IC-705のクーリングシステム効果について
非常に小型のトランシーバーIC-705をやっと入手しました。
ただ小型なために少し気になっているのが本体の過熱です。気になっていろいろ調べていたらFB Newsの以前の記事に試験が載っていたので私も少し改良して効果について実験したので報告します。
IC-705には温度インジケータがついていたので内部には装着できなかったが筐体の外側にサーミスターを付けて温度を測定し、インジケータと自動出力コントローラがかかるポイントを調べました。
最初見見つけた記事は2020年8月号のFBNews、テクニカルコーナーです。
http://www.fbnews.jp/202008/index.html
著者はJS3CTQ i那波浩之氏で非常にうまく作られていました。
使われていたのは30mm角のファンでしたが近所のPCパーツショップで手ごろなファンを見つけたので使いました。ポイントはIC-705 の乾電池ケースに入るもので音が静かなものです。 使用した電池ケースは記事と同じもので
です
このケースはヤフオクで入手しました。このケースの加工についてはFBNerwsを参照ください。
使ったファンはメーカーのホームページにもこのように紹介があり店では773円で販売していました。
https://www.ainex.jp/products/fan/
CFZ-4010LAですは非常に静かでほとんど音は聞こえませんでした。
主な仕様は
40mm リブあり、10mm厚
究極静音 10.3dB
回転数: 3300 rpm ±10%
定格入力: DC12V 1.20W
サイズ: 40 x 40 x 10mm
期待寿命: 60,000h (40℃)
品名: OMEGA TYPHOON
型式: CFZ-4010LA
本体との電源は共用とし、電源ジャックで本体への接続ケーブルを出して接続するように工夫しました。
電源ジャックを取り付けて隙間をホットボンドで固め、固定した。ファンが少し大きかったせいで元の記事のようにスマートにはできなかったようだ。あちこち当たるところをファンの枠に合わせてカッターナイフで削り取り合わせた。後で40mm用のファンカバーをアマゾンで購入して組み立て終了した。
出来上がりはこのようにあり、本体には全く改造なしで冷却の手助けができそうです。
本体に組み込んだらこのようになりました。
このクーラーシステムの効果を測定したくなったので記事にあった方法をまねてやってみました。
測定にために手元にあったサーミスター式温度計を筐体の温度が上がっていたところにきつく縛り付けて測定することにしました。
こんな計測もその都度記録を取るのでは間違いも発生するので今回はデジタルカメラのインターバル撮影機能を用いて1分おきに、のちに5分おきに撮影し、温度とついでに温度インジケータの目盛数をカウントしてみました。
測定時のセットはこのようにしました。
測定条件をまとめておきます。
計測条件
周波数: 7.144MHz
モード: RTTY
出力: 10W連続
接続先: 300W ダミーロード
MFJ-260C
SWR/Power計:DAIAMOND SX20C
電源: 30A安定化電源 RS-300
温度計: サーミスター式簡易温度計
メーカー型式不明
測定結果は、
このようになり、若干のクーリング効果が認められました。これにより自動的なパワーダウンまでに時間を稼ぐことができます。 さらに、インジケータ目盛の数と温度の関係は3回の実験で、このようになりました。
測定したのは内部ではなく、外部のジャケット上部だったので温度変化む実際のパワーモジュール近くと比べ、外気温度、風に影響を受けやすく、上昇速度も緩くなると考えられるので時として相関がずれているところも見受けられました。ただし、いずれの場合でもレッドゾーンのマークの始まる28本目の前後で出力制御がかかっていました。
カウントするには、このように小型のスケールを画面に張り付けていっしょに撮影を行い、写真を拡大して行うことで、カウント位置を見失う事なくて済むようになりました。この位置が38本のバーが立っているところです。つまり、レッドゾーン入り口なのです。
連続のフルパワー送信では30分くらいが限度で、ファンを付けても35分くらいだと思いますが、実際の交信では送信・受信が交互に行われるためにかなり使用できるのではないかと思っています。
今後、さらに放熱をよくする工夫を考えていこうと思っています。今ある案は、底に集めのアルミレールを取り付けて、画面を少し上向きにさせることと放熱できるようにすることです。
電池カバーを使うことで取り付けに苦労することなくファンを付けることができました。工作の興味のある方はぜひトライされてはいかがでしょうか?
Mar 2021
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