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1. ロシアの核使用の可能性について奇妙な見解を述べる「専門家」
2. 「仮想戦記」の問題
3. 西側諸国の核戦略
関連記事と更新履歴
はじめに^
4月2日付けの本ブログの記事「ウクライナと西側諸国の犯罪」の前置きで下記のように書いた。
「西側諸国の言論では「「プーチン(大統領)」を「戦争犯罪」で裁く」といった言説が結構な
頻度で出現し、一見した印象では、当の本人達は真面目に議論しているように見える。しかし、
率直に言えば「鏡の国」に迷いこんだ気分だ。」
つまり、西側諸国は、国際法(「武力不行使原則」を述べた国連憲章2条4項+戦時国際法)
など気にもとめず、勝手きままな武力行使をセルビア、イラク、リビア、シリアで繰り返すだけ
ではなく、やはり国際法に違反してイランを攻撃した時のイラクや現に違反しているイスラエル
などの行動には、どんな制限も加えなかったし、「制裁」もしなかったという事実に照らすと、
状況が何もかもグロテスクに歪んでいるというか、「話があべこべ」にしか思えないわけだ。
「国際法上の「武力による威嚇」と核兵器」、「核戦略の歴史とウクライナ情勢」の記事*では、
「ロシアが先に核兵器を使うのは(NATO の直接介入で)国家存立危機事態を察知した時」と
考えられる旨を述べた。2020年6月の核戦略は、「以前のロシア公式発表/発言のまとめ」と
いう位置付けで、それ以前でも「専門家が根気よく調べれば分かる」という性質の情報だった。
実際、発表時点では*西側でも*特に騒がれていなかった。今になって、単に発表済の戦略を
繰り返しただけ、あるいは、戦略通りの行動をとるように軍に指示したからといって騒ぐのは、
少なくとも「軍事戦略専門家」の行動としては、筋が通らない。
戦争プロパガンダ機関というか「大本営」支部みたいなことになっている某国(笑)マスコミ
とは言っても、記事を発表するどこかの時点で「専門家」に「取材」くらいするはずだから、
一体どうしてこんな事に?と思っていたら、何のことはない、「需要」のある情報を提供する
「(自称?)専門家」(というか「曲学阿世の徒」?)が存在しているだけだった。
1. ロシアの核使用の可能性について奇妙な見解を述べる「専門家」^
つまるところ「既存プロパガンダとの整合性を事実より重視する」という方針の「専門家」が
存在するようだ。下記は相当ひどい例に見えるが、*2020年6月のロシアの核戦略発表に言及
しているだけ、少なくとも、本節末で言及する記事よりはまし*でもある。
https://www.jiia.or.jp/strategic_comment/2022-02.html
「国問研戦略コメント(2022-02)ロシアのウクライナ侵略と核威嚇
2022-03-02
戸崎洋史(日本国際問題研究所軍縮・科学技術センター所長)
...
ロシアの核ドクトリン
...
ロシアによるウクライナ侵略は国連憲章違反で、力による一方的な現状変更であり、その
なかでなされてきた核威嚇にも正当性はなく、ロシアが国際社会に向けて公表してきた
核戦略・ドクトリンとも大きく乖離するものであることは明らかである。」のように
「全く明らかでない」(というか事実に反する)命題に基づいて論旨を組み立てるから、
話がおかしくなる。驚くべきは「特殊軍事作戦」前の武力行使開始直前のプーチン演説での
国連憲章第51条の自衛権、特に、*ドンバス両共和国との集団的自衛権*への言及が、
完全にスルーされていることだ。
本ブログ(の #国際法タグ付きの記事)で繰り返し述べてきた通り、「ロシアの行動は
*国際法に照らして合法(特に武力不行使原則に違反しない)*」という主張には強力な
論拠があるし、逆に西側諸国の行動こそが非合法性が高いという主張も同様である。
しかし、仮にそうした論拠の一切を否定する立場を取っても、*ロシア側は合法と主張した*
事実だけで、上記「日本国際問題研究所軍縮・科学技術センター所長」記事の論理は崩壊する。
つまり、*ロシアの立場では*「国際社会に向けて公表してきた核戦略・ドクトリン」通りに
行動する意味は保たれているので、「行動の整合性への批判」は*無意味*であろう。
現在、西側諸国では「報道しない事/極めて恣意的に選択された「ニュース」のみ報道する事」
によるプロパガンダが空前の規模で展開されているとは言え、上の例は、あまりにも「お粗末」
過ぎる(何しろ、NHK のウェブサイトに問題の演説全文の和訳が掲載されているので、今では
素人目にも問題が明らか。「日本国際問題研究所軍縮・科学技術センター所長」の記事の日付は
