ろぐろぐ音楽ブログ

a-kiという人間の手による、J-POPあたりをメインに色々好き勝手書いてる適当ブログ。

椎名へきる全アルバム感想 番外編 ベストアルバム・キャラソンアルバム・ゲストボーカリスト参加作品

2020年04月21日 20時58分53秒 | 感想・レビュー(アルバム)
最後は番外編。ベストアルバムやキャラソンアルバム、ゲストボーカリストとして参加した作品。キャラソンは探したらきっともっとたくさんあるのでしょうが、とりあえず1枚だけご紹介。


「b-side you 〜B-SIDE COLLECTION〜」
2000.03.08 お気に入り度:★7.5
1. NEVER NEVER  2. 夕暮れのジョギング  3. 星空のシャワー  4. キメてみせてよ Get Back !!  5. やさしいひとになりましょう  6. あなたがくれたもの  7. 届けたい想い  8. Phoenix  9. 晴れのち I Miss You  10. Just my love  11. ガンバレ  12. The Rain  13. いつまでも・・・
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
普通のベストが出てないのに何故か出たカップリング集。1st〜13thまでのカップリングをリリース順に収録。アルバム「RIGHT BESIDE YOU」と同時発売。「BESIDE YOU」「RIGHT BESIDE YOU」とのタイトル語呂合わせのノリで出した?とか思ったりしますが、どうやら本人が”ベスト出すと活動が終わっちゃうみたい"と言ったからの こういう形みたい。
「ガンバレ」「Phoenix」「Just my love」の3曲はシングルでもおかしくないくらいの完璧なへきるロックなのにオリアルには入っていないし、「届けたい想い」はポップな人気曲。派手なロックバラードの「いつまでも…」もいいかな。シックでレトロな「The Rain」はカップリング曲ならではのテイストでこれもいい感じ。
やっぱり後半の、ロック化してからのシングル「風が吹く丘(C/W:Phoenix)」以降はカップリングでも気合入ってて聞きごたえ十分。カップリングはシングル以上にロック化してからガラッと作風変わるね。
 
とはいえ今となっては、今作に入っている曲が全部入っている上位互換の「single,coupling & backing tracks 1995-2000」が出ているので、手に入りやすければどうぞ、という立ち位置ですかね。
 

2001.03.16 お気に入り度:★7.5
1. warning  2. carry on  3. fragment blue  4. hide away  5. lonesome road  6. second wind  7. close my eyes  8. my soul  9. last image  10. my soul(guitar inst)
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
アニメ『無敵王トライゼノン』のキャラクターソングアルバム。アニメ自体は音楽モノではなくロボットモノのようですが、作中でロックバンドのボーカルのキャラクターをへきる姉さんが演じているようで、それでこのアルバムが出た模様。
 
この頃はもう既に へきるロックは会得済みで、作曲まで手を出すようになってた時期(PRECIOUS GARDENリリース直後)なので、ロックボーカリストのキャラなんてへきる姉さんのためにあるようなもので。へきるファン的には違和感なし。ばっちりこなしています。
 
ソニーではなくスターチャイルドからのリリースなので作家陣はいつもとは全く違いますが、作風はロックテイスト。キャラに合わせてか、いつもよりちょっとシリアス目に声作ってる感じですが そこまで違和感なく、ちょっと路線変更したへきるロックみたいな感覚で聞けます。なにより意外と曲がちゃんとしているというか、正直あまり期待しないで聞いたらびっくりするくらいいい曲があって。特にバラードの退廃的な雰囲気があまり椎名へきる名義では無い路線 かつ かなりいい出来。特に「close my eyes」「fragment blue」は名曲。アップテンポだと「my soul」がかっこいい。
 
このアルバム、パッケージとか歌詞カードにまでCV:椎名へきるの記載がなく、徹底して「甲斐童夢の作品」になっていて、中の人の人気に頼らないぞという硬派な作りなのですが(単に不親切とも言う?)、それに見合った作品になっています。へきるファンは是非。
 

2008.03.12 お気に入り度:★9.5
[DISC 1]
1. せつない笑顔  2. ラッキーDAY  3. 目を覚ませ、男なら  4. 空をあきらめない  5. だめよ!だめよ!だめよ!!  6. 色褪せない瞬間  7. MOON LIGHT  8. 風が吹く丘  9. Graduater  10. 抱きしめて  11. この世で一番大切なもの  12. Everlasting Train−終わりなき旅人−  13. −赤い華− You're gonna change to the flower  14. BESIDE YOU  15. live to love ―もう少し早く逢えたなら―  16. 大切なページ  17. あなたも知らない恋の果てに
[DISC 2]
1. Love Graduation  2. 愛のカタチ  3. Jungle Life  4. 嵐のち晴れ  5. 眠れる森  6. あしたは消えない  7. MOTTOスイーツ  8. LOVE TOMORROW  9. believe  10. PROUD OF YOU  11. スタンバイ!  12. Color  13. レヴェランス  14. PARADISE  15. Endless Dreamer  16. メモリーズ
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
1st~31stまでのシングルと新曲2曲を収録した初のシングルベストアルバム。
いわゆる契約消化的なベストアルバムと思われる作品ということもあり、ジャケは写真なしの手抜きで レコード会社公式ページでの宣伝もされなかったという…。ですが、新曲2曲あってDVDのオマケ付きで、曲順もちょっとだけ配慮しているし(基本はリリース順に並べただけですが、ラストはアップテンポ新曲2曲の後にバラードの「メモリーズ」という綺麗な流れで終わるようになってる)、ブックレットは当時のジャケ写アウトテイク写真が結構たくさん載っているので、最後の良心みたいなものは感じられるかなぁと。
なんといっても新曲2曲がどちらも素晴らしいんですよ。「Rockin' for Love」からさらに進化したへきるロック。希望と刹那を併せ持った大団円系アップナンバー。大空を感じさせてくれる「PARADISE」が個人的にはイチオシ。
 
ベストアルバムとしては収録時間の関係でソニー時代のシングルコンプリートとはいかず、後半最後の6曲がないですがこれは仕方ないか。抜けた6曲は「Clear Sky」「Rockin' for Love」に全部入っているので回収も容易だし。
アルバム初収録のシングルやシングルバージョンは初収録な曲も多いので(せつない笑顔、目を覚ませ男なら、赤い華、メモリーズはシングルバージョンがアルバム初収録。だめよ!だめよ!だめよ!、MOONLIGHT、Everlasting Train、愛のカタチはアルバム初収録曲)、ファン必携。
 
付属DVDは、これまでの全シングルのPVをサビだけメドレーで収録されたオマケ映像。ソフト化されていない作品くらいフルサイズで入れてほしかったなぁ。
 
ちなみにこのアルバム、本人選曲らしい。(↓のGOLDEN☆BESTの帯にそういう記載がある)
シングル縛りで本人選曲ってことかしら。ラストの曲順が配慮されてるのはそのへんが理由?


