスク資産を成長の力になる中身に変えていく姿が理想だ。

 資産運用の世界では規模が大きいほど、市場平均を上回る運用成果を上げにくいとされる。機関投資家として、世界最大規模のGPIFは相場と一体だ。ならばESGで企業の規律を強めて、市場全体の底上げを図る。グルメになったクジラはこんな青写真も描いている。

 


 

【おすすめ】

【改訂】iDeCoで日本経済改造 ズバリROE投資!

厚生年金基金の資産運用に 再々の肩叩きをスルーして 25年のめりこみました!

 

 


チュ-リッヒ湖にて

2018年04月21日 | 資産運用

   うなされているのだろうか?

 最近、『非線形科学』(蔵本由紀) という 物理学の本を読んでいるのだが、その論旨を追うのにへきへきとしている。

 そのせいか、夢の中に、チュ-リッヒ湖の写真がさいさい現われている 。

 物理学とスイス、どんな結びつきがあるのだろう。


 

 

 

 

 

【参考資料】

ヨ-ロッパ企業年金制度調査

1990 ヨーロッパ 資産運用


もつた~りヨ-ロッパふぉと




年金eBookの無料配布キャンペーン -3

2017年10月25日 | 資産運用

3.運用シリーズ

勝手格付け ー401kの秘法 (P.11)  100円

厚生年金基金の資産運用に 再々の肩叩きをスルーして 25年のめりこみました! (P.113) 500円

1990 ヨ-ロッパ 資産運用 (P.21)  300円

iDeCoで転ばぬ先のシミュレーション 確定拠出年金をはじめる方への先人の ドハハな教え! (P.212)  300円

 

 

 

 

 

 

上記4冊を10月26日(17時)~30日にAmazonで無料配布キャンペーンします。


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iDeCo(ROE投資)で日本を変えるぞ!

2017年04月01日 | 資産運用

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Amazon

 

1. スチュワ-ドシップ・コ-ド

 日本の経済環境を改造していくために、スチュワ-ドシップ(賢明な執事)・コ-ドを推進していくのも大事な一歩であるのは確かであろう。 

 

出所:フィデリティ投信株式会社

 

2.日本の機関投資家

 しかし、当方の厚生年金基金事務所での25年の運用経験から推察するに、日本の機関投資家の正体はなかなかのものであると思われる。というのも、機関投資家は官制「指導」に対して官を忖度するに急で、その実効性は限定的であり遅々たるものであろう。とはいえ、外堀はおいおい攻め落とされていくのであろう。

 

朝日新聞記事2017.3.30.

 

朝日新聞記事2017.3.31.

 

朝日新聞記事2017.4.1.

3.iDeCo(ROE投資)

 官の「指導」とは別に、このたび、国民一人一人のiDeCo(ROE投資)によって日本を変える方途ができたのです。「小さなことを積み重ねていく」(イチロ-)ことで大記録が誕生したように、国民一人一人iDeCo(ROE投資)の積み重ねで日本を変えることができるのです。



参考:eBook


iDeCoに引き継がれる厚生年金基金の資産運用トライアル!

2017年01月28日 | 資産運用

2017.01.27

年金カウンセラ- 高野 義博

 

1.日本の資産運用土壌

 ●製造業の土壌

   日本は製造業の稼ぎで復興を遂げました。金融面(資産運用)はむしろ邪道扱いでした。

 ●垂直統合型の経営方策

   多くの製造業は垂直統合型の経営方策でコスト意識を犠牲にしてきました。水平分業型の利益追求は二の次でした。

 ●労働者の低賃金化

   経営者のコスト意識は労働者の低賃金化によって代替されていました。

 ●ROE意識欠如

   ハイコストを考えるより安定性重視の社会であるので、ROEに対して物差しの違う世界を形成してきました。

 ●日本の資産運用土壌

   以上のような条件を考えると、厚生年金基金の資産運用が始まった頃、日本には全く資産運用の土壌はありませんでした。

 

 

2.厚生年金基金での資産運用

 ●昭和41年厚生年金基金スタ-ト

   資産運用土壌のない日本に、年金資産が積み上がって来て、資産運用能力獲得は緊急の課題となりました。60兆円の資産運用を行うため、厚生年金基金の役職員が動き始めました。


  

 

  ●ABC厚生年金基金の戦略アセット・ミックス

   ABC厚生年金基金ではさまざまな試行錯誤の末に、外資系運用機関を使って国際分散投資のトライアルをしました。

 

  ●資産運用基本方針

   資産運用ど素人の筆者が資産運用を始めて、試行錯誤の繰り返しの中から恣意性を排し、関係者(会社・労組・代議員・加入員等)に資産運用理解を進めるため、規約・規程・書式等の整備は欠かせませんでした。

 

ABC厚生年金基金資産運用基本方針

 平成6年2月10日第96回代議員会決定

平成10年3月24日第113回代議員会決定

平成10年9月16日第116回代議員会決定

平成12年6月27日第21回資産運用委員会決定

平成13年1月15日第23回資産運用委員会決定

一 目的

 ABC厚生年金基金(以下、「ABC基金」という)の資産運用の目的は、将来の年金受給権の確保と加入員ならびに年金受給者等の年金給付水準ならびに福祉向上のために最も合理的かつ効率的な資産運用を図ることであり、許容できるリスクのもとに長期的にみて可能な限りの収益の最大化を目指すことで掛金負担を減らし加入事業所の財務コストを軽減することである。

 

二 期待収益率

 ABC基金の給付形態は確定給付型の加算型であり、業務委託形態ⅠA型で業務委託している連合型の基金である。

(1)   負債特性分析

       ABC基金では、基金の目標達成のため、最善の予測を財政シミュレーションで行い、基金にとって最適な積立金の算出を行うため年金ALMを実施した。 その結果、ABC基金の掛金収入額と年金給付額は今後数年で同額になり超えていくことが見込まれている。

(2)   目標収益率

  財政シミュレーションの結果、繰越不足金が発生することのない最低必要実質利回りは年5.30%、各年度で剰余金が発生する財政安定実質利回りは年5.95%となった。また、年金ALMの結果を考慮してABC基金の単年度の経営要最低実質利回りを次の通り6.20%と設定する。

 

 (以下略)

 

 ●GPIFの平成26年6月末資産構成割合

   国内債券が50%以上の資産配分とは、運用放棄以外のなにものでもないとも考えらます。

 

 出所:http://www.gpif.go.jp/operation/state/pdf/h26_q1.pdf

 

 ●ABC厚生年金基金の平成13年度資産配分状況

   内外株式で75%超というハイ・リターン追求型資産配分です。

 

 ●上記資産配分対比表

 

GPIF

ABC基金

国内株式

17.26%

51.0%

-33.74%

国内債券

47.63%

17.0%

+30.63%

財投債

5.74%

-

-

転換社債

-

3.7%

-

外国株式

15.98%

25.2%

-9.22%

外国債券

11.06%

0.8%

+10.26%

短期資産

2.34%

2.3%

+0.04%

 

 ●全厚生年金基金の修正総合利回り推移

 

出所:https://www.pfa.or.jp/activity/tokei/shisanunyo/shisanunyo01.html

 

  ●昭和と平成の国民生活

   厚生年金基金制度立ち上げの頃には何もなかったフレームワークも、官民こぞっての試行錯誤によって日本の土壌(厚生労働省・企業年金連合会・大企業基金・中小基金 等)に拡大浸透したのも事実です。退職金の年金化の風潮・外部保全化、資産運用意義の浸透とそのノウハウの獲得充実、官僚まかせの他者依存意識からの覚醒、受給権保護の方法、受託者責任、個人勘定の革命性、年金生活の一般化等々、昭和と平成時代を比較してみれば国民生活は大いに意識変革されたのも事実です。

  ●厚生年金基金の破綻

   平成に入って、資産運用の成績が悪化して予定利回り5.5%をクリアーするのが至難の業になってきました。このため企業は、不足金の負担を怖れて代行返上や基金解散に走りました。

  ●厚生年金基金の資産運用ノウハウ・インフラ

   代行返上や基金解散に伴いそれまでに蓄積された資産運用ノウハウ・インフラは基金からは立消えましたが、関係諸機関には残されました。筆者は厚生年金基金実務25年の経験を「厚生年金基金アーカイブ」としてWEBに残しています。

 

 

 3.現今日本の資産運用

 ●厚生年金基金の行方

   最盛期60兆円の資産規模であった厚生年金基金は、代行返上や基金解散に伴って霞となって消え失せました。その積立資産の大部分は国庫に返納されました。一方、厚生年金基金に関係した厚生労働省、企業年金連合会、資産運用機関等に蓄積された資産運用インフラ・ノウハウはiDeCoに引き継がれることになります。

 

 ●英米の資産運用

   とはいえ、英国の200年に及ぶ資産運用経験も米国の数値主義的資産運用もありません。

 

 ●GPIFの超安全運用

   日本を代表する運用機関GPIFの資産運用は、諸般の事情でこうなっている(9年平均2.77%)のでしょうが、資産運用がゼネラリストのロ-テ-ション人事で行われている限り、ここから抜け出すことは至難の業というものです。

 (注)

CaLPERS=カリフォルニア州職員退職年金基金

CPPIB=カナダ年金制度投資委員会

GPF-G=ノルウェー政府年金基金

GPIF=日本の年金積立金管理運用独立行政法人

 

企業年金連合会の運用

   各厚生年金基金からの移管金等10兆円程を運用している企業年金連合会の運用は次の通りです。分散投資・受託者責任・スチュワ-ドシップ責任・株主議決権行使等を行っています。

 

 出所:企業年金に関する基礎資料(平成21年12月) 企業年金連合会

 

   ●ROEの低さ

   低賃金の主因とまでは言いませんが、労働者の犠牲の上に日本経済は回っているという一面があります。


  

  ●日本の株主資本の非効率性

   iDeCoの資産運用を通じて、銘柄選択の判断基準としてROE万能ではなくても企業経営の効率性を高める一手として経済指標に対する関心を持つようになり、ROEの低さが一要因となり日本の労働者の低賃金をもたらしている現実を認識することになるでしょう。つまり、株主資本(iDeCoからの投資)に対する効率性要求が高まります。

 




