ろぐろぐ音楽ブログ

a-kiという人間の手による、J-POPあたりをメインに色々好き勝手書いてる適当ブログ。

アルバム感想。⇒水樹奈々「IMPACT EXCITER」

2010年08月04日 00時09分15秒 | 感想・レビュー(アルバム)


ここまで難産だったアルバム感想、久しぶりだなぁ・・・w

水樹奈々「IMPACT EXCITER」(★10点)
1. TIME TO IMPACT EXCITER(inst)   2. NEXT ARCADIA   3. ミュステリオン   4. Silent Bible   5. Young Alive!   6. SCOOP SCOPE   7. DRAGONIA   8. 夢幻   9. 夏恋模様   10. 恋の抑止力 -type EXCITER-   11. PHANTOM MINDS   12. ストロボシネマ   13. 囚われのBabel   14. アルビレオ   15. Don’t be long   16. 7月7日
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
公式サイト    全曲試聴はこちら(YouTube)

オリコン1位を獲得した前作「ULTIMATE DIAMOND」から1年1ヶ月ぶりとなるアルバム。水樹奈々音楽活動10周年を記念して、7月7日の奈々の日リリース。

前作はすごーく、攻めて攻めてアップテンポだらけ!という作風で しかも各曲完成度高し、といういろいろな意味で凄いアルバムになっていましたが、今作も作りとしては似た傾向。今作も300曲近いデモテープから選び抜いた楽曲たちで、水樹奈々自身も「攻める!をテーマに気合満点」と語っているんですが、攻めるベクトルがちょっと変わったかなーという感じ。

前作は、押して押して押して押して押す!という作風で良かったんだけれども、その反面、押していない楽曲がイマイチ、という弱点があって。惜しいなぁと思っていたら今作であっさり改善。
今作、ちゃんと「押し」と「引き」が上手く出来ていて、それでいて「引き」の楽曲もスゴク良く出来ていて。バランスが良くなったって感じ。それでも、全体的には攻めの姿勢になっている、ってのが流石かなと。

あとサウンド面でいうと、生音サウンドの曲とデジタルサウンドの曲とのバランスが取れているのも前作からの進化点。前作はデジタルサウンドの曲が「Gimmick Game」と「Astrogation」くらいしかなくて、この2曲が若干浮いていましたが、今作ではそんなこともなく、ちょうどいいバランスに仕上がっております。

各曲のパワーでいうと前作>今作、だけど、アルバムとして考えると前作<今作、かな。甲乙つけ難いです。

しかし、これだけ幅広い楽曲を歌っているのに「迷走」という感じが全くしないのが凄いなー。これは各曲のクオリティが高いってことはもちろん、演歌から始まった水樹奈々の歌がしっかりしているから、でしょうね。


というわけで、個性あふれる全16曲、全曲感想いきたいと思います。各曲タイトルクリックで試聴先へ飛んでいきますー。

1. TIME TO IMPACT EXCITER
(作曲・編曲:上松範康(Elements Garden))
アルバムのイントロダクション、そして次曲へとつながるインスト曲。

2. NEXT ARCADIA
(作詞:Hibiki 作曲・編曲:上松範康(Elements Garden))
「Tears'Night」あたりを彷彿とさせる壮大ファンタジックナンバー。上松さんが久しぶりに上松さんらしい曲を書いてくれました!6thアルバムの「Orchestral Fantasia」以来かな? これまでの上松さん曲と大きく違うのはバンドサウンドとピアノ音が目立っている所。上松さんにしてはストリングス隊もそんなに前に出てきていないし。特にこのピアノを惜しげもなく弾きまくっている感じが凄くいい!実質1曲目に相応しいインパクト大のアップテンポナンバーです。ちなみに水樹奈々史上最速のBPMだそうです。

3. ミュステリオン
(作詞・作曲:しほり 編曲:中山真斗(Elements Garden))
今作の中でも一番「攻め」の方向に振り切ったメタル調ナンバー。というか振りきりすぎです!w 「NEXT ARCADIA」に続く水樹奈々史上2番目に早いというBPMということもさることながら、しほりさんのメロディがなんだかとんでもないことになっている。このメロディ、常人には歌えないくらいの難易度じゃないだろうかw しかも最後転調するし!鬼だ!w
編曲はエレガの中山真斗さんですが、エレガっぽさが全くありませんw ロックというか、メタルとかメロスピとかそういう域に入っていますよコレはw
こんな難しくて激しい曲をアルバムリード楽曲にしたのも「攻め」の姿勢を崩さない水樹奈々らしいです。普通なら「NEXT ARCADIA」がリード曲だよなぁw

4. Silent Bible

(作詞:水樹奈々 作曲:母里治樹(Elements Garden) 編曲:菊田大介(Elements Garden))
22ndシングル。ここまで名曲で押しまくる感覚は凄いなぁ。詳しくはシングル感想の時に書いたのでそちらを見ていただけるといいかなと思います。「ETERNAL BLAZE」から続いているファンタジックデジタルポップ路線の究極とも言える楽曲。

5. Young Alive!
(作詞:水樹奈々 作曲:三宅博文 編曲:藤田淳平(Elements Garden))
シリアスめな楽曲が続いたので、ここで陽性ポップロックナンバーをドロップ。サビの終わり方にフックが効いていていい感じ。メロはポップで軽快なんですが終始ギターが効いたアレンジなんで結構ロックな感じもあったりで面白いです。
そしてさらに面白いのが歌詞。Aメロの歌詞が「無理難題 多岐亡羊(>_<) 規矩準縄 旗幟鮮明」なんてことになってますw どうもタイアップ先の方から「歌詞に故事成語を使って欲しい」というオファーがあったらしく、水樹奈々は必死で辞書を見て、メロディとのかみ合わせがいいものを選んでいって、それでいて小難しくならないように顔文字を入れたり・・・とかなり作詞には苦労した模様(笑)。でもそれだけあって、故事成語を使っているのに重苦しくなくって 語呂がいい歌詞になっていると思います。