NHK サイトでの和訳掲載の前だが、英文演説原稿は公表済だったわけで、それを読まずに記事を
書いたにせよ、読んだ上で無視して記事を書いたにせよ「国際問題の専門家」の名に値しない。
なお、本ブログ内でプーチン演説に言及した記事は「プーチン演説について」の記事からリンク
している)。
ちなみに、上で引用した箇所の後の論理展開も酷過ぎる。ベラルーシでの核配備の可能性には
言及しておいて、ウクライナでの核配備の可能性にはダンマリといった調子で、ただ「ロシアを
悪く見せる意図」以外の内容を何も含んでいない。まあ、某国(笑)マスコミ報道以外は見聞き
しない人を騙せれば、それでいいというだけの記事だったのだろう。ちなみに、ウクライナには
*生物兵器研究所と疑われる生物研究所*が以前から存在していた。何しろ、*危険な微生物を
処分するようWHO が警告する*ような種類の研究を行っていたことは、西側報道からも明らか
であり、ロシアは具体的な研究内容の問題を安全保障理事会の議題にする予定だそうだが、
ここでは「日本国際問題研究所軍縮・科学技術センター所長」の記事と同時期の下記3記事に
言及して、某国大本営発表以外の情報では、全く違う状況が見えていたと述べるに止めよう。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-42debf.html
2022年3月 5日 (土)
ウクライナと核兵器
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2022/02/post-1b9147.html
2022年2月26日 (土)
ウクライナ武装解除 一日目
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-f82643.html
2022年3月13日 (日)
ウクライナと、より深遠な世界的自殺計画
本節の終わりに「日本国際問題研究所軍縮・科学技術センター所長」の記事よりダメな記事の
例として、下記を挙げておく。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4a6c99ed00d31ae0100595d699e12213373b4fc5
【解説】プーチン大統領が核兵器を使う条件『劣勢で?プライドのため?』黒井氏曰く
「おそらくロシア軍は非戦略核を2000発近く製造・保有」 5/6(金) 18:26配信
読めば分かる通り、ロシアの核戦略に一言も言及していないだけでなく、根拠が怪しいデータを
*使用条件の議論とは論理的脈絡がないにも関わらず*持ち出す「専門家」に取材している。
ちなみに、「アメリカの諜報機関発の仮想敵国の戦力推定」は、あてにならない。理由として、
「イラクの大量破壊兵器」のように*後から見れば、明らかに意図的なウソ*という場合や
単に*大きく間違える*場合もあることを挙げておく。(既に*歴史上で*と注釈がつく話で)
有名な例に、ケネディ対ニクソンの大統領選での論戦で取り上げられた「ミサイルギャップ」が
ある。当時のソ連のミサイル戦力がアメリカのミサイル戦力を大きく上回っているという推定が
されていたことに関する議論がされたが、問題のソ連ミサイル戦力の推定は、大幅な過大評価で
あったことが、現在では公開されたソ連資料から判明している。
最後になるが、念のため、核兵器は「保有数が多ければ使う決心がしやすい」というものでは
ないことも言っておこう。正直、何のために根拠が怪しい「2千発」とかいう数字を出してきた
のか分からないので、「下らない印象操作の一環」の可能性を考慮した。
「黒井氏の解説」もそうだが、西側公式報道/論説では「ウクライナ優勢=ロシア劣勢」という
前提の論調ばかりで、第二次大戦中の「大本営発表」についての常識への言及すら見かけない。
「西側以外の国の日本語/英語でのニュース発信」や「西側公式視点以外の時事情報サイト」で
リンクしたサイト(例えば Sputnik、RT、Saker 、Moon of Alabama、DEEPLY JAPAN)の
(和訳を含む)記事を見ると印象は逆になる。水掛け論を避けるため、以下、「西側公式報道」の
内容からも、「ウクライナ優勢」とは考えにくい点があることを主に指摘しておこう。
まず、最近では下記のような「率直な」記事もたまにはあるとの話を、先に紹介しておこう。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2022/05/post-a120d8.html
「2022年5月29日 (日)
ウクライナ軍にとって、いかに事態がまずいかという主流メディアによる希な一瞥
