耕助のブログの中国に関する記事 (2024年10月分から。2024年9月まで前記事)。
No. 2318 ジェフリー・サックス教授:西側の周りにBRICSを構築する 2024/11/02
# 「ロシアのカザンで行われたBRICS首脳会議」の意義
「西側諸国…アメリカ、カナダ、イギリス、欧州連合、日本、韓国、オーストラリア、
ニュージーランドは参加していない…残りの世界が「我々はもうあなたの制裁措置は
受けない。あなたの強硬策は国連の枠の外にある」と言っている」
## ↑cf. 国連事務総長の初参加は「国連の形骸化」への危機意識からと見られる。
# 中国(∈BRICS諸国)の実力
「米国が他国を大きく引き離していて中国は追いつけないという考え方は単純に間違っている。
中国は米国より先を行っている分野もある。例えば、太陽電池モジュールや風力タービン(a)、
第4世代原子力発電、電気自動車(b)など、世界が本当に必要としている多くのものの効率的な
低コスト生産において、中国は米国より先を行っている。この意味において、中国は非常に
競争力が高く、巨大で、途方もなく大きな産業基盤を持っている。」
「BRICS会議に参加…36カ国は…世界生産量の約47%…世界の人口の57%を占め…これは
軍事力(e.g. ↓(1),(2))や技術力(e.g. ↑(a),(b))などにもつながる」
(1)「ウクライナはロシアと肩を並べることはできない。たとえウクライナが米国、そして
NATOに支援されたとしてもだ。」
(2)「イスラエル…米国の後ろ盾があっても…戦争に勝つことはできない。」
## 成長率の違い(+その原因)
「ヨーロッパは低迷…BRICS諸国は現在、平均して約5%の成長率を記録」
「大きな規模…「いじめ」がない…中国は各国に多額の金融支援…それによって各国は
中国からインフラを構築する資材を購入」
## ↑cf. 米国ほか西側金融資本(∋IMF、世界銀行)は、産業インフラ構築に非協力的。
## それどころか、国有資産売却、増税、金融引き締めなど窮乏化政策を強要(「いじめ」)。
# 互恵的な経済発展を推進する↑中国(∈BRICS)↔戦争を推進する↓米国
「イスラエルがやっていることはすべて米国に依存している。米国が爆弾を投下し、米国の
兵器システムを使い、米国が資金を提供している。これは米国の作戦であり、イスラエルが
実行しているが、米国は完全に共犯であり、ヨーロッパは沈黙している。」
=「米国は永遠の戦争の国だ。だから私たちの国の政治は表面的なものにすぎない。」
「戦争を止めるには、能力と威厳、そして高いエネルギーを持った大統領が必要だ。それが
大統領の主な仕事だ。」←「大統領の仕事」は「米国政治(=戦争)への抵抗」だという逆説。
## ↑cf. ここで「戦争を止めた米国大統領」の例と想定されているのは、多分(1)-(3)。
## (1) アイゼンハワー:朝鮮戦争の停戦(だが、フランスからベトナム戦争を継承)。
## (2) JFK:キューバ危機での役割(ベトナムからの撤退も決断していたが…)。
## (3) ニクソン:ベトナムからの撤退(北爆を含む「攻勢」をいったん強化した後で)。
# 戦争推進 politician の典型例:グラハム上院議員
「戦争を望み、軍需装備を売りたがり、軍産複合体や武器請負業者から資金提供を受け
ている…(例えば)グラハム議員は単に道化に過ぎない…彼のキャリア全体を通して…
外交政策上の問題のすべてにおいて間違った立場に立ってきた。」
「彼の実績は、物事がどう進んだかによって実際に判断した場合、どうだっただろうか。
アフガニスタンではどうだったか。イラクではどうだった? シリアではどうだった?
リビアではどうだった? ウクライナではどうだった?」
「グラハムはもっと戦争をしろと言っている…アメリカ国民に対する裏切り行為だ。」
No. 2317 米国はあなたの脳を植民地化するシノフォビア(中国恐怖症)の 2024/11/01
プロパガンダに280億ドルを費やしている
No. 2305 ベールを脱いだ中国 2024/10/20
「中国に移住したことで、予想もしなかった形で私の目が開かれた。」
# cf. 関連記事(新疆ウイグル自治区、検閲・言論統制)@川流桃桜の日々の呟き
# 西洋のメディアが公衆に訴える:中国に関しては自分の目を信じるな、我々の嘘を信じろ
# 「実際に新疆を訪れた大勢の観光客達(2023年には何と2億6,544万人を超えている)は
# 各種SNSで、「新疆行って来たよー。TVで言ってることとは全然違ってたよー」と云う
# 趣旨の情報発信をどっさり」←裏の論点:「TVと同じだ」との観光客の発信は存在しない。
# 「脊髄反射的に、「中国に騙されてる」「北京からカネを貰ってるんだろ」などと云う
# コメントが寄せられるが、中国政府は年に2億人以上を完全に騙したり洗脳したり雇ったり
# …まさか本気で出来ると…」←↓前記「裏の論点」の有力な論拠。
# 「そもそも現在進行形で大規模なジェノサイドが起こっている場所に、普通は観光客など
# 訪れない。今のガザ地区を観光目的で訪れる人が世界中にどれだけ居るだろうか?」
# 「解っている人には今更言うまでもないことだけれども、中国のプロパガンダ能力は
# 西洋のそれに比べて極めて貧弱だ。これがピンと来ない人は、プロパガンダを「宣伝」
# 「広告」「CM」「PR」等と呼び換えてみれば良い」←ロシアのプロパガンダ能力も同様。
「西洋が…「善人」とは限らない…と気づいた」e.g.
