いくやの斬鉄日記

オープンソースからハイスクールフリート、The Beatlesまで何でもありの自称エンターテインメント日記。

Ubuntu Magazine Japan vol.8のボツ原稿公開 -UnityとGNOME Shell-

2012年09月23日 22時08分18秒 | Ubuntu
というわけで、うぶまがvol.8のために書いたものの、自主ボツにした原稿を公開します。
書いた時期はゴールデンウィーク前後のようです。
それにしても長すぎですね。これだけで1ページ埋まっちゃいます。ドッテクだとこれでもよかったかもしれませんけど、うぶまがには長すぎます。
GNOME 3.6のGNOME Shellはわりと大きな変更が入るので、ここに書いたこととは一部異なっていますが、まだ出てないしセーフということで(ぇ

 そもそもUbuntu(というかカノニカル)は、どういった理由でGNOME Shellを採用せず、わざわざ多大な労力と費用をかけてUnityを開発するに至ったのであろうか。マーク・シャトルワース氏の2011年3月10日のブログにその答えがあった。要約するとCanonicalとしてやりたかったことをGNOME Shellに盛り込むように提案したが、受け入れられなかったとのことだ。プロジェクトの主導権を握るために自ら開発するというのは、オープンソースの世界ではしばしば行われることであり、特段珍しいことではない。
 興味深いのは、確かにGNOME ShellもUnityもデスクトップ環境のユーザーインタフェースであるが、今となっては方向性がだいぶ異なっている。GNOME Shellの開発は2008年から始まり、2011年4月にGNOME 3.0の一部分としてリリースされてからGNOMEと共にバージョンアップするも、大きな違いはみられない。コンセプトがよく練られているのと、機能を最小限必要なものだけに絞り、あとは拡張機能で柔軟に拡張できるようにしたのがその理由であろう。一方Unityは2009年から開発が始まり、Ubuntu 11.04からデフォルトになったものの、リリースされる度に外観や機能が大きく変更されているし、実は内部的にも何度となく大幅に書き換えられている。
 大きな違いはまだある。それはUnity Lensの存在だ。大雑把にいうと、Lensを追加すると、「検索」できるものが増える。これまでのランチャーはメニューをたどって起動したいアプリケーションを起動していたが、Unityでは起動したいアプリケーションやファイルなどの文字を入力して「検索」する。Ubuntu 12.04のUnityでは更に徹底し、Dashを起動すると最初は文字を入力する「検索」欄しかない。使い込んでいくと「最近使ったアプリ」などが表示されるようになるが、我々は「検索」欄しかないインターフェースによく馴染んでいる。そう、Googleだ。大袈裟にいうと、Googleの使い勝手をデスクトップ環境のユーザーインターフェースにもたらしたのがUnityといえる。
 GNOME Shellは、通常モードとオーバービューモードに分かれているのが特徴だ。アプリケーションの起動やワークスペース(仮想デスクトップ)の切り替えなどはオーバービューモードだけで行える。あと、ワークスペースの数を動的に増やすことができ、ワークスペースを自分で意義付けできる。あのワークスペースではこの作業をやり、このワークスペースではあの作業をやるといった感じだ。ワークスペース間のウィンドウのやりとりも実に簡単にできる。こちらも大袈裟にいうと、アプリケーションを起動して作業に没頭できるのがGNOME Shellの特徴といっていいだろう。一方Unityのワークスペースは4個固定であり、原則としてすべてのウィンドウが全画面表示される。すなわち、最大4つのウィンドウを使用することを意図しているということだ。確かに、Unityの名のごとくさまざまなデバイスで同じユーザーインターフェースを使用しようとすると、それもまた合理的であると言える。もっぱらビューワーとして使用されるスマートフォンやテレビで作業の効率を求めたところで意味がない。
 ここまで方向性の違いがあると、もはやどっちが優れているとかそういった観点では評しにくい。自分に合うかどうかだ。ここではGNOME Shellを使用する上でのコツを紹介するので、Unityと比較してどちらが自分にとって使いやすいかを考えてみて欲しい。
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LibreOfficeで実際にあった、寄付をするからバグを修正してよという話。

2012年09月23日 21時44分17秒 | LibreOffice/AOO
Bug 48729 - autocorrect limit. acor.dat with entry 65535: Loop and/or loss of acor data

私もよく知らないのですが、オートコレクトは65534個までしか登録できないんだそうです。
もともと4年前にOOoにバグ報告をし、AOOになっても梨の礫なのでLibreOfficeにしたということみたいです。

LibreOfficeでもしばらくは放置されていたのですが、Michael Meeksが「直すのはたぶんそんなに難しくない」というコメントをつけてから話が一気に進みました。
報告者は直して欲しいけど開発者ではないので、TDFに50ユーロを寄付し、このバグを直してくれた人の口座にも50ユーロを振り込むという宣言をします。
そして、直すという宣言をした人が出てきますが、寄付は要らないといいつつも颯爽と直していきました
uInt16だったのをuInt32にしたのですね。バグというよりは仕様というほうが妥当でしょう。

これは単なるいい話ではなく、なかなか教唆に富んでいると思います。
特に日本では顕著だと思うのですが、ただだから使ってるけどお金払ってまでバグを修正したり新機能を追加してほしくない、という状態だと、発展にも限界があります。
お金を出しても修正したいという人(法人)と、それを引き受けて実際に作業する人(法人)をマッチングすることができればいいのですが。
日本語関連の機能はバグも多く、足りない機能もたくさんあります。LibreOfficeが継続的に発展していくには、こういうことが必要なのだなと思いました。
かといって私ができることは何もないのはもどかしいのですが。
コメント (1)
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すぐわかる GIMPではじめる フォトレタッチ講座 改訂版 (すぐわかるシリーズ)

2012年09月23日 21時27分39秒 | OpenSource Software
すぐわかる GIMPではじめる フォトレタッチ講座 改訂版 (すぐわかるシリーズ)
クリエーター情報なし
アスキー・メディアワークス


GIMP 2.8対応に改訂されたということで買ってみました。いえ、正確には店頭で見かけたから買ったのですが。
私が使うのはせいぜい範囲指定とちょっとしたレタッチ程度ですが、知りたかったことを知ることができて満足しました。

GIMPそのものに関しては無料ということだけしか書かれておらず、オープンソースであることや翻訳がボランティアで行われていことなどに全く言及されていないのは残念ですが、まぁ世の中そんなもんですよね。
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