Discの裏に。

好きなゲームを応援するブログ。上田文人さんが好きで、制作チームgenDESIGNの情報も追っています。

東京ゲームショウ『人喰いの大鷲トリコ』レポート

2015年09月21日 | genDESIGN(team ICO)
お久しぶりです!いかがお過ごしでしょうか?
私はいろいろありますが、元気でやっております。



今回は、巨大ゲームイベント『東京ゲームショウ2015』の『人喰いの大鷲トリコ』ブースに行って参りましたので、その感想を投稿します。

9月19日、東京ゲームショウ2015一般公開日初日。

日本の文化としてゲーム業界の注目が集まる近年。年々増加する来場者数。今年はシルバーウィークも重なり、おそらく前年を上回るのではないでしょうか。
私にとって東京ゲームショウは今回の開催が初来場。
目的は、2015年の『E3』で発売年とトレーラー動画が発表された『人喰いの大鷲トリコ』です。
同時に、teamICOスタッフの方を引き継いで上田文人さんが立ち上げたスタジオ『genDESIGN(ジェンデザイン)』が、上田文人さんのTwitterやリニューアルされた『人喰いの大鷲トリコ』公式ホームページにて告知されました。これからはスタジオとして独自のコンセプトを持って、制作が進められるようです。

実物大トリコ

さて早速、『人喰いの大鷲トリコ』ブースについて。
場所は国際展示場6ホール、ソニーコンピューターエンターテイメントエリアの正面向かって左手前角に設けられていました。右隣にはソニーのイベントスペース。

およそ3階建てほどの高さの真っ白なボックスが建ち、その壁一面にプロジェクターで映されたトリコが!


投影されているトリコの大きさは実物大だそうで、目の前まで駆け寄ると、とにかくトリコはでかい!
正面に大人が立って上に伸ばした手が、ちょうどトリコのくちばしに届くような高さ。
横幅は5~6歩進めるくらい。


周りを砦の壁に囲まれて、ちょっとした檻のような場所にトリコがいます。その中でトリコは四本足で立ったまま左右に数歩移動でき、首を自由に動かせて、体を翻して後ろに戻ることができる広さがあります。後ろにはトリコが眠れるほどの空間があり、たまに奥でトリコが眠っている様子が観察できます。

写真、動画撮影OKだったので、撮りまくりました。
整理券のいらない展示で、柵はありましたが、手を前に伸ばせば投影された画面に触れるくらいの距離でトリコに近づくことができます。

するとトリコがこちらに気づいて顔を向けてくれます。トリコのほうに手を伸ばすと首を向けて顔を近づけてくれて、くしゃみをしたり、吠えたり、さまざまな反応を見せてくれます。


人に夢中で、顔を壁に押しつけた時に壁に当たる耳は、トリコの意思に関係なく折り畳まれたりしていました。


私含めみんな夢中でトリコの前で手をばたばた、腕をふりふり、左右にうろうろ。

...かわいい!

とにかく見ていて飽きません。動物園で動物を見ているのと感覚は似ていますが、ペットを眺めているような癒しを感じられました。他のコーナーをいろいろ見て回ったのですが、ゲームショウに居た時間の8割くらいはトリコブースに居て、付きっきりでトリコを見ていたと思います...(笑)

周りの人達の反応を見るのも楽しく、
「かわいい~!」
「これこれ!すげぇなぁ」
「ちょっと怖い...」
「あれ?これ開発中止してなかった?」
などいろんな声が(笑)
かわいいという反応は圧倒的に多かったです。
実在しないけれど、徹底して作り上げられた生き物への愛情は、どんな人にも共通した気持ちなんだなぁと思いました。

女性の割合が多く、子供も楽しそうに手を振っていたのが印象的でした。

また、インストラクターの方がたまにピンクの大きめなゴムボールを出してくると、トリコはそれに興味津々。
視線や顔、首はボールを必死に追いかけます。
ボールを近づけたり遠ざけたりすると、一旦奥に引っ込み、駆け寄る動作が見れたり。
トリコの動物としてのさまざまな新しい発見がありました。

