命きらめいて☆馬、犬、猫など動物に関する理不尽な事件や心温まる出来事の記録

円山動物園マレーグマ虐待死亡事件/脱走シマウマ水死事件/動物虐殺事件/宮古馬放置死事件/上げ馬神事

慰霊祭

2015年09月25日 22時51分14秒 | 事件
マレーグマなど慰霊祭 円山動物園

2015年09月25日 YOMIURI ONLINE

 札幌市円山動物園で24日、8月までの1年間に死んだ動物の冥福を祈る「動物慰霊祭」が行われた。同園では7~8月にマレーグマなど飼育動物が相次いで死んでおり、この日は地元の幼稚園児や市民ら約100人が出席した。

慰霊祭は、9月20~26日の動物愛護週間に合わせて、毎年実施している。今年はマレーグマのメス「ウッチー」(推定30歳以上)など飼育展示中に死んだ34種71点の動物が対象で、出席した市民らは果物などが供えられた慰霊碑に向かって次々に花を手向けた。

 同園はウッチーの死を受け、飼育管理体制など様々な見直しを進めている。慰霊祭で田中俊成園長は「マレーグマから立て続けに事故が続き、皆さんに悲しい思いをさせた。愛される動物園を一日でも早く取り戻したい」と述べた。出席した札幌市東区の主婦小川晃子さん(34)は「職員は精いっぱいやっていると思うが、休園日をもっと増やすなどして、動物が無駄に死ぬことを防いでほしい」と話していた。

2015年09月25日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20150925-OYTNT50035.html?from=tw

9月20日から26日は動物愛護週間だ。「ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするため」にあり、円山動物園では毎年この時期を選び、動物園で飼われそして死んだ動物たちの霊を慰め、鎮めるために慰霊祭が行われるようだ。

園長の挨拶の中でウッチー、飛馬、ナナコたちの死を事故だと言っていることに腹が立っている。ウッチーの死は事故と言うより事件であるからだ。他の二件も事故ではなく不祥事だ。

死んでもいいと放置死させながら、あくまでも虐待死事件だと認めない姿勢は本当にすごいと思う。飛馬の死は明らかに輸送の不手際、ナナコは過長蹄が原因でどこが事故なのか。全ては起きるべくして起きている事象ばかり。部下たちの嘘に塗り固められた報告をまさか本当のことだと信じているのではあるまいに。

建て前と本音、表マニュアルと裏マニュアル、真実とごまかしなど醜い二面性が目に付くことばかりの円山動物園の言動には天国の動物たちも呆れていることだろう。ウッチーの月命日である24日の慰霊祭での「あれは事故発言」のお陰で鎮まるものも鎮まらないに違いない。


(追記)
慰霊祭の様子
https://www.youtube.com/watch?v=kleNkWyO0Uo

https://www.youtube.com/watch?v=e3NItM09rzI

毎日新聞記事より(記者の目)

2015年09月25日 12時12分27秒 | 事件
記者の目:動物死相次いだ札幌・円山動物園=山下智恵(北海道報道部)

毎日新聞 2015年09月25日 東京朝刊

 ◇専門職員育て再生を

 札幌市円山(まるやま)動物園で今夏、飼育動物が相次いで死ぬ問題が起きた。全国から批判の声があがり、市の別の機関が立ち入り検査に入り、10月に予定されていた新施設「アフリカゾーン」の全面開業が来年夏に延期されるなど異例の事態となっている。

 最初に死んだのはマレーグマの雌「ウッチー」(推定30歳以上)だった。若いペアの繁殖を促すため、「仲介役」として3頭で同居に慣れる訓練をしていたさなか、5歳の雄との間で約20分に及ぶけんかが起き、翌7月25日、死んでいるのが確認された。

 死因は、折れた肋骨(ろっこつ)が横隔膜に穴を開けたことによる腸管ヘルニア。5歳の雄が執拗(しつよう)にウッチーを攻撃する様子が来園者によって撮影され、動画がインターネット上に拡散すると、「なぜ引き離さなかったのか」などといった批判が殺到した。
 
◇「放置型虐待」市が改善勧告

 こうした世論を背景に、市動物管理センターは円山動物園に対し動物愛護管理法に基づく立ち入り検査を行った。同園は、けんかがあった際、飼育員は1人で担当しており的確な判断を行えなかったとし、事故報告書で「獣医師の立ち会いがあれば防ぐことができた可能性があった」と言及した。同センターは、激しいけんかが起きた場合の対策が講じられていなかったなどとして「管理体制に不備があった」とする改善勧告を行い、「ネグレクト(放置)型の動物虐待」と指摘した。