6. SCOOP SCOPE

(作詞:ゆうまお 作曲・編曲:齋藤真也)
ついに水樹奈々もテクノポップにチャレンジ!という曲ですw ボーカルエフェクトはかかってないですけどね。他のテクノポップ系アーティストの楽曲と比べると、サウンドがデジタリーなんだけどソフトタッチな雰囲気なのが良いです。とにかくデジタルなサウンドとメロディ、そして軽快に歌う水樹奈々のボーカルが心地良い作品です。

歌詞に「ツイート」って単語が出てくるんですが、数年後に聞いたとき、この単語が「ポケベル」のような感覚になるのか、それとも「ケータイ」みたいに定着しているのかなー・・・なんて所が少し気になったりw

7. DRAGONIA
(作詞:Hibiki 作曲:俊龍 編曲:藤田淳平(Elements Garden))
ロック、メタル、テクノポップと どんどん新境地に挑戦する水樹奈々が次に挑んだのは、島谷ひとみ風の異国情緒あふれる、アツいナンバー。もともと水樹奈々と島谷ひとみって実は音楽的に立ち位置近いよなーと思っていましたが(最初のデビューは演歌って所も一緒だし)、今作は製作中のコードネームが「和中華」だったということもあってか、過去に島谷ひとみが得意としていた楽曲をかなーり彷彿とさせますw
二胡の音色やデジタルビートが融合したサウンドに、「生命(いのち)さえ 賭けてもいい」とか「龍が昇る光の如く…逆鱗が煌めく…」とかいうHibikiさんのトンデモ非日常な歌詞によって異国情緒っぽさがさらにプラス。そして水樹奈々の演歌仕込みの歌唱が融合した結果、島谷さん以上に異国っぽさが強調されたナンバーに仕上がっております。

水樹奈々の中でも異色の楽曲だけれども、アルバムの中で浮いたりしていないのがこのアルバムらしさ。

8. 夢幻
(作詞:水樹奈々 作曲:上松範康(Elements Garden) 編曲:藤田淳平(Elements Garden))
20thシングル。これがアニメのオープニング曲とは思えないくらいに歌謡曲っぽい香りがする、個性の強いナンバー。上松さんのやたら上下の激しいメロディに、藤田さんによる情熱的にギターが絡む素晴らしいアレンジ、そんな楽曲を艶っぽい歌唱でリスナーを魅了する水樹奈々。特にラストサビの「何もかも捨てたっていいわ」のファルセット部分の表現力といったら半端無いです。詳しくは当時のシングル感想でも語ってるので、そっちでも。

繰り返しになりますが、こんな濃い曲が浮いていないアルバムって本当凄いと思うw 

9. 夏恋模様
(作詞:藤林聖子 作曲・編曲:斎藤悠弥)
密かに個人的イチオシなのがこの楽曲。立ち位置的には「DRAGONIA」「夢幻」と続いた濃い楽曲の後に一息入れましょうという感じの優しいミディアムバラードなんですが、そういう曲でも手を抜かないのが今の水樹奈々で、このアルバムが名盤である理由でもあります。この曲、とにかくメロディアスで。サビの旋律とかがもう、ホントに素晴らしいんですよー。夏ならではの重くなりすぎない切なさと悲しさといいますか。そういった懐古的な雰囲気がとても良いです。水樹奈々の優しい歌声も◎。

水樹奈々といえば その歌唱力を生かしたアップテンポナンバーが定番になっていますが、こういう曲聞くと、しっとりしたバラード系も もっと歌ってほしいなぁって思っちゃいますね。やっぱり。

10. 恋の抑止力 -type EXCITER-
(作詞:“METALGEAR SOLID PEACE WALKER”Sound Team 作曲:本田晃弘 編曲:菊田大介(Elements Garden))
PSPゲーム『メタルギアソリッド ピースウォーカー』のキャラソンとしてリリースされた曲のセルフカバー。この曲はデジタル全開トランシーサウンド+ストリングスという菊田大介さん王道のアレンジが聴き所。まぁ、ぶっちゃけて言えば茅原さんっぽいんですけど(爆)、水樹奈々でこういうアレンジをしたのは何気に初めてですよね、菊田さん(「Chronicle~」は菊田さんにしてはギターが効いてたから除外で)。キャラソンから使いまわすだけあってメロディもキャッチーだし、展開も上手いし、アレンジもカッコイイしでいい感じ。

ただコレ、曲がカッコイイのに歌詞がやたら乙女ちっくなのと、あと全体的に譜割りが少し変なのが惜しい。元がキャラソンだからとはいえこの歌詞は曲とミスマッチすぎるのでは・・・w

11. PHANTOM MINDS
(作詞:水樹奈々 作曲:吉木絵里子 編曲:陶山隼)
21stシングル。ふんだんにストリングスが使用されている爽快アップテンポナンバー。このアルバムの中では一番正しくJ-POPしている曲と言えるかも。この曲もシングル感想の時にたっぷり感想書いたので、詳しくはそっちを見ていただければと。思います。

12. ストロボシネマ
(作詞:SAYURI 作曲・編曲:大西省吾)
ふわふわした清涼感が心地良いアップナンバー。優しいバイオリンの音色がイイ感じ。そしてこの曲のキモはなんといっても水樹奈々の歌唱。大人な女性の魅力が出ていると言えばいいのかなぁ。って、別にエロいとかそういうわけではなくってw、大人ならではの余裕のあるかわいさ、って感じの歌い方が新境地。
ここ数作のアルバムで いきなり歌い方が幅広くなった水樹奈々ですが、まだまだ広がりますか。既にヴォーカリストとしての魅力・能力を全開にしているけれど、可能性はまだまだ隠されていそう。そう思わせてくれた曲です。たぶん数年前の水樹奈々が歌ってたら普通のキュートポップになっていただろうなぁ。

13. 囚われのBabel
(作詞:松井五郎 作曲・編曲:藤田淳平(Elements Garden))
「SCOOP SCOPE」とはまた違う意味でデジタル全開のアップテンポナンバー。このアルバムの中では一番いい意味でアニソンっぽい。TWO-MIX的な感じとでも言えばいいのかな。デジタルビートがビシバシ効いていて、キャッチーで格好いい楽曲。サウンド的にはアルバムの中ではいちばん僕好みですw