4.今後の日本の資産運用道

 ●厚生年金基金の資産運用トライアル

   製造業の土壌で、厚生年金基金の資産運用トライアルが行われ、厚生労働省、資産運用業界、厚生年金基金等に資産運用のノウハウが蓄積されました。とはいえ、資産運用の根本原理と考えられる「受託者責任」の考え方の定着はいまだ道遠しではありますが。

 ●iDeCoによる資産運用

   日本の年金運用の世界に、はじめて「個人勘定」のシステムが誕生しました。今までは、厚生年金、国民年金、厚生年金基金でも特定の個人の分として運用は行われず、すべての人を一緒くたにする「どんぶり勘定」でした。そのため、多くの国民にとって資産運用は他人事でした。

 ●今後の日本の資産運用

   今後は、iDeCoを通じて、日本の製造業の土壌に資産運用の文化が定着し、強いて言えば、日本の資産運用道が確立されていくだろうと期待されます。多くの国民が参加して、自分事として資産運用をすれば、日本経済に多大な波及効果をもたらし、豊かな老後生活を手にすることができるでしょう。

 

 

 

ご参考

●「人様のお金」-厚生年金基金は何になるのか 高野 義博 Amazon 平成12年

●「Q&A年金の行方」 高野 義博 Amazon 平成25年

厚生年金基金の資産運用に 再々の肩叩きをスルーして 25年のめりこみました!」 高野 義博 Amazon 平成26年

 

 以上

 

 


厚生年金基金の資産運用に 再々の肩叩きをスルーして 25年のめりこみました! Asset management

2015年09月12日 | 資産運用
アクセスカウンター


 


内容紹介
 

日本の年金は、平成13年(2001)からあなたが資産運用する時代になりました(確定拠出年金の開始)。
そこで、はじめに製造業中心の日本において、未知の分野の資産運用立ち上げをはたした厚生年金基金での資産運用インフラ・ノウハウ獲得の経緯とその成果をご覧いただき、最後にこれからあなたが立ち向かはなければならない資産運用Q&Aの物語をお楽しみいただきます。 
一読後、あなたは資産運用にたくましくなられること受け合います。 
 
 
読書感想

友人の読書感想(2015.02)「次から次へと読みたくなり、一気に読んでしまった」「小さな基金でのご苦労・奮闘ぶりがよくわかりました」「Q&Aが分かり易かった」「ともかく面白かった!」 
 
 
登録情報
  • フォーマット: Kindle版
  • ファイルサイズ: 7780 KB
  • 紙の本の長さ: 113 ページ
  • 同時に利用できる端末数: 無制限
  • 出版社: 年金カウンセラー 高野 義博; 7版 (2014/4/30)
  • 販売: Amazon Services International, Inc.
  • 言語: 日本語
  • ASIN: B00K2DUJQ0
  • Word Wise: 有効にされていません


はじめに

 

 厚生年金基金の資産運用に取り組むことになった昭和50年(1975)当時、中学野球・電気科・哲学科出身の筆者(35才)にとって、資産運用は全くの別世界でありました。

 その頃、基金の年金資産が積み上がりつつあるなかで、効率的な資産運用で収益を出さなければならない事情が高まりましたが、あいにく日本には企業にも個人にも資産運用のインフラ・ノウハウが見当たりませんでした。

そこで、資産運用ド素人が以下のような試行錯誤の切磋琢磨に取りかかり、ミイラ取りがミイラになってしまい、これが以後筆者の30年間のライフワークとなりました。

 

1. 資産運用の立ち上げ 
2. 事務長の読んだ金融本 
3. 戦略アセット・ミックスの構築の経緯 
4. パブリック・コメント? 
5. 受託者責任の概要 
6. ABC基金の資産運用マネジメント 
7. ABC厚生年金基金資産運用基本方針 
8. 厚生年金基金リスク管理規程 
9. 資産運用機関の勝手格付け 
10. 資産運用関係図表等 
11. 取り敢えずの401(k)論 
12. 機関運用から個人運用へ 
13. 確定拠出年金のスタート 
14. 確定拠出年金はじめのはじまり 
15. 資産配分チェック 
増補.アセット・ミックス(資産配分) 

 

 厚生年金基金等に蓄積されたこれら資産運用インフラ・ノウハウの一端を皆さんとシェアしたくて集めてみました。

 これらの資料が、確定拠出年金開始に伴い、これからご自分で資産運用をすることになった皆さんにとって、一つの事例として何らかのヒント、ひらめきを提供できて、皆さんのご参考になればこれに勝る幸いはありません。

 

 

 

1.資産運用の立上げ

 

 厚生年金基金は一般的に、貸借対照表の借方の資産を守り、貸方の債務を果たすことで、加入員等の老後生活を保障することを設立趣旨としています。つまり、資産の保全と債務の遂行のために基金は掛金を徴収し、年金を支払うことになります。これを全うするために、受給権を保護し、受託者責任を果たさなければなりません。このことは、基金は常に資産と債務のバランスを視野に入れた〈最良執行〉を求められているということになります。基金は〈最良執行〉を達成し、事業主と加入員等にローコスト・ハイリターンの老後生活保障を提供することになります。

 これを達成するために基金事務所ではミクロの積み上げが重要になってきます。とは言え、ミクロを単発で個々バラバラに行っていては基金の顔が見えて来ないことになりますし、そういう基金の多いことも実態ではあります。そこで、重要になってくるのが「経営指針」に基づく資源の集中化・集約化、経営資源の有機的連結による資本のシナジー効果を高めることであります。具体的には、〈資産運用〉を中心にして衛星的に〈給付改善〉と〈福祉事業〉と〈広報事業〉を配置し、これらの有機的連結によってローコスト・ハイリターンの老後生活保障を実現することになります。

 それでは、厚生年金基金事業の有機的連結の中心になる〈資産運用〉はどのように立ち上がり、どのように展開し、どのような成果をもたらしたのでしょう。

 その事例をご案内いたします。昭和44年設立当初、ABC厚生年金基金の基金事務はソロバンで行われていました。筆者着任後、電卓をいれパソコンを設置して、業務委託形態もⅠA型にして自前で事務処理ができる体制を築きました。福祉施設事業も利差益を使って、弔慰金、OB会のパーティ運営、年金ライフプランセミナー開催、年金受給者の大型観光バス3台を連ねて一泊旅行も10年ほど行いました。

 資産運用については、中学野球・電気科・哲学科出身の筆者には畑違いも最たるもので、何の予備知識もありませんでした。又、会社にも事務所にもそのような経験を持っている人は誰も居ませんでした。

 そのような背景の中、金融本の読書から始めました。また、筆者が移動アンテナになって、先行する基金に教えを請い、金融機関等のセミナーにも通い、数多くの研究会にも参加しました。そうして得た金融知識を事務所に反映し、業務に展開しました。

 しかし、平成時代へ移行した頃、日本経済の凋落と共に厚生年金基金の積立金不足が明らかになり、厚生年金基金は未曾有な事態を迎えました。〈給付削減〉、〈資産運用効率化〉、〈基金解散〉が当面の緊急課題となりました。

 こうして資産規模60兆円、1,200万人が関わった厚生年金基金という一大ページェントが幕を下ろそうとしています。

出所:「厚生年金基金事務長奮闘記」 

 

 

 

2.事務長の読んだ金融本

 

  筆者の基金事務所への通勤時間は片道一時間程ですが、往復の実質一時間が日々の貴重な読書時間です。通勤途上の読書中は次から次に出現するエキサイティングな本に夢中になり、東海道線東戸塚駅の高層ビル建設ラッシュを知らずに過ごしていたほどです。

  その読書も、平成時代に入るまではもっぱら個人的な嗜好の哲学関係の本ばかりでありましたし、昭和62年末に10年かかった拙著『情緒の力業』を脱稿し終わったところで、読書については虚脱状態でした。

 ちょうど、そのタイミングに日本経済は長期に渡る低成長に突入し、あわせて年金基金の資産運用がかんばしくなくなり、金融関係の読書が始まる条件が整ったことになりました。

  しかし、金融だとか、経済とかの実業の世界は、高校は電気、大学は哲学という筆者にとってまったく不案内の世界で、方法も手段も、概念も歴史も承知しないまま、やみ雲に目に触れたものから読み始めるという原始的な方法でスタートすることになりました。

  本の世界は現実の世界とは違いますが、本の世界のインスピレーションは現実の展開の起爆剤となりえますし、本の世界の現実を揺さぶる力、別の現実の喚起力はどのようなメディアに比べても数段力強いようです。筆者も前著に至る読書経験で、数多くの本が或るとき核融合を起こすように一つのメッセージに結晶するという至福を頂き、〈哲学よ、さらば〉と言い終わったところでした。

 

  ところで、一般に基金事務所と〈金融〉の関係は「お任せ運用」と表現されるように全面委託方式であり、〈金融〉との接点が薄い社会保険の世界でした。筆者も経済のこともさることながら〈金融〉のことはまったくのド素人でした。事務所に〈金融〉の〈金の字〉もない状況であったのです。あの低成長経済突入のころには。

  それでも、昭和60年厚生年金基金連合会の資産運用研修会が始り、欧米の資産運用調査が毎年30基金ほど参加して行なわれだし、平成2年資産運用拡大の認定が行なわれるようになり、基金の世界にも〈金融〉が入りだしました。平成2年、筆者も機会を頂き2週間の欧州年金事情調査に参加させていただきました。とは言っても、〈金融〉の事柄は常務理事とか、事務長の特定者に限定されていてなかなか理事長とか、職員を含めた事務所全般に広がりませんでした。ましてや母体企業役員や人事・財務の管理職、それに代議員等には尚更のこと。

 

  あるとき、金融関係読書を筆者だけで終わらせることなく事務所全体に広げ、金融関係の共通経験を図り、事務所全体のレベル向上を目指すような、インセンティブ(刺激)を与えるような何かうまい方法がないかということで、事務所で昼職後の休憩時間にぼんやり考えていましたところ、突然〈ひらめき〉が走りました。思えば、昼職後の休憩時間というのは新しいアィデァ、突然の視線の変更、〈ひらめき〉等の出やすい幽霊時間かもしれません。

 

  その〈ひらめき〉というのは、ワープロの報告書形式で読書感想文を一、二枚作成し、事務所の皆さん全員に読んでもらったらどうであろうか、というものでした。

 

