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萌えない建築 - (前)

建築専門誌をあまり真面目に見なくなって久しいのだけど、最近、数冊をまとめて見て感じた事

やっぱり なんか 萌えないな。。

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10代20代の多感な頃に、その時代にある建築が及ぼす影響が大きい。

僕のその時代は、パターンランゲージ、ポストモダン が花開き、デコンストラクション、ハイテク と様々な様式がなだれ込んだ。

そして 時代は バブル となった。 絶頂の経済状態の日本では、「何でもあり」 の時代に突入する。 建築設計者にとっては、幸せな時代 であり 不幸な時代 であった。

設計事務所のスタッフ時代だった。 ・・・ 街に次々に建ち上がるビルなどを見て
「 なんかしなきゃないけない、と思って設計したんだろうな。。」 と思った。
みんなが浮かれ、何か目新しいものに飛びついていた時代の雰囲気の中で、設計者の多くも同じだったように思う。

なにかしゃなきゃ。 誰も見た事もやった事もないような事をしなきゃ。 ・・・と。

奇抜な形、意味がよく理解できないコンセプト が実現できてしまい、高価な材料や世界中から集まる様々材料が使われ華やかで、それを雑誌がこぞって取り上げた。 ・・・
まさに夢のような世界。

自然や街との調和、人の暮らしや感情 を大切に考え、端正に作られた建築は、あまり雑誌に取り上げられる事もなく、あっても 地味 さらには もう古い とさえ思われていたように思う。

建築にはいろいろな意味や方向があり、日々進化する社会環境や建築技術や材料を背景に、先進的 実験的 な建築も必要である。

ただ、僕らの世代の 「多感な時代」 には、あまりに 表層的 時代の気分的 なもので埋め尽くされていた。

当時も、それらの建築にも それらを取り上げる専門誌にも 萌え なかった。

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そんな時代ではあったが、バブルの恩恵もあった。様々な洋書も入ってきて、海外の建築家の特集本 や 歴史的・土着的な建築の写真集 など、薄給の設計事務所のスタッフでありながらも、毎月1冊 という感じで 本 を買う事ができた。

それらの本に、夢中 になった。 
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