「GOLDEN☆BEST 椎名へきる ~On Animation & Game Soundtracks」
2011.04.06 お気に入り度:★5
1. ECHO OF FABRICATION  2. ひとりぼっちの夜に  3. すきです  4. 消えないしあわせ  5. 大切な思い出  6. 勇気のダイアリー  7. 涙  8. いつか会えたら  9. 星空のシャワー(ロングヴァージョン)  10. だめよ!だめよ!だめよ!!  11. いつか会えたら(Non-Rem Mix)  12. MOON LIGHT (TV Size Version)  13. 純  14. Hey Hey  15. 新しい風  16. Everlasting Train−終わりなき旅人−(TV Size Version)  17. −赤い華− You're gonna change to the flower (TV Size Version)  18. ふわふら
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
へきる姉さんのゴールデンベスト。ゴールデンベストというと、シングル代表曲を集めたお手軽入門向けベスト・・・と思ったら さにあらず、ソニーレコードから出したキャラソンやドラマCDに収録されていた曲を集めたアルバムというレアトラック集。
「Hey Hey」が一番の聞きどころ。作家陣からしても、「Face to Face」あたりに入っていてもおかしくないへきるロック。タイミング逃して椎名へきる名義のアルバムに入れ損ねたのかなぁ。
 
他には、GONTITIや新居昭乃さんの曲を歌う椎名へきるというレアな曲が揃っていますが、うーん、ロックな椎名へきる好きとしては、レア音源集=名曲集ではないんだなー、という印象はぬぐえないw
まぁでも、既存ベストとまるかぶりのゴールデンベスト出されるよりは、こういう形で救ってくれるのはありがたいです。
キャラソンのなかでは、高橋諭一さん曲の「勇気のダイアリー」が個人的には良いかな。
 
でもでも、オリジナルアルバムにも入っている曲をそのままとか、アレンジが変わっている訳でもないTVサイズバージョンとか、入っていても嬉しくないのも結構あるのがなー。特に、GraduaterのドラマCDバージョンが無いのは不満。あれもソニーレコードから出していたはずなのにー。まぁ、いろいろ事情があったのでしょうけども、なんか中途半端な感じは否めない。
というわけで、完全なるファン向け作品ではありますが、ファンならチェックする価値のあるアルバムでもあります。

 
2012.12.26 お気に入り度:★8.5
[DISC 1]
1. せつない笑顔  2. ラッキーDAY  3. 目を覚ませ、男なら  4. 空をあきらめない  5. だめよ!だめよ!だめよ!!  6. 色褪せない瞬間  7. MOON LIGHT  8. 風が吹く丘  9. 漂流者(真矢with椎名へきる)  10. Graduater  11. 抱きしめて  12. この世で一番大切なもの  13. Everlasting Train−終わりなき旅人−  14. −赤い華− You're gonna change to the flower  15. BESIDE YOU
[DISC 2]
1. NEVER NEVER  2. 夕暮れのジョギング  3. 星空のシャワー  4. キメてみせてよ Get Back!  5. やさしいひとになりましょう  6. あなたがくれたもの  7. 届けたい想い  8. Phoenix  9. 246  10. 晴れのち I Miss You  11. Just my love  12. ガンバレ  13. The Rain  14. いつまでも・・・  15. BESIDE YOU (Version U)   16. BESIDE YOU (Live arrangement version)
[DISC 3]
1. せつない笑顔 (オリジナル・カラオケ)  2. ラッキーDAY (オリジナル・カラオケ)  3. 目を覚ませ、男なら (オリジナル・カラオケ)  4. 空をあきらめない (オリジナル・カラオケ)  5. だめよ!だめよ!だめよ!! (オリジナル・カラオケ)  6. 色褪せない瞬間 (オリジナル・カラオケ)  7. MOON LIGHT (オリジナル・カラオケ)  8. 風が吹く丘 (オリジナル・カラオケ)  9. 漂流者 original karaoke へきるヴァージョン  10. Graduater (オリジナル・カラオケ)  11. 抱きしめて (Instrumental version)  12. この世で一番大切なもの (Instrumental version)  13. Everlasting Train−終わりなき旅人− (Instrumental Version)  14. −赤い華− You're gonna change to the flower (Instrumental Version)  15. BESIDE YOU (Backtracks)  16. 漂流者 original karaoke 真矢ヴァージョン
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
1995年の1stシングルから2000年までにリリースしたシングル曲集を1枚、カップリング曲集を1枚、シングルのインスト集を1枚の計3枚組ベストアルバム。この時はもうランティス移籍後ということもあり、新曲はナシ。2000年までということで14th「BESIDE YOU」までしか入っていないので、カップリング収集目的だと「b-side you」とは上位互換だけど9割被っているし、シングル目的だったら「Best!」の方が曲数多いし、はっきり言って出す意味あったのかなーという。
これを出した理由は、この時期に2000年までの曲だけで構成されたライブツアーをやったので、それに便乗して出してみたということなのでしょうけど…。ソニーから新装ベスト出すなら、ソニー時代のA面B面全曲合わせたコンプリートベストだったらありがたかったんですけどね。
 
椎名へきる入門として選ぶベストにしても、全盛期はぎりぎりカバーできますが木根さんプロデュースの時期が一切無いのでちょっと微妙。「Jungle Life」「眠れる森」「MOTTOスイーツ」とかが無いと入門としては、ねぇ。
 
このベストのいいところは、LUNA SEA真矢さんとのデュエット企画モノ「漂流者」が入っているところと、リマスタリングで音がよくなってる気がするというところと、カタログ落ちしないで残ってくれればいいなというところ、ですかね。「Best!」と比べると、ジャケはきちんと本人写真が使われてるし。あとインスト好きな人にはいいかも。
椎名へきるの新アイテムが出るというだけでもファンとしてはありがたい、と思っておかないとね。(損しないくらいには売れる見込みがあるから出るわけだろうし…)


2016.12.21 お気に入り度:★6
1. yours  2. glow  3. fix  4. madder  5. longing  6. grief  7. bitter  8. drop  9. morning haze  10. depth  11. crack  12. in the rain (English ver.)  13. ruth
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
ボカロPであるkeenoさんの作品に、ゲストボーカリストとしてJILLE・lasah・椎名へきるが参加した作品。へきる姉さんがボーカルを取っているのは2,5,8,11曲目と、全員参加の13曲目。
ボカロPの作品ということで、やたらインパクトのあるメロディだったり、やたら言葉詰め込みだったり、やたらテンポが早かったり、やたらキーが高かったり・・・・・・ということはなく、いい意味で意外と普通。サウンド的にもわりとオーソドックスなポップスで、独特のセンチメンタリズムが心地いい曲が並んでいます。
それでも、やっぱりボカロPの曲ってボーカロイドが歌うのを前提としているからか、曲はいいんだけど歌いにくいメロディが多い気が。「longing」とかは特に。いや、もともとボカロ向けの曲だからそれが当たり前なのか。だから、特に楽曲と関連のない へきる姉さんがこれを歌うの?という思いはちょっと拭えないところもあったりする。歌唱力でなぎ倒したり器用さを売りにするタイプの歌手ではないしなぁ、へきる姉さん。案の定Amazonのレビューでは酷評の嵐。
 