  というのも、筆者の事務所では、事業実施に際して「伺書」(会社の決済書、稟議書のようなもの)を、研修会や説明会の出張の際には事後に「報告書」を提出し、事務所全員に回覧することになっています。これも、以前は手書きで半日はかかる代物でした。最近は、パソコンによるペーパーレスまでは進んではいませんが、ワープロの複写機能を使って、全員が同じフォーマットで簡単に作成できるようになっています。これを使ってみてはどうかという〈連想〉であります。

 

  試験的に、その昼休みにワープロを使って読み終わっていました『ウォール街のランダム・ウォーク』について読書報告を書いてみました。そして、それを職員2人と常務理事、理事長に回覧してみました。

 

  以後、一冊金融本を読み終わると、昼休みに報告書を書いて回覧することが始まりました。平成5年9月から平成8年2月(或る事情が出来て中止)まで、2年6ヶ月、報告回数140回を数えました。昼食後の一日30分ということは年間70時間になります。時間はひねりだすもののようです。

 

  「継続は力なり」ということを89番目の報告書で書いていますが、報告回数140回という物量は、単に物理的次元を越えて、或る発言をするようになるものです。VHSの高野鎮雄さんのメッセージではないですが、〈熱中が命〉ということでしょうか。

 

 つぎに、事例を三つほど、ご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

出所:「日本版401k誕生秘話! 誰も知らない厚生年金基金」

 


 

3.戦略アセット・ミックス構築の経緯

 

  厚生年金基金制度が法律化されたとき、信託銀行はフロントランナーとして独占的な地位を確保すべく猛烈な売込みセールスを企業にかけてきたと、興銀出身の理事長から聴いたことがあります。

 

  昭和44年に設立されたABC基金(設立時単独・代行・Ⅱ型)は、当初のファンド形成期は設立当初の掛金拠出シェア信託1社70%・生保1社30%で10年ほど積立額をひたすら大きくしていました。設立から20年ほどは、掛金徴収団体として資本の蓄積を図るばかりで、今風な戦略アセット・ミックス的資産運用という考え方はまったくありませんでした。毎年決算時(3月締めの9月)に、総幹事会社から報告のある運用報告書は「運用収益額と運用手数料」を起票され損益計算書に計上されて、後は決算関係書類にファイルされて終わりということを繰り返していました。それに、経営サイドが関心を示すのは年々の「総利回り」だけでもありました。

  これらを総称して一般に「お任せ運用」と言われてきたのですが、ここで、資産運用文化がまったく育成されていない本邦の賭場と化している劣悪市場の中で、護送船団体制の談合・カルテル体質の本邦金融機関相手に、金融ド素人の基金が運営から経営体への自主・独立の気風を助成・確立しつつ資産運用体制を整備して、戦略アセット・ミックス構築に至るまでの試行錯誤の経緯を羅列してみましょう。

 

(1)昭和51年:利差益研究

  母体企業の社会保険担当から筆者(35歳)が年金基金へ出向したとき、設立から6年経過していたABC基金の年金資産は9億円でした。筆者は簿記など知らなかったので決算書作成のとき「収益受入金」と「年金資産額」の天秤上のバランス、つまり複式簿記の摩訶不思議に非常に驚愕したものです。

 それよりなにより、「収益受入金」なるものの存在でした。家族を抱え人工提供で汲々の生活を日々遣り繰りするだけであった筆者にとって、金が金を生み出す仕組み、資本の再生産性、積立金の運用利息は、これまた驚愕でありました。

  総利回りから運用手数料控除後の実利回りが、筆者着任前の過去の平均は7.0%、着任した昭和51年は8.2%でした。

 

年  度      実利回り      利差

昭和45年    7.4%    1.9%

昭和46年    6.2%    0.7%

昭和47年    6.3%    0.8%

昭和48年    7.2%    1.7%

昭和49年    7.5%    2.0%

昭和50年    7.9%    2.4%

平均          7.0%    1.5%

昭和51年    8.2%    2.7%

 

 また、昭和47年の厚生省通知により所謂「利差益繰入」が可能となっていて、予定利回り5.5%以上の部分の一定額を年金経理から業務経理へ繰入れて事業が出来ることになっている通知を発見したときには興奮したものです。早速、ソロバンを使っての簡単な推計による利差益研究を開始しました。 

 

 

(2)昭和52年:利差益事業開始

 始めての利差益事業は翌年の昭和52年度予算に579万円の利差益の内、30万円の弔慰金給付事業を計上して開始されました。

 以後、下表の通り展開しました。

 

 

 

 

(3)昭和56年:会館建設検討開始

  社内に会館建設委員会を設置し、建設・積立計画を作成、行政と協議。

 

 

(4)昭和57年:第1回資産運用改善

  信託銀行の横暴さ(対基金に対する圧倒的な力を武器に強引な営業を展開)に対抗して、信託資産シェア70%(安田信託銀行)を50%に減額。生保シェア30%を50%(第一生命保険30%を40%に、新規に日産生命10%)に増額。

 

 

(5)昭和58年:代行コスト研究

  全基金一律免除料率方式のもとで、業態によって代行型がハイ・コストになっている実態を素人がソロバンで観念的に感覚的に把握、基金関係者に訴え始めました。

 

 

(6)昭和60年:連合会の連続10回の資産運用講座受講・OA設置

  暗中模索であった資産運用について連続10回の講座受講により、研究の方向が見えてきました。併せて、孤立無援の中でOA設置のためのマネジメント手法を組成し、職員の年収の5倍の2千万円もするコンピューターを据え付けました。

 

 

(7)昭和61年:業務委託Ⅱ型をⅠB型に移行

  業務委託Ⅱ型の委託費8百万円を経費節減のためⅠB型に移行し、3百万円(37%)削減し5百万円にし、併せてそれをもって基金事務所に業務改善・自主性確保のインセンティブを仕掛けます。

 

 

(8)昭和62年:加算型研究・シニアーズクラブ運営

  代行型のハイ・コスト打破と会館建設に行政から求められた給付水準の向上をはたすために、加算型を研究。総幹事会社に5次に渡るシミュレーションを依頼(これは当時の日本のサ-ビス観念で、無料で行われていた。実際は非常に高く付いているのだが。

  また、年金受給者の親睦の機会を提供するためシニアーズクラブを設置し、運営を開始。

 

  

 厚生年金の報酬比例部分と企業年金をともに確定拠出の積立方式で、しかも個人勘定で運営するとすれば、企業年金は限りなく公的年金に近づくことになる。

                                            小塩隆士『年金民営化への構想』

 

 

(9)平成元年:加算型・ⅠA型に移行・第2回資産運用改善

  「横滑り加算」で移行が出来るという5回目のシミュレーション結果を総幹事会社に示されたときは、まさに「小躍り」してしまいました。会社負担の掛金は年間2千万円削減出来て、年金給付は年間12万円増額が可能というとんでもない結果でした。

  制度が加算型になるのならコンピューターの方も一緒にⅠA型に移行したほうがベターとの業者の奨めにより、女子職員と二人でⅠA型導入に取り組むことになりました。

  日産生命の10%のシェアを5%に減額して新規に住友生命に5%配分する第2回シェア変更(政策投資でした)を実施。

 

 

(10)平成2年:資産運用拡大認定(認-1第XX号・4月16日)・ヨーロッパ資産運用調査(5月12日~27日)

  具体的な運用拡大計画はなかったのですが将来かならず必要になると、いち早く認定申請を行った。その準備を進めている頃、厚生年金基金連合会が実施していた欧米金融事情調査の「平成2年度ヨーロッパ調査」が案内されてきました。筆者は、常務理事におそるおそる(というのも、基金の事務所では常務理事がフロント・ランナ-なので上司を差し置いて部下が参加するのは如何なものという遠慮があり)参加したい旨、相談すると、直ちに了解してくれて、理事長の了承も取ってくれました。理事長には、その場で社長承認を得て頂きました。

  思いがけずも実現した海外旅行で、2週間ヨーロッパ7ケ国をかけめぐり、年金基金の事務所(PGGM・ABP・BBL等)と金融機関(バ―クレイズ投資顧問、マ―キュリィ投資顧問、クレディ・スイス、ドイツ銀行、インドスエズ銀行)を訪問、欧州の金融がシェイクスピア以前、アテネのギリシャ以来の長い伝統・経験によって作り出されてきている実態を調査して大変なカルチャー・ショックを受けて帰国しました。

「島国に閉ざされた」という言い方の「閉ざされた」という意味合いは、経験しなければ把握出来ないということがグローバルな視野からの判断では当然になるということも知りました。 

 

 

(11)平成3年:利差益落込む・手作り広報誌発行・ライフプランセミナー開始

  右肩経済の停滞から本格的な横這い経済への突入が世間一般の常識となりつつあった中で、利差益が急激に落ち込み福祉施設事業の継続が危ぶまれ出しました。

  ワープロで打った記事を切り貼りしてコピ-を取り、それを原紙にして社内輪転機で広報誌を作っていましたが、事務所全員で原稿執筆を担当して業者に印刷させる方式に改め、年4回A4・8ぺ-ジの手作り広報誌(4000部)を発行開始しました。あわせて、55歳以上加入員を対象に年4回開催の日帰りライフプランセミナーも開始しました。

 

 

(12)平成4年:第2加算導入・会館建設断念

  会館建設の行政サイドとの協議で明らかになったことは、年金給付水準が理論値プラスアルファで43%以上なければ認可しないという指導(裁量行政)でした。この水準をクリアーするには母体企業の退職金の10%を基金に移行し、第2加算年金を導入しなければ前に進めないということになり、事務局は懸命に関係者の説得に廻り導入が実現しました。

  加入員にとっては、退職一時金制度の年金化が10%というほんの一部ではありますが、形だけ15年保証終身という年金化が実現しました。

  経済は横這い経済どころではなくなり、「平成大不況」の様相を呈し始め、5.5%割れを招き、利差益どころではなく「利差損」の時代に突入してしまいました。第2加算導入により行政サイドの会館建設に対する要給付水準はクリアー出来ましたが、肝心の利差益が見込めない状態になり、会館建設は断念せざるを得ないことになりました。

 

 