作詞は80年代にはアイドルへの提供でおなじみだった松井五郎さん。松井さんなりにアニソンっぽい歌詞を書いているなぁと感じますが、サビ終わりの「だめ だめ だめ」って所は松井さんらしいというか、今までの水樹チームの作詞家にはないセンスですよね。Hibikiさんならファンタジックに描くだろうし、SAYURIさんならもう少し抽象的に描くだろうし。

14. アルビレオ
(作詞・作曲:水樹奈々 編曲:藤間仁(Elements Garden))
水樹奈々の作曲5作目となる楽曲。メロディは6/8拍子で、なんて言うんでしょうか、やたら大陸的なイメージというか、壮大というか、ゲーム音楽ちっくというか、叙情的なメロディになっていまして。歌詞のほうもそれに合わせて「螺旋の夜の調べ 星屑が踊る」って感じになっております。
ぶっちゃけて言うと、アレンジに助けられているというか雰囲気勝ち?という感じも少しありますが(爆)、水樹奈々自身からこういうゲームのオープニングテーマのような壮大メロディが紡ぎだされたって所が大きいかも(笑)。水樹奈々には演歌だけでなくゲーソンの血もしっかりと流れているんだということが改めて確認できたのでw

15. Don't be long
(作詞・作曲・編曲:矢吹俊郎)
21stシングルのC/W。1アルバム1矢吹さん曲。初期からのファンにはおなじみの矢吹さんによる、矢吹さんらしさ全開の矢吹ロックナンバー。矢吹さんの手によるギターソロがやたらとカックイイです。曲のデキとしては凄くいいけど、曲数多いんだしC/Wは入れなくても・・・って思ってましたが、アルバムで通して聞くとこの曲があったほうがバランスいいなと思ったりした。「アルビレオ」→「7月7日」って流れだとちょっとファンタジックでふわふわしちゃうし、最後にもう一度気を引き締める、ってイメージ。

16. 7月7日
(作詞:水樹奈々 作曲:上松美香 編曲:藤間仁(Elements Garden))
水樹奈々の親友であり、上松範康さんの妹でもあり、藤間仁さんの奥さんでもある、アルパ奏者の上松美香さんが作曲、そのメロディに水樹奈々が歌詞を乗せた楽曲。とにかくやさしいメロディラインとアルパの音色、そしてオペラチックな水樹奈々の歌声。このハーモニーが美しい楽曲。レコーディングは「せーの」で一発録りという形で行われたみたいです。シンプルな中に優しさと強さがあって、心に染み渡っていくような感触。アルバムのラストに相応しい楽曲ですね。

上松美香さんはクラシック畑の人なので、ポップスとして聞くと若干メロディは地味かなぁ、という気はしますが、この曲がラストであることや、10周年の記念すべきアルバム、しかも7月7日リリースのアルバムにこの曲が収録されている、ってことが重要な気がします。存在すること自体にも意義があるというか。そんな曲。

 


・・・・・というわけで、やたらと長文になってしまった所からも察していただけると思いますがw、このアルバム、かなり素晴らしいです。前作があまりにもパワフルで振り幅の広い傑作だったので、次どうなるの?という不安があったんですがそんな心配全く不要だったみたいです(笑)。前作とはまた違うベクトルで振り幅を広げつつ、かつバランス良く進化した感じです。いやぁ参りました。前作に引き続き名盤っ!

 

・・・なんだけど、この路線(アップテンポメインで押していく作風)いつまで続けるの?という思いも少しあったりする。あと数作はこの路線で大丈夫だとしても、このまま続け続けてもマンネリになりそうなんだよなぁ。そこが不安。

個人的には、アコースティックリアレンジアルバム(ELTのACOUSTIC:LATTEのようなの)とか、出してくれたらいいなと思うんですけど、どうでしょ。


アルバム感想。⇒GIRL NEXT DOOR「NEXT FUTURE」

2010年04月05日 01時38分00秒 | 感想・レビュー(アルバム)

ちょっと今更感漂う感じではありますが(汗)、ガルネクの2ndアルバムの感想いきますー。
・・・実はコレ、8割ほど書いてそのままにしてしまってました(爆)

GIRL NEXT DOOR「NEXT FUTURE」(★9点)
1. Jump   2. Infinity   3. Winter Crystal   4. 空へ   5. Tri△ngle   6. Seeds of dream   7. Artemis(INST)   8. Orion   9. 無防備な純愛   10. 涼風薫花(INST)   11. sa・ku・ra   12. Be your wings   13. 恋の魔法   14. FRIENDSHIP
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
公式サイト

GIRL NEXT DOORの2ndアルバム。鈴木大輔さんのキャッチーなメロディと千紗さんのまっすぐなボーカル、という構図はファーストアルバムの「GIRL NEXT DOOR」と変わらず、相変わらずキャッチーなJ-POP好きな人でエイベックス嫌いじゃないなら是非・・・という感じではあるのですが、アルバムとしての感触は1stと結構違います。

今回のポイントは大きく数えて2つ。

まずこれは本人達もインタビューでよく言っているのですが、曲の幅が広がったのがひとつ。1stはバラード以外は全部キャッチーなダンスポップで悪く言うと金太郎飴状態だったのが、今作では王道のダンスポップはもちろんのこと、生ドラムを取り入れたロックテイストな曲や和風味な曲、ダンスナンバーでもかなりアグレッシブなアレンジの曲が入ったりして幅が広がりました。それでもメロディはどの曲もキャッチーなのがガルネクらしいなぁ。

そしてもうひとつ大きなポイントは千紗さんの成長。ボーカルも少し成長して芯がしっかりしてきたし、バラードでは表現力が上がっているような気がする。そして何より今回、歌詞でズッコケる場面がかなり減ったのが大きいです。まぁ、歌詞が軽いという批判を言い返せるほどではないんですけど(爆)、前作よりも言葉選びが上達しているのは確か。

というわけで軽く全曲感想、いってみます。
クレジットは歌モノは全曲「作詞:千紗&Kenn Kato 作曲:鈴木大輔 編曲:GIRL NEXT DOOR&渡辺徹」なので、省略。
PVや試聴先がある曲にはリンク付きですー。