とか書きつつ、「drop」なんかは結構好きだったりするのですが。アンビエントな雰囲気で進行しつつ、サビかと思ったらそこはBメロで、そこからどんどん盛り上がっていく感じが好き。
それに新たなチャレンジでへきる姉さんの歌声が聞けるのは新鮮で、悪くないです。
 
それにしても、こうやって他のボーカリストと並んだ作品を聞くと、へきる姉さんの声質がいかに特徴的かってのがよくわかるね。声のトーンがすごい上の方にあるというか。だから、ハードなロックを歌ってもボーカルが埋もれずに聞きやすいのかな(と同時に、歌がうまいとは思われにくい原因でもある気もする)。

椎名へきる全アルバム感想④「Rockin' for Love」「Rock Rose」「for you」「Ermitage」

2020年04月20日 18時28分24秒 | 感想・レビュー(アルバム)
13th〜いまのところ最新作となる16thまで。木根さんプロデュースによるソニー時代ラスト作から、ランティスに移籍しての3枚です。この時期もなかなか攻めていて、いい曲多いのですよ(自分がリアルタイムでファンになった時期だからそう思うというのもあるかもですけど…)。


2007.02.21 お気に入り度:★10
1. Eternal Circle  2. WONDER☆RIDER  3. Power Of Love   4. Reborn ~女は生まれ変わる~  5. Starry Night!  6. Again -腕の中へ-  7. ラブリ♡タイム  8. Driving to Summer  9. September RAIN  10. HOWLING  11. BRAND NEW GAME
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
木根尚登さんプロデュース最終作。…なのに木根さん作曲曲がないのが残念ではありますが、それは置いておいて。
バラード一切なし、気合で突っ走る13枚目のアルバム。女性歌手って年を重ねるごとにバラードに傾倒していく人が多い中、潔くバラード無しで攻めるこの姿勢はとてもへきる姉さんらしいなと。さらに今回は、これまではバリエーションとして1~2曲くらいだったハードロック傾向がいつもより多めに取り入れていてそれがすごくナイスなのです。疾走HR「HOWLING」、勢いたっぷりでギターがカッコいい「Starry Night!」、ハードなサウンドにメロディアスなサビが特徴の「Again-腕の中で-」、アルバム中いちばんハードな「September Rain」あたりがキモ。
 
いつものポップスロック路線ももちろん手ぬかりなく、DAITAさん作のアッパーチューン「Power Of Love」「Reborn」はへきる姉さんと相性ばっちりだし、ライブの定番「Eternal Circle」「Driving to Summer」「WONDER☆RIDER」などなどパワフルな曲が勢ぞろい。ラストの「BRAND NEW GAME」の前向きミディアムロックでシメる構成もナイス。バラード一切なしでサウンド的にはロックで統一にもかかわらず、"似たような曲ばかり"という印象になっていないのが強いです、本当に。
結果的にソニーレコードから出すアルバムとしては最後のオリアルですが、末期感なしのパワーあふれる仕上がり。ジャケもいいしイチオシのアルバムです。
 
「Starry Night!」「Again-腕の中へ-」「Driving to Summer」という今作の核となる3曲を作曲・編曲したのが真崎修さん。真崎さんはランティス移籍後も椎名へきるサウンドの要として大活躍してくれます。
 
 
 
2009.08.12 お気に入り度:★8.5
1. Unknown colors  2. Over Drive  3. 真夏の夜のスキマ  4. Reincarnation  5. Sunday Punch  6. HEY! ハレルヤ  7. REVERSE  8. I don't care  9. NO! brain's strike  10. 粉雪
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
前作リリース後は手抜きジャケのベストアルバムを出したっきりで、ラジオや舞台やライブなどはあるもののCDリリースがない状態がしばらく続き、ひょっとしたらこれは歌うけどCDは出さない感じになるのかな…とあきらめかけていた時に舞い込んできたニュース、Lantis移籍・2年半ぶりの新作リリース決定!
 
というわけでまさに"ファン待望の新作"となった今作は、シングル無しで全曲新曲のポップスロック集。
ソニーから離れたのでさすがに木根さんプロデュースではないしDAITAさんも不参加ですが、前作で大活躍だった真崎修さん・宮崎歩さん、バンドメンバーの木村建さんは引き続き参加。基本的には前作の延長線上の作風でありつつ、それに加えて畑亜紀さん・鈴木マサキさん・田代智一さん等Lantis系歌手でよく見かける作家さんの名前もあって新しい風も取り入れた作品。
 
1曲目、久しぶりのへきる姉さん作曲「Unknown Colors」からしてもう待ち望んだへきるロック。イントロからもうこれだよ、これ!という感じ。伸びやかなメロディとへきる姉さんの声の相性もばっちし。
他、畑亜貴さん作詞の独特の語感が楽しめる「真夏の夜のスキマ」「NO!brain's strike」も面白いし、ライブ向けな「Sunday Punch」〜「HEY!ハレルヤ」の並びもへきる姉さんらしい。
"ハレ晴レユカイと同じ作曲者・編曲者による曲"という事前情報での予想を完全に裏切る、疾走するダークロック「Reincarnation」が一番好き。あと木村建さん作編曲のハードなサウンドとへきるボーカルのマッチングがやっぱりナイスな「REVERSE」もいい。
ラストの「粉雪」だけバラード。ちょっとV系っぽい絶唱する曲なので、結局今回も穏やかな曲はゼロw その辺もへきる姉さんらしいかな。
 
個人的にはあと1曲ヒキの強い曲があれば完璧だったかなーとは思いつつ、一度は歌手活動終了も覚悟していたのに 移籍第一弾でここまできちんと充実したへきるロック作品が聞けたってのがすごくうれしかった。
 
ちなみに当時の自分の感想はここで書いてます。当時とそんなに意見変わってないかな。
ランティス移籍後の作品って、配信/サブスクはiTunes/Apple Musicくらいしか解禁していないのですが、このアルバムだけ配信もサブスクも無いのは謎。