(13)平成5年:別途積立金取り崩しによる掛金抑制・運用評価会社採用

  第5回財政再計算結果の処分を行うことになり、数理的不足金(加入員数減、平均年齢増等々)と運用収益減とが重なって掛金引き上げの事態となり、別途積立金12億円(資産の12%)の内、7.5億円を取り崩して掛金引き上げを抑制することになりました。

  ところで、別途積立金12億円はいったい誰の所有に帰属するのか?  基金のもの、会社のもの、加入員のもの、年金受給者のもの、受給待期者のもの・・・・・・・。掛金引き上げの要因は、会社、基金?  これら全てが談合で行われているのではないでしょうか。制度の欠陥、綻びでありましょう。

 

 

 (グラフ:ABC基金簿価会計下の収益悪化)

 

 

 資産運用体制確立の一環として資産運用評価会社(現、日本格付投資情報センタ-)を採用、基金の運用インフラ整備を始めました。併せて、同社主催の投資理論研究会(コ-ディネ-タ横浜国大の青山教授)に参加、若手の各  社金融機関ファンド・マネージャー逹との交流を通じて研究を深めました。

  なお、この年、他の基金に比して例外的に別途積立金が評価損に対して大であったため、利差益が484百万円(年金資産9,744百万円の5%弱)発生。将来の利差益は見込みが立たなかったのと予算規模年30百万円になっていました福祉施設事業の規模縮小した5年程度の事業原資確保のため、50百万円の福祉施設会計への繰り入れをおこないました。

 

 

(14)平成6年:第3回資産運用改善(運用拡大実施)

  信託・生保の資産シェアを10%ずつ減額、新規に投資顧問2社(富士銀投資顧問・山一投資顧問)を採用。バランス運用での委託となりましました。

 

 

(15)平成7年:業務委託指定法人採用

  基金の自主性確立のため、信託銀行の基金に対する包括サービス戦略(運用・カストディ・数理・事務管理)からの脱却を意図して、事務管理(ⅠA型採用)に続いて総幹事会社での業務委託(ⅠA型・数理業務・年間手数料350万円)を業務委託指定法人(山一證券経済研究所)に変更。資産運用と数理業務を分離。指定年金数理人も総幹事会社とは別途個別契約としました。業者の横並びカルテル体質のサービスを不要としました。

 

 

(16)平成8年:第4回資産運用改善

  生命保険会社の対基金に対する金融商品「一般勘定」は、現在の基金の資産運用の金融商品足りえないということで、生保資産を71%圧縮して、外銀信託1社(モルガン信託銀行)、投資顧問2社(現、第一ライフ投信投資顧問、興銀NWAM)を採用、資産移受換をおこないました。しかし、体制未整備で依然バランス運用での委託となりました。

  この頃までに、護送船団体制の中で培われた信託・生保の対基金に対する営業姿勢は、信託は恫喝方式、生保は殿様商売でしたが、彼ら信託・生保の長いこと独占してきた業界秩序の常識が基金に通じなくなってきていました。なぜ、受託資産を引き上げられるのか謂われが分かっていないような営業姿勢が目立ち始めました。イニシアチブは逆転しました。

 

 

(17)平成8年:資産運用規制の適用除外申請断念

  法律が施行された段階で、5.3.3.2規制を嫌った大手の年金基金では一斉に適用除外申請(最終的に平成9年12月の規制撤廃までに20基金程)を行い、厚生省が言う安全資産を危険資産とみなし、俗にリスク資産と言われる「日本株式・外貨株式・外貨債券」のシェアを50~80%に一気に高めました。その結果、一般の基金が資産運用利回り(修正総合利回り)3%台を低迷していますのに6~9%を稼ぎだしています。基金間の格差は歴然としてきました。

  ABC基金では、情報収集して適用除外申請の検討を重ねたが、どうしても運用体制が未整備(特にバランス運用指向が強いレベルにしか組織全体の意識改革が進んでいなかった)で断念せざるを得ませんでした。

 

 

(18)平成9年:デフォルト問題発生(第5回資産運用改善)

  日本政府の無能・無策により日本発の世界同時金融恐慌が懸念される事態になり、北海道拓殖銀行の破産に引き続き、ABC基金が資産運用等を委託していた運用機関等(日産生命破綻・山一倒産・A信託銀行株式100円割れS&Pの格下げ)が問題を起し、年金基金にとって資産運用利回りは二の次となり資産保全のデフォルト問題が現実になり緊急の対応を迫られました。

  あおば生命保険株式会社には新規の掛金配分は取り止め、山一投資顧問は直ちに解約、B信託銀行へ移管。山一證券経済研究所の指定法人は取り消されたのでC情報サービスに変更。A信託銀行への年金信託と年金特金契約に絡まるカストディ(全体資産の80%をシェア)の一行集中が危険過多となっていることが懸念(信託勘定と銀行勘定の問題)され、年金信託の資産配分を更に一部削減を図ることが検討されました。バランス運用指向とこのデフォルト問題が相俟って、ABC基金の平成9年度の運用利回りは5.4%(実利廻り1.2%+修正総合利回り4.2%)に留まりました。

 

 

 (以下略)


 

続きは、Amazon でお楽しみください。 

 

読書感想(再)
友人の読書感想(2015.02)「次から次へと読みたくなり、一気に読んでしまった」「小さな基金でのご苦労・奮闘ぶりがよくわかりました」「Q&Aが分かり易かった」「ともかく面白かった!」 

 


 


401(k)の百聞は一見に如かず Seeing is believing of 401(k)

2015年07月10日 | 資産運用

 表紙写真 NYビル街 1999年6月7日 著者撮影

 

 

401(k)の百聞は一見に如かず

 

 

平成11年7月18日

米国401(k)調査備忘録

高野 義博

 

 

目 次 

1 401(k)一見

2 訪問先個社マター

3 取り敢えずの401(k)論

*米国で入手した資料

 

 

  1 401(k)一見

      

①視察団

  平成11年6月6日から13日にかけて、民間研究所の企画・主催で「米国401(k)プラン視察ツアー」が行われ、私はニューヨーク、ボストン、サンフランシスコを廻り、10ヶ所の企業視察、事業視察、そして大学生協視察(?)に参加してきました。 

  視察団一行のメンバーは、厚生年金基金の理事長・常務理事・事務長等5名のDB(Defined Benefit)組と、他に大手企業の企画・人事畑の30歳台若手5名のDC(Defined Contribution)組、それに主催者・通訳の3名、加えて13名の小集団でした。

  ホテルが筆者と同室になった方は大手基金の常務理事で同じ昭和十六年生まれ。就任されて三ケ月目、片や筆者の方は1/4世紀。片や財務畑のゼネラリスト、片や基金のベテラン?  もしくはスペシャリスト?  片や公費、片や自費。とは言え、理事長の理解を得て年休使用で事務所だけは休ませていただきました。基金連合会の10年来続いていた恒例の海外調査でさえ、応募者がなく中止になっている状況でありますから、これもまた象徴的であるにすぎません。

  筆者にとってはこの度は二度目の海外調査となりました。最初は平成2年の上記基金連合会の調査旅行で、UK、オランダ、ベルギー、スイス、ドイツ、フランス、ギリシャの15日間の公費資産運用調査でありました。このヨーロッパの資産運用調査では金融機関や年金基金の資産運用の伝統というか歴史の違いを認識させられた旅行でした。その後、UKで訪問した金融機関はそろって日本進出を果たし、グローバルな金融再編劇のすえに社名の消えてしまった金融機関もあります。幸いそのときの報告書の担当先は、今もエキセントリックな活動を展開している「ドイツ銀行」でありました。

 

      ②三大都市の印象

  この度の401(k)調査のアメリカ旅行で、廻ってきた三大都市の各々2日間の印象は、「三つのE」でまとめることが出来ます。すなわち、ニューヨークは〈エネルギッシュ〉、ボストンは〈エレガント〉、サンフランシスコは〈エフィシェント〉(効率の良い)でありました。 

 〈エネルギッシュ〉というのは、ウォール街目指してヒルトン・ホテルからタクシーを飛ばしたところ、N.Y.の事務所の一斉の引け時にぶつかり、半島のため溢れ出た車が一線に集まり渋滞で身動き出来ず、Uターンして次のスケジュールのためにお上りさんの〈ウォール街詣で〉がはたせなかったことによります。

 〈エレガント〉というのは、双発の超小型プロペラ機で、日が雲海の遥か彼方に沈んだばかりの午後八時半の薄暮の中、視野一面に街の明かりが木々の合間にさんざめき散在するボストン市街から新宿程度の高層ビルの一角目指して、高度をグイグイ下げてプロペラ機特有の身体に直に感じられる飛行体験をしつつ、川をまたいだと思ったら横揺れ・落下・浮遊・失速しつつ飛行場に滑り込んでいました。そこは、まさにフットライトの降り注ぐ〈ステージ〉そのもの。小さな感動が走りました。何のステージ?  人、様々でしょうが、筆者にとっては何やら〈死後の目〉のポジション成立か。この度の旅行全体を自分が〈飛天〉になって飛び回ったような気がする。少々、禿げてきました、太り気味の、落下しそうな〈飛天〉ではありますが。

 最後に〈エフィシェント〉というのは、市電のターンに機械を使わず、二人の赤髭の大男の人力で方向転換することに代表されているように、街全体が人間的なレベルで企画されていることを指しています。あえて言えば、人生の過ごし方の点で街全体が効率市場を形成しているようでした。きらびやかな人生の華とでも言うべき。そう言えば、街の中心のユニオン・スクエア(ビルの谷間の一角の小公園、我々のホテルは対面のセントフランシス)には、偶々画家たちの絵がたくさん展覧されていました。その公園には、エーゲ海のように湿気のまったくない陽光が燦々と降り注ぎ、人に容赦のない風そのものとも言うべき湿気のまったくない風が吹いていました。見回っているうちにオーク樹を描いた大きなエッチングが目に止まりしばし佇みました。傍らに同じ絵の絵葉書カードを見つけたので、ドル紙幣をポケットから引っ張り出したところ、「Oho,No No! 」と言われ、片腕を引っ張られ公園のエリアを出て歩道まで案内されてしまいました。そこで商い成立。そこで始めて了解成立。公園内で商いはご法度になっているのでした。

