ふと、思う事があって、古い雑誌を引っ張り出し、読んでいた。。
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堀部安嗣という建築家がいる。若くして洗練された住宅を多く設計している。
「高齢者の住まい」というテーマでの取材で、彼が語っている中で・・・
今の建築は、どちらかというと元気なときはいいけれど、つらいときは跳ね返されちゃうようなデザインが多い・・・・
(TOTO通信 2001年冬号 より)
とあった。
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あぁ、これなんだな。。
昨今の建築に感じる違和感って・・・
白やグレーのモノトーンで、大きな開口があり、明るく、、、
「これが空間です!」 ・・・という建築。。
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人生全てうまくいってる時はそれでもいい。高層マンションに住み、東京を上空からひとりじめするのもいいだろう。。
でも、、そんな時ばかりではない。
悩み、苦しみ続ける時、、、そんな場は、、、つらすぎる。
ポジティブな状態では、薄暗い部屋でさえ 明るく感じる事ができる。そうでなければ、そこを飛び出していけばいい。調整する力がある。
ネガティブな状態では、あっけらかんとした部屋にいる事が辛い。一般的に「薄暗い部屋」にいる。それが「いい状態」なのかどうかはわからない。でも少なくても、そんな時の心理状態には合っている。常に「頑張れ!」という状態を受け入れる心の力がないから。。むしろ、ほのかに差し込む光に救われる。
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陰のある建築をつくりたい と考え出している。
ただただ まっ白い 空間とは違う。。
圧倒的な光による強い影とも違う。。
ほのかに入る明かりにより生み出されるほのかな陰。。
「頑張れ」と言わない建築。。
黙っ見守ってくれる建築。。
静かに寄り添ってくれる建築。。
(つづく)