皆アメリカでの最近の銃乱射事件に注目しているが、ワシントン・ポストが掲載したのは、
ロシアに対するウクライナの戦争が、彼らが国民に信じさせていたような楽勝でなかったのを
主流欧米メディアが初めて認めた記事かもしれない。
「見捨てられたように感じている東部のウクライナ志願兵」という題のワシントン・ポスト
新記事は、欧米世界に吹き込まれている勝ち誇る言説に反し、一日ジャガイモ一つで生き延びて
いる東部ウクライナの兵士の多くは、幹部は自分たちを見捨てており、自分たちは死に追いやら
れていると感じて、持ち場から脱走しつつあると報じている。」
さて、西側報道でも「ゼレンスキーが飛行禁止空域の設定を要求したが、拒否された」という
事実は伝えられている
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000247885.html
「ゼレンスキー大統領 「飛行禁止空域の設定」NATOに改めて求める
[2022/03/14 11:39]」
これは、「ウクライナの制空権はロシア軍が握っている」事実の裏返しである。近代戦での
制空権の意義は多言を要さないであろう。なお、自衛隊の元幹部の人が SNS 上で、ロシアの
ヘリコプターが行き交う映像を見て「ウクライナの対空戦力は、無力化されている」という
コメントを「特殊軍事作戦」開始直後に出していたという話もあるようだ。
# 2023-01-14: ↓最近の戦闘でもロシア軍は制空権を有効活用(E-wave Tokyo の和訳記事)。
ロシア航空宇軍空挺部隊;南北からソルダルを封鎖、市内で戦闘が行われている
ロシア軍;空からソルダル市のウクライナ軍を一掃
ゼレンスキー大統領の西側諸国行脚では、途方もない金額の援助要求や終わりが見えない武器
援助要求(「これ以上は、自国の安全保障に支障をきたす」という理由で送付をやめた国さえ
あるようだ)が繰り返されている。こういう行動を指導者がとる国が優勢でありうるだろうか?
また、送られた武器を*何ら制御せず*市民や傭兵に配るとか、市民に武器を配るにあたっては
戦時国際法によれば市民軍を編成すべきところ、そうしていないとか、少年少女兵の存在を容認
しているとか、あからさまな「人間の盾」戦術を*西側マスコミの目の前で*実行しているとか
... こうした事が優勢な側の取りそうな行動だろうか?物資不足だった旧日本軍では「竹槍」の
訓練といった形で現れた「切羽詰まった側のやりそうなこと」ばかりである。
まだある。ウクライナ国会で、ロシア兵を民間人が殺害しても罪に問わないという*国内法*が
決議されたというニュースがあった。しかし、交戦資格のない人間による殺害は、戦時国際法の
想定する「戦闘行為」の結果とは認められないので、国内法上は合法でも*国際刑法上の犯罪*
として断罪されてしまうリスクがあると周知されている様子はない。
極めつけは、(プーチン大統領の知人ということで?)野党党首の身柄を拘束した挙げく「捕虜
交換の人質」として使おうと試みるという*近代国家ではあり得ない(はずの)野蛮な行動*を
一国の大統領がやらかしたこと。「これでゼレンスキーの名が歴史に残りそうな」暴挙だ。
こんな「犯罪者集団」と見分けのつかない振る舞いをする国が、近代戦で優勢を確保していると
信じる方が、どうかしている。このような馬鹿げた状況を、deeplyjapan さんは印象的な一言で
言い表している。それが、本節の表題にした「仮想戦記」である。
3. 西側諸国の核戦略^
# 2022-10-24: 下記にインドとパキスタン以外の核保有国の公式「核戦略」概要がある。
# https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2022-10-13
ロシアの核戦略は、*前掲の2つの記事*で述べたように「核兵器使用に踏み切る条件を場合分け
して、その各々を具体的に述べる」という方針でまとめられている。
これに対し、西側諸国の核戦略(=アメリカの核戦略+NATOの核戦略)は、あまりにも「柔軟」
というか、「不利になったら、使うかも知れない」というレベルの方針なのは、むしろ西側諸国。
特に、アメリカの核戦略は、*実質的には勝手なタイミングの先制核攻撃すら許容する*代物。
https://www.asahi.com/articles/DA3S15252660.html
「(社説)米の核戦略 破局を防ぐ出発点に 2022年4月1日 5時00分」
「バイデン政権は、オバマ時代の「核なき世界」の理念を前進させるとしてきたが、結局は従来の
政策踏襲」← そもそも「核なき世界」の理念とやらは、単にノーベル平和賞の名目作りでしかない。