東京ゲームショウ初公開トレーラー

続いて、トリコが投影された壁面の左面は、壁がくりぬかれた空間の奥にスクリーンがあり、2015年『E3』で発表されたトレーラーに、トリコと少年の関わりが見れる少し長めの映像と、冒頭に上田文人さんのメッセージ動画が追加されたムービーが鑑賞できるシアタースペースがありました。
カメラ撮影禁止でしたが、トリコのプロジェクター展示より、興味を持った方が多く、常に人だかりができていました。

内容は、『E3』トレーラーの少年が屋外に行く前にトリコとの関わりが描かれていました。
トリコが少年よりも樽に興味を示したり、少年がトリコの体に刺さる槍を抜いてあげたり。
こちらも今ゲームショウでしか見られない?映像を見られて、まだまだ奥が深いなぁと思いましたし、好奇心を持つと発見できることは多く、生き物を観察するのと同じ感覚をゲームで体感できるなぁと思いました。
また、teamICO及び上田文人さんが作る、ゲームでしか表現できない世界はまだまだこれからも進化し続けていくでしょうし、それを見続けていられる同じ時代に生まれたことに感謝しています。

トリコブースは大まかには以上の内容でした。
ほぼトリコに見とれていた『東京ゲームショウ2015』でした。

感想

今回、『E3』で『人喰いの大鷲トリコ』の発表を楽しみに待っていた方、久々の新情報に歓喜した方は多いと思います。
ファンにとってはとても嬉しい発表となりましたね。

発売予定は2016年。
対象ハードはPS4。
当初は私もPS3で発売されると信じ、購入して待っていた内の一人で、少し悔しい思いもしましたが(笑)
PS4でしか実現できなかったんじゃないかという出来だと感じましたし、PS4に移植してまで完成させようと決めた意向はきっと難しい道だと思いますが、相当な決意が感じられました。
情報が錯綜し、どぎまぎさせられた時期もありましたが、今は一安心しています。

ICO発売からトリコ発表までの歴史

トリコと絡めてもう少し振り返りたいと思います。
『東京ゲームショウ2015』の展示の一つに「ゲーム歴史博物館」があり、ゲームが生まれてから昨年まで年代ごとに、発売されたゲームやハードの紹介、社会や経済の動向がパネル展示されていました。

1990年。スーパーファミコン発売。バブル崩壊。
2001年『ICO』発売。
米同時多発テロ
2005年『ワンダと巨像』発売。
2009年リーマンショック。
『人喰いの大鷲トリコ』新作発表
2011年東日本大震災。
『ICO/ワンダと巨像LimitedBox』発売
『人喰いの大鷲トリコ』発売延期発表
2013年『風ノ旅ビト』発売。
2015年
『人喰いの大鷲トリコ』2016年発売予定


『ICO』が発売されたのは14年前。
『ワンダと巨像』が発売されたのは10年前。
今でも評価は高く、日本だけでなく海外にもファンは多いです。
その評価が続いたからでしょうか、2011年に両タイトルがPS3でリメイクされ発売されました。
しかし同年、『人喰いの大鷲トリコ』の発売が延期されるとの発表があり、発売時期も対応ハードも未定という状況に...。
プロデューサーの海道賢二さんは担当から離れ、上田さんはソニーを退社。
開発もスムーズに続いているのかも見えない状態...。
その後、毎年のゲームイベントでも新しいゲーム内容の告知はほとんどなく、情報を掴みようがない霧の中のような年が何度か過ぎました。

そうして2015年、『E3』での発表を迎えたのでした。
ソニーのプレゼンテーションは『人喰いの大鷲トリコ』から始まりました。
暗闇に白い羽が舞い降りて来た時の喜びは、会場に居たファンの人達、映像を見た方には忘れられない瞬間となったはずです。

トレーラーが終わり、壇上に立ったのは、ソニーの吉田修平氏。
観客席の方を見て真っ先に紹介したのが、上田文人さんでした。
会場からの拍手に笑顔で手を振った上田さんの姿も忘れられない瞬間となりました。

