OSK日本歌劇団 グランド・ファンタジー 『ADDIO』 東京 三越劇場 (2/22~26)
人は皆それぞれに、熱い思いを胸に秘めて、その気持ちを心の支えにして生きているのではないかと思います。それは決して、話しをしたからと言って早々わかってもらえるものでもないのですから、誰かにひけらかすことでもないのですが、どうにかして伝えたいわかってもらいたいと、もがき苦しんでいる自分がそこに実在しているのも事実です。何も大勢の人にわかってもらわなくてもいい。その人ひとりだけでいいんだと思います。
祖国を裏切ってまでも自分の命を守ってくれた父の意思を受け継ぐダヴィデ、反対に我が娘を救いたい一心で悪に手を染めていくアルダ、この二人には、誰が何を言おうとそこにいつも自分を信じて見守っている存在があり、寂しい思いをしながらも疑うことなど知らずに恋しく待っていてくれる人がいるのです。
自分の気持ちをまわりに当たり散らすミケーレ、押し殺すエリオ、なだめるアリーゴ、みんなみんな思いはひとつのはずなのです。自分の心を信じ抜く気力、信じてくれているその存在感の有無によって、きっと、その人の人生は大きく変わってしまうのかもしれません。
そんな中にあって、アリーゴは一番幸せになれるはずだった、そうなるべきだったのですが・・・。
「彼らは死んだのだ!」 アリーゴ達が瀕死の状態で国境越えをしている時、救出隊を出そうとするロランドに ニコーラが言っていた言葉が思い出されます。また紛争が起こるかもしれないのはあるかもしれないが、ある意味、死んだとされる人間は生きて帰ってきてはいけないのか???もしれない。そう思うと、この「ADDIO」ですが、「桜彦翔る!エピソードⅡ」に何かしら思いが重なる。
どんなに愛の言葉を並べたてても、その確信的なものに触れることはできないし、心の中を容易に覗くこともできない。なにをもって人は人を信じることができるのでしょうか^^;;; まったくもって、これだけは難解な疑問だらけです。そうなんですよ^^; 今日は幸せでも、明日は決して幸せとは限らないのです。でも、なにがあっても自分が幸せだと思えば、それが幸せを長続きさせることができる秘訣にはなるのかもしれませんが・・・。
リーダを愛していたにもかかわらず信じ抜くことができなかったロランド。アリーゴへの思いを断ち切りロランドを真に愛したにもかかわらず一時とはいえロランドに疑いの目を向けてしまったリーダ。一方、なにもかも全て信じて疑うことを知らなかったアリーゴには、自分の命の絆はすべて夢だったのだと知らされてしまった現実があった。
ここで、三人三様の心の真実を信じてほしい人に信じてほしいがゆえにみせる。
アリーゴは決闘を申し込み、ロランドはリーダを愛したことに偽りはないとして真剣にそれを受ける。アリーゴの剣によって間違って傷を負ってしまったリーダ、アリーゴの腕の中にありながらもその手を振り切ってロランドに向かう。きっと、遠のく気の中にありながらロランドへささげた愛は真実だったのだと伝えたかったのだと思う。そんな姿を目の当たりにして動転したアリーゴだったと思うが、ロランドに剣を振り落とさなかったのは、やっぱりリーダを愛してることにかわりはなく自分から身を引いたのかなぁ・・・。死を持って愛を証明するみたいな感じで~。
そんなことがあれば、リーダは幸せになれるはずもなく修道院へと行ってしまうのは世の連れで、お互いを思いやる気持ちが真実だったとやっと分かり合っても結ばれてはいけないこともある。
これがなにもかも戦争が引き起こした出来事だとしたら、平和な世の中だったらどうなってたんだろうか。たぶん、ロランドのまわりには幸せな人達が寄り添っている風景があるのだろうが、当のロランドはといえば、相変わらず庭の手入れをしつつそんな幸せを眺めることに喜びを得て、ハトと戯れながらづっとひとり独身を通してるのかもしれない。でも、甲斐甲斐しく身の回りの世話をしてくれるエーヴァの笑顔が、そこにいてくれることがせめてもの救いだなぁ~^^。。。
きゃぁ~~~♪ なんだかんだ言って強引にハッピーエンドにしちゃった^^;やっと、こんで自分なりに整理がついたような感じでスッキリ^^致しました。
今日は、一日中づっとポカポカ陽気のお天気です^^。“春のおどり” が待ち遠しいこの頃~☆
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