# オバマ政権時のリビアやシリアへの侵略は、「平和賞」のオーウェル的な響きを改めて 浮き彫りに。
# ∴朝日記事の見出しは、「米の核戦略は、破局を招く出発点」の誤植のような気すらしてくる。^^;
# cf. http://kawamomomurmur.blog.fc2.com/blog-entry-3130.html
「動画:イランに対する核バンカー・バスター爆弾は第3次世界大戦を引き起こすだろう
----ペンタゴンの構想(抄訳)」
「核の先制使用ドクトリンを公にしているのは米国の方」
「「憂慮する科学者連合(Union of Concerned Scientists)」が米国防総省と協力して2006年に制作」
「イランに対して核地中貫通爆弾(Nuclear Earth Penetration Bomb/NEPB)が使われたら…」
「前提として、この動画でも認めている様に、イランが所謂地下壕(bunker)に大量破壊兵器を備蓄
していると云う証拠は無い。
にも関わらずペンタゴンはイランに対してバンカーバスター爆弾を使用すると云う選択肢を検討」
# ↑「イラクの「大量破壊兵器」デッチ上げ」の先例から、勝手なタイミングの先制核攻撃があり得る。
# この手の核先制攻撃戦略の歴史は、第二次大戦末期に立案された「アンシンカブル作戦」にまで遡る。
# ちなみに、「アメリカの2022年版国防戦略」 でも、下記にある4年前の戦略から「核使用の可能性を
#「柔軟に考える」基本方針」は変わっていない。
https://dod.defense.gov/News/Special-Reports/0218_npr/
A> アメリカの例外性:帝国とディープ・ステート # ↑上記 へのコメントを含む記事
#「第12章 :ダークサイドに光をもたらそう」の「私たちの状況を調査する」の終わり近く
# (次節「真実を知ることで、より良い世界への希望を取り戻す... 」の直前)から引用
「2018年の「核態勢見直し」では、米国の軍事態勢における核兵器の役割を実際に拡大し、
サイバー攻撃や米国や同盟国のインフラへの攻撃といった定義が不明確な「極限状況」に
対して核兵器を使用できるようにした。これは、2018年の国家防衛戦略が中国とロシアを
米国が直面する安全保障上の最重要脅威とみなしたことを考えると、特に厄介なこと」
「この方向転換は、20年にわたるNATOの拡張の後に起こっており、... ロシアへの脅威と
みなされている。21世紀に入り、米国は対弾道ミサイル条約と中距離核戦力条約から脱退
している。ストーン氏とクズニック氏は、メディアにおける他の核に関する憂慮すべき項目を
指摘する。例えば、外交問題評議会の機関誌に掲載された2006年の記事では、米国がロシアや
中国に対して核の先制攻撃を成功させることができると論じている」
# cf. 櫻井ジャーナルは2024年8月21日に、上記記事を「西側の傲慢さ」↓の証拠として挙げた。
# 「西側は泥沼にはまりこみ、抜け出せなくなっている…原因は、自分たちを過大評価し、相手を
# 過小評価したこと…傲慢さが自らを追い詰め…核戦争の危険性を高めている。」
実は、NATO も同様の核使用について「柔軟な」考え方の戦略を発表済。つまり、アメリカの
意向を(当然ながら)反映済ということ。なお、戦略の大枠は、2021年に合意されていた。
下記が正式な発表記事。
https://www.nato.int/cps/en/natohq/topics_133127.htm
Deterrence and defence
Last updated: 28 Mar. 2022 13:54
https://www.nato.int/cps/en/natohq/topics_50068.htm
NATO’s nuclear deterrence policy and forces
Last updated: 17 May. 2022 11:01
「柔軟性」は、例えば2番めの記事の下記パラグラフの最後の文章にあらわれている。
"The role of NATO’s nuclear forces
...
However, should the fundamental security of any NATO Ally be threatened,
NATO has the capabilities and the resolve to impose costs on the adversary
that would be unacceptable and far outweigh the benefits that any adversary
could hope to achieve."
