作業ってなあに?

作業療法士のこと、作業のことなどについて知ってもらいたいと思い書いてみます

IT化と作業

2022-03-24 22:30:00 | 日記
活動や参加ができるために身体機能を維持または向上する。私もリハビリ計画書を作る時はそのように書きます。

しかし「作業」とは実際に行わなくても自分が作業をしている、作業に関わっていると思えば「作業」としての意味を持つと最近では認識されるようになってきました。

ベッドで寝ていても離れた場所でコミュニケーションをとったり、喫茶店のウエイトレスとして働いたりすることが出来るようになっています。
IT化やロボット技術が進めばもっと色々なことができるようになるのでしょう。

その時、身体機能と活動、参加の関係はどのように考えればよいのでしょう?作業の意味や自分らしい作業は、今よりもっと複雑なものになっていくのでしょう。

作業療法士はIT化が進んでもなくならない職業だと言われていますが、身体機能ばかりに目を向けているとロボットに代わって仕事がなくなってしまうのかもしれませんね。

ICFと作業

2022-03-15 12:53:00 | 日記
デイサービスのご利用者様で毎回玄関に生花を生けてくれる方がいます。

「どんなテーマして、花は何にしよう?って考えるのが今の生き甲斐なの」と、話してくれました。
テーマについてみんなに説明できるように調べて、紙に書いてきてくれます。
「その辺に咲いている花を、そのまま生けたいの」と、家の周りを歩いて花を探してきてくれます。

以前はお席でウトウトされることが多く、長年やっていた趣味活動もコロナを理由に辞めてしまい家から出ることは少なくなっていました。そして「夜眠れなくてね」「足の痺れが強くて歩けなくなってきたわ」と体調が悪いと言われていました。

「花を生ける」という役割を見つけたことで、外に出るようになり、調べ物をして字を書くようになり、「生き甲斐なの」と思えるようになったのです。

機能、活動、参加がお互いに関係し合っているのだと改めて実感できました。どれかが良くなると他のものも良くなる。

そして「花を生ける」という作業には、その方なりの意味やこだわりがあるのです。

作業をする権利

2022-03-09 13:56:00 | 日記
私たちには作業をする権利があります。なんだか難しいと感じるかもしれませんが、
「自分のやりたいことを、やりたいようにやることは自由なのです。誰にもそれをやめさせることはできない」のです。

年をとったり病気になると人から作業をやめさせられることが多々あるように思います。例えば「1人で外に出ると危ないから出ないように」「ガスを使うと危ないから使ってはいけません」などのように。その代わりに自分の意に沿わないことをやるよう言われます。「外出機会が減っているからデイサービスに行きましょう」「食事は弁当にしましょう」
安全と自由のバランスは難しいと思います。そんな中でもなるべく、その方や家族の方の意向に沿った生活が行なえるよう一緒に考え、工夫をしていくことが私たち作業療法士の役割かなと思っています。