2m 6段コーリニア・アンテナの製作 (追加)
(6-elements collinear antenna for 2m band Project)
海外でもWEB上での自動翻訳を使えるように直接書き込むことにしました。
このところ医者での検査結果にちょっと心配になり、久しくブログの記事を追加できずにいましたが、その間多くの方がお寄りいただいていたことに驚いています。本当にありがとうございます。
コーリニア・アンテナの製作はほぼ1年ぶりですが以前ハムフェアーで頂戴したマニュアル(7K3DiW著 V1.10)を参考にして制作しました。
2/1λのコーリニア・アンテナはこれまで多くもOMたちによって数多く紹介されてきましたがこれまでもこのマニュアルで430MHz, 1200MHzと何本か製作してうまくいったので今回もこのマニュアルをお手本としました。
まずは必要となる材料ですが、手元には以前製作した1200MHz、430MHzのアンテナの残り材料があったので充分に製作することが可能でしたので今回は何も買い足さずにできました。
必要な材料
1 |
3D-2V同軸ケーブル |
Fujikura-Dia |
約6m |
2 |
3D-2V同軸ケーブル(給電線) |
Fujikura-Dia |
約1.5m |
3 |
1.5D-2V同軸ケーブル |
Fujikura-Dia |
約350mm |
4 |
熱収縮チューブ |
7mm 径 |
1m |
5 |
BNC-J 3 |
|
1 pc |
6 |
5mm ゴムキャップ |
|
1pc |
必要な主な材料は上の表のようなものです。
1はエレメントと位相整合部を作るもので、2はアンテナからリグに繋ぐための給電部取り出しケーブルです。これらは使い勝手と強度を考慮して3D-2Vの同軸ケーブルを用いました。3は、スタブとして用いるものでいわばコンデンサの代用として同軸ケーブルを用いましたが調整するのに細い方が、取り扱いが楽なので1.5D-2Vの同軸ケーブルを用いました。
コリニアーアンテナに用いられている同軸ケーブル(50Ω) の特性
種類 |
減衰量 @10MHz (dB/km, 20℃) |
静電容量 @1kHz (nF/km) |
耐電圧 (AC, kV, 1min) |
ケーブル外径 (mm) |
1.5D-2V |
85 |
104±5 |
0.3 |
2.9 |
3D-2V |
47 |
100±5 |
1 |
5.3 |
5D-2V |
27 |
100±4 |
1 |
7.3 |
*JIS C 3501の抜粋。波長短縮率はいずれも66±2%
同軸ケーブルはJISで標準化されているので各社ほとんど差はないと思いますがそれでも波長短縮率では±2%の誤差が許容されているために、輻射波の位相ずれによる利得の損失を避けるためにはできるだけ同一ロットのケーブルの使用をお勧めします。
6段コーリニア・アンテナの接続図
マニュアルにある寸法表
エレメント: 703mm、位相整合部: 354mm (短縮率:0.68で計算されている)
部品加工
まずは各輻射エレメントを加工します。ここで最も重要なことはエレメントの網線部分の長さを電気長できっちり1/2波長に作ることです。
ここでエレメントの長さとはエレメントの網線(外皮導体)の長さのことです。位相整合部のエレメント長さも同様です。
製作するエレメント
輻射エレメントは今回6本製作しました。それぞれのエレメントは開放端のままアンテナアナライザーに繋ぎ位相が反転する周波数でエレメントごとの製作誤差を計測しました。加工には少しコツが必要です。
私の場合次の図のように網線部分の先にPE内部絶縁物を1-2mm残して作ります。これは接続時に内部・外皮導体間でのショートを防ぐのに役立っています。さらに接合後の接続部の強度向上にも役立っているようです。
エレメントの加工
あるいはこの10mmと9mm部分をそれぞれ5mm、5mmとするとさらに接続部の強度が増しているようです。それでもエレメントの長さは網線部分の長さで決めてください。
同軸ケーブルを加工するには図のようなケーブルストリッパーを使うとFBです。
通信販売で\1,100で購入できました。 これで網線の端部がきれいに始末できると思います。
実際の加工したものがこれです。
これを製作するアンテナの段数分作成します。
先端のゴムキャップ
同じように位相整合部を上部、下部用に各1本、計2本で制作します。位相整合部のエレメントは輻射エレメントの約半分近くの長さより少し長くなります。スタブは調整しやすいように1.5D-2Vで制作しました。片側のみ外皮をはいで10mmの内部導体をむき出します。いずれの幹部もはんだでコートして置き各導線がばらけないように処理をしておきます。