まとめ ゲームと時代

以上、今日までさまざまな道程を辿ってきた14年間。そしてトリコの発表からは6年経ちました。私たちを取り巻く社会の様子も変化し続けています。

時代が変わる中でも、上田文人さんの作品や作り手としての思考は時代の中に凛として、背筋を伸ばして立っていたと思うのです。
私が上田さんの作品が好きな理由の1つでもあります。

日本経済全体を見ると、バブルの崩壊からずるずると下り坂を辿っています。一度持ち直していますが、リーマンショックと震災が重なり、現在もそのずるずるに乗っかって、どこまで行くのだろうという印象です。

物が大量に生まれ、簡単に安く手に入るようになり、その分簡単に捨てるようになりました。
その流れもそろそろ終わるのではないかという人もいます。

ゲーム業界ではスマートフォン向けのゲームが増え、参入する会社も増え、間口が広がりさまざまな楽しみが大幅に増えた反面、ゲームも消費される時代になりました。

上田さんの制作は時代とは逆行しています。開発に時間もお金もかかり、利益の回収が難しくなっているのが実状だと思います。

では、それでも制作を続ける意味はどこにあるのか。
長く愛される、息の長い作品を残す価値はあるのか。

宮崎駿さんがこんなことを仰っています。

「人は生まれた時代の中に生きるしかない。そこで自分はどこにいるのか。どちらに属しているのか、属していないのか。歴史の歯車に乗っかっている時に、自分は真面目にやった、自分は正しいことをしているから、好きなことを一生懸命やってるからいいんだということではないんだ。じゃあ自分が今やっていること、やりたいと思っている裏側にはどんな意味があるのか。やりたいと突き動かされているものはなんなのか。果たしてそれは良いものなのか。そこまで考える必要がある」

世界を見渡せばさまざま出来事が起こっています。生きていれば、気持ちに反して矛盾が必ず生まれます。
ただやりたいんだとか、これが正しいんだとか、すべてのものが手放しで良いものだとは言えないんだなぁと。
その矛盾を抱えながら、自分が担っていることの意味や価値を信じていくしかないんだと思います。
では今漂っている世間の空気と人の心はどうなっているでしょうか?

ほんの少しのお金があれば、衣食住や娯楽その他を簡単に満たすことができる。
そんな生活が今目の前にあることは本当に豊かで幸せなのだろうかと、ちらっと考えたりもします。
現代はそのずるずると生活が続いていますが、実際に生きている私たちの心はどうでしょう?

街は人工物で溢れ、デジタルのコミュニケーションが増えた生活を送る人が多い中、人喰いの大鷲トリコはどのくらいの人に受け入れられるのだろうという心配が、作り手ではないですがファンとして抱いた気持ちがありました。

そんな心配も、トリコの展示を見た人達の反応で解消されたように感じました。
対面するのは架空の生き物で、しかし実在感に説得力のあるトリコのような動物を愛でる感覚が、まだ自分にも周りの人の心にも備わっているんだと安心しました。

『ICO』や『ワンダと巨像』も、時代や人の気持ちの変化に流されない、年代を越えて愛される魅力を生み出すことが、ある意味で時代を見つめ、人に寄り添う存在になっているのではと思っています。

おわりに

最後に、トリコ展示スペースにて、スタッフさんに駆け寄ってくる1人の女性。

「2009年の発表からずっと待ってました!楽しみにしています!」
と、顔は笑顔で、目には涙を浮かべながら話していました。

作品が時間を越えても消えることなく人の心に残っていて、人を繋いでいるんだと。まだこんな風に人の繋がりがあるんだと。女性の言葉に本当に救われる思いです。
私自身も驚くような、出会いが今までにたくさんありました。その縁に本当に感謝します。

「僕も待ってました!」
と心の中で叫び、同じようにこの日を待っていた人達のエネルギーや気持ちを共有できたことにも感謝した1日でした。

gen DESIGNのスタッフの方々、上田文人さん、人喰いの大鷲トリコの制作、日々お疲れでしょうが頑張ってください。

トリコと少年の素敵な冒険を楽しみに待っています!
トリコ展示、ありがとうございました!!

とりとめのない文章となってしまいましたが、読んでいただいてありがとうございます。

来年の発売が楽しみですね。
その頃にはPS4がもう少し安くなっているかな(笑)

ではまた!


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