 

      ③ツアー企画の背景

  さて、このツアー企画の背景には以下のような「ネンキン・タイタニック」な状況があると主催者からお聞きしました。 

  日本経済の10年に及ぶ超低金利のもと、確定給付型の厚生年金基金の積立不足、国際会計基準の導入等に伴う企業負担の増大を背景に規制緩和・公的年金等の改善の議論が沸き起こっていました。平成九年三月の自民党行革本部を端初に、平成10年3月規制緩和推進計画が閣議決定され、以後、自民党労働部会・勤労者拠出型年金等小委員会、年金審議会、自民党年金制度調査会・私的年金等小委員会、税制調査会等の審議を経て平成11年1月の関係四省(大蔵、厚生、通産および労働)による「確定拠出型年金制度準備会議」の設置を受け、この六月には具体的な制度設計が示されることになっていました。

  偶々、ボストンに移動するためのジョン・F・ケネディ空港に向かうバスの中で、6月9日付けの読売新聞国際版の自民党年金制度調査会・私的年金等小委員会(8日開催)において示された政府・自民党案「確定拠出型年金制度案」の記事のコピーが配られました。

  この間、民間でも平成10年9月の経団連「確定拠出型企業年金制度の導入を求める」というレポートが出て、確定給付型、公的年金を含めて多方面に議論が巻き起こり、マスコミにも取り上げられセミナーも多数開催され、関係書籍も多数出版されていました。情報過多のような状況でしたが、マイナス思考の考え方が圧倒的に多く、日本にいては視野が限定されていて今一つ分からない部分があり、〈現場に行こう〉ということになったとのことでありました。

 

      ④訪問先

  そこで、ピックアップされたのが、米国企業の年金プランスポンサー4社、従業員教育の情報技術企業2社、投資運用技術会社2社、それに日本で4回目の年金セミナーを開催しようとしている「プランスポンサー」誌、日本経済新聞社米州編集総局の年金担当記者による現地401(k)セミナー等10ヶ所の今もっともヴイヴイッドな訪問先となりました。 

  事前に主催者が質問を準備して、プランスポンサーには18項目(プランの説明の中には投資教育も含まれますか。楽しく、簡単でプレッシャーを感じさせない教育プログラムにするために大切なことは何ですか。ライフスタイルファンドは各世代にどのようなファンドを提供していますか、また、年齢別のリスク許容度は何を基準にしていますか等々)、プロバイダーには3項目(貴社が提供しました加入者コミュニケーションおよび教育プログラム(バンドル、アンバンドルどちらでも可)で加入率向上にもっとも効果があった事例についてご紹介下さい等)のクエッションを投げ付けたこともあって活発な議論・質疑が遣り取りされ、時間が足りないぐらいでした。

  JOHNSON & JOHNSONの自社株投資、SONY USのマッチング、HewlettーPackard Companyのストック・オプション奨励策、APL社のミリオネーラ等のプランスポンサーの自信に溢れた役員・マネージャー達、Scudder University の従業員教育コミュニケーションのアカデミックな専門家、Fidelity Investments のコールセンターの役員、コミュニケーションマネージャー達、それにマールボロの丘の林の中に隔離されたコンピュターセンターの気象・地震のウォッチャー達、Atlantic Financial 社、SpeechWorks 社等のMITやハーバード大学出たてのベンチャー・エンジニアー達、それに「プランスポンサー」誌の若き女性編集長と日本での「プランスポンサー」誌の年金セミナーをコーディネートした松前氏(このあとお二人には帰国後の6月16日、17日に開催されましたアーバンネット大手町ビルでの年金セミナーですぐ再会しました。また、編集長とは、帰国した翌日、Eメールで海を越えて挨拶状の交換もしました。)、加えてアメリカの年金事情を日本に発信している日本経済新聞社の越中記者、大和證券USの大井会長からはヨーロッパ・アメリカの最先端金融事情をお聞き出来ました。

  寡黙な日本人からすれば自己主張の強いアメリカ人の意見陳述は時にはうっとうしい場合もありましたが、多民族共存の競争社会でこその一時も気をゆるめられない緊張感が心地良かった場合もあり、彼等に自信に溢れた熱意のある懇切丁寧なプレゼンテーションをして頂き、ツアー参加者の熱心な質問も数多く出て、さらにJTBの高橋氏の臨機応変な切れの良い名通訳も双方のコミュニケーションの実を上げ、401(k)を介在に日米の文化の溝を越えてディスカッションが盛り上がりました。  

 

      ⑤幾つかのトピックス

  シリコンバレーでは、スタンフォード大学校内の広大な敷地の中の生協に立ち寄りましたが、「スタンフォード・ブックストア」の金融関係の棚で驚愕!  その書籍数の多いこと、アメリカの奥の深さ・ふところの広大さを思い知らされました。二冊購入し、その一冊が “『THE 401(k) MILLIONAIRE』。

校庭を歩きながら主催者とは、

  「30歳若かったら、スタンフォード大学に入って勉強し直したいですねェ」

  「高野さん、それよりも経済学の本書いて、教授で来ればいいじゃない」

  「とんでもない! でも、経済学の本ねェ? ……経済学ねェ!」

と、冗談とも本気ともつかない言葉を交わすほど我々のテンションは高まりました。更に、米国最後の日の団長主催の晩餐会では、DC組の若い人達に大企業を去って起業しようと余計なことまで申し上げてしまいました。

  そう言えば、もう一つエピソードを思いだしました。それはボストン最後の晩、ギリシャ人の経営するロブスターのレストランを出て、店の前でタクシーを待っているとき、我々の会話を聞き付け振り向いて日本語で話しかけてきた細身の長身の黒人青年がいました。彼によると、明日ハーバードの卒業式があり、今晩は両親を招いて会食をした由、卒業式が済んだら日本に行って会社を起こすのだそうです。皆、唖然として二の句が継げないうちに、3人はタクシーに身を屈めて乗り込んでいってしまいました。日本の大学ではサラリーマンをせっせと作りだしていますが、アメリカでは経営者なのです!

  更にもう一つ、このことに関係することを帰国便のユナイテッドの機内誌に発見。「シリコンバレーに見る日本産業復活の鍵」という藤井清孝氏の一文、

 

      〈90年代前半まで、コンピューターに代表されるエレクトロニクス企業は、

    開発、設計、製造、販売をすべて抱え込む垂直統合型の経営が主流でした。その

    後、製造を外部に委託するいわゆるファブレス企業、製造のみを行うファンドリ

    ー、マイクロソフトのようにソフトウェアに特化する企業、デルのように販売方

    法で差別化する企業が出現し、世界的規模で水平分業が進展し、新しい業界、企

    業が生まれてきました。〉

 

      〈イノベーションはシリコンバレーの鍵です。これを可能にしているのはアメ

    リカン・ドリーム(富)の実現欲、産学協同、ベンチャー・キャピタル等ですが、

    私は何よりも徹底した実力主義と人材の多様性にあると感じています。〉

 

      〈シリコンバレーではほとんどの従業員が、ストック・オプションを持ってい

    ますがゆえに自社の株価に敏感です。また、多くの企業が銀行借入ではなく、株

    式資本によって資金調達をしているので、経営者としては株価対策が大変重要な

    課題です。〉

 

      〈またトップはすでにかなり富裕な人が多いゆえに、サラリーマンとは違った

    大胆な決断ができる環境にあると言えるでしょう。

      エクイティー・メンタリティーとは直訳すると、「株主のメンタリティー」で

    すが、「会社のオーナー(所有者)としての振る舞い」と言ったほうが良いかと思

    います。〉

 

      〈即ち、株式資本が主体か、銀行融資が主体かによって企業の経営スタイルに

    大きな違いが出てきます。前者では将来へのメッセージ、良いリスクテイキング、

    経営陣のビジョン、そして業績が大事なのに対し、日本企業の多い後者では、積

    極的にリスクをとりイノベーションを推進していくことは困難になりがちです。〉

 

 

  要するに、アメリカでは〈アメリカン・スピリッツ〉の成就に向けて、社会的インフラを〈エフィシェント〉に組成するためにあらゆる場面でインセンティブが仕掛けられている(たとえば、米国で買ったタバコの銘柄名でもあるアメリカン・スピリッツというタバコは4ドル25セント、凡そ510円、日本人からすればべらぼうな値段です。これも禁煙促進策の仕掛け?)ということでしょう。

  少々理屈っぽくなりますが、ここに言う〈アメリカン・スピリッツ〉とは、アテネのソクラテスから始まる西欧の個性の自由な発展という思考様式の伝統のうえに華開きました、キリスト教の神の意志の展開である人間一人一人の〈自己の十全な開花〉を義とする「自由」の概念のアメリカ版でしょう。社会を形成する国民一人一人の個人能力の最大限の発揮、即ちそこに、神の意志があるという宗教的コンセンサスが国民一般の慣習として確立しているのでしょう。

  というのも、今を去ること140年前の1859年、イギリスでは、中世から連綿と続く血塗れの専制的な宗教の軛を脱して、ジョン・スチュアート・ミルが『自由論』を論述している英国古典派経済学(1778年A.スミス『諸国民の富』、1816年D.リカード『経済的にして安全な通貨のための諸提案』1848年J.S.ミル『経済学原理』等)の伝統が、アメリカ社会の背景に連綿としてあるからです。

  さてまた、このような文脈のうえで、日本の多くのゼネラリスト、ならびにサラリーマン経営者は次のようなミルの文章をどう読むのでしょうか。

 

 自分の生活の計画を[自ら選ばず]、世間または自分の属する世間の一部に選んでもらう者は、猿のような模倣の能力以外にはいかなる能力も必要としない。自分の計画を自ら選択する者こそ、彼のすべての能力を活用するのである。 

                                                        ジョン・スチュアート・ミル『自由論』

                                                              幸福の諸要素の一つとしての個性について

 

  ことによると、ミルは140年後の日本の状況を予言していたのか、そんなことはありませんでしょう。ただ単に当時、教会の専制(ツアーリズム)のもとに窒息していたロンドンっ子に向けての発言でしたのですから。それは別にしても、現代の日本の文脈の上でこれを読むと示唆するところ大ではないでしょうか。

  日本の戦後社会は、「猿のような模倣の能力」しか産み出してこなかったのではないのか?「彼のすべての能力」を活用するどころか、統制・計画経済下、撲殺してきたのではないのか?  敗戦の痛手は易きに流れ、リスクに挑む心を失ってしまったのではないのか?  自分なりのスタイルを確立することを、反社会的行為と考え違いしてきたのではないのか?  思考停止ばかりで、時代時代で真っ当に哲学をしてきたのでしょうか? 