 勧告から2日後の8月23日、アフリカゾーンへの移動作業中にグラントシマウマの雄「飛馬(ひゅうま)」(6歳)がストレスによる肺水腫で死に、さらに1週間後の同30日、マサイキリンの雌「ナナコ」(11歳)が誤嚥(ごえん)により窒息死した。円山動物園はシマウマとキリンの死に過失はなかったとしているが、動物の新施設への移動方法を再検討する必要があるとして、10月に予定していたアフリカゾーンの全面開業を先送りした。


 ◇拡大路線の一方、組織改革後手に

 円山動物園は1990年代にレジャーの多様化などで来園者数が低迷。一方で、同じ北海道内の公立動物園である旭川市旭山動物園が動物の生態を生かした行動展示で全国的な人気を博し、2001年度に来園者数で追い抜かれると比較されるようになった。

 05年には、動物の餌として寄付されたコメを職員が自宅に持ち帰る不祥事が発覚。この問題に伴って市監査委員による行政監査が行われ、展示方法が旧態依然としているほか、施設の老朽化に対する整備計画が不十分などと指摘された。これを受け円山動物園は07年に基本構想を策定。展示施設の整備・拡充などの改革に着手し、「拡大路線」へ突き進む。遊園地を廃止してアジアゾーンを新設したり、夜間開園を行ったりして、05年度に50万人を割っていた来園者数が13年度には100万人近くにまで回復した。

 その一方、組織改革は後手に回った。09〜11年度に園長を務めた市の酒井裕司・みどり環境担当局長は「園長は事務職。3人いる獣医師は数年で異動する。専従者がおらず、動物の飼育に関するノウハウの蓄積・継承が不十分だった」と振り返る。

 飼育員は業務職員として清掃や学校事務などの職場と一括して高校卒業者が採用される。飼育員を目指して専門学校で学んだ人には門戸が開かれていない。動物管理の専門家は「飼育を志す人材は動物への愛情が違う。専門職の導入が望まれる」と指摘する。

 円山動物園は改善計画で人材の確保・育成について、外部識者の意見を聞いて検討を進めるとし、秋元克広市長は今月8日の定例記者会見で「専門性を組織として蓄積できていたのか。専門学校を卒業した職員を採用するなど、人的体制の強化を検討したい」と述べた。

 日本動物園水族館協会によると、円山動物園の哺乳類の年間死亡率は11・7%(14年度)で、他の動物園と比べとりわけ高いわけではない。自治体が運営する動物園では専従職員がいないケースも珍しくない。ただ近年、動物園はレジャー施設であると同時に、希少生物の繁殖保存を図る役割や環境教育を担うことが重視されている。施設の充実を図り入場者数を増やすことも大事だが、同時に職員の専門性を高めることが不可欠だ。

 円山動物園は前者に偏りすぎていた。動物たちの死は、そのことに警鐘を鳴らしてくれたのではないか。同園はホッキョクグマの繁殖では全国屈指の実績を誇る。動物たちがいきいきと暮らせる環境づくりを進め、訪れた人が楽しめる動物園に一日も早く再生してほしい。

写真入り記事のURL(そのうちリンク切れになる可能性あり)
http://mainichi.jp/shimen/news/20150925ddm005070011000c.html

今まで読んだ報道記事の中では一番詳しく、憶測ではなく事実に基づいて記され記事だと思う。(一方的な襲撃なので「けんか」という表現はいただけないが)

動物のことが好きでもなく望んでもいないのに勤務する人たちの多い札幌市営の動物園で、起こるべくして起きてきた数々の動物の命を軽視した事故や事件がウッチーの後も多発した。

グラントシマウマの飛馬は400メートル移動するだけなのに、扉の不手際で20分も真っ暗な箱に閉じ込められたのが原因のストレス性心不全の結果の肺水腫

マサイキリンのナナコは削蹄の訓練が進まず、蹄が伸びすぎて倒れた結果、胃の内容物が逆流しての誤嚥

二頭ともまだ若くして命を失うことになってしまった。

最期の部分だけ見れば「うちのせいじゃないからね~。」で逃げることができると思っているようだが、今の時代はブロガーという目撃者がいるからそう簡単には逃げられないと覚悟してほしい。

警察の捜査が入った場合は市が「ネグレクト型虐待」と断罪したウッチーの事件が故意によるものかどうかと、シマウマやキリンの死に本当に過失がないかをしっかり調べてほしいと思っている。

(追記)
記事に対しては「なぜウッチーにあんな同居訓練をさせたのか?」という最も肝心な部分に触れてないことを非常に残念に思う。他の記事が素晴らしいだけになおさらだ。