建築設計の修行時代(?)だった20代の頃、身勝手に主張しているような建物ばかりの街がいやだった。
街にあふれる「無造作」の家がきらいだった。
「もっとデザインされたものじゃないといけない」と意気込んでいた。
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今、その「無造作」の家も、必ずしも悪くないかな、と思う。
むしろ、今どきの「デザイナーズハウス」に、ある種「嫌悪感」がある。
敷地が小さい結果なのだけど、どれもこれも同じような形になってしまう。一生懸命デザインしてるのだろうけど、同じに見えてしまう。
敷地が小さいから3階建てになってしまう。だから人の気配も暮しの気配も道路から遠くなる。道路のそばにあるのは、車と自転車と豪華な既製品のドア。
どんどん街は無機質になっていくんだろうな。
たしかにデザインというは必要なのだけど、家に関しては、なんだか方向性が違っている気がする。
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「普通の家」がいいと思う。
でも「普通の家」というのはむずかしい。
「普通」の基準はない。
なにげなく建っている家がいい。
むりしてない、
誇張してない、
「デザインしてます」的でない、
なんとなく体温があるように思える、
そんな家
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「無造作」の家が、そんな要素を持っていたりする。
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こどもの頃
ちいさいおうち [作・絵: バージニア・リー・バートン]
が好きでした・・