1. Jump
1曲目はガルネク王道キャッチーナンバーでツカミは完璧。なんとなく初期ELTっぽいなーという感じもするかな。とにかく、サビのキャッチーさが抜群です。「思いっきりJump!」って所で思わずジャンプしてしまいますw 1stアルバムの1曲目「Winter Game」よりも1曲目っぽくて、良い感じ。

2. Infinity
紅白でも歌った6thシングル。これが無かったら2009年のガルネクはヤバかっただろうなぁというくらい重要な楽曲w 以前も書きましたが、とにかく「うぉーうぉっ!×3 いぇーいぇー!」に尽きる楽曲。サウンドはキラキラ煌びやかなトランスダンスサウンドで、この底抜けに明るい感じがたまらないっ。1曲目からの流れも良いです。

ちなみにどうでもいい話ではありますが、歌詞カードの表記が微妙に変わっていて、シングルでは「wow wow wow yeh!」って表記だったのが、アルバムでは「wow wow wow yea!」って表記になってます。どっちにしろ「yeah!」じゃないのねw

3. Winter Crystal
前曲とはうってかわって切なさ全開ソング。1stアルバムにあったWinter3部作の続編。1stのWinter3部作では無かった、キラキラしたクリスタルの感触がサウンドにあるのが個人的にかなりポイント!これがあるとグッと冬ソングっぽくなる気がしますね。キャッチーで切ないサビメロが印象的な楽曲です。

4. 空へ
メロディ的には1stにあった「Power of love」と同じようなタイプなんですけど、井上さんのアコギや生のバイオリンが入ったりすることによって曲全体に爽快感が生まれていて非常にいい感じ。ここまで爽やかさを前面に出した楽曲は何気にガルネク初かも。やっぱり「空」がタイトルにある曲は僕のツボに入る可能性が高いなーw ここまでの4曲の流れは完璧なほどにキャッチーで正しくJ-POPって感じで素晴らしいっ。

5. Tri△ngle
さて、ここで実験曲が1曲入りますよっと。サウンドメイキングがなんだか凄いことになってますねぇ。デジタルサウンドなんだけどシンセの使い方とかがかなり攻撃的。一歩間違えると不協和音になりそうなくらい混沌とした濃いサウンド。そんなサウンドに三角関係を描いた歌詞が上手くハマってます。個人的にはガラスの割れる効果音が好きです(笑)。こんな曲ばっかりになったらちょっと嫌ですがw、アルバムに1曲のアクセントとしてはかなりイイです。

ちなみに鈴木大輔さん曰く「レディー・ガガ風のハウスナンバー」、井上裕治さん曰く「トランスロック」だそうです。

6. Seeds of dream
4thシングル。アグレッシブなサウンドの前曲から一転、ガルネク王道のキラキラキャッチーダンスポップ。王道を突き詰めていて非常に完成度が高いなぁと。これぞ進化したavexサウンド。「冬を越えて あの日の夢が実を結ぶよ」という歌詞も含めてこれからの季節にピッタリなナンバー。

7. Artemis
次の「Orion」につながるインスト、ではありますが4分近くもあるのはちょっと長すぎなような・・・。これ1曲でなんか成立しちゃいそうな勢い。ストリングスを多用した壮大な雰囲気で、前作の「NEXT DOOR」に近い。

8. Orion
8thシングル。初のバラード系シングル。バラードっぽい雰囲気でも途中から4つ打ち効かせたりするあたりがガルネクらしさですね。非常にメロディアスかつドラマティックな楽曲。歌詞が地味にいい気がする。ガルネクの曲では一番いい。「涙の数だけ強くなるなんて 今はもうこれ以上泣きたくないよ」。

9. 無防備な純愛
ガルネク史上初の生ドラム使用楽曲で、ミディアムテンポのロック調ナンバー。生のドラムにデジタルサウンドを重ね合わせるあたりがガルネクらしさかなぁ。とはいえ、いつもの4つ打ちビートが違う質感になっているし、ガルネク的にはかなり実験した楽曲かなと。キャッチーさもこのアルバムの中では少し控えめ。

10. 涼風薫花
井上さんのアコギのみで構成されたインスト、というか次曲「sa・ku・ra」のイントロダクション。「Artemis」と違って30秒でスッキリ終わります。

11. sa・ku・ra
このアルバムでは唯一の、純粋なバラードらしいバラード。「無防備な純愛」に続き、この曲も生ドラム使用です。鈴木さんのオーダーで桜をテーマにした歌詞を書いたそうで、さらに琴の音色を入れてみたり、いろいろ頑張って和風っぽさを出そうとしていますが、ぶっちゃけメロディがそんなに和っぽくないような気が(爆)。とはいえ、普通に良メロのバラードです。雰囲気としては「Infinity」のC/Wだった「If」に近いかな。こういうメロディアスなスローバラードを聞くと、千紗さん、1stからかなり成長したよなってのと(爆)、意外といい声してるよなぁって思う。無個性ボイスとか言われやすいけれども、「Infinity」も「sa・ku・ra」もバッチリ似合うボーカルって結構貴重だと思ったりするのですよ。

12. Be your wings
シングルの中ではビミョーに影が薄かったこの曲ですが、アルバムの中ではキャッチーナンバーとしていい役割を果たしてますね。アルバムの最後に向かってラストスパート!って感じの王道デジタルアップテンポ。ちなみにこれも割と歌詞がいいかなと思ったりする。

13. 恋の魔法
ガルネク王道のデジタルサウンドで、キャッチーなナンバー。イントロは格好いいし、曲だけなら凄くイチオシなんですけど・・・・・。ええ、本作で一番、歌詞でズッコケる所です。久しぶりにやっちゃったよー千紗さん。「恋という魔法にかけられたみたいに 伝えたい思いでキレイになってゆく」って直球すぎませんかー。まぁ、確かに「見た目ばかり追えば、なにかを見失う 本当の魅力は自分の中にある」、とか、ああ確かにそうだよねーって思うんですけど、もう少しなんかオブラートに包んで欲しいというか、なんというか。女の子だったら「この歌詞めっちゃ共感!」とかになるのかなぁ?