2010.12.22 お気に入り度:★8
1. 明日になれば (ALBUM ver.)  2. Let Me Say YEAH!!!!  3. 恋のリズム  4. 長い夢  5. 君と見る景色  6. Shining Star  7. Short Girl  8. マイ・ストーリー (Honey MIX)  9. Never  10. FIGHTING BOY  11. KIRA☆KIRA☆Party Girl!!  12. レスキューミー! (KIRA☆MIX)  13. our story
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
Rock2部作を経て少し方向転換? いつものへきるロックだけに拘らず他のもちょっとやってみたよ、という感じの作品。
「Shining Star」なんて初期を思い起こさせるド直球ポップスだし(間奏にギターソロが入らないなんて珍しい!)、しゃれおつなジャズテイストを取り入れた「Short Girl」とかもあるし、ヘビメタテイストな疾走感ある「Never」もいつもならもっとバンドっぽいのに今回は打ち込み音色が目立っているし、「明日になれば」はアルバムバージョンでさらにライトになってロック要素は調味料みたいな感じだし、シングル「長い夢」やリードトラック「our story」は超久しぶりの穏やかバラードだし、「Let me say YEAH!!」はいつものへきるロックより勢い重視だし、「KIRA★KIRA★Party Girl!」はガールズパーティロックでそういえばこういうのへきる姉さん無かったし・・・という感じで、ある種”復帰作”だった前作ではまだチャレンジできなかったこと、やれることをもう少し広げてみようとしたのかなーと。
で、そのチャレンジがどれもいい方向に転がっているのよね。5thアルバムでへきるロックを確立して10年以上なので、新しい風がどれもいい感じに新鮮に吹いているというか。
いつものだけにとどまらないぞっていう意気込みを感じるアルバム。

とはいえ、いつものへきるロックも半分くらいあるので 良くも悪くもちょっとごった煮的。曲はいいんだけどなんかアルバムとしてはなー、統一感ないかなー、と思ったところで、次回作。

ちなみに「明日になれば」はシングルバージョンのほうが爽やかへきるロックで好きです。
 

2013.05.22 お気に入り度:★9.5
1.Miracle Blue  2.Trust  3.Guilty  4.クリスタルエイジ  5.いざ!You Can  6.セ・ツ・ナ (Album Mix)  7.星空のシャワー  8.together  9.Wonderful Days (Brand New Ver.)  10.Truth, My Melody (U-MA Ver.)  11.1番星~君のいない夜に~(Album Special Ver.)  12.ラッキーラ★  13.いざ!You Can (Virtual TV MIX Ver.)
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
というわけで、さらにいろいろやってみた。いつものへきるロックは「Miracle Blue」「Truth,My Melody」のみ。それ以外は多種多様な楽曲が揃ってます。
正統派前向きポップス「Trust」、アニソンらしい壮大ゴシック感のある「Guilty」、90年代的なデジタル感とインパクトあるメロディの「クリスタルエイジ」、哀愁ラテン歌謡「セ・ツ・ナ」、シャッフルリズムの軽快クリスマスロックだった「wonderful days」はアルバムバージョンでPOPになり、96年リリースのバラードをセルフカバーした「星空のシャワー」はオリジナルよりキーが上がっていてさらに味わい深く。「1番星」はへきる姉さんの声に焦点をあてたシンプルなバラード。本編ラストの「ラッキーラ★」はコーラスを大きく取り入れた大団円アップチューン。ライブのラストにふさわしいイメージの曲。
そして極め付けは80年代アイドル歌謡ロック「いざ!You Can」!ボートラの「Virtual TV Live Ver.」では80年代アイドル親衛隊風の掛け声入りという手の込みようw イメージは中森明菜だそうですが個人的には工藤静香っぽく聞こえるかな。
 
いろいろやってて散漫ではあるんですが、どれも出来がいいのでマイナスの印象はなく、バリエーション豊か。いい感じです。あとは、これだけキャリアがあると、何を歌ってもへきる姉さんが歌えば椎名へきるの曲になるなと。
 
そしてさらに、いつものへきるロック2曲もランティス移籍後最高傑作なんだなこれが。爽快でへきる姉さんの伸びやかな歌声を最大限に生かしたポップロック「Miracle Blue」は本当に決定打的な1曲。「Truth,My Melody」はライブ向けの曲。これまでのライブ向け曲ってライブ化けを想定して作ってる(すごく悪く言うとCDだと少し迫力が足りない)曲もありましたが、今回はライブの勢いをそのままCDに持ってきた感じで非常にイイです。
 
というわけで、末期感なしのパワーあふれる仕上がりなのですが、何故かこれがランティスからは最後のリリースに。なんでだー。



このあとはワーナーに移籍してシングルを出したり、25周年記念でCDを出したり(自主制作?だけど名曲!)しつつ、ライブは継続していますが、アルバムのリリースはなし。なかなか難しいのかなぁ。
最近やっているマンスリーアコースティックライブの経験を活かしたアルバムとか聞いてみたいんだけどな。セルフカバーアルバムとかも良さそうだし。
 
とはいえ、オリジナルのフルアルバム16枚出したってのは本当にすごいと思う。なかなかこの枚数出せる人はいないよ。
 
へきる姉さんの歌手活動に乾杯。

椎名へきる全アルバム感想③「Sadistic Pink」「10 Carat」「Wings of Time」「Clear Sky」

2020年04月19日 14時07分57秒 | 感想・レビュー(アルバム)
9th〜12thまで。木根さんプロデュースでやっている頃です。この時期は全盛期を終えてはいましたが、人気激減ってほどではなく武道館公演もやれていたりしたようです。


2002.03.13 お気に入り度:★9.5
1. DREAM THEATER  2. 眠れる森  3. 無邪気な朝と無慈悲な夜に  4. あしたは消えない  5. 嵐のち晴れ  6. Precious things  7. Jungle Life  8. 君の強さ  9. Sadistic Pink  10. Future Star  11. Hello & Good-bye
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
TM NETWORK木根尚登さんをプロデューサーに迎えて、シングル4ヶ月連続リリースを決行した後に出されたアルバム。
木根さんプロデュースなだけあってか、純粋にメロディーがいいのが揃っているのが特徴の今作。シングル4作「Jungle Life」「嵐のち晴れ」「眠れる森」「あしたは消えない」はもちろん、アルバム曲でも「君の強さ」「Future Star」などシングルに切れるレベルの楽曲があったり、導入部的な役割の「DREAM THEATER」もめっちゃ期待を持たせてくれる感じでいいし、異色作なタイトルだけどシリアスな歌詞と曲のマッチングが秀逸な「無邪気な朝と無慈悲な夜に」、ライブ向けの楽曲「Sadistic Pink」まで用意していて、手抜かりなし。
シングルではアッパーな「眠れる森」「Jungle Life」が共に強く、アルバムの中核を担ってます。特にドラマティックな木根メロが秀逸な「眠れる森」はライブ向けっぽい感じがないにもかかわらずライブでよく演奏される曲。
ラストの「Hello & Good-bye」は、初期水樹奈々のシングルを作っていた住吉中さん作曲の しんみりとした名バラード。住吉さん以外にも作詞で小室みつ子さんがいたりと、へきる姉さんにしては意外な作家さんもいますがみなさん実にいい仕事をしていらっしゃいます。
作家でいうともうひとつ、今でもバンドメンバーとして大活躍の木村建さんがここで初登場。以後のアルバム全てで、ギタープレイヤーとしてだけでなくキーポイントとなる曲を提供してくれます。
 
