『チャヴ 弱者を敵視する社会』著者オーウェン・ジョーンズ待望の第二弾!
イギリスでは30万部超、
各国で翻訳刊行され熱狂的支持を集める世界的ベストセラー
国に「たかって」いるのは、本当は、誰か?
新自由主義・緊縮財政のもと、国民を騙し、困窮させ、分断し
その一方で、臆面もなく自らの栄華を誇る人々のリアルな姿
イギリスと同じ不正義は、いま日本でも起きている
解説ブレイディみかこ
【本書への賛辞】
これはイギリスの現実の政治に関して、わが生涯でもっとも重要な本であり、
世の人々が読むべき唯一の本だ。読めばあなたも目が開かれ、怒りを覚えるはずだ。
──アービン・ウェルシュ(『トレインスポッティング』著者)
信念に貫かれ、元気をくれる本書を読んで以来、イギリスの政治を二度と同じ目で見られなくなった。
──ナオミ・クライン(『ショック・ドクトリン』著者)
政治家が人気スターになりたがり、人気スターが政治家になりたがる時代に、
本物の政治ジャーナリストがこれほどの人気を博すのは新鮮だ。
ジョーンズの分析に同意しようがしまいが、その声の正直さには魅了されずにいられないだろう。
──シャミ・チャクラバーテ( 「英国で最も影響力のある女性」に選出された人権活動家)
気分が悪くなるほど徹底的に腐敗した国イギリスの詳細な分析。
ジョーンズはすぐれた書き手で、これは本当に必要とされる本だ。
──フィリップ・プルマン(児童文学者『ライラの冒険』著者)
ごく少数の人間が都合よく物事をゆがめ、残りの多数を排除しているという本書を読んだあなたはもう、
ウェストミンスターの礎石を見ても、BBCのロビーのラテン語を見ても、
「この裏には真実が隠されている」というささやきが聞こえてきそうに思うのだ。
──マシュー・パリス(政治コラムニスト)
正義感と思いやりにあふれたこの著者は、無責任に権力をふるう人々の偽善を暴くのがじつにうまい。
──デイビッド・ランシマン(ケンブリッジ大学・政治学者)
ジョーンズは、われわれの世代のジョージ・オーウェルだ。
──ラッセル・ブランド(俳優・コメディアン)
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
国に「たかって」いるのは本当は、誰か?新自由主義・緊縮財政のもと、国民を騙し、困窮させ、分断しその一方で、臆面もなく自らの栄華を誇る人々のリアルな姿。イギリスと同じ不正義が、いま日本でも進行している。『チャヴ』著者、怒りの第2弾!!
著者について
オーウェン・ジョーンズ Owen Jones
イギリスのシェフィールド生まれ。オックスフォード大学卒(歴史学専攻)。
20代で上梓した初の著書『チャヴ』(小社刊)が世界的ベストセラーとなり、各国の政治運動に影響を与える。
その3年後に本書を刊行。前作をしのぐ「支配層に対する鋭い追及」が拍手喝采で迎えられ、
アメリカ、スペイン、フランスなど欧米各国のほか、中国・韓国でも翻訳出版される。
現在は、新聞・雑誌のコラムニスト、TV・ラジオのコメンテーターとして活躍。
いまや左派の重要な論客である。またLGBTQ問題にも関心が高く、国内外の幅広い運動に精力的に参加している。
訳者
依田卓巳 Yoda Takumi
翻訳家。
訳書に『チャヴ』『人を魅了する』『日本人の知らないHONDA』(ともに小社刊)、『成功する練習の法則』(日経ビジネス人文庫)、
『アップルvs.グーグル』(新潮文庫)、『国際協調の先駆者たち』(NTT出版)など多数。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ジョーンズ,オーウェン
イギリスのシェフィールド生まれ。オックスフォード大学卒(歴史学専攻)。20代で上梓した初の著書『チャヴ』(海と月社)が世界的ベストセラーとなり、各国の政治運動に影響を与える。その3年後に『エスタブリッシュメント』を刊行。前作をしのぐ「支配層に対する鋭い追及」が拍手喝采で迎えられ、アメリカ、スペイン、フランスなど欧米各国のほか、中国・韓国でも翻訳出版される。現在は、新聞・雑誌のコラムニスト、TV・ラジオのコメンテーターとして活躍
依田/卓巳
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 単行本(ソフトカバー): 440ページ
- 出版社: 海と月社; 初版 (2018/12/6)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4903212637
- ISBN-13: 978-4903212630
- 発売日: 2018/12/6
- 梱包サイズ: 20.6 x 15 x 3.6 cm
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トップレビュー
大寺萌音🏳️🌈
5つ星のうち5.0 著者は、厳しい状況を抉り出しているが、同時に希望の灯をともしている
2018年12月8日に日本でレビュー済み
『チャヴ 弱者を敵視する社会 』に続く第二弾。本作では、「支配する」立場の人々が、国民を騙し、巧みに立ちまわることで、巨大な利益を享受しているかを暴き出している。本書の初版は2014年、さらに本書巻末に収録されている「みなさんの質問に答えつつ、もう一度、呼びかける」は、翌年に出たペーパーバック版に収録されたもの。
書名にもなっている「エスタブリッシュメント」について、著者は「成人のほぼ全員が選挙権を持つ民主制において、自分たちの地位を守らなければならない有力者の集団」(本書冒頭の「はじめに~」)と定義し、「エスタブリッシュメントは、共通の利益とメンタリティで結びついている」(「みなさんの~」)としている。
