日本経済新聞7月27日「食あれば楽あり 」小泉武夫教授 より
夏の弱った体の活力源には甘酒を
江戸時代、甘酒は主に夏に飲まれた。その理由は、甘酒には大量のブドウ糖とビタミン類、アミノ酸類、が含まれていて、現代の医療に当てはめてみると、栄養補給の点滴とおなじであるからだ。
江戸時代、夏の厳しい暑さに老人や子ども達は体が衰弱し、夏を越せない人も少なくなかった。そんな時、一杯の甘酒は弱った体に活力を付けていたのである。
今でも俳句の季語辞典を見ると、甘酒は夏の季語となっている。とにかく甘酒は、夏ばて対策にとても良いので、夏になると甘酒をつくって飲んでいるのである。
甘酒の造り方は、デパートなどの自然食品売り場に行って米こうじを茶碗1杯に対してご飯3杯分、お湯(60℃位)7杯分を加えて混ぜ合わせ、これを保温器(電気炊飯器のようなもの)で55℃~60℃に保ち1晩(大体6~8時間)置く。翌朝には、とても甘くてトロトロに溶け合った甘酒が出来る。
これを、冷蔵庫に入れて十分に冷やして透明のガラスコップに移して飲むとコップに移された甘酒は全体が白色で、真っ白い米こうじの粒が全体に浮いていて、「ホワイトパールドリンク」と命名したいほどの美しさである。
そのコップの甘酒を口に含んで飲むと一瞬口の中はサーッと冷えて、何秒か間を置いてから、甘酒特有の甘ったるい匂いや、こうじ香と呼ばれる清々しいミルキーっぽい匂いなどが鼻孔からスーッと抜け、口の中には甘酒のとても甘い味と上品な米のうま味がトロリトロリと広がっていき、口中が甘みに溢(あふ)れて耽美(たんび)な世界になっていった。それを静かにコピリンコ、トロリンコと飲み込んで、ふた口目を口に含んでじっくりと賞味する。
また、氷を細かく砕いてコップに入れ、そこに甘酒を入れてシャーベット状にして飲むとさらに涼味を呼んで、甘酒の常識をくつがえす味わいです。
ほんだ農場の甘酒には玄米甘酒、オーガニック玄米甘酒、オーガニック白米甘酒があります。
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