宮古馬に関する新しい記事が出たので紹介したい。
ハーバービジネスオンライン
宮古馬虐待が全国に知れ渡った日、無残にも放置された仔馬の死 2018.12.21
『週刊SPA!』宮古馬取材班
https://hbol.jp/181720
記事にはせっかく全国の善意のミルクで助かったのに、11日骨折のために亡くなったかわいい仔馬のことも詳しく書いてあった。名前はカイト君。
繋がれて倒れこんでいたカイト君の母馬↑は「S氏に委託される前はとても健康で美しかった。」とは前の飼い主の証言である。温厚で優しかったその母馬は、S氏のもとでみるみる痩せ細っていき、カイト君を産んでさらに体力を消耗し、十分な餌ももらえないまま衰弱したのだと証言した。
市もそれを見ていながら放置していたことは前に書いた。その母馬は出産後しばらくして力尽き、残された生後1か月のカイト君も固い草しか与えられず衰弱していったという。
市の担当部署にそのことを連絡しても、仔馬用のミルクを調達するように緊急要請しても、見に行きもしなかった。あろうことかボランティアさんたちに「他人の土地だから立ち入らないように」とレスキューをやめさせようとさえしたらしい。
飼養しているS氏はやっと元気になったまだ小さなカイト君を小学校に連れ出そうとしたので、必死に市に抗議し止めさせたのは県外の馬関係者だという。
安心したのもつかの間、仔馬は危険な繋ぎ飼いで骨折し、ギプスをされたが弱って亡くなった。S氏の不潔な厩舎で、泥だらけの無残な姿で放置されていたの発見した方たちの無念さはいかばかりだろう。その写真も掲載されていた。まるでゴミのような扱いではないか!ネグレクトではないと言える神経を疑ってしまう。
また、驚くことにそのS氏は5頭のうちカイト君を最後に4頭も死なせているのにもかかわらず、残る一頭の雄馬の返還をこばんでいて、3月までなのかはわからないが、まだ市は預け続ける方針なのだという。別の取材のときには、11歳だったその母馬を死なせた原因を問われたS氏は、高齢出産だから弱って死んだと答えたらしい。とんでもない。馬の11歳ならまだまだ若く現役だ。そんなことを平気で言っている人にこの期に及んで預け続けるというのだろうか。
今まで群れで暮らしてきた馬を一頭きりにすることは馬のためにも良くないし、飢えという命の危険もあるので市は早急に引き取る義務があるだろう。あきれることがもう一つある。市の担当部署は取材班に飼育放棄(ネグレクト虐待)があったことを否定し、報道されたニュースはすべて昔のことだと言い放つ。1~2ケ月前の写真でさえ昔とは!それこそ昔の村社会を見ているような対応である。
それにしても悪徳飼養者たちは市役所の関係部署に親類縁者でもいるのだろうか?特別扱いすぎる。助成金の話でも優遇されていたという話があるし、明らかにひどいネグレクトでほとんどの馬を死なせているのに、委託し続け、虐待はなかったとかばうのはなぜだろう。
保存会は何をしていたのだろうか。事務局が畜産課から教育委員会生涯学習振興課に移った時点で、このような対応になるかもしれないことは予想がついていただろうに。市、保存会、委託飼養者の三者それぞれが違う方向を見ているとも思える。
見て見ぬふりをした怠慢な市、知らぬが仏の保存会、馬を死なせてばかりいる悪徳飼養者。三者ともに大きな責任があり、このまま何も変わらなければ、絶滅は免れない模様だ。
この事件は今まで記してきた事件と比べ、言い逃れもごまかしもできない数年前からの飼い主のネグレクト(飼育放棄)という虐待行為が明白だ。警察の力を借りるのも有りのレベルではないだろうか。市長は逃げたのか、今年から保存会の会長を外れ、馬のことが全く分かっていない人ばかりがいると思われる部署に担当が変わったことにも、意味があるに違いない。
宮古馬は宮古島の宝だが、日本の宝でもある。絶滅すれば、秋田犬や柴犬がいなくなるのと同じくらい寂しいことなのだ。