  我々日本人は何処かでいつの間にかボタンの掛け違いを仕出かしてしまったのでしょう。生き方の点で、〈一億総猿化〉の状況をもたらしてしまったのです。それが窒息状態の閉塞感をもたらし、人々から行動を奪い人々を金縛りにして、厭世的マイナス思考を処世訓、生きざまの智恵ですと考え違いさせてしまい、人物の矮小化を実現してしまったのでしょう。

 ばかなことを言わせません、突飛なことが許されません、夢を喋らさない、大言壮語を忌み嫌う等々、ちまちましました神経のか細い国民にしてしまったのです。全てルールに取りおさえられてしまっているのです。

  ともかく、非常に悩ましい一文ではあります。今こそ、現代日本独特の或る種のツアーリズム(何と命名したらよいのか)を打破していくために〈哲学する〉ことが求められているのでしょう。取っ掛かりは、ジョン・スチュアート・ミル『自由論』あたりからか。或いはアテネのソクラテスを訪ねるか、弥陀の本願を考究するか……。

 

2 訪問先個社マター 

  さてさて本題に入るため、個社毎に整理してみましょう。 

 初めに年金プラン提供スポンサー(企業)。というのも、アメリカの確定給付型年金(Defined Benefit → DB)は日本のように企業から独立した基金事務所を構えているのではなく、適格年金のように企業内管理されています。従業員福利厚生(Benefits)全体の企画を人事畑、管理を財務・経理が担当しているのが一般的であり、当然、確定拠出型年金(Defined Contribution → DC)も同様です。

  プロバイダーのサービス提供業者が多種・多様に発達していて、企業は内省化を嫌い極力アウトソーシングに徹しコスト削減を達成しているようでした。とくに401(k)については、大企業であってもプランニングの担当者が2、3人いるだけで、業務の大半は外部のプロバイダー任せのようでした。

  この点を考えると、日本の確定給付型年金である厚生年金基金は、国の年金の一部代行という仕組みのためもあるでしょうが、企業の運営費負担が大きいということは事実でしょう。ハイコストな戦艦大和風な組織になってしまっています。このような何でも抱え込んでしまう垂直統合型の日本風の管理方法に対して、なるべく身軽に対処しようとしています。経営の合理化・効率化が明解・徹底しているのです。 

 

      ①JOHNSON    JOHNSON

 老後保証は各個人の責任、という政府の社会保障費削減ポリシーにそって、企業として  従業員にインセンティブ(奨励策)を提供。あわせて企業にとって優秀な人材を確保するため1982年に401(k)を採用。 

・401(k)に85%の従業員参加、4万口座。98度末30億ドルになり、確定給付プランより大きくなりました。

・インセンティブとしてマッチングを提供。例えば、従業員が401(k)に100$拠出すれば、会社は25$の株式と50$の現金を拠出します。75%のリターンということになります。

 

 

(以下略)

 

続きは、ここ !


 

 

 

 

 


お尋ねします、ダウンロードされた25名の方!

2015年07月04日 | 資産運用

「再々の肩叩きをスルーして 厚生年金基金の資産運用に 25年のめりこみました!」の無料配布キャンペーンで、25名の方にダウンロードしていただきました。大変ありがとうございました。

そこで、25名の方にお尋ねいたします。


1.一気に読めましたでしょうか?

2.全体を楽しめましたでしょうか?

3.厚生年金基金の資産運用が少しはお分かりいただけたでしょうか?

4.アーカイブとして資料価値はありますでしょうか?

5.お友達に薦めたいと思われましたでしょうか?


よろしかったら、このブログの左サイドの「メッセ-ジ」からご感想をお送りください。

ありがとうございました。


無料配布キャンペーンします!

2015年06月28日 | 資産運用

2015年6月28日~2015年7月2日

キャンペーンの開始時刻と終了時刻は、太平洋標準時 (PST) の 0:00 に開始し、終了日の 23:59 に終了します。 
日本時間では、17:00 に開始し、終了日の 16:59 に終了します (夏時間の期間中は、開始時刻と終了時刻が 1 時間繰り上げられます)。

 日本の年金は、平成13年(2001)からあなたが資産運用する時代になりました(確定拠出年金の開始)。 そこで、はじめに製造業中心の日本において、未知の分野の資産運用立ち上げをはたした厚生年金基金での資産運用インフラ・ノウハウ獲得の経緯とその成果をご覧いただき、最後にこれからあなたが立ち向かはなければならない資産運用Q&Aの物語をお楽しみいただきます。 
一読後、あなたは資産運用にたくましくなられること受け合います。 

友人の読書感想(2015.02)「次から次へと読みたくなり、一気に読んでしまった」「小さな基金でのご苦労・奮闘ぶりがよくわかりました」「Q&Aが分かり易かった」「ともかく面白かった!」 


[目次] 
1. 資産運用の立ち上げ 
2. 事務長の読んだ金融本 
3. 戦略アセット・ミックスの構築の経緯 
4. パブリック・コメント? 
5. 受託者責任の概要 
6. ABC基金の資産運用マネジメント 
7. ABC厚生年金基金資産運用基本方針 
8. 厚生年金基金リスク管理規程 
9. 資産運用機関の勝手格付け 
10. 資産運用関係図表等 
11. 取り敢えずの401(k)論 
12. 機関運用から個人運用へ 
13. 確定拠出年金のスタート 
14. 確定拠出年金はじめのはじまり 
15. 資産配分チェック 
増補.アセット・ミックス(資産配分) 

 

 

上の表紙をクリックするとお楽しみ頂けます。


GPIFの資産運用 Asset management of GPIF

2015年06月24日 | 資産運用

GPIFの資産運用について、幾つかの資料をご覧ください。

 

年度

収益額

収益率

2001年度(平成13年度)

−6,564億円

−1.80%

2002年度(平成14年度)

−2兆5,877億円

−5.36%

2003年度(平成15年度)

+4兆7,225億円

+8.40%

2004年度(平成16年度)

+2兆3,843億円

+3.39%

2005年度(平成17年度)

+8兆6,795億円

+9.88%

2006年度(平成18年度)

+3兆6,404億円

+3.70%

2007年度(平成19年度)

−5兆5,178億円

−4.59%

2008年度(平成20年度)

−9兆6,670億円

−7.57%

2009年度(平成21年度)

+9兆1,850億円

+7.91%

2010年度(平成22年度)

−2,999億円

−0.25%

2011年度(平成23年度)

+2兆6,092億円

+2.32%

2012年度(平成24年度)

+11兆2,222億円

+10.23%

2013年度(平成25年度)

+10兆2,207億円

+8.64%

累計

+35兆4,415億円

+2.51%

 

 

 

 

 

GPIF基本ポ-トフォリオ

 

 

 

 

 

 

 ABC厚生年金基金の資産運用

 

 


ABC厚生年金基金の資産運用指針

1.株式に76%配分する。

2.外国株式運用で稼ぐ。

3.本邦運用機関は極力使わない。

4.サラリーマン運用を排し、プロフェッショナル運用を行う。

5.強いイノベーターと政策展開者が不可欠。




実務経験者のドタバタをご覧いただけます。なにがしかご参考になります。

再々の肩叩きをスルーして 厚生年金基金の資産運用に 25年のめりこみました!


国家会計に関する抜粋

2015年06月06日 | 資産運用

「年金はもらうもの?」  高野 義博  国家会計に関する抜粋



第一章 「もらうもの」になったわけ

1.官僚の観念論

Q2 どうして年金は「もらうもの」なんでしょう。皆、そう言うし、疑問に思っていないみたいだし……。
A じゃ、君はどう思っているのかな。
Q2 う~ん、どっちかと言うと、自分で請求するかなぁ。むしろ、払い戻しを受けるかな、保険料高いですしね。
A そうですか。それが、40代の平均的な感覚なのかねぇ。
Q2 う~ん、どうでしょうね。いろんな考え方と感じ方がありますから。
A じゃあ、日本の年金が「もらうもの」になった背景を一緒に考えてみましょうかねぇ。
Q2 ええ、……。
A はじめに年金の生い立ちを振り返りましょう。とは言っても、簡略に戦後から始めましょう。まず、日本の戦後経済復興は、GHQによって戦前の領土拡張政策を全否定され、変わって経済民主化政策(公職追放、財閥解体、独占禁止法、農地改革、労働組合育成等)によって始まりました。
Q2 学校の教室みたいですねぇ。
A そぉう。しばらく、ごめん! 追放を受けた前代の指導者層に変わってそこに登場したのが、満州建国の失敗から戻ってきた官僚たちでした。
Q2 満州浪人? が、徘徊していた時期があるんですってね。祖父に聞いたんですけど。
A その官僚たちの満州での経験に基づく考え方は、マルクス主義をモデルにして、ドイツ風観念論で統治するという縦割り行政の国家統制計画経済であったことは周知の事実です。
Q2 統制経済というのは聞いたことあるけど。
A その統治の仕掛けの数ある中のひとつは、国の会計制度・公会計(税金の使い道を明らかにするため昭和二十二年に法律化された財政法並びに会計法による会計)を、単式簿記(経済的取引を現金出納帳等を用いて記載することで、期中の収支と現時点の残高を簡単に把握できる会計方式。資金の収支重視で、財産・債務は二次的になる。)で行うというものでした。官僚の使い勝手が良い仕組みで、だぶつきや先送りが許容されました。例えば、〈借入れ〉が〈収入〉扱いされる類のものでした。そのような国家統制計画経済(計画を統制する国家運営)の仕掛けによって、復興に取り掛かりました。
Q2 戦後混乱期の緊急措置だったんですかねぇ。緊急が永続化したみたいですけど……。
A その判定は、歴史の審判に任せましょう。国家統制計画経済は経済界の三種の神器と右肩上がり経済と相まって、急速に日本経済を復興させました。10年後の昭和31年(1956)には「もはや戦後ではない」と言われ、日本型資本主義が成功しました。
Q2 そうでしたか。
A ところで、年金ですが、国家統制計画経済の下、年金は、社会保険方式の美辞麗句を掲げ、右肩上がり経済を前提にした計画で、国家が取りさばいて国民に付与するものとされました。
Q2 国家と言うことは、官僚が取りさばいたんですね。
A ええ。つまり、国民にすれば、年金は国家から「もらうもの」でした。