14. FRIENDSHIP
前曲に引き続き歌詞という点では若干ズッコケる感もありますがw、まぁデビュー前からある楽曲ということもあるし、ELTの「Dear My Friend」みたいなもんだと思えばこれはこれで良し。曲の方は超キャッチーで、さらにサビ途中で転調してとにかくたたみ掛ける!って感じの楽曲。んもー素晴らしいです、僕のような90年代デジタルポップススキーにはツボすぎる楽曲なのではないかと。
ちなみにこの曲、学園祭ライブでもラストに演奏されていたし、アルバムでもラストに置かれているってことは、これからこの曲はライブの最後を飾る定番曲になっていきそうな予感。実際、かなり盛り上がりますしね、この曲。

(secret track)
「FRIENDSHIP」が終わって数分間の無音のあと、シークレットトラックで「Infinity」のバラードバージョンが収録されています。まず「Infinity」をバラードにしようという発想がスゴイw そしてお遊びではなく、本気でバラードバージョンです。アレンジはもちろんボーカルもすべて取り直し、歌詞も「ぐるぐる回る世界を」⇒「回り続ける世界を」など、バラード用に一部変更。「wow wow wow yea!」の部分もバラード化してます。いやぁ、これには驚いたわw 今まで聞いてきた「アップテンポ曲をバラードに無理矢理変えた曲」の中では群を抜いてイイですw

 

というわけで、アルバム全体のキャッチーさで言えば前作の方が上ですが、千紗さんの成長っぷりと、アルバム曲がシングルの縮小再生産になってないところ、シークレットトラックでも手を抜かないところw などを考えると、前作以上に充実した作品に仕上がっているんじゃないかなーと。思いまっす。


アルバム感想。⇒三枝夕夏 IN db「U-ka saegusa IN db Final Best」

2010年02月08日 21時29分01秒 | 感想・レビュー(アルバム)

解散宣言以降、全く更新が無かった三枝夕夏 IN db公式ブログですが、本日、やっと三枝さんによるコメントが投稿されました。

「自分で解散を決めました。」という所。信じているつもりでいるんだけど、やっぱりどこか信じ切れないのはビーイングのせいだろうなぁw

でも、09年には出す!って宣言していたオリアルはきちんと出して、ファイナルベスト、そしてファイナルツアーをもって解散。という、ちゃんとした筋道を立てて解散できたというのは本当に良かったなと。思います。

そんな三枝夕夏 IN dbのファイナルベスト感想です。


三枝夕夏 IN db「U-ka saegusa IN db Final Best」(★9.5点)
公式サイト    全曲試聴はコチラ(Musing.jp)

[DISC 1] 
1. Whenever I think of you   2. It's for you   3. Tears Go By   4. CHU☆TRUE LOVE   5. I can't see, I can't feel   6. 君と約束した優しいあの場所まで   7. 眠る君の横顔に微笑みを   8. へこんだ気持ち 溶かすキミ   9. 笑顔でいようよ   10. いつも心に太陽を   11. 飛び立てない私にあなたが翼をくれた   12. ジューンブライド~あなたしか見えない~   13. 君の愛に包まれて痛い   14. 愛のワナ   15. Fall in Love   16. Everybody Jump
[DISC 2]
1. 太陽   2. 雲に乗って   3. 明日は明日の風の中.....夢の中   4. 新しい自分へ変わるスイッチ   5. 雪どけのあの川の流れのように   6. 誰もがきっと誰かのサンタクロース   7. もう君をひとりにさせない   8. いつも素顔の私でいたい   9. 夏の終りにあなたへの手紙書きとめています   10. 青春の空   11. 吹きすさぶ風の中で   12. 飛び立てない私にあなたが翼をくれた ~2010 ver.~   13. Shocking Blue ~2010 ver.~   14. 咲き誇れ   15. 笑っちゃうね こんなにも好きで仕方ないなんて   16. 忘れないで
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲


↑の曲目リスト。最後だから出し惜しみしないで青文字つけまくった、って感じもするけど本当にお気に入りの曲ばっかりなんだもん!w


三枝夕夏 IN db,7年半の活動に終止符を打つためのファイナルベストアルバム。
シングル楽曲を時系列順で全て収録。アルバムからも2曲収録、新曲3曲、リアレンジ楽曲2曲を収録した、三枝夕夏 IN dbの歴史を辿るには一番手っ取り早いアルバムに仕上がっています。

ただ、何て言うのかなぁ・・・
同じく2枚組でリリースされたベストアルバム「三枝夕夏 IN d-best~Smile&Tears~」と比べると、なんとなくボリューム不足というか・・・。
あっちの方が三枝夕夏 IN dbらしい、バラエティに富んだ感じがするんだよなぁ。
アルバム曲の名曲「ひらり夢一夜」「Graduation」とか、ライブの定番曲「ココロが止まらない」「Shocking Blue」とか入っているし。
入門には、d-bestの方がオススメかもしれない。

まぁ、もう解散しちゃっているバンドグループに対して「入門にはこれがオススメ!」とか言ってもあんまり意味無い気もしますがw


でもこっちはこっちで、三枝夕夏 IN dbがどんな道を歩んできたのかがすごーくコンパクトに、わかりやすくまとまっていて。

ソロでR&Bポップス

バンド組んで元PAMELAH小澤正澄さん編曲のデジロックへ

ライブ向けのパンクロック路線へ(そしてGIZAからのプッシュが手薄になってくる)

三枝さん作曲曲が増え、ラップやフォークにまでチャレンジ

原点回帰の要素を含んだデジタル+バンドサウンド

この流れが凄くわかりやすい。

ただ、ライトファンからするとDISC1だけで用済みってなりそうなのが微妙なところなんですがw
DISC2の時も頑張ってるんですよ!w

アルバムタイトルは、「History of U-ka saegusa IN db +α」とかの方が、このアルバムの本質を表していて良かったような気がする。

三枝さんが望んだ解散なのか、本当はGIZAから解雇なのか、それとも他に何か理由があるのか。
真実はリスナーにはわかりませんが、とにかく、7年半。お疲れ様でした!という感じです。三枝さんの今後が幸せなものでありますように。


