建築士だからわかる〇〇教えます

私の体験談ー過敏症重度の方

みなさんは化学物質過敏症という病気をご存じでしょうか??

洗剤や柔軟剤、芳香剤などに使われている化学物質によって頭痛やかゆみ、倦怠感などの症状があらわれ、発症するとごくわずかな化学物質に対しても反応してしまう病気です。
元北里大学の宮田先生は、化学物質過敏症は誰でも発症する恐れのある病気といいます。

私はあまり相手を怖がらせてしまうような内容は極力伝えないように心がけておりますが、体験談として事実のみをお伝えさせていただきます。

化学物質過敏症という病気は、ひとそれぞれで、反応される物質も異なりますので、あくまでいち体験談としてとらえてください。

私がお会いした方は化学物質過敏症の重度の方でした。食べ物はもちろんですが、着るもの、住む場所などにも、ひとつひとつ確認しながら慎重に生活されておりました。

当時の所長に住める場所がないと訴えておりました。

そこで、その方がほぼ反応しない建材で床、壁、天井をつくりあげるなど、試みましたが、正直、そこは通常では考えられない空間でした。
壁や天井は比較的簡単にできますが、床は物を置いたり、歩いたりします。そのため重さに耐えるための素材を使用しなければなりませんが、残念ながらその方は、防腐剤などが使われていない天然木のフローリングでさえも反応してしまう状況でした。もちろん、いろいろな樹種を試していただきました。そして当然のように接着剤は使用しません。
重度になってしまいますと、このように生活の場にも困ってしまいます。

もうひとりの方は床をタイル張りにしました。タイルの接着剤もタイル用の接着剤は使用できません。壁と天井は比較的、添加物などの入っていない塗壁で対応できますが、床がいつも課題となります。

設備機器や配管にはどうしても接着剤が必要となります。それらはベイクアウトで対応しましたが、やはり竣工当初は反応されました。窓を開けて換気を繰り返すことにより、一般のマンションや中古戸建よりも住みやすい環境になったとのことで喜んでいただけましたが、一方、住居のそばを歩きたばこで通り過ぎる方がいるだけでも、たばこの煙に反応してしまい、生活はなかなか難しいことを実感しました。

私がなぜ健康住宅を広めたいのか?それはこのような経験からです。
誰でも過敏症を発症する恐れがある、しかし多くの方は家についての化学物質や電磁波については、あまり関心はありません。

しかし私がお会いした方のように重度の化学物質過敏症を発症してしまったあとでは、住むところさえもなかなか見つからない状況になることもあり、取り返しがつかなくなることもあります。

お孫さんのために、お子さんのために、健康な空間をと考えられる場合は、もちろん私に依頼しなくても構いません。家に使われている化学物質や電磁波のことを少しだけでも調べてみてください。その上で家づくりをされることをオススメします。

ひと・すまい・くらし


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