終章 確定拠出年金はじめのはじまり

1.はじめのはじまり

Q3 ひとつお聞きしたいのですが、最近始まった確定拠出年金について? 〈日本版401k〉とか言うのですか……。
A ええっ、大上段に来ましたね。出来れば、ハッシと受け止め、ガバッと打ち据えたいのですが……それは別の本に当たってください。実務書はたくさん出版されています。それに理論や知識や技術はインターネットの検索でも調べられます。ここでは、導入というか、入り口辺りをお話するだけですが、宜しいですか? つまり、確定拠出年金のはじめのはじまりです。
Q3 ストーリーがお聞きできればいいです。
A そお、ストーリーですね。確定拠出年金の筋書き、物語ですか……。
Q3 自分の立ち位置がわからず、うろうろしているものですから。
A そおですか。……じゃあ、始めてみましょうか、とは言っても、……。う~ん、そお、これをまず見てください。この「米国401(k)調査記録」(平成11年1999・拙著)のここにこういう記事があります。「日本経済の10年に及ぶ超低金利のもと、確定給付型の厚生年金基金の積立不足、国際会計基準の導入等に伴う企業負担の増大を背景に規制緩和・公的年金等の改善の議論が沸き起こっていました。平成9年3月の自民党行革本部を端初に、平成10年3月規制緩和推進計画が閣議決定され、以後、自民党労働部会・勤労者拠出型年金等小委員会、年金審議会、自民党年金制度調査会・私的年金等小委員会、税制調査会等の審議を経て平成11年1月の関係四省(大蔵、厚生、通産および労働)による「確定拠出型年金制度準備会議」の設置を受け、この6月には具体的な制度設計が示されることになっていました。偶々、ボストンに移動するためのジョン・F・ケネディ空港に向かうバスの中で、6月9日付けの読売新聞国際版の自民党年金制度調査会・私的年金等小委員会(8日開催)において示された政府・自民党案「確定拠出型年金制度案」の記事のコピーが配られました。この間、民間でも平成10年9月の経団連「確定拠出型企業年金制度の導入を求める」というレポートが出て、確定給付型、公的年金を含めて多方面に議論が巻き起こり、マスコミにも取り上げられセミナーも多数開催され、関係書籍も多数出版されていました。情報過多のような状況でしたが、マイナス思考の考え方が圧倒的に多く、日本にいては視野が限定されていて今一つ分からない部分があり、〈現場に行こう〉ということになったとのことでありました。」
Q3 盛んに研究されていたのですねぇ。
A ええ。……さて、それは別にして、このような法律成立前の動きがあった後、次のような経過を経て、確定拠出年金法が成立しました。
Q3 やはり、企業サイドの意向が強かったのですね。
A バブル崩壊で切羽詰っていましたからねぇ。確定拠出年金は、政府が、平成13年(2001)確定拠出年金法、平成14年(2002)確定給付企業年金法を制定し、新しく確定拠出年金(DC Defined Contribution)を導入したものです。これには、企業型と個人型がありますけど、時代のニーズに応えたものでしょう。この頃から働き方が多様化していましたので。
Q3 時代のニーズ、要請ですか?
A ええ、バブル崩壊後の日本経済の落ち込みはご承知でしょ。会社では生き残りのために旧秩序の見直しがされていますよね、護送船団方式とか成果主義とか代行返上とか、お聞きになったことありますよね。
Q3 ええ、世の中混沌としていますものねぇ!
A 乱れているってことは、末は明るいのですよね。
Q3 そうですね。明るくするには、どうしたらいいんでしょう?
A まずは旧秩序の検証でしょう。それと時代の変化を読み取ることでしょうか。
Q3 検証……ですか。
A 戦後日本人は貧しかったので、政府や官僚や会社がしてくれることを唯々諾々と受けていたきらいがありますでしょ。
Q3 と言われてもねぇ、他になすすべもなかったんでしょう。それに雇われないなんて難しかったんでしょ。
A そうではあったのですが、一歩下がって、日本の年金の生い立ちを考えると受け身であったことにはちがいありませんでしょ。
Q3 そうですね、……。
A 日本の年金は、上(政府)から下(国民)へ提供されていたので、年金はもらうものでしたものねぇ。企業年金だって会社から、もらうものでしたもの。つまり、年金は二の次というか受け身だったんですよ!
Q3 そうですねぇ、……会社の先輩たちを見ていると。
A 新しい確定拠出年金の枠組みは、そこが違うんです。
Q3 そこって、
A つまり、もらうだけでよかったのが、つくるに切り替わったということです。自分で老後資金をつくる仕組みなんですよ。政府や会社は仕組みを用意するだけで、中身は自分で作るわけです。
Q3 そお、……。それって何かいいことありますか?
A メリットですね。ええ、今までにない最大のメリットは〈個人勘定〉だということでしょう。
Q3 なんですか、それは? どんぶり勘定と言うのは聞いたことありますけど。
A そうですね、日本の年金はこれまで全て政府の一括管理、つまりどんぶり勘定だったんです。例えば、「厚生年金勘定」はあっても、その中の自分の年金は幾らというのが不透明な仕組みだったのです。それもこれも、背景に国の会計が単式簿記の小遣い帳方式をベースにしているため、不透明になってしまうのです。
Q3 国の会計が単式簿記なんですか!
A ええ、国だけではなく、県や市町村もです。
Q3 そういえば、前に新聞で藤沢市が複式簿記にしたとかいうのを見たことがありました。他にも、実験的に取り組んでいるところがあるようですね。
A そうでした。ところで、〈アフリカ諸国・北朝鮮・日本〉で、なにを想像しますか。
Q3 えっ、なんだろう、核保有じゃないし、飢餓国……でもないし、なんだろう。
A ……実は、これは国の会計制度が単式簿記の国々です。未開国なんですよ、日本のインフラは。国民として恥ずかしい限りです。
Q3 ほほっ、ビックリしたなぁ。それが現実なんですか!
A そこへ風穴を開けるのが確定拠出年金の個人勘定です。これを端緒のひとつに日本の公会計もおいおい複式簿記になっていくのでしょう。国際会計基準も入ってくるし。でも、一言付け加えれば、私の経験では、健康保険組合は単式簿記でしたが、厚生年金基金は制度発足(昭和四十一年)以来複式簿記でした。それも、時価会計採用(平成8年)は企業会計より先行しました。
Q3 そうなんだ、知らなかったなあ! 皆、知っているのかな?
A 知る人ぞ知る、でしょうね。今の都知事とかね。でも、大企業のトップたちでさえ知らないのが実態のようですし、その功罪をほとんどの人が知らないでしょう。知っているふりをする人は多いようですが。それは別にして、この単式簿記の弊害を承知して、どんな政策提言よりも、国の根幹をなす複式簿記の導入を最優先課題とすべきでしょう。つまり、政府予算の使い切りという単年度予算の仕組みを変えなけりゃならないんです。あえて言えば、現在の日本の諸問題、〈失われた二〇年〉の根本原因は単式簿記だと考えることが出来ます。今の日本の諸悪の根源になっています。損を認識しなくていいので、というよりできないので延命可能な単式簿記、〈借金は収入〉のカラ
クリ、これを複式簿記にしなければ、何らかの特別な事案でも発生しない限り〈失われた三〇年〉となってしまいます。
Q3 そうなんですか!……僕もそう思います、あれはひどいですよね、年度末の道路工事! それに加えて、きたならしい駅前の電信柱と電線! ……で、確定拠出年金の個人勘定というのは僕にとってどういいんですか?
A 今、会社で働いていて厚生年金加入ですね。企業年金はありますか?


(以下略)


プロ野球選手よ! 年金はもらうもの? Professional baseball player! Pension is what you get?

2015年05月01日 | 資産運用

 

Professional baseball player!

 

Boy baseball, junior high school baseball, high school baseball and came up the stairs of attrition with professional baseball, have been gorgeously worked two teenage heyday, the notice and thirties, life downhill highest,! And to shout not reality per spotted, life Mutekatsuryu of professional baseball players that are entangled in embarrassment.

Pension of up to now of baseball mechanism is liquidated in 2011, players it now is thrown out. Now of age, to live in a completely bare of non-pension will only high-risk.

If it is unrelated both to coach or commentator in high annual salary, you have weigh a long life after retirement to, also anxiety in addition to old age life of worry you eat will extremely increase.

Although the way of working has become diverse, everyone will not afford to say that success in freelance.

Now of the age that is unstable employment and management. Old age, such as part-contract employees, part-time and temporary workers What happens. Matched pension in these times is the "defined contribution pension plan."

First of all, in our read the following dialogue form of guidance that pension counselor of pension practice 30 experience is recommended, professional baseball player! Independently from reliance Nara no mechanism or the like, Let's challenge to the life of the high-risk using the "defined contribution pension plan" as one of the long life of skills.