ロック要素は5thアルバム以降で比べると若干控えめといえばそうですが、「君の強さ」の妙にギターが効いたイントロとかあるし、アルバムの着地点としては強めのポップスロックに仕上がっているので、これまでの流れであまり違和感なく聞けるかなと。
 
木根さんとはこれ以降ソニー離脱までずっとお付き合いすることに。
 
ちなみに今作と前作の間に「愛のカタチ」という明石昌夫さんサウンドプロデュースのシングルも出していますが雰囲気が全然違うので収録されていないのです。カップリング含めてとっても爽やかビーイングちっくで明石さんサウンド全開の良シングルなので、ビーイング好きな人はそっちも要チェック(カップリングはベスト含めアルバム未収録)。


2003.03.12 お気に入り度:★8.5
1. RESET  2. MOTTOスイーツ  3. SNOW fall  4. ROCK STAR  5. Anniversary  6. LOVE TOMORROW  7. feel for you, beat for me  8. pure ~いつか、きっと~  9. Red  10. believe
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
10枚目のアルバムで、10曲入りなので「10 Carat」。前作に続いて木根さんプロデュース。
00年代へきるロックがここで確立した感じ。軽快ポップスロックがメインでありつつ、前作で足りなかったヘヴィな一面もバランスよく見せてくれています。シングル曲もアルバム曲も充実した出来栄え。
 
軽快ポップスロックなのが、冒頭の爽やか春ソング「RESET」(作詞が森雪之丞さん!で、作曲DAITAさん)、歌詞のインパクトが大すぎるダンスロックチューン「MOTTOスイーツ」、夏らしさ全開の「LOVE TOMMOROW」、洋楽テイストの爽やかな「feel for you, beat for me」。この辺はもはやお手の物といった感じ。
 
ヘヴィな曲たちがやっぱりこのアルバムのキモ。一番ハードでへきる姉さんが好きそうなのが「ROCK STAR」。1分超のオルガンソロイントロが印象的な「Red」は木根さん曲をアレンジで疾走ロックに仕立て上げていて、これもいいカンジ(ドラムはSHOW-YAの角田美喜さん)。木村建さん作編曲の「SNOW fall」はメロディックロックバラードといった趣で、アルバム曲ながら20周年ライブでも披露されるくらいの名曲。ドラムはLUNA SEA真矢さんが久しぶりに叩いてくれております。そしてラストの「believe」ね。重めの言葉とサウンドでありつつ、きちんと前を向いてて希望の光が差してくる感のある ラストにふさわしい楽曲。
 
合間に置かれている「Anniversary」「pure」のバラード2曲は箸休め的なポジションですが、それにしてはどっちも良曲で本当に捨て曲なし。
タイトルに恥じない、珠玉の10曲が入っているアルバムになっているなと思います。

 
2004.04.07 お気に入り度:★9
1. Jumping Slash  2. 電撃ジャップ  3. 青い人魚  4. Color  5. レヴェランス  6. Little by Little  7. Always  8. Wings of Time  9. スタンバイ!  10. PROUD OF YOU
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
タイトルがナイスな11枚目。木根さんプロデュース第3弾。
ポップスロックを軸にしつつ、浅倉大介サウンドの曲があったり、ストリングスが絡んだファンタジックロックがあったり、ライブ向け楽曲があったりとバリエーション増やしてみつつ、なんといっても曲が純粋にいいのが揃ってる。
冒頭の「電撃ジャップ」「Jumping Slash!」、そして「スタンバイ!」はライブ定番のアップテンポ。久しぶりの本人作曲「Color」も声の伸びを活かしたナイスなポップロック。「レヴェランス」は編曲が浅倉大介さんのデジタルチューン。作曲は木根さんですが、メロディー含めて浅倉大介さんっぽい曲で へきる姉さん的には異色作ですが非常にいいアクセントになってます。
「青い人魚」と「Always」はどちらもクライマックスといえるドラマティックなアップテンポナンバー。ラストは大陸的スケールの大きさをも感じるバラード「PROUD OF YOU」で壮大にクローズ。アウトロの余韻がいいですほんと。
 
アルバム曲も充実している割にアルバムタイトルを冠した曲が一番印象が薄いのと、もうちょい全体的に重めの音でもよかったような、というのはあるけど 全体的にはタイトル通りの爽快感あふれるアルバム。
 
この時期カップリングもよくて、「Rolling Lonely Diamond」(スタンバイ! C/W)、「ファンタジア」(レヴェランス C/W)はファンなら絶対おさえておきたい爽快アッパーチューン。アルバム未収録なうえに、だんだん売れなくなってきた時期なので探すの大変ですが(っても、今ならAmazonで簡単に手に入るか)。レーベルゲートCDだし。
 
「スタンバイ!」は20周年ライブのWアンコールで歌われたのですが、「年をとっても いつまでも」というラスサビ直前の歌詞がすごいグッと重みをもっていて、よかったなぁ。


2005.06.22 お気に入り度:★8
1. 熱風  2. Clear Sky  3. BLACK MONEY  4. 幻想の雪  5. このまま  6. あなたがいるから  7. Happy Birthday ~愛のランナー~  8. ロックンロール・ラヴレター  9. 旅立ちの唄  10. ラヴ・ジェット・コースター  11. メモリーズ
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
繊細木根メロをへきるロックに仕上げた「熱風」、爽快青春ロック「旅立ちの唄」、クリスマスソングだけど痛快ロックな「ラヴ・ジェット・コースター」、木根さんがランニング中にメロディを思い浮かんだという「Happy Bitrhday~愛のランナー~」 などのポップスロック路線をメインにしつつ、「BLACK MONEY」「幻想の雪」のようなハードロックも入れて、合間にバラードも挟んで・・・と、曲自体は前作・前々作の延長線上にあって悪くないというかむしろ好きだし、きちんとバランスよく作られているのですけど、若干マンネリ感もあるような・・・というアルバム。木根さんプロデュースで4枚目ですが、さすがにそろそろネタ切れっぽい雰囲気も無きにしも非ずかなーなんて。(と、思いきや次回作で逆転サヨナラホームランになるわけですが)
 
そんな中、バラードの「このまま」「あなたがいるから」「メモリーズ」がこのアルバムならではのテイストで光ってる。特にDAITAさん作曲の「あなたがいるから」がスバラシイ。へきる姉さんの広がりある声だから映える繊細なメロディー。ロッカバラードな「このまま」は、メロディ的には声を張り上げて歌いそうなところをあえて丁寧に歌っていて、新鮮。シンプルなメロディーラインにへきる姉さんのファンへのメッセージがこめられた「メモリーズ」も必聴。(ただ、アルバム3作連続で最後の曲が既発シングルのバラード曲ってパターンなのは少し残念かも?)
 
