今回は対中包囲網としての機能も持つ、日米台の半導体連合体制が成功する
かを占ってみました。
既に、日本ではラピダスの設立や台湾のTSMCの工場進出も進んでいます。
米国内でもTSMCの工場進出が始まっており、高度半導体技術や製造材料の
輸出規制など、数々の半導体を巡る施策が進行しています。
その中核となる日米台の半導体連合体制はその機能を有効に果たすことがで
きるのでしょうか。
写真は鑑定の結果となります。
左側が結果、右側が環境条件となります。
まず結果ですが、審判のカードの正位置が出ています。
審判のカードの正位置は復活や誕生、改善や覚醒、発展や状態の変化、更新
や復活といった意味があります。
結果としては成功をすることは間違いなさそうです。
半導体には基本的な設計や構想など、更に製造や材料など、その上で物流や
市場といった構造が重なっています。
今回の構想は米国の持つ設計や思想に関する要素、台湾のファンダリーとし
ての技術、日本の材料などの技術を束ねて、先端的な技術を強権的な国と地
域に流出させないことに目的があります。
安定的な供給だけでなく、技術での優位性確保もあります。
こうした目的から考えると一国の単位では対応できません。
そのため、複数の国の連合体による統制が重要な施策となり、これに更に欧
州などの国や地域が加わることで、連合体による供給基盤を確保しようとす
ることに目的があります。
地政学的なリスクもあるので、台湾一辺倒の製造リスク回避も目的にはあり
ますが、重要なのは各々の得意とする分野の技術優位性を確保することが一
番となります。
日本はシリコンウエハーや有機素材などの技術で優位性を持っています。
今後は自動車を含めて多くの産業で半導体の使用量が更に増加します。
こうしたことを中国などに依存しない体制を構築することは重要な経済の安
全保障に繋がることになります。
方向性としては間違っておらず、うまく機能していくことになるでしょう。
次に環境条件ですが、魔術師のカードの逆位置が出ています。
魔術師のカードの逆位置は混迷や無気力、スランプや裏切り、空回りや消極
性、優柔不断といった意味があります。
一番の懸念点があるとすれば政治的な構図になるでしょう。
中国の圧力と米中の対立といったものを想定する方も多いかもしれません。
ここではそういう意味のリスクがあるということではありません。
既に、中国は手を打っており、これが機能するまでは時間がかかります。
また、黙っていても機密情報をあらゆる不正な手段も講じて、獲得するだけ
の意図もあるので、こうしたこともリスクにはなります。
しかし、一番課題となるのは日米台と欧州との関係性でしょう。
日本でいえば、対中依存度の高い経済体質から脱することができておらず、
まだ中国に大きく依存しなければならない産業や企業もあります。
こうした動きもあって、思い切ったシフトへの反対論があることは否定でき
ず、中国の強かな戦略に乗ってしまう政治家や官僚もいます。
こうした流れを中長期の構想に沿って、適切な形で排除できるかが大きなカ
ギとなってきます。
また、その他の国との関係性も必ずしも一枚岩ではありません。
特にこれから大統領選挙を控える米国、総統選挙も控える台湾は今後の展開
如何ではリスク要因ともなり得ます。
米国はもっと極端な反中外交に行ってしまうのか、中国に寛容な政権が誕生
するのか、こうしたことも大きなリスクになります。
特に極端に反中・寛容な政権が誕生した場合は大きな経済リスクが発生して
いくでしょう。
台湾も今の実態では与党の敗北が予想され、国民党の総統が誕生するリスク
があり、政治思考によっては今の流れに逆らった施策を採ってくることも考
えられます。
魔術師のカードには創造力や可能性、コミュニケーションといった本来の意
味があります。
国と地域間の調整の重要性、極端なバランス変化に注意した考え方、あらゆ
る観点からの施策の一元性など、変化や状況に適切な対応が都度求められる
ことは間違いありません。
単純な反中・親中といった問題ではなく、中長期では大きなリスクを持った
中国との付き合い方にどう向き合っていき、少しずつ依存性を低めていくよ
うな工夫をどう進めるか、こうした柔軟な考え方が今後より重要視されてい
くのではないかと思います。
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