全ての接続部分は熱収縮チューブで保護し、また防水を施しておきます。
先端部はむき出しにならないようにゴムのキャップを付け、さらに収縮チューブで補強しておきました。
エレメントの接続
エレメントは2本づつ接続し、ショートしていないか十分に確認して端はオープンのまま同様にアンテナアナライザーでばらつきを測定しておきます。値に多くなさが生じた場合はショートしている箇所がないかどうか確認します。
その後すべてのエレメントを1本に接続し、同様にショートしていないか、またははんだ接続が十分かどうかを確認します。
私は屋外に持ち出す前にあらかじめ木の床の上でアンテナアナライザーを使ってアンテナの出来具合を調べておきます。
接続部分は写真のようにはんだ付け後熱収縮チューブで固定します。
今回は6段を作るので2段ずつの組が3組できます。
充分にチェックした後1本のアンテナにすべての輻射エレメントをはんだ付けします。
上端と下端に位相整合部を動揺にはんだ付けする。
上端の位相整合部の先端は心線を折り曲げて外部導体の兄戦にはんだ付けするが、この作業はすべてのエレメント接続が終わってショートしていないかどうかを確認してからすることが重要です。先端部を付けた後は各接続部の確認はできませんので注意してください。
加工が終了した先端部はこんな感じになります。
また、給電部はBNCで接続できるようにBNC-Jのコネクターを付けて通常のケーブルとの接続が容易にできるようにしました。 スタブは1.5D-2Vでつくり、最終的にはアンテナの調整時にCut&Tryで追い込むことにしました
調整
まず荒調整後アンテナを屋外に持ち出し、5mのグラスファイバー製の釣り竿にゴム製束ねバンドで固定して測定しながらスタブ長さを調整した。荒調整後ではこのようになっていた。
その後バランの長さを調整すると次のグラフのように徐々に周波数とSWRの値が変化し目標とするSWR1.2以下に近づいてきた。
最終調整はもう少し切り詰めてみたいと思っています。もしダメでももう一度スタブだけ作り直せばよいのでやってみようと思っています。
現状でのアンテナの特性を測定してみた。
今のままでもほぼバンド内は1.5以下で使えそうだ。ただし最低SWRはまだ1.22なので、もう少し下げられそうな感じだ。
全長はやく5mで手持ちの釣り竿でちょうど保持できる長さにできたので近いうちに移動運用に持ち出してみようと思っています。
2019 Mar
追加調整
やはりこのままでは少し調整不足のような気がしていたのでさらにエレメント単独での位相が0となる周波数を145MHzになるように各エレメントをAA-600で測定しながらカットアンドトライで調整してエレメント長を決めてTRY2としました。
TRY2
エレメント:717mm、マチング:359mmとしてスタブを調整したところ、次のグラフに示したようにいずれも145MHzまでは上がってこなかった。ただしTRY1と比べてエレメントをもう少し短くすることで調整できそうなめどがつきました。
ここではスタブをカットしていっても145MHzに近づくことはなかった
TRY3
そこでTRY3として上下のマッチング長さを調整して予備実験とした。
結果がグラフに示したように。上側マッチングを300mmまでするとかなり450MHzに近づいたがSWRは1.1以下になることはなかった。
TRY4
エレメント長さを707mmとしてTRY3のマッチングを上部353mm、下部350mmに作り直してスタブを調整した結果がこのグラフです。
Element : 707mm, Matching: 353U/350L, Stub: 193mm
最終的にはバンド全体にわたって良好なSWR特性になりました。
バンド全体のSWR特性はほぼ1.5以下と良好になりました。
であり、良好なデータが取れました。
AA600で計測したDIP点での特性はこのようになっていました。
バンド全体のほとんどでSWR1.5以下が確保できたのでとりあえずここで調整を終了としました。
この時のスミスチャートはこのようでした。
File: TRY4 S193W.AntScope
暖かくなったらこのアンテナで移動運用しようと思います。
11Mar. 2019
これから移動運用の季節ですね。
144MHzの同軸コリニアは調整し易すく再現性は高いです。
同軸コリニアもそこそこ知られてきて・・使っている方と交信できそうです。
430MHz以上では新たな調整方法が見つかりました。
また宜しくお願いします。
いつもご覧いただき、またコメントまで頂きありがとうございました。
先日ブログ見せていただきましたが全市全郡コンテスト全国1位おめでとうございました。すごいですね。