以下、リアレンジ曲&新曲について少しずつ。

「Shocking Blue ~2010 ver.~」
「飛び立てない私にあなたが翼をくれた ~2010 ver.~」

(共に 作詞:三枝夕夏 作曲:大野愛果 編曲:葉山たけし)
どちらも小澤正澄さんのデジロックアレンジ炸裂だった楽曲を、葉山さんのリアレンジによって、シンプルなバンドサウンドの楽曲に変身。飾りの音色もほとんど無しでシンプルなアレンジだけど、ギターやベースやドラムの音が結構でっかいのでこれはこれでいいかも。「飛び立てない~」の方が特に良いかな。
ただどっちも原曲の方がやっぱりスキです。まぁ、小澤さんファンなのでw

「咲き誇れ」
(作詞:三枝夕夏 作曲:大野愛果 編曲:徳永暁人)
徳永さんが久しぶりに編曲を担当(三枝INdbでは2ndALの「ココロが止まらない」以来)。といっても、以前から存在していた曲のようで、三枝さんはmusic freak magazineでは「この歌詞を書いていた頃、自分が嫌いで仕方ありませんでした。」って答えています。やっぱり三枝さんってそういう所あるよね。だから好きなんですけど。

で、これが名曲。一応桜ソングなんだけど、桜がどうのこうのという描写よりは「そして散りゆく運命なら いっそ君のその手の中で枯れてしまいたい」とか、そういう表現の方が多い歌詞が良い。曲の方は簡単に言うと「空飛ぶあの白い雲のように」の雰囲気を三枝さんがやってみた、というイメージかな。大野さんらしいメロディアスな曲に、徳永さんの澄んだアレンジ、三枝さんの澄んだ歌唱が見事にマッチしております。
ただ今までリリースされなかった理由もなんとなく解るような気もする。シングルにするには地味だし、ボーカルや歌詞の感触からするともうバンド形態になっていた時期だから、バンド色のないこの曲はお蔵入りになっていた・・・という感じかなと。

「笑っちゃうね こんなにも好きで仕方ないなんて」
(作詞:三枝夕夏 作曲・編曲:小澤正澄)
サビのフレーズが印象的なデジロックナンバー。サウンドもボーカルも歌詞も含めて、4thアルバムの延長線上にある曲ですね。小澤さんの手による王道デジロックです。シングル級のキャッチーな楽曲。
アレンジは三枝夕夏 IN db仕様になっているんだけれど、なんだかメロディが凄くPAMELAHっぽい。歌詞もちょっと苦しい恋愛模様を描いていることも相まって、水原さんが歌っているところが容易に想像できてしまったw

にしてもタイトル、「こんなにも好きで仕方ないなんて」で良かったと思うんだけどなぁ~w

「忘れないで」
(作詞:三枝夕夏 作曲:大野愛果 編曲:小澤正澄)
JEWELRYに作詞提供した楽曲のセルフカバー。曲としてはまぁ、ぶっちゃけると大野さんにしては割と平凡かなという気もしますがw、そんなことよりもこれは歌詞だよね。

私の心の中であの頃の みんなが生きているように
私も生きていると信じれば 強くなれる
忘れないで

このフレーズですよ。他者への作詞提供作品、しかも当時は解散なんて頭になかったであろう時期に書いた歌詞がコレってのが凄いよなぁ。まさにこの時が来ることを予想して書いたかのようなフレーズ。
本当に収まるべき場所に収まったというか、そんな感じの曲。最後の曲が明るいミディアムテンポの楽曲というのも、三枝夕夏 IN dbらしいかなと思います。オリジナルアルバムでも、バラードでしっとりと終了したのは1stフルアルバムだけですからねw


アルバム感想。⇒Superfly「Box Emotions」

2009年12月19日 22時33分11秒 | 感想・レビュー(アルバム)

2009年マイベストアルバム選出に向けて、いろいろ聴いた中での1枚。
ここ最近こってり感想(というか単に長いだけで内容のない感想?w)が多い気がしたので、今回はあっさり目でいきますw

Superfly「Box Emotions」(★7.5点)
1. Alright!!  2. How Do I Survive?  3. Searching  4. My Best Of My Life  5. 恋する瞳は美しい  6. やさしい気持ちで  7. 誕生  8. Bad Girl  9. See You  10. 春のまぼろし  11. アイデンティティの行方  12. Hanky Panky  13. 愛に抱かれて
青文字はアルバムの中でもお気に入りの楽曲
公式サイト   試聴はコチラ(アルバム特設ページ)

絶好調Superflyの2ndアルバム。シングル、タイアップ曲満載で、たぶん誰でもどこかで聞いた曲が1曲はありそうなくらいの勢いですが、それだけあって楽曲のパワーでぐぐっと聞き手を引きつけてアルバムを聞かせる感じ。『全曲シングルレベルの圧倒的クオリティ』と自ら謳うだけあって、コンポーザー多保さんの作る楽曲は基本キャッチーだし、サウンドもアメリカンロックっぽい(そういうイメージね、イメージ)バンドサウンドメインでありつつ 打ち込みを多用した楽曲もあったりして面白く、曲のパワーとパワフルな越智さんのボーカルの相乗効果でかなり強力なアルバムに仕上がっています。Superflyなかなか良いかも、って思わせてくれました。売れているのも納得、というか。
個人的にはバラード・アップテンポ関わらず、どんな曲でも押して押して押しまくる越智さんのボーカルがいまいち好きになれないんだけど(ホントにこれは個人的な好みの問題)、この作風には合っているからいいか。

ただ曲も歌唱もパターンが決まっている割にちょっと曲数が多いなぁ、という気がした。通して聞くと10曲目あたりでお腹いっぱいになるというか・・・(爆
最後の2曲くらい削っても良かったかも。

完成度は高いので、シングルで気に入ってる曲がある人は是非。


あと個人的には「やさしい気持ちで」はめざましテレビで平日の忙しい時間に聞かされまくっているので若干トラウマ・・・ってこれはどうでもいいですねw


アルバム感想。⇒「U-ka saegusa IN db IV~クリスタルな季節に魅せられて~」

2009年12月12日 18時01分36秒 | 感想・レビュー(アルバム)

