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古民家風のマンションリフォームの際の注意点

古民家風の新築やリフォームという選択肢もあります、と紹介させていただきました。

以前私が提案させていただきましたマンションリフォームの事例です。

マンションを浴室やトイレといった個室が必要な部分は別としまして、マンションの室内全体をできるだけひと部屋として回遊性や使い勝手の自由度を高めた提案をさせていただきましたが、その際に少々レトロな雰囲気にされたいというご要望でしたので、フローリングを古色で着色し、敢えてあらわしの梁を新設してそこに照明器具などを取り付ける提案をさせていただきました。

依頼主様にも大変気に入っていただきましたが、マンション規約によりできないこともございます。

まずはフローリングにつきまして。こちらは音の問題がございます。LL45ですとかLL40またはLH45といった下階への音の影響を配慮した性能を有する床とする必要があります。どうしても性能を確保するためには合板が必要になってしまったり、懐といいまして仕上げ材とコンクリートの躯体床との間にある程度の空間が必要になります。
マンション規約を確認するとともにマンションの構造図面などを確認させていただいた上でのご提案になります。

もう一つ大切なことは、マンションの場合は壁や床、天井などの構造躯体は共有のもののため、壁や天井、床のコンクリートにビスを打つこと自体ができないマンションもございます。
ビスで留めるくらいはいいでしょう、と言われる場合もあれば、ビス留めもできないマンションもありますことから、その場合はイメージパースのような梁を天井に取り付けることは難しくなります。もちろん柱を立てて梁を受ける形にするなど方法はありますが、イメージも変わってきます。

意外と知られていない共有部分。
例えば、床、壁、天井などのコンクリートの構造部分だけでなく、外壁に面したサッシも共有部分となります。ですのでサッシを所有者が寒いからといいましてガラスを断熱性の高いガラスに交換することも管理会社への確認が必要となります。

寒さ対策の場合は内側にYKKさんなどが出している内窓を取り付ける、またはリフォーム工事が伴う場合は障子を取り付ける、簡易で取り付けられる断熱ブラインドを設置するなどの方法があります。

またベランダなども共有部分となります。自室のベランダはついつい自分の専有面積と勘違いされておられる方も多いと思います。ベランダは共有部分となりますので、本来ですと非難の妨げになりますものは基本的には置いてはいけないこととなっているマンションは多いと思います。
植木やゴミ箱などを置いている方は要注意です。

しかし緑は心を安らかにしてくれる効果もありますことから、杓子定規に考えず、ルールを守りながら柔軟に対応することが大切と思います。

ひと・すまい・くらし一級建築士事務所

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ひと・すまい・くらし研究所

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