アップテンポでは「旅立ちの唄」がストレート直球青春ロックで勢いあってイチオシ(PVもいいんだけどソフト化されていないんだよなぁ)。「幻想の雪」はnishi-kenさんの作曲家デビュー初期の作品。冬バラードみたいなタイトルですが曲自体はちょっとビジュアル系っぽさもある疾走HRでこれもナイス。

椎名へきる全アルバム感想②「Baby blue eyes」「Face to Face」「RIGHT BESIDE YOU」「PRECIOUS GARDEN」

2020年04月18日 16時57分37秒 | 感想・レビュー(アルバム)
5th〜8thまで。ロックに目覚めて本領発揮して、色々チャレンジしている頃ですね。
この辺の全盛期に、自分の進みたい方向性を見つけて実現できる環境にいて、そこで大きな成果を得たのが、へきる姉さんの息の長い歌手活動につながっていると思う。

1998.02.01 お気に入り度:★9
1. 風が吹く丘  2. Distance  3. 風の行方  4. 届けたい想い (Remix Version)  5. あなたの名前  6. それっていいね  7. 誰のせいでもない  8. 246  9. 純  10. Graduater  11. Infinity
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
へきるロック、ここに確立。へきる史の中では最も重要なアルバム。ロックファンが唸るほどのトラックがおさめられているわけではないし(むしろどっちかというとポップス寄り)、歌がものすごく上手くなったわけでもないけれど、これまでのアイドルポップス感を大幅に払拭、さらには90年代前半ガールポップ感もけっこう払拭してポップスロックで統一、そしてそれがへきるボーカルとナイスな化学変化を起こしています。この、決して押しの強いわけではない声質でロックをやってくれている、その化学反応が楽しめる点だけでも個人的にはハナマルをあげたい。(まぁ、ファン以外の人からすればいろいろ意見はあるとは思いますが、ね)

前作の段階ですでにロックをやりたくて仕方なかったという へきる姉さんを満足させるロック要素も多く含みつつ(ギターの音に特にこだわっている印象)、全体的にはすごく聞きやすい仕上がりになっていて、さじ加減が絶妙。このナイスなサウンドメイキングは主に大坪稔明さん・高橋圭一さんの手腕によるもの。大坪さんは以後、ランティスに移籍するまで椎名へきるサウンドの要に。
他、編曲では亀田誠司さんの名前もあったり、演奏にはDAITAさん(ex.SIAM SHADE)も参加しています。へきる姉さん、SIAM SHADEがブレイク前から気になっていたそうで、これ以降もDAITAさんにはちょいちょいお世話になることに。
 
楽曲的にも大充実。爽やかポップ・ロック「風が吹く丘」「Graduater」、荒野の風に吹かれるイメージのシリアスロック「風の行方」、ライブの定番となったポップな人気曲「届けたい想い」もいいし、バラードの「あなたの名前」「Inifinity」もいい差し色になっているし、哀愁の出し方が絶妙に効いててかっこいい「246」「誰のせいでもない」などなど。 特に「246」は涙出るくらいの名曲。これシングルにすればよかったのに。
 
歌手としての自意識が芽生えて自分の進みたい方向性に進むことのできたへきる姉さん、気合入ってるのが歌声からもわかります。伸びとハリがでてきているというか。「Distance」のラップ?はちょっと変な方向に気合入っちゃってますがw
 
ちなみに記載はないですが、「246」はアウトロが追加されたアルバムバージョン(オリジナルは真矢with椎名へきる「漂流者」のカップリング)。この余韻がたまらないです。完成形はこっち。


1999.01.21 お気に入り度:★8.5
1. This Moment  2. fly away  3. Let me sing with soul  4. Tears  5. この世で一番大切なもの  6. あいたい  7. invisible  8. 抱きしめて  9. わからない男  10. 新しい風  11. ROLLING STONE  12. ずっと…
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
さらにロックを追求した6th。基本的な作風はそのままに、さらに進化させていった感じのアルバム。ZARDでいえば「揺れる想い」と「OH MY LOVE」の関係と一緒。前作から続投のDAITAさんは演奏だけでなく楽曲提供でも参加するようになったのに加え、新たにLUNA SEA真矢さんも演奏に参加。へきる姉さんのボーカルスタイルも多彩になり、前作からさらにロック色を強めてます。前作では「それっていいね」みたいなアイドルっぽい曲も少しだけ混じってましたがそれも消滅して、代わりにハードさをプラスしたり激しさをプラスした曲が入っております。
ただ、個人的にはちょっとポップス要素を忘れてる曲がたまーにあるのが気になって、トータルでは前作の方が好きかなぁ。「わからない男」「invisible」あたりは、ポップスリスナーにはちょっとつかみが弱い気がするし、激しいギターがかっこよく鳴り響いたりするけど トータルではそこまで重くないのでロックリスナーには軽く思われてしまいそうな気もする。
とはいえそれでも「抱きしめて」「Tears」「新しい風」「この世で一番大切なもの」「fly away」とか名曲盛りだくさんで充実した内容なのも間違いないのです。前作よりシリアスだったり切なくメロディアスな曲調に名曲が多いのが特徴。そしてその影響で「ROLLING STONE」みたいな解放感ある曲がより映えてる。
 
ジャケ写ではトレードマークだった黒髪ロングをばっさり切ったうえ、前作よりさらにロックを推し進めてアイドル声優時代のファンを振り落したにもかかわらず、オリコン週間6位と初のTOP10入り。いわゆる全盛期ってやつですな。(売り上げ的には、前2作と大差なかったりしますが)
前作・今作とアルバム2枚でへきるロックをしっかりと会得し、この後はへきるロックを軸にしつつ緩やかに音楽性を変化させていきます。


2000.03.08 お気に入り度:★7
1. REAL LOVE  2. BESIDE YOU  3. 恋  4. G線上ロマンス  5. One  6. 海になれるよ  7. my starship −夢の飛行船−  8. Thousands of stars  9. RIDE A WAVE  10. −赤い華− You're gonna change to the flower (Album Version)
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
オリコン6位を獲得した前作の後、「Everlasting train~終わりなき旅人~」「赤い華 -You're gonna change to the flower-」とシングルでも自己最大ヒットを記録して勢いに乗った・・・と思いきや、その後に出した明石昌夫サウンドプロデュースの先行シングル「BESIDE YOU」でなぜか失速、続いてリリースされたアルバムの売り上げもちょっと低迷。リアルタイムで追っていないので その理由が何なのかはっきりとはわかりませんが、後追いでアルバム聞いた範囲で想像できるのは「方向性に迷いが出たから」。シングル展開は打ち込み色が強めになり、先行シングル「BESIDE YOU」でデジロックに移行、と思いきや「BESIDE YOU」がアルバム中では異色作になってしまっていて、ほかの曲は前アルバムでやっていたようなロックでもなく、かといってすごい新機軸でもなく、なんとなく迷いが見える。
 