つまり、"fundamental security of any NATO Ally be threatened" という、範囲が茫漠と
した一般的規定しかない。これは、極めて「攻撃的」な方針という解釈が成り立つ。再び
deeplyjapan さんの説明を引用する。なお、情報の出所は RT の記事になっているが、RT は
見てきた限り、西側政府機関の公式発表内容を捻じ曲げて引用するほどセコイことはしない
(さらに、その後のロシア政府の*公式の外交行動*とも整合性がある)ので、引用されて
いる内容を疑う理由はないと考える。# 概して、西側報道と異なり、終始一貫している。^^;
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/f8a4464e5bf62e4a64481fd606682394
「ネオコンの世界制覇戦争を信じちゃった (2)
2021-10-23 16:48:00 | WW1&2
...
欧州では、NATO加盟諸国が、しゃれにならない「防衛プラン」という名がついた、ロシアとの
全面戦争プランを採択しているらしい。
もちろん、核兵器だろうがなんだろうが含めた全面戦争、つまりall-outのプランね。」
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/c1442163396cda68efb514fd9b776e25
「核ミサイルでロシアを脅すのだと叫ぶドイツ国防大臣
2021-10-24 17:57:52 | WW1&2
前のエントリーで書いた通り、NATO加盟国が核兵器を含めてロシアに立ち向かう「戦略」を
採択したわけですが、それをマジで言語化して騒いでいるドイツではドイツ国防大臣の
クランプ・カレンバウアーの発言が物議を呼んでいる。
「私たちはこうした対策(核兵器のこと)を使う用意があることを、ロシアに対して非常に
明確にするべきなのだ」
“We must make it very clear to Russia that we are ready to use
such measures as well, so that it would have an early deterrent effect...
This is being adapted to the current behavior of Russia,” she insisted.
などと言っている。ロシアを核ミサイルで脅すことを宣言してるわけ。」
「オマケ
2日経って、アメリカのポータルも発見した模様。」
つまり、こういう経緯があったことを一切報道しないという、恐るべきプロパガンダが進行中
というわけだ。某国マスコミ報道/大本営発表と現実のギャップの酷さで、目眩がしてくる。
# 西側が「自国/自陣営(傭兵を含む)の仕業を(鏡写しに)「相手国がやった」と喧伝する」
# のは、お決まりの行動パターン。最近の例に、別記事で述べた「対人地雷」問題がある。
# 当初は偽旗作戦で、西側恒例ロシア非難報道があったが、現在は 「単に報道しない」方針。
# 客観的に見て、別記事で述べた独立ジャーナリストの報告に加え、ドネツク共和国からは
# 物証付きで国連にも報告されているので、虚偽宣伝継続は限界かつ目的達成済との判断か。
# 思えば「ロシア軍が既に接収済みの原発への攻撃」についても、同様の経緯があった。
# ∴下記「西側による「核兵器使用の偽旗作戦」への警告」も軽視すべきではないだろう。
# https://qrude.hateblo.jp/entry/2022/10/13/060842
# https://alzhacker.com/beware-of-nuclear-false-flag-blaming-russia/
# なお、上の2つは同じ英文記事の和訳。より新しい記事や関連するプーチン演説も参照。
# グローバルリサーチ上の論説
「2022 年 2 月 21 日のウラジーミル・プーチンの声明は、ロシアに対する先制攻撃として
核兵器を使用するという米国の脅迫への対応であった。」
# 2022 年 2月21日=ドンバスの両共和国承認直前のロシア国民向けテレビ演説
「米国の戦略計画文書では、敵のミサイルシステムに対する、いわゆる予防(先制)攻撃の
可能性が確認されている。我々はまた米国とNATOの主な敵を知っている。ロシアだ。
NATOの文書は、我が国が欧州大西洋の安全保障に対する主な脅威であると公式に宣言
している。」
# 耕助のブログの記事
「アメリカがベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコのNATO諸国に核兵器を配備した
ようにウクライナ自体に核兵器を搭載するのを想像するのにハリウッド映画のような想像力は
必要ない」
おわりに
一つ前の記事で言及したジェラルド・ワインバーグの警句を、2つ引用して結びとする。
西側諸国、特に日本に当てはまっていそうで恐ろしい。
「ロンダの悟り第三番
変化を食い止めたり和らげたりしようとして幻想を作り出すと、変化はますます起こりやすく、
また受け入れにくくなるものだ。」(GMW05)
「タイタニック効果
災難は起こりえないという考えから、しばしば考えられない災難が生じる。」(GMW06)