「AUKUS協定…オーストラリア…中国から自国を守るためだとして、米国と英国から
何千億ドルもの原子力潜水艦を購入…むしろ…米国の計画にオーストラリアが加担…
自国の利益に反する。」
「センセーショナルな…見出ししか読まない人々は偏った認識を持つ」
「メディアは人々の信念や認識を形成する上で大きな影響力…時に一種の押し付けや「洗脳」」
# http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2024/10/post-750023.html
# 「人間は物語を語る動物で、その内面生活は…起きていることについての精神的物語に
# よって支配されている…その物語を支配できれば、人間を支配できる」
「確証バイアス…のような心理現象…人々が…矛盾する証拠を無視したり否定的に
反応したりする傾向を説明」
「中国に行ったことも…住んだこともないのに、中国について…ここに住んでいる
私たちよりも…詳しいと主張する人…二次的な情報のみに基づいて…意見形成」
「中国全土を旅行したり、長期間滞在した…実体験と一致しない」
「中国のテクノロジーの進歩、クリーンエネルギーへの取り組み、グローバル市場への貢献は
重要であるが、支配的地位を失うことへの欧米諸国の不安によって…ポジティブな側面を
認める代わりに、いじめのような戦術や制裁、誤った情報の拡散に頼りがち」
「中国に移り住んでから、私はどれほど素晴らしいものがあるかを知った。人々は歓迎的で、
文化は豊かであり、進歩していることが感じられる。」
No. 2295 中国と決別? 2024/10/10
# ↑経済主体の行動が損得勘定に関する純合理的判断だけで決まるとすれば、そもそも
# こうした事が問題になる状況は発生し得ないはず。∴「主流派(/新古典派)」経済学の
# 大前提である「合理的経済人」の仮定は事実に反する。↑「Junk経済学」であるゆえん。
# i.e. マイケル・ハドソン等の*真っ当な経済学者*が地政学や権力構造を含めた考察を
# 重視するのは、*学問/社会科学としては*当然の態度。
「フォーリン・ポリシー(FP)の見出しや…ニューヨーク・タイムズ(NYT)の論説が
示すように、エリートによる外交政策の議論には疑似現実主義的な雰囲気が蔓延」
# ∵ニューヨーク・タイムズ(NYT)等の西側公式言説(=新自由主義プロパガンダ)機関は
# 明示的に新自由主義の「教義」に反する事実に言及することが*立場上*できない(笑)。
# ∴こうした問題への論理的に明快な解説はできず、以下のような反中国的なデマの拡散を
# 兼ねた曖昧な記事で表面的に言論機関としての体裁を取り繕っている。e.g.
「中国にものを売っている、または中国から買っている米国の多国籍企業にとって今は容易な
時代ではない。米国と中国の政府が対立…両国政府は企業に対してどちらかの側につくよう
圧力をかけている。」←「対立」ではなく*米国が一方的に中国を敵視(習近平の発言に注目)*
# ↑中国政府が「自国側につくよう圧力をかけている」との*事実に反する主張*を含む。
「委員会の委員長は、それらの企業が中国軍、共産党、北朝鮮政府、および中国の新彊地域に
おける人権侵害と関係があると主張」
# ↑「中国の新彊地域における人権侵害」には、CIA などを資金源とする組織からの言説だけで
# 確かな証拠が提示されない一方、反証は存在(e.g.「紡績工場での人権侵害」デマの場合) 。
No. 2291 中国と米国の経済に関する示唆に富む洞察 2024/10/06
「中国市場では企業間の競争が米国よりもはるかに激しく、倒産件数も多い」
i.e.「今日では「共産主義の中国」が自由市場の「創造的破壊」の最良の例」
「「資本主義の米国」では大企業が失敗からますます守られる企業保護主義」
∵「米国では…資本が政府を…コントロール」←↑e.g. リーマンショック時の「救済」対象は…
→「損をしない状況、独占を確立できる状況へと向かおうとする」
∴「真にダイナミックな経済システムを育成するには、資本の上に強力な審判役が必要」
No. 2290 カザンでBRICSブレトン・ウッズ体制が構築されるか? 2024/10/05
# ↑cf. 別の訳1、2、関連記事
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