なんかヘンに気合いが入った感想になってしまいました・・・w
まぁ最後だし・・・ね。

三枝夕夏 IN db「U-ka saegusa IN db IV ~クリスタルな季節に魅せられて~」(★9点)
1. クリスタルな季節に魅せられて  2. もう君をひとりにさせない  3. 雪どけのあの川の流れのように  4. 白のファンタジー  5. 悲しい雨が降り続いても  6. この世界に君がいるだけで  7. 夏の終りにあなたへの手紙書きとめています  8. precious memories  9. 誰もがきっと誰かのサンタクロース  10. ごめんね 今もまだ君を愛してるから  11. いつも素顔の私でいたい  12. ずっとずっと君の恋人でいたい
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
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先日、解散することを発表した三枝夕夏 IN dbの4thアルバムにして、最後のオリジナルアルバム。ベスト盤を間に挟んだこともあり、前作からは3年以上ぶりとなるオリジナルアルバムです。


さて、この作品。

ひとことで言うと、三枝夕夏 IN dbの歴史が詰まったアルバム。


と書くと大げさですがw

4人体制になってからの、1stから3rdまでのアルバムの内容を総括していいとこ取りした、って表現がいちばんしっくりくるかなぁ。

今まで、
1st→PAMELAHの小澤さんをメインアレンジャーに迎えてデジロック色が強く
2nd→引き続きデジロックながら、ハードロックっぽい曲がチラホラ。三枝夕夏作曲曲が登場
3rd→ロック色をさらに強め、パンクっぽいのや洋楽フォークロックっぽいサウンドの曲がいくつか。そして三枝夕夏が多くの曲の作曲を担当。「Fall in Love」「Honey」あたりは、ファンの間で物議を醸す。

という感じでアルバムを作ってきて。

んで、今作はデジロックをメインにして、ハードロックめな曲も入れて、三枝夕夏作曲の最高傑作も入って、初期っぽさもありつつ、進化しているところは進化しているな・・・というのが、僕の感想。
だから、1st(君と約束した~)の頃のファンも、3rdの無茶っぷりが好きっていうファンも、全部好きっていう僕のようなファンにもw、受け入れられやすいアルバムになっているような気がします。

ただ、三枝夕夏がインタビューで「解散を決めたからと言って、内容を変えたということはありません」と答えているように、ラストアルバムとあえて意識して作っていないから当然と言えば当然なんだけど、ラストアルバムらしくないアルバムだなぁとも思う。今までを総括している、という点ではソレっぽいけれども、ここが三枝夕夏 IN dbの最終着地点かと言われると何か違う気もするし。だから、もう少し先の展開を見たかったな・・・というのが本音。


んでは、ここからは全曲感想いきます。
PVがあるものは曲名クリックでYouTubeで視聴できるようにしてありますー。

1. クリスタルな季節に魅せられて (★9点)
(作詞:三枝夕夏 作曲・編曲:小澤正澄)
三枝夕夏 IN dbのパブリックイメージに近い・・・ってそんなパブリックなイメージは無いかw とにかく、「君と約束した優しいあの場所まで」に代表される、メロはキャッチーで、サウンドはデジロックで、詞は詰め込み気味w、という、三枝夕夏 IN db王道アップテンポナンバー。小澤さん、流石です。個人的にはサビでバーンと盛り上がるのがやっぱり好きです。1曲目としてのツカミは完璧、なナンバー。
君約の頃に比べると、三枝さんのボーカルがしっかりとしていて、そして音質が綺麗になったのが特徴・・・かな。

2. もう君をひとりにさせない (★9点)
(作詞:三枝夕夏 作曲:大野愛果 編曲:小澤正澄)
22ndシングル。引き続き、勢いのあるアップテンポナンバー。これはもう素晴らしいよねー。大野さんの流れるような勢いのあるメロディに小澤さんのダンサブルかつデジロックなアレンジ、三枝さんの軽いボーカルも軽快さに一役買っているし、良い感じ。当時のシングル感想はコチラでどうぞ。

3. 雪どけのあの川の流れのように (★9点)
(作詞・作曲:三枝夕夏 編曲:葉山たけし)
20thシングル。今作唯一の三枝夕夏自身が作曲を担当した楽曲にして、三枝夕夏作曲の最高傑作。一番の特徴は三枝さん作曲なのにメロディに破綻が無くってしっかりとした良メロに仕上がっている所でしょうか(爆)。ちゃんとシングル曲らしいキャッチーさもあるし、三枝さんらしさも失われていないし。このシングルを最後にあまり作曲を担当しなくなった三枝さんですが、これを超える作品が出来ないから、とかそういうことなのかなぁ。
サウンド的には前2曲よりデジタル色を抑えて、生のバンドサウンドっぽくなっています。「雪どけの川の流れ」をイメージさせる清涼感がイイです。サビでテンポアップするのも◎。

4. 白のファンタジー(★8.5点)
(作詞:三枝夕夏 作曲:大野愛果 編曲:池田大介)
JEWELRYに作詞提供した名曲のセルフカバー、待望の収録!・・・ですが、アレンジがちょっと惜しい。原曲との大きな違いは無いのですが、少し控えめな音色になっているんですよねぇ。もうちょっとキラキラさせて欲しかったよ池田さん。でもやっぱり感情の込め方というか、歌い方はやっぱり良いね。JEWELRYのはいかにも韓国人が頑張って日本語で歌ってます的な棒読み状態だったからなー(笑)。
ピアノの音色とメロディが美しい、切なくも暖かいウィンターバラードです。

5. 悲しい雨が降り続いても (★9点)
(作詞:三枝夕夏 作曲・編曲:小澤正澄)
小澤さんの手によるドラマチックなミディアムバラード。切ないからこそ美しく力強い、という言葉が当てはまるような・・・・そんなイメージ。何て言うのかなぁ、ダークなんだけど澄んでいるような雰囲気が良いです。歌詞もそれにあわせて「悲しい雨が降り続いても 太陽に向かい一心に咲く真冬の向日葵のように 迷わない心で」と切なくも芯の強さを感じさせるものになっています。名曲。