作家陣はほぼ一新されていて、森高千里でおなじみ斉藤英夫さん、UCO+吉見=Funtaさん、TUBE前田さん・春畑さんのPIPELINE PROJECT、メロン記念日「This is 運命」でおなじみ新堂敦士さんらが参加。前作・前々作で大活躍の大坪稔明さんやDAITAさん、上野浩司さんらの登板はナシなので、印象が結構違います。割とシンセサウンドの飾り付け音色も多かった前作までと比べると シンプルなバンドサウンドがメインの曲が多くなってる感じ。でも一通り流し聞きして印象に残るのは、アルバムでは異色作のデジタルロックサウンド「BESIDE YOU」「赤い華(Album version)」という・・・。
この辺のちぐはぐ感のせいで最初あまり聞いてなかったんですが、改めて聞いてみると アルバムを象徴する1曲がないのと 統一感がないだけで、曲自体は粒ぞろいで結構いいのよね。ライブの定番「One」もあるし、終始鳴り響くギターサウンドが爽快でナイスな「RIDE A WAVE」もいいし、「海になれるよ」「Thousands of stars」みたいなゆったり余韻をかみしめるロックバラードもへきる姉さんには珍しいけど似合ってるし。
そして何より「BESIDE YOU」は高速デジタルサウンドに速弾きギターと勢いあるメロディがかっちょいい傑作なのです。全曲この路線でアルバム1枚作って欲しかったなぁ。
 
20周年記念本のインタビューによると、このアルバム製作時はソニーレコードの人事異動の都合でディレクターが入れ代わり立ち代わりだったという主旨のことを話していて、作風に統一感がない理由がわかってスッキリしましたw
・・・・けど、よくよく考えると、つまり、前作までにあった登り調子の全盛期がソニーレコードの人事異動の都合で終わってしまったとも、考えられるわけで。展開次第ではもうちょいうまくやれた気もするので、ちょっともったいなかったかもね。
 

2001.02.07 お気に入り度:★9
1. be yourself  2. discovery  3. Love Graduation  4. live to love -もう少し早く逢えたなら-  5. Still  6. あなたも知らない恋の果てに  7. 裸のプリンセスマーメイド  8. MOON  9. Dive into you  10. Chance!  11. 大切なページ
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
作風バラバラだった前作を反省して、狙いをきちんと定めて作ったアルバムがこれ。前作ではスポット参戦だった明石昌夫さんがサウンドプロデューサーとしてアルバムに全面参戦。そしてなんといっても注目は椎名へきる作曲6曲収録。それでいて傑作ときてるんだから、まぁ驚き。
サウンドとしては随所でエレキギターと音量大き目ドラムがずっしり鳴り響くロック、だけどビーイング的なキラキラ音色を適度にまぶしているからちゃんと聞きやすいという、明石さんさすがのナイスなプロデュースワークでございます。
椎名へきる作曲曲はどれも出色の出来栄え。「discovery」1曲だけでもこのアルバム大勝利。疾走感あふれるキャッチーで素敵なロックで、これは本当シングルでも余裕でいけた曲。他にも「Dive into you」「be yourself」などの耳を惹くアップテンポから、変則メロディがクセになる「Still」や、「MOON」みたいなミスティックなバラードまで作っております。「Chance!」だけちょっと落ちるかなーという気はしますが、トータル的には初期衝動にまかせて好きなように作ったのが結果いい方向に転んでるかなと。もちろん明石昌夫さんの手腕によるところも大きいとは思いますが。
 
へきる姉さん作曲以外にも、キラキラアレンジと綺麗なメロディのマッチングが最高な失恋ミディアム「Love Graduation」、疾走ロック「live to love-もう少し早く逢えたなら-」、大団円のじんわりくるバラード「大切なページ」(イントロがT-BOLAN「Bye for now」にそっくり!)のシングルたちがしっかりと要所要所で支えてくれています。特に「Love Graduation」はホントに名曲。せつなくて胸キュンキュンする。作曲はZARD「遠い日のNostalgia」と同じ人(望月衛介さん)。
 
へきる姉さんが好きに作ったところの多いアルバムにもかかわらず、アルバムの売り上げは前作より上昇。よかったねへきる姉さん。
 
このアルバムだけこんなに作曲:椎名へきるが多い理由は、いつもならスタッフがボツにしていたへきる姉さん作成のデモを、明石さんに聞かせてみたら全部いい感じに汲み取ってくれてアレンジしてくれたから、ということのようで。 
本当はもっと明石さんサウンドプロデュースでやりたかったらしいですが、スケジュール等いろいろ都合が合わなかったようで、結局アルバムはこれ1枚のみ。
もう1枚くらいこの路線あってもよかったなぁ。

椎名へきる全アルバム感想①「Shiena」「Respiration」「No Make Girl」「with a will」

2020年04月17日 21時09分58秒 | 感想・レビュー(アルバム)
417の日記念。
 
「声優が本腰を入れて歌手活動する」というのは今では当たり前になってきましたが、その先駆者的存在であるのが椎名へきる。
林原めぐみはあれだけCDがヒットしてもライブ活動をほとんど行わず「本業は声優」というスタンスを絶対に崩さなかったのに対し、傍から見ると「声優業をおろそかにして歌手ばっかやってた人」という扱いなへきる姉さん。
当時から他にも声優しながら歌もやる人はいたけれど、へきる姉さんの場合は人気が凄かったこともあってか、歌手としての仕事がバンバン入ってきて、声優業をやる時間が取れなくなってきた、ということのようで。
本人のコメントからみると、「本当は声優と両立してやりたかったけど、そこまで器用にできないタイプだった」というのが、本当のところなのでしょう。しかし、当時はそんな本人の気持ちを伝える手段はなく、アーティスト宣言したというデマ?まで流れてしまうほどの事態になり…(この辺の真相は不明。当時のファンならご存知なのかしら)。
 
へきる姉さんの先例があるからこそ、奈々さんの歌手としての成功がある…っていうと過言かもですが、声優さんの継続的歌手活動のパイオニアであることは間違いない。
 
(とはいえ、へきる姉さん自身も1994年デビューから2014年まで定期的にCDリリースできて、今でも月イチでアコースティックライブをやれているという環境にいるから、これはこれでよかったんだよね。)
 
というわけで全アルバム感想、やりたいと思います。
ちなみにサブスクでほぼ全アルバム解禁しているんで、気になったら是非。ちなみにアルバムタイトル押すとGoogle Play Musicのページに飛びます(試聴しやすいのがGoogleだっただけ)。
 
