季節のはざまで 2020-04-06 11:03:41 | 詩 長かった冬が終わり待ち焦がれた春が来た雪割草の顔を見せ瞬く間に春はどこかへ行ってしまった 後に残されたのは季節とは言えない季節だその季節の中で春でも夏の始まりでもない冬の名残でもない不愛想な時間だけが通り過ぎてゆく 人の感性なんて取るに足りないものだねそう私に言い聞かせて 家を出るあぜ道を歩く浜に行き海を見つめる黒ずんだ砂を手に取る 指の間から少しずつこぼれてゆく砂 結局何にも考えてはいないんだ私は そんなことはないさそんなことはないけどさ « 川柳 2句 | トップ | 狂歌のお勉強 »