今日は素朴な疑問です。
建物に使われる化学物質の安全性はどのように確認されているのでしょう?
建物だけでなく、食べ物の農薬や添加物などの安全性も同じですね。
結論から申せば、マウス実験など動物実験によって、さまざまな毒性試験を踏まえて安全性は確認されています。
私は医者でもなければ、科学者でもない、いち建築士にすぎません。
ただ、いままでの経験で多くの化学物質過敏症の方や電磁波過敏症の方の家づくりのお手伝いをしてまいりました。
私が感じている素朴な疑問はふたつあります。
■マウスと人間では脳のつくりも違いますし、もちろんカラダのつくりも違います。
もちろん専門家のみなさんは、それらの違いも考慮に入れて安全性を確かめてくれていることと思います。
しかし人間は、臓器の異常が発生する前に、感じる症状もあると思うのです。
微量でも、臓器などに異常が発生しないレベルであっても、なんとなくだるいですとか、やる気が起こらない、なんとなく不快感があるなど、なんらかの反応を示す可能性はないのでしょうか?
■もう一つは「複合汚染」という視点です。
ひとつの物質に対しては安全性は確かめられたとしましても、いまの日本で使われている化学物質や農薬、添加物はとても多い状況です。
農薬の使用量は世界でも一位二位を争うほど単位面積当たりの使用量は多い国です。
それらが複合的に、食べ物として、また空気と一緒に肺に入ってきたときに、安全と言えるのでしょうか?
「直ちに影響を及ぼす量ではない」とは東日本大震災の際によく耳にしたセリフですが、直ちに影響は及ぼさないけれど、何十年も摂取することになり、かつ複合的に摂取することになる、化学物質や農薬、添加物や電磁波の影響は大丈夫なのでしょうか?
ですので、私は、人工建材を使わず、地球環境から自然に確保できる素材だけで家づくりをしたいと考えております。
予防原則ですね。
いままでは、化学物質や電磁波などに興味のある方、実際に苦しんでおられる方、自然に暮らしたい方などを対象に家づくりをしてまいりましたが、本来は、普通に家づくりやリフォームをするだけで、化学物質や電磁波などの影響のない家が手に入る世の中になればいいなぁ、と考えています。
日本で建てられるすべての家が、マンションが、賃貸アパートや借家が、化学物質や電磁波の影響のない家になれば、私はその中のひとつになればよいのです。そのような世の中になりますことを祈るばかりです。