まずは1st〜4thまで。声優アイドルとしてデビューしてから、ガールポップっぽい作品をリリースしている頃です。
 
1st album「Shiena」
1994.08.21 お気に入り度:★6.5
1. 天使は東からやってくる  2. 恋よりたいせつ  3. ガールフレンド  4. 花火  5. 月とライ麦  6. あなたとふたりで風になる  7. じん。ときた  8. トモダチのカタチ  9. すごく楽しい空になるのに  10. 夜の中
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
シングルなしでいきなりのデビューアルバム。「周りの大人にだまされてデビューした」というエピソードがある今作。これがホントかウソかはわかりませんが、とにかく椎名へきるの作品群では異色作。まず声!今でも決して迫力のある歌い方じゃないですが、この頃はもっと気が抜ける歌い方になっていて腰が砕けるw まぁ萌え声といえばそうなのかな。曲も含めて本当にアイドル。
 
でも、これはこれで割り切って聞くと結構いいかも。レコード会社はSony Musicなのですが、Sonyはもともとアイドルポップス得意だったわけで、そういう視点で見ると結構いい曲多い。着地点はおしゃれな雰囲気をまとったセンスのいいアイドルポップス。作家では90年代松田聖子を支えた小倉良さんと、渡辺満理奈でナイスアレンジを披露していた山川恵津子さんのお二人がいい仕事してます(ちなみに松田聖子も渡辺満理奈もソニー所属のアイドル)。
 
「すごく楽しい空になるのに」「天使は東からやってくる」あたりの陽性アイドルポップスが自分のツボにはまる。バラードの「花火」も、この時期ならではの ぬめっとした声が堪能できる味わいで好きです。
 
とは言え、ファン視点で「こういう時代もあったんだねぇ」という楽しみ方が出来るって感覚であって、椎名へきるを聞こうと最初の1枚でこれを選ぶのはおすすめしませんw


1995.04.01 お気に入り度:★6.5
1. 空想メトロ  2. 攻撃は最大の防御  3. 2センチのせつなさ  4. せつない笑顔(Night Version)  5. Kissが足りない  6. 少女爆弾  7. 優しかった人  8. 何も出来なくて  9. NEVER NEVER  10. T.R.Y.!!
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
「前作とは全く違ったアプローチで展開するオリジナル・アルバムで、へきるのアーティストパワー全開の自信作」と公式で謳われている2nd。作家陣は都志見隆・楠瀬誠士郎・太田美智彦・赤塩正樹(H2O)・工藤崇などで前作から総入れ替えになっているし、声もちょっと安定してきて腰砕けな感じは和らいでいるので、確かに1stとは違ったアプローチにはなってる。一言でいえば90年代前半あたりのガールポップっぽくなった。
 
でも、謳い文句の割にはまだアイドルっぽいかなぁ。ガールポップ風味のアイドルポップ、というか。ガールポップってアイドルポップの代わりに出てきたものでもあると思うので表現が難しいですが、なんというか、前作のアイドル萌え声みたいな腰砕け感が薄くなったぶん、中途半端になった印象がなきにしもあらず。
 
「攻撃は最大の防御」「Kissが足りない」「少女爆弾」あたりのアップナンバーは90年代前半ガールポップとしては かなりいいセンいっているし、本人初作詞バラード「何も出来なくて」はファン必聴の作品に仕上がっているんですが、なんかアルバム全体での印象が薄いのが惜しい。
 
ちなみに「少女爆弾」って今じゃNGタイトルな気がしますが、爆弾発言する少女って意味なので別に変な意味はなく、普通のポップナンバーです。念のため。


3rd album「No Make Girl」
1995.10.01 お気に入り度:★4
1. 恋のレースクィーン  2. ラッキーDAY  3. やんなっちゃう  4. ようこそハピネス  5. Best Partner  6. ラブラブでいこう  7. コドモなオトナとつきあう方法  8. 愛のてんこ盛り  9. Go Wake Up !!  10. シャラララ
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
前作から半年のペースで出された3枚目。「今回は前作を更に上回り、ロック色を強調。」と公式で謳っていますがまだまだ全然ロックっぽくはなく。
おちゃらけてみたり、謎の脱力ラップもどきを披露したり なんちゃってヘヴィメタを歌ってみたり 種とも子さんの曲を歌ってみたり…バラエティ豊かといえばそうですが、あまり後の路線とつながっていないから「とりあえずいろいろやってみました」というだけで終わっちゃったような印象。
後藤次利さん作曲による歌謡ロック風な「やんなっちゃう」、なんちゃってヘヴィメタ風の「Go Wake Up!」は後のロックに目覚めるきっかけと言えなくもないような気がするような感じかもしれないですが、うーん。

いろいろやっているんですが そこまで突き抜けた曲がないので、前作とはまた違う意味でアルバム全体の印象が薄くなっちゃってるのがなんとも。個人的には一番聞かないアルバムです…が、売り上げ的には上り調子なのよね、この辺。声優としての人気が上がってきていたのかな。



1996.12.12 お気に入り度:★7.5
1. ねえ  2. 色褪せない瞬間  3. そろそろやってみますか  4. やさしいひとになりましょう  5. 泣いちゃいなよ、いま  6. 目を覚ませ、男なら (Remix Version)  7. 気づいて!  8. スーパーガールズ Funky No.1  9. 今すぐギュッと  10. 私の未来  11. 空をあきらめない
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
オリコン20位を記録したスマッシュヒットシングル「目を覚ませ、男なら」を含む4th。
ここでロックに開眼しかけて、一気にクオリティアップしてますが まだ過渡期。シングルの「空をあきらめない」、「気づいて!」あたりが後のへきるロックにつながる路線の歌謡ロック…ではありますが、これは今回のメイン路線ではなく、バリエーションのひとつという扱い。
それよりも、今作はロック色の無いポップス「色褪せない瞬間」「やさしいひとになりましょう」、バラードの「泣いちゃいなよ、今」などなどの、ガールポップ王道路線曲のクオリティがぐんと上がっていて、聞きやすくていい意味で90年代らしいポップス作品に仕上がってます。globe「SWEET PAIN」とサビメロが半分同じな「目を覚ませ、男なら」とか、「空をあきらめない」のイントロのダサさはちょっと悪い意味で90年代らしいような気もしますがw、実際96年リリースだし、いいか。96年リリースの割には93~94年のガールポップっぽい雰囲気はありますが。

ロックに移行する前にこれまでのポップス路線を良い形で総ざらいしつつ、次への予告も含めたバランスのいいアルバム。
イチオシはJoey Carboneさん作曲のガールポップ王道励ましポップス「やさしいひとになりましょう」かな。
本人的にはこのアルバムの段階ですでに相当ロックがやりたかったらしく、次回に続く。