本書でも、極めて広範囲な取材が重ねられている。本書のような場合、「エスタブリッシュメント」に属する人たちへの取材が、一つのキーとなるが、そういった人たちへのインタビューもかなりある(実名で登場する)。さらに詳細な調査をベースに、この「エスタブリッシュメント」に属する人たちが、財界や政治家だけではなく、極端な思想を背景とするシンクタンク、メディアや警察など、広範な分野に広がっていることが分かりやすく指摘されている。保守党の政治家はもちろんだが、財界などとの連携を強くして、利益に群がった一部の労働党の政治家にも厳しい目を向けている。
特に印象に残ったのは、第2章「政界と官庁の結託」の末尾で、「この国のメディアほど、エスタブリッシュメントにとって効率的なロビー活動をしているものはない」と書いた後に展開される第3章「メディアによる支配」。政治家のブレーンや秘書、政府関係の仕事に転職しているジャーナリストの例がいくつも挙げられている。また、BBCが、保守党や一部新聞によって「左傾」として攻撃されたことによって萎縮し、現状追認を是としていることなどにも触れられている。
そして、社会保障費などを削減する一方で、企業活動に不可欠な道路や鉄道などインフラへの財政投入を増大させ、国民全体の利益にならない規制緩和・国民生活に直結する公共事業などの民営化を行い、納めるべき税金を海外に逃し、金融業界への異常な補助金を支出させたことなどを取り上げ、実際に国家に「たかって」いるのは、社会保障などに頼る人ではなく、「エスタブリッシュメント」であることを厳しく糾弾している。
読みながら、これは日本の事を書いているのでは、と思うことが幾度となくあった。それほど、日本の状況もイギリスに近づいているのだろう。
ただし、著者は、諦めているわけでも絶望しているわけでもない。それが初版の最後に置かれた「結論 勝利をわれらに」、巻末の「みなさんの~」に表れている。
日本でも諦める必要はないのだ。
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マンダレー
5つ星のうち5.0 非常にスリリングと同時に落ち込む
2018年12月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
翻訳も良く、良質な犯罪もののフィクション作品のように次々とページをめくってしまう。しかし残念ながらこれはフィクションではなく、サッチャー以降、政治家、企業、マスコミ、警察らによって、いかにしてイギリスという国が上下に分断されてきたかが描かれている。
そしてここに書かれていることは日本にも重なる。おそらく日本でも同じようなことが起きていると思うと心が重くなる。
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hbspmd
ベスト500レビュアー
5つ星のうち4.0 現代の「階級闘争」
2019年1月6日に日本でレビュー済み
Establishmentとは、社会的に「確立した」制度や体制、又は、それを代表する支配階級・組織・既成勢力とされる。イギリスにおけるEstablishmentとは、私立学校からオックスブリッジに入学して、社会的に影響力を及ぼすような仕事に就く白人、という姿が思い描かれるが、筆者の定義は、共通の「経済的利益」と「メンタリティ」によって結びついている権力者層ということのようである。
それは政治家であり、メディアの権力者であり、権力を持った警察であり、税を回避する事業家であり、金融界という社会のヒエラルキーの上層にあり、「既得権」を持った集団で、その共通の利益を守る為に下層にある人々のinterestsを踏み滲むことを(意識的であれ、無意識であれ)躊躇しないという実態がある。
民主的であるとされる政治体制、権力者に対する批判精神が売り物の筈のメディアなど、日本よりも高いレベルにあると考えられているイギリスにおけるEstablishmentと民衆との「闘い」の数々をみるにつけ、日本の近未来を映しているようでもあり、他山の石として学ぶべき点が多々あることを思い知らされる一冊である。
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おさ
5つ星のうち5.0 規制緩和と民営化の実態を暴く一冊
2019年4月23日に日本でレビュー済み
本書ではイギリスにおいて、サッチャー政権以来の規制緩和や民営化などにより、
エリート層が国の制度や財政をいかに私有化に繋げて来たのかを描いている。
公務員にやらせるより安くできるという企業に任せると、利益を出すためにサービスや給与、給付を削り、
さらにうまくいっても、より少ない予算で利益を出すために従業員と予算を削り、
企業が利益として取った後に不足した分は国の財政から補填しているとの事だ。
また、投資銀行などは製造業と比べると、そもそもあまり税金を納めておらず、リーマンショックなどで、
大きな損害を被り経営が危なくなると、金融システムが崩壊しないようにという理由で、
政府から収めた税金よりはるかに多額の公的資金を受け取り、存続しているとの事である。
少ない支出でより成果を出すとして始められた規制緩和や民営化だが、
結果的に公共のためにならず、一部のエリート層、富裕層の利益となっているとの事である。
さらにはそうして富裕層が得た富も、タックスヘイブンに移して税金を回避しているので、
その富に対する課税もまともに行われていないとのことが様々な活動家により指摘されたので、
タックスヘイブンが取り上げられるようになったとのことである。
このようなことを読むと、労働党のジェレミー・コービンがなぜ
支持されるようになったのかがよく解る。
米国において、ヒラリー・クリントンならば投票しないという人が多く出たというのも、
同じような理由なのだろう。
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