 

 

 

youtube


運用シリーズ

2014年08月15日 | 資産運用

 

秘伝! 資産運用機関の勝手格付け (運用シリーズ1/3) [Kindle版]

秘伝! 資産運用機関の勝手格付け (運用シリーズ1/3)


Kindle 購入価格: ¥ 306

内容紹介

この対策として、我々の基金では、英国の資産運用経験と米国の金融理論の成果をミックスした「資産運用総合評価表」(添付事例の様式第一号を参照)を使って、母体企業等の理解を促進し運用機関の選択・解約を実行しています。 

「英国の資産運用経験」というのは、定性・定量評価に際して定性評価のウェイトを80%にしたこと、「米国の金融理論の成果」というのは格付けの手法を利用すること、これら二つを組み合わせて基金が〈運用機関の勝手格付け〉を行なうところがコロンブスの卵となっています。 

厳密な、或いはアカデミックな観点からすれば、全くの〈まがい物〉にしか過ぎないものではありますが、現場の基金のレベルでは、ある程度の客観性、合理性、透明性が確保され、説明資料としてはかなりの効果を発揮します。これを使って、ここ数年、我々の基金では運用機関の四社解約、六社採用を果たしております。「評価表」の示す事実が、重い腰の現実をおもむろに打ち砕くようです。ちなみに20%のウェィトの定量評価に際しては、過去5年から3年の時間加重利回り、複合ベンチマーク対比の超過収益率、インフォーメーション・レシオ等々の数値を参考にしております。 


まあ、ご覧あれ! コロンブスの卵をお楽しみください。(著者) 
http://blog.goo.ne.jp/hitosamano 企業年金の資料、たくさんあります。 

この本を無料配布したいが、Amazonでは2.99ドルが最低価格のため、やむを得ず有料にしています。 
この本がお役立ち、またはお楽しみいただけましたら、次のステップの「401(k)の百聞は一見に如かず」「シェアする? 厚生年金基金の資産運用」「日本版401k誕生秘話! 誰も知らない厚生年金基金」「厚生年金基金事務長奮闘記」「人様のお金―厚生年金基金は何になるのか」にお進みください。 
 

登録情報

  • フォーマット: Kindle版
  • ファイルサイズ: 460 KB
  • 紙の本の長さ: 10 ページ
  • 出版社: 高野 義博; 3版 (2013/12/8)
  • 販売: Amazon Services International, Inc.
  • 言語: 日本語
  • ASIN: B00F01NEQQ
 

シェアする? 厚生年金基金の資産運用 (運用シリーズ2/3) [Kindle版]

シェアする? 厚生年金基金の資産運用 (運用シリーズ2/3)

Kindle 購入価格: ¥ 512

内容紹介

日本の年金は、平成13年からあなたが資産運用する時代になりました。(確定拠出年金の開始) 
そこで、そのインフラ・ノウハウ形成の一端をご案内します。  
はじめに資産運用ノウハウ・インフラ獲得の経緯と、その成果である資産運用規程集等をご覧いただき、最後に資産運用Q&Aの物語をお楽しみいただきます。 

厚生年金基金の資産運用に取り組むことになった昭和50年(1975)当時、中学野球・電気科・哲学科出身の筆者(35才)にとって、資産運用は全くの別世界でありました。 
その後25年に及ぶ実務経験で得た厚生年金基金等に蓄積された資産運用インフラ・ノウハウの一端を皆さんとシェアしたくて集めてみました。 

[筆者紹介] 
年金カウンセラー 高野 義博(たかの よしひろ) 
●1941年千葉市生まれ。1967年東洋大学哲学科卒業。ABC厚生年金基金に25年勤務。続いて社会保険事務所で年金相談員を5年。2001年OPM研究会設立。 
●1990年欧州7ヶ国企業年金調査。1998年企業年金連合会の受託者責任研究会WGに参加。1999年米国401(k)調査。 
●主な著作・評論に、1995年『情緒の力業』近代文藝社。2000年「人様のお金」Web公開。2000年「資産運用機関の勝手格付け」単独連合厚生年金基金連絡協議会冊子「たん・れん」掲載。2004年「年金生活への第一歩」Web公開。2007年「年金履歴書の作成による請求もれ年金発見の仕方」日本法令ビジネスガイドなどがある。 
●年金カウンセラーとして2007/6/2東京新聞朝刊「こちら特報部」「1年で照合は選挙対策」、2007/9/23週刊「サンデー毎日」「不安拡大! もらい損ね「企業年金」の重大欠陥」等の取材を受ける。 
●ホームページ「@年金」25万ヒットで閉鎖。 
●Webサイト・ナレッジサーブ「年金カウンセラー検定」で優秀賞受賞。 
●gooブログ「年金カウンセラー」を展開中。2014.05現在、閲覧80万・訪問者22万人。 
●2014年 年金の電子書籍10余冊をAmazonで販売中。検索:年金カウンセラー 
 

登録情報

  • フォーマット: Kindle版
  • ファイルサイズ: 3070 KB
  • 紙の本の長さ: 113 ページ
  • 同時に利用できる端末数: 無制限
  • 出版社: 年金カウンセラー 高野 義博; 5版 (2014/4/30)
  • 販売: Amazon Services International, Inc.
  • 言語: 日本語
  • ASIN: B00K2DUJQ0
 

資産運用素材抜粋集 Asset management material snippets: 確定拠出年金をはじめる方への先人の ドハハな教え! (運用シリ-ズ3/3) [Kindle版]

資産運用素材抜粋集  Asset management material snippets: 確定拠出年金をはじめる方への先人の ドハハな教え! (運用シリ-ズ3/3)


Kindle 購入価格: ¥ 405

内容紹介

刺激的な金融本章句の抜粋です。 
確定拠出年金を始められるあなたは必ず「ドハハな教え!」をいただくことでしょう。 
資産運用のイロハが身に付きます。 

目 次 
 1.不完備制度の完備化 
 2.ベンチャーキャピタルの実態と戦略 
 3.僕はこうやって11回転職に成功した 
 4.2004年公的年金改革 
 5.実践IR 
 6.国家の役割 
 7.企業分析と資本市場 
 8.国際会計の教室 
 9.二ューヨーク流 たった5人の「大きな会社」 
 ⒑ 市場の役割 国家の役割 
 ⒒ 通貨が堕落するとき 
 ⒓ アメリカ年金事情 
 ⒔ ディ・トレーダー. 
 ⒕ 時価会計不況 
 ⒖ 市場対国家 
 ⒗ グローバリズムの終焉 
 補遺 
 1.新しい科学をつくる 
 2.複雑系科学者市場予測に挑む 
 3.外資の常識 
 4.賢明な投資家への道 
 5.投機バブル―根拠なき熱狂 
 6.ネットトレーディングのいかさま師たち 
 7.サルになれなかった僕たち 
 8.ブルーチップ市場創設のすすめ 
 9.隠された官の聖域 
 ⒑ 100万人を破滅させた大銀行の犯罪 
 ⒒ 誰が日本経済を崩壊させたのか 
 ⒓ 競争と協調 
 ⒔ 不良債権問題とビックバン 
 ⒕ 現代の徳政令 
 ⒖ 「複雑系の知」から経営者への七つのメッセージ 
 ⒗ 新しいコミュニティ通貨の誕生 
 ⒘ 確定給付年金は生き残れるか 
 ⒙ クォークとジャガー 
 ⒚ 企業年金設計の多様化について 
 ⒛ eエコノミーの衝撃 
 21.キャピタルフライト 
 22.誰も書かなかった日本銀行 
 23.経済システムの進化と多元性 

お楽しみが待っています! タブレットに最適。 
 

登録情報

  • フォーマット: Kindle版
  • ファイルサイズ: 1559 KB
  • 紙の本の長さ: 204 ページ
  • 同時に利用できる端末数: 無制限
  • 販売: Amazon Services International, Inc.
  • 言語: 日本語
  • ASIN: B00LFSSAI0
 
 

電子書籍20冊



これから確定拠出年金を始める方への先人のドハハな教え!-10

2014年08月14日 | 資産運用

素材抜粋                                   2003/03/02

 

市場の役割 国家の役割

 

青木昌彦+奥野正寛+岡崎哲二編著

東洋経済新報社 1999年

 

 

 

第1章 官僚制多元主義国家と産業組織の共振化

                                青木 昌彦

 

 すなわち、高生産性の製造業が、その領域を超えた包括的な官僚制多元主義の運営コストを負担したわけである。そのもとで、世界経済の中でも、もっとも先端的な所得分配の平等性と職の保証が実現された。しかし、現在日本が直面しつつある問題は、包括的な官僚制多元主義の運営を通じてそうしたパフォーマンスを維持するには、無理が生じつつあるということではないだろうか。

 

 つまり、ヒエラルキー型の組織のように、企業家の先見的な知恵でシステムをデザインするのではなく、また日本型組織におけるようにモジュール同士が互いに干渉しあいながら全体としてシームレスなシステムを構成しようと一致して努力するのでもなく、独立的な企業化の実験を事後的に、試行錯誤的に結合することによって、新しいシステムを進化的に創造していくことができる。

 

 こうしたことは、従来の官僚制多元主義の枠組みのもとで産業ごとに仕切って行われる裁量的な行政の有効性を減少させると思われる。

 反面、過渡期におけるカプセル化や新結合の仲介機関の実験の障害となっている、既存の税制や法制の仕組みを体系的に再検討し、日本の産業組織の競争力を再強化するための整合的なルールの体系を定式化することが、経済官庁の重要な任務としてクローズアップされていくことになる。

 

第3章 情報化と新しい経済システムの可能性

                          奥野(藤原)正寛

 

 むしろ日本企業は、権利や義務という形で合意が履行されているというよりは、企業の利益や成長が高まれば、株主は配当やキャピタルゲインが増え、従業員は報酬も昇進の可能性も増えるなど、関係者すべてが利益を受けるために、「企業の成長を目標とする」というメンバー間の合意が成立しそれがインプリメントされると考えるほうがわかりやすい。

 

第4章 市場と政府の補完的関係-市場機能拡張的政策の必要性

                       一柳 良雄・細谷 祐二

 

 市場と政府の望ましい関係をデザインするのは制度設計にほかならない。しかし、比較制度分析によれば、制度は体系として歴史的経路依存性をもって進化するものであり、制度的補完性を無視して政策的に自由に変更することはけっして好ましいことではないし、また可能でもない。比較制度分析は制度の変更を行う政策の「実行可能性」を示す一つの尺度を提供してくれるものと考える。また、制度補完性に発する慣性(inertia)の存在から、改革は斬新的に進めることが適当と考えられ、数多くの制度について改革の優先順位を設ける必要が生じる。その意味で、比較制度分析は改革のプロセスについて多くの示唆を与えてくれるものと考えられる。

 

 この章の結論(スティグリッツ)では、「経済への公的介入のコストと便益のバランスを注意深く検討することによって、市場と政府を必ずしも代替物であるとみる必要はなく、むしろ非常に効果的な補完物としてみるべきであることをわれわれはすでに観察してきた。

……(中略)公共政策は、市場がよりうまく働く助けとなりうる」と指摘している。

 

(以下略)

 

 

 


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