星の彼方へ〜アルツハイマー認知症の母のと私の思い出〜実話

アルツハイマー認知症の母の突然の死
母のが生きてきた証を思い出と介護の記憶を刻んでいきます

虹の彼方へ Vol.5 〜アルツハイマー認知症の母の思い出 〜

2020-10-01 16:46:54 | 虹の彼方へ(介護小説)

アルツハイマー認知症で亡くなった母との思い出を綴っています。

 

星の彼方へ Vol.5

葬儀やにまずが電話をした。母の遺体(遺体などとはいいたくないけど)をお迎えに来てくれるのは

10時ごろになるという。

もう一度、母のもとに戻った。

さっきまで握れていた冷たい小さなては死後硬直のせいでもう握れなくなっていた

「死後硬直」

名探偵コナンや金田一少年の事件簿が好きな私にとって「死後硬直」などという言葉はドラマか漫画の世界だけの

ものだった。

でも実際に。

母は元々肌が白いのであまり青白さは感じなかった。

母を見つめるとまた涙が頬を伝う。

「お母さん、大好きだよ。お母さん大好きだよ。」

もっともっと生前に母に伝えたかった。

本当に大好きだったのだから。

アルツハイマーでも車椅子でも

私の顔を見ると笑顔になる母が大好きだった。

生前、まだ、手の筋肉の萎縮が始まる前は、会うたびにぎゅーっと私の手を握ってくれた

「痛いよ痛いよ」と私がいうと母は笑って見せた。

アルツハイマーだから短期記憶はないけれど、そして車椅子だし、手とかも萎縮が始まって

うまくグーパーができなかったけど、それでも母は懸命に生きていた。

死亡診断書には、死因は「老衰」と書かれていた。

なぜか手術欄にも「胃ろう」の手術については記載されていなかった。

 

それが解ったのは、だいぶ日々がすぎてからのことだったので

施設には言わずにいたけど

 

もし、もう一度、一日だけ母と一緒に出かけられるのなら、温泉に連れていってあげたい

そしてお母さんがびっくりするほど、テーブルに乗り切れないほどの豪華な食事を堪能してほしい

胃ろうの手術をする前から、嚥下能力が低下していて、「とろみ」で食べていたのでいつも母は

ご飯がおいしくないと言っていたから。。。。

 

***つづく***



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