死ぬ運命の対象となるものが、他の生き物を殺したとき、その運命は、他の生き物に移り、最初に死の対象となった生き物は生き残るというのが、エリーゼの説明だった。
またその生き物は、対象と同じ種族の生き物でなければならない、とも言った。
その後エリーゼは、トランを連れて外に出て行った。数時間して、エリーゼが交通事故に遭ったとの連絡があり、トランは死なず、道路の路肩で泣き喚いていたことが目撃者からわかっ . . . 本文を読む
トランの母親は、エリーゼといった。
エリーゼは聡明で優しく、強い意思のある女性だった。
トランが幼い時に、交通事故で亡くなってしまった事になっている。
相田は、お父さんのこの、事になっている、という言葉に対して些かの疑問を抱いたが、それと同時に、お父さんが言葉を続けたので、そこで口を挟むのはやめた。
エリーゼが死ぬ2日前、幼いトランは今と同じように、泣き喚いていて、理由を聞くと、自分が死ぬ未来 . . . 本文を読む
トランが不気味な一言を言った。
翌日の晩にはみんな殺されてしまう、という。
相田がよく聞くと、トランは、みんなが殺されてしまう近い将来が見えると言った。
殺されるのは4人。
２人組の男女がやってきて、背後からナイフで一突き。
時間は7か9を指した針が時計に見えるが正確にはわからない、ということだった。
相田がこれまで見てきた様に、トランが見た未来は、百発百中で現実のものとなっている。
驚き . . . 本文を読む
