個人的には飴屋が一番しっくりくる。
現在でも御徒町から入ると、菓子屋が並んでいる。二木の菓子は現在ではアメ横の通りから少し引っ込んだところにあるが、子どもの頃は確かアメ横の通りにあったと思う。
二木の菓子は、林家三平さんのCMでお馴染みだった。
「二木二木二木二木二木の菓子、安くてどーも、すいませーん!」
アメ横の通りには、二木の菓子を始め、菓子問屋が何軒か並んでいた。
現在のような店舗よりは、もっと問屋っぽい感じだったような気がする・・・
アメ横の真ん中あたり、上野から入ると二股に分かれるところに、1983年に建てられたアメ横センタービルがある。
このアメ横センタービルのホームページを読むと、もともとは飴屋、米軍物資を扱うようになってからはアメリカで、両方の意味が合わさって、何となくアメヤ横丁と呼ばれるようになったのかもしれない。
ところで、このアメ横センタービルが出来て間もない頃に、子どもを連れて行ったことがあった。屋上に遊園地にあるようなミニ列車が走っていて、子どもを遊ばせた記憶があるのだが・・・
アメ横センタービルにはいろいろな店舗が入っているが、ビギナーが立寄らない地下はエスニックな食材店で、アジア系の外国人がよく買い物に来ている。
中国野菜や中国近海の魚、時期によっては上海蟹なども並ぶ。カレーの香辛料などもあって、ちょっとアジアンな雰囲気が味わえるかもしれない。
アメ横の通りに並ぶのは魚屋、乾物屋、菓子屋が多く、他に果物屋、肉屋、洋服屋、そして最近は靴屋などが増えた。
ガード下やアメ横センターから二股に分かれた道が挟む一角も中に入ると迷路のような中に小さな店が集まっている。輸入ものの化粧品や貴金属、時計、皮革製品、菓子、衣料品を扱う店が多い。
化粧品などは、海外の免税店で買うのと価格面で大差がないかもしれない。バックなども値引き交渉ができるかもしれない・・・
ガード下に中国人が経営している輸入菓子の店があるが、子どもが小さかった頃によく連れて行った。外国の菓子というのは駄菓子風にきらびやかで、しかも日本にはない珍しい菓子も多いので子どもが喜んだ。
この店に行く目的がもう一つあって、ロンドンの食料品店フォートナム&メイソンの紅茶を安く買えた。デパートの正札の半額だった。並行輸入品なので為替を反映していて、円高の時にはだいぶ安くなった。
当時は輸入商社がフォートナム&メイソンの代理店だったが、現在は三越が代理店になっているため、三越以外では滅多にこの紅茶を買うことが出来ない・・・
アメ横一帯は時勢を映す鏡で、ゴルフブームの時にはゴルフショップがどっと増えた。ナイキなどのスニーカーブームで靴屋が増え、現在はその流れにある。
外食ブームを反映して、飲食店も増えた。昔は、この近辺には豚カツ屋と寿司屋が多かったのだが・・・
歳末になると、アメ横の通りはひどい混雑になる。歳末の雰囲気を楽しみにくるだけの人もいてちょっと迷惑なのだが、押し合い圧し合いになって前に進むどころか横に押されてしまう。まあ、年寄りと子どもは、この時期は避けたほうが良い。
魚屋には冷凍マグロや酢蛸などが並び、その外の店もこの時期だけ商売換えして、タラバガニや数の子などの正月用の商品を扱う。
まあ、アメ横に行かないと年を越したような気にならないので、毎年晦日か大晦日にアメ横に出かけるわけだが、マグロなどを買って帰ると、量が多すぎて連れ合いに叱られる。解凍に時間も掛かるし、刺身で食べても食べきれず、残りはマグロステーキになって、勿体ないなと思ってしまう。
酢蛸や数の子は、家族があまり食べないので量が多くて食べきれない。
つい歳末気分に浸って、余計な買い物をしてしまうのだが、まあそれはそれで楽しい。もっとも、アメ横は量が多くて安いが、必ずしも品が良いわけではない。
少人数の家庭で、良い品を求めようとするなら、アメ横は見物だけにして、御徒町駅の西側にあるスーパーで買った方が良いかもしれない・・・
歳末はアメ横ばかりが注目されるが、築地場外市場に行くのも手だ。独身の頃にはクルマを運転して、歳末によく父と買い物に行った。築地本願寺にクルマを停められた。
築地場外市場はかなり広い。蒲鉾、伊達辦公室傢俱巻からお飾り、海産物、鮮魚、野菜、卵焼き、ハム、日本茶、重箱、陶器に至るまで、大抵のものは揃う。
築地といえば寿司屋や料理屋が集まっていることでも有名で、場外市場にも飲食店が多いが、新大橋通り沿いにあるラーメン屋は人気がある。
朝、市場で仕入れを終えたゴム長を履いた料理人たちが、鮮魚の入った竹の籠を下げ、白い息を吐きながら、このラーメン屋に集まる。
父と寒い中で食べたラーメンは格別旨かった。立ち昇る白い湯気とその向こうの亡父の顔、今でもその情景を鮮明に覚えている・・・
ある時から連れ合いの声を聴くのが少し辛くなるようになった。連れ合いがムーミン体型になるとともに、声が体でよく反響するようになったのである。いわば声楽家と同じで、体がコントラバスのようになったわけである。
反響の良い狭い室内では声がよく響く。体調が悪い時には、それがちょっと辛く感じるようになったのである。
その話をした時に、連れ合いはちょっとショックを受けていたが、まあオジサンの耳がデリケートすぎるのである。
それで、MUSEのコンサートでも一時的に難聴になってしまったというわけだった。ただ、この状態は長くは続かず、異常な大音量に耳の方が次第に慣れて、3曲くらい難聴が続いた後に、またちゃんと聴こえるようになった。
それにしても、リードボーカルのマシュー・ベラミーは凄い。彼の歌はCDで聴くのと全く変わらない。いや、もちろん生の声の方が良いに決まっているのだが、CDの声が良くある音響的に加工されたものではないことが良く判った。マシューは、伸びのある声で2時間歌い続けた・・・
更に、彼のギターとピアノの演奏も素晴らしかった。マシューは6歳からピアノを習い、14歳の時にギターに転向したそうである。
マシュー、ベースのクリストファー・ウォルステンフォルム、ドラムスのドミニク・ハワードの3人のメンバーで、一番人気があるのはドラムスのドムなのだそうである。確かにコンサート会場でも一番声が掛かっていたかもしれない。
ベースのクリスも渋かったし、3人の演奏はそれぞれに素晴らしかったのだが、それでもオジサンはマシューの伸びやかな声と多才な演奏テクニックがとりわけ光っていたんじゃないかと思う。
映像と光を駆使したステージ演出も良かったし、まあオジサンは難聴になりながらもMUSEのコンサートに満足したのであった。
願わくは、音量をもう少し下げ壹美健 水光槍てくれれば、オジサンも難聴にならなかっただろうし、マシューのボーカルの声も、もっと良く聴こえたのではないかと思ったのであった。
それにしても、MUSEのコンサートの聴衆は、みんな行儀が良かった。みんな2時間、立ちっ放しでご苦労さんであった。
オジサンは2階席の最前列でステージが良く見えたので、座ったままで楽しませてもらった。オジサンと同じように座っている人もいたが、きっと往年のロックファンであるオジサンかオバサンだったのだろう・・・
22時、アンコールも終わって、オジサンは大満足して地下鉄の駅に向かったのであった。
・・・ということで、オジサンのレポートはここまで。脇道に逸れっ放しだったな。
言い忘れたが、オジサンは聴覚機能が良くて耳がデリケートだと書いたが、音感が良いということでは決してない。
いや~、それにしてもMUSEのコンサート、良かった! また、機会があったら聴きに行きたいな~