6. この世界に君がいるだけで (★8.5点)
(作詞:三枝夕夏 作曲:大野愛果 編曲:小澤正澄)
タイトルから想像したのは「この世界に君がいるだけで心は強くなれるんだ~」的な優しい感じだったのですが、実際は全く逆だった(笑
「飛び立てない私にあなたが翼をくれた」系のデジタルハードロックチューンに、苦しい恋愛の葛藤を描いた楽曲。
作曲は大野愛果さんですが、あまり大野さんらしくない、一筋縄ではいかないメロディ展開で意外。でもこれはこれでなかなか良いです。インパクトあるしね。三枝さんの歌詞も「君に出逢って愛し始めた瞬間から きっと私も被害者のひとり」とか、あんまり三枝さんらしくない感じ。でもこれって誰も口にはしないけど、実は誰でも思う気持ちなんじゃないかな・・・と思った。

7. 夏の終りにあなたへの手紙書きとめています (★9点)
(作詞:三枝夕夏 作曲:大野愛果 編曲:葉山たけし)
24thシングル(そしておそらくラストシングル)。切なく疾走するアップテンポナンバー。
個人的に、この曲凄いスキなんですよね。なんでだろうなぁ。上手く言えないんだけど、やっぱり雰囲気が良いからかな。「夏の終り」という季節をうまく表しているというか・・・。あ、あとちょっとZARDっぽいなとも思った。単純に、大野さん×葉山さんというZARDでもおなじみな黄金タッグが作った曲だからかもしれませんがw
当時のシングル感想はコチラで。

8. precious memories (★6.5点)
(作詞:三枝夕夏 作曲:小澤正澄 編曲:葉山たけし)
箸休め的なポジションのシンプルなバラード曲。にしても葉山さんのアレンジが若干シンプルすぎる気もしますが、箸休めという意味ではこれはこれでアリか。でもこれは小澤さんのアレンジで聞きたかった気もする。
アップテンポな曲が続いたので、次の誰誰サンタとのつなぎという意味でも、アルバムに必要な曲ですね。

9. 誰もがきっと誰かのサンタクロース (★9.5点)
(作詞:三枝夕夏 作曲:大野愛果 編曲:葉山たけし)
21stシングル。クリスマスソングの大名曲!とにかくメロディの美しさは特筆モノ。特にサビの「Merry Xmas♪」で一気に盛り上がるメロディ・アレンジ、共にGJすぎますっ。そしてCメロも大野さんらしくスバラシイです。葉山さんのアレンジもイントロからしてクリスマスらしい雰囲気たっぷりに仕上がっていて、良いです。そしてそこに三枝さんの透明感ある歌声が乗る、と。この繊細さは三枝さんならではの世界ですね。
これからの季節にピッタリの名曲。詳しくは当時のシングル感想でもどうぞ。

10.ごめんね 今もまだ君を愛してるから (★8点)
(作詞:三枝夕夏 作曲:大野愛果 編曲:葉山たけし)
タイトルからすると切ない曲かと思いきや、明るい失恋ソング。軽快なシャッフルのリズムが特徴的な楽曲。「たまに連絡なんかくれると また無駄な月日過ごしちゃうでしょ」って歌詞が可愛らしくて印象的です。最初はビミョーかなぁと思ったんだけど、何回か聞いてくるとクセになってきたw

サウンド的には洋楽フォークロックっぽいイメージもあり。なので、この後ろに1曲、「君が眠りにつくその前に」のような三枝さん作曲の曲があればなー、と思ってしまうなぁ。

11. いつも素顔の私でいたい (★8点)
(作詞:三枝夕夏 作曲:大野愛果 編曲:葉山たけし)
23rdシングル。歌詞がポイントのこの曲だけど、アルバムの中では浮いているなぁ。これだけ恋愛色ゼロの歌詞だから若干違和感が・・・次がハッピーソングだけに余計気になるw とはいえ曲自体は良いのですけれどもね。岩井さん曰く「この曲は三枝夕夏 IN dbの原点回帰」らしいです。アレンジャーが小澤さんじゃなく葉山さんだからかあまりそんなイメージ無かったけど、デジタル+バンドサウンド、って所がそう言われてみると確かに原点回帰っぽい。
当時のシングル感想はコチラ。

12. ずっとずっと君の恋人でいたい(★7.5点)
(作詞:三枝夕夏 作曲・編曲:小澤正澄)
最後はバラード・・・・ではなく、やっぱりはっちゃけ系。こういう曲でシメるのが三枝夕夏 IN dbらしいというかなんというか、三枝さんのコダワリなのかな?曲の方は小澤さんなりにパンクっぽい曲を作ってみた、という感じ。かるーいスナック菓子のような曲にあまーい歌詞が乗っかっている曲です(爆)。こういうB級(C級?w)っぽい所も三枝夕夏 IN dbらしさかなぁと思いますw

そしてラストのフレーズが「いつかは君と同じ名字になる日が来るといいな」って、やっぱり結k(ry

 


・・・さて。

こうやって、全曲の感想を書いてみて気づいたんですが。

個人的に大きく不満なところって、三枝さん作曲のアルバム曲がない、ってことだけだなぁ。

まぁもちろん、全体的に詞が詰め込みすぎだとか、バラードもう1曲くらい欲しかったとかもあるけれど、大きな不満は本当にそこだけ。
曲順も「雪どけの~」のあとに「白のファンタジー」ってどうなの?とか思ったけれど、サウンドを考えるとこの並び順で正解だし。


なんというかまぁ、元々 三枝夕夏 IN dbファンなうえにラストオリジナルアルバムということで評価がどうしても甘くなってしまいますがーw
でも本当に、三枝夕夏 IN dbらしさがちょうといいバランスで出た、良いアルバムに仕上がっているなと。そう思います。

 

 

 

・・・・で、今後いちばん心配なのは小澤正澄さんがどこで活躍するのか、というところだったりします(爆

今作でも非常にスバラシイお仕事をしている小澤さんなのですが、三枝夕夏INdb解散、愛内さんは軽いポップス路線に行ってしまい、PINC INCも愛子様も活動停止っぽい・・・となると、小澤さんの出番があまり無いような(汗
倉木さんは小澤さんの本領を発揮出来る音楽ではないし、GARNETは全部自前で出来ちゃうし。

特に三枝夕夏 IN dbではメインアレンジャー的な立ち位置だったしね、小澤さんは。そういう意味でも解散はやっぱり残念。

たとえ解散を本人たちが話し合って決めたことだとしても、素直に受け入れることは出来ないんだなぁ。リスナーってわがままだね。今回改めてそういうことを実感します。