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アッラアアア

宝島 9

2019-02-21 | 宝島 ワンダーランド
死ぬ運命の対象となるものが、他の生き物を殺したとき、その運命は、他の生き物に移り、最初に死の対象となった生き物は生き残るというのが、エリーゼの説明だった。

またその生き物は、対象と同じ種族の生き物でなければならない、とも言った。

その後エリーゼは、トランを連れて外に出て行った。数時間して、エリーゼが交通事故に遭ったとの連絡があり、トランは死なず、道路の路肩で泣き喚いていたことが目撃者からわかった。

トランはあまりのショックに、その頃の記憶がなくなってしまっているが、その時事故の前後では、エリーゼがトランに自分の体を押させようとしていた、という事が分かった。

周りからはエリーゼがトランを交通事故から救ったんだ、そしてトランが助かって良かった、と言われた。それはそうだが、事実は微妙に違う。それだと、死の運命はトランからエリーゼに移らず、トランが死ぬ運命となってしまう。


エリーゼはトランを助けるために、トランに自分を殺させたんだ。

そして、そうする事で、実際にトランは生き延びた。

これからわかること。
つまり、死の運命を回避するために、俺たちがやらなければならないのは、死の運命を他の誰かに移す事。つまり、今からやってくる二人組の男女を返り討ちにする事だ。

そして、もしものときは、、

まあいい、とにかく明日の晩までに色々と準備しておく必要がある。

そう言うとお父さんは部屋を出て行った。

相田は、最後にお父さんが言葉に詰まった部分について、少し気になったが、とりあえずは今直面しているこの現実をわすれて、落ち着くことに努めた。

外